都議会公明党、都民ファーストの会・東京都議団が共同提案し、東京都議会自由民主党が提案に加わった「東京都議会議員の政治倫理に関する条例案」について、討論を行います。
本条例案は、都議会自民党の収支報告書において、不記載が継続されてきたことを踏まえ、全ての政治活動資金収入の預貯金口座への入金、会計責任者等への監督責任などを政治倫理規準に明記するとともに、ハラスメント対策や多様な人権を尊重する都条例への遵守も義務付けております。
審査会は、議員を一切含めず、学識経験者、弁護士、公認会計士、税理士などから構成し、完全な第三者による常設の機関とする画期的な内容であります。第三者のみとするからこそ、恣意性を排し、公平性、公正性を担保することができます。
日本共産党、立憲民主党などが提案する対案では、条例の対象を政治資金の取扱いに限定しています。
しかし、先行する多くの条例では、すでに幅広く政治倫理規準を定めています。無所属・少数会派の議員の方々からも、職員採用や契約などにおける圧力の禁止やセクハラ対応を求めるほか、条例名称に「政治資金に係る」という文言を加えることに反対する意見も頂戴しております。
加えて、過去に政治不信を招いた不祥事は、買収、行政や民間に対する不当な介入、無配慮な言動、今日から見ればハラスメントに当たる行為など様々です。都が定める条例は政治不信を招くあらゆる行為の再発防止を目指すべきです
さらに政治資金の取扱いでは、私たちの共同提案では、詳細に厳格化を図っているのに対し、共産・立憲などの対案では単に政治資金パーティーの自主的な禁止とあるだけです。
しかし、政治資金の入手方法はパーティーだけではありません。今回のような不記載は寄付などにおいても発生する可能性があり、収入手段の違いを超えて厳格化や透明化を図る必要があります。
透明化という点では、「マルマルを考える会」のような団体が政党と一緒に行動し、その団体の中で動員費や交通費などの諸経費が集金され支出されている事例も聞きます。それも当該政党の資金調達力の一部かもしれませんが、政治に係る資金の流れの透明化を図る上では、それこそ、法令化を待つまでもなく、株式会社における連携決算的な自主的公開が望まれます。
さらに、対案を主張する会派は、ハラスメント対策や多様な人権の尊重を求める都条例の遵守を政治倫理規準に含めることに反対を唱えています。
これらの都条例は、すでに都議会で可決され、都民や都内の事業所に遵守をお願いしている内容であります。議員の倫理規準に含めることには反対というのでは、都民に対し顔向けができません。
各業界団体も、条例に基づいて具体的な自主規制を作成し、ハラスメント防止に取り組み始めています。議員間での対応で課題があるのなら、それこそ議会運営委員会のもと、「議会の在り方検討会」で解決を図るべきです。
このほか、共産・立憲などの対案では、審査会の常設化を活かして、議長や議員に対する研修や注意喚起の実施を求める規定がありません。この点は私たちの共同提案ではしっかりと規定化されております。
なお、あえて、施行日より以前の行為は本条例案の対象とならないことを明示しました。不利益を伴わない取扱いや利益を付与する取扱いであれば、遡及することも可能であり、現に検討委員会では過去の事例も議論の対象となりました。
しかし、審査会では政治倫理基準の違反に当たる場合には様々な処分的措置の勧告を議長に対して行うことになり、刑法と同じく不遡及とならざるをえないのであります。
以上、議員各位のご理解とご賛同をお願いし、共同提案者を代表しての討論と致します。
以下のリンクをクリックすると、本会議で可決された条例の最終版PDFがダウンロードできます。
東京都議会議員の政治倫理に関する条例(案)
この記事に関するお問合せは
都議会公明党 TEL:03-5320-7250 まで