大松あきら議員の予算特別委員会(3月