令和7年6月6日
都議会公明党 幹事長 東村邦浩
1.本日、今期最後の本会議となる、令和7年第二回定例会が閉会しました。都議会公明党は、「家計応援計画」となる物価高騰対策、酷暑対策、教育環境の充実、賃上げや人材確保などの中小企業支援、医療施策、介護・福祉施策、防犯対策、水害対策などについて、具体策を提示して、活発に論戦を展開しました。

2.物価高騰対策について、都は、都議会公明党の要請をしっかりと受け止め、都民の生活費負担を軽減するために、水道の基本料金を4カ月間無償とする補正予算を、迅速に編成しました。この無償化は、共産党が主張するような、水道事業の経費不足につながる単純な引下げ案とは異なり、一般会計からの繰り入れをして実施することが、都の答弁で明らかになりました。将来にわたる、都民の安全・安心に配慮した、都の素早い対応を高く評価します。
3.また、電車に比べてバスの通学定期の割引率が低いことから、都内のバスに対する小学生から大学生までの低額の学生パスの導入を求めました。これに対し都は、国や交通事業者等とともに学生等の通学費の現状を踏まえ、課題を整理していく考えを示しました。速やかに検討を進め、学生パスを提供していくことを求めるものです。
4.東京アプリのつながるキャンペーンについては、支給するポイントを、物価高騰対策として、7千円分から1万円分に増額することを求めました。これに対し知事は、社会経済情勢や国の動向を見極め検討していく考えを明らかにしました。様々な生活必需品の値上がりにより家計は大きく打撃を受けており、早急な実施を求めるものです。
5.また、スマホの操作に不慣れな方、身体的状況により扱えない方、持っていない方も同キャンペーンを利用できる手立てを求めました。これに対し都は、アプリに対応したスマホを初めて購入する高齢者を対象に、上限3万円で購入費助成を行う、区市町村を支援するほか、アプリ登録などを購入店舗で行うことや、コールセンター機能の強化を明らかにしました。加えて、なりすまし防止を図りながら、家族等が代理で手続きを行えるよう検討する旨も答弁しました。都議会公明党の要望に対する、きめ細かい対応を評価するものです。
6.酷暑対策については、都発注工事における、暑さ指数の把握及び指数に基づく受注者・下請け事業者での工事中断・中止の実施、工期延長に伴う事後的な費用補填、加えて、電動ファン付きウェアの購入経費等の、確実な補填を求めました。都は、暑さ指数の測定器を工事経費に含め、作業の一時中止を含めた対策の実施を受注者に助言するとともに、電動ファン付きウェアや工期変更に伴う経費等についても対応する考えを明らかにしました。各現場で命を守る酷暑対策が進むよう、支援の着実な実施を求めるものです。
7.また、業種や屋内屋外の相違を問わず、都内中小企業で酷暑対策が進むよう、冷却用消耗品の購入や、本格的な断熱・遮熱工事でなくても効果を発揮する、遮熱対策を求めました。これに対し都は、現場から会社へ、デジタルで報告する取組なども推奨するテレワーク事業を活用し、新たに電動ファン付きウェアなどへの支援を開始するほか、省エネ設備支援を活用し、従前の高効率空調設備への支援に加え、新たに遮熱シートにも補助すると答弁しました。酷暑から働く人を守る職場環境の改善を、急ぎ広めるよう求めるものです。
8.教育環境の充実については、熱中症対策のほか、都議会公明党の提案で洋式化の進む、都立高校のトイレについて、温水洗浄機能付きトイレの設置を求めました。これに対し都は、全都立高校で暑さ指数測定器を導入し、体調管理用の腕時計型の最新機器を、先行8校5千人に配布して、屋外実習や部活動で活用すると答弁しました。また、トイレの洋式化が約9割に及ぶことを踏まえ、今後は、温水洗浄機能付きトイレを増やす取り組みにも力を入れる考えを示しました。生徒の学習環境の快適性の、更なる向上を求めるものです。
9.中小企業支援については、賃上げに効果を発揮する都の補助事業の成果の活用、さらには、設計や施工管理といった資格者不足への対応を求めました。都からは、賃上げに結び付く生産効率アップ用補助の成果を分析し、広くノウハウの普及を図るとの答弁がありました。また、今年度から、オンラインによる資格取得支援を開始するほか、資格取得者への手当に充当できる、最大40万円の奨励金を、7月から開始すると答弁がありました。加えて、若い技術者が意欲を抱きやすい、資格取得試験制度への改善を、新たに国に求める回答もありました。中小企業での人材確保で着実に効果を挙げることを求めるものです。
10.医療施策については、痛みを嫌う子供への接種に期待される、インフルエンザの経鼻ワクチンについて、独自に費用助成を行う自治体への接種実績の調査結果を確認するとともに、区市町村への補助を実施求めました。これに対し都は、調査では注射に比べて負担感が減少した等の声があり、こうした自治体の状況やワクチンの供給見込み等を踏まえて対応を検討していく考えを示しました。子供たちが安心してワクチンを接種できるよう、都の支援を求めるものです
11.介護・福祉施策については、シルバーパスの一斉更新について、所得確認などの手続きが難しいといった声が多くあったことから、利便性の向上などを求めました。これに対し都は、今年度、手続きに不安を抱える方のため、都内郵便局55か所で対面相談を行うとともに、マイナポータルと連携して、スマホで申請できる方式を導入する考えを明らかにしました。利用者に寄り添った改善が一層進むよう求めるものです。
12.小中学校におけるネイティブ人材の活用については、先の第一回定例会代表質問での都議会公明党のネイティブ人材活用の提案を受け、進められている課題の把握について進捗を求めました。これに対し都は、ネイティブ人材の配置や、オンライン英会話導入の現状などについて調査を進め、今後の外国語教育の施策展開に反映する考えを示しました。速やかに調査を取りまとめ、実効性のある施策の構築を求めるものです。
13.水害対策については、国が「日本の気候変動2025」を公表し、大雨などの影響が更に大きくなる可能性を報告していることから、河川における水害対策の強化を求めました。これに対し都は、豪雨で大きな効果を発揮する、調節池の整備等を推進しており、秋には、境川木曽東調節池で、新たに取水を開始する考え明らかにしました。激甚化する水害から都民の命と安全を守る実効性のある取組を求めるものです。
14.防犯対策については、ストーカー対策、都営住宅での防犯対策などの強化を求めました。これに対し、まず警視総監からは、ストーカー犯罪の重大事件化を防ぐべく、被害者の保護対策の徹底、被害者が届出をためらう場合でも事件化することなど、答弁がありました。また、都営住宅でのカメラ付きインターホンについては、本年7月から要介護3以上及び聴覚、肢体不自由などの身体障害4級以上の居住者を対象に順次設置を進めていくこと。加えて、ごみ置き場や駐輪場への防犯カメラについて、従前の取り組みで設置されていない団地などを対象に、ヒアリングを開始する答弁がありました。体感治安の向上に向け、取組を進めるよう求めるものです。
15.このほか、障害系訪問福祉サービスでの酷暑対策、中小企業を通じた、奨学金返済の負担軽減策での年齢要件が、20代となっているものを30代に拡大すること、介護老人保健施設の老朽化対策での補助率2分の1を3分の2に改善すること、地下空間の浸水対策など、数々の施策を提案し、前向きな成果を収めました。
16.さらに、都議会公明党の提案で設置された、政治倫理条例検討委員会を意欲的に推進し、本定例会で他党との共同提案により「東京都議会議員の政治倫理に関する条例」を提出し、賛成多数で可決させました。都議会自民党の収支報告書で不記載が継続されてきたことを踏まえ、すべての政治活動資金収入の預貯金口座への入金、会計責任者等への監督責任などを政治倫理規準に明記し、ハラスメント対策や多様な人権を尊重する都条例への遵守も義務付けました。また、審査会に議員を一切含めず、学識経験者、弁護士、公認会計士、税理士などから構成させており、完全な第三者による常設の機関とする画期的な条例です。清潔で公正な都政への改革を都議会公明党が先頭を切って進めてまいります。
17.都議会公明党は、東京の経済と都民生活を守るため、立党の精神どおりに、現場の声にしっかりと耳を傾け、都政のかじ取り役として具体的な政策提言を重ねてまいります。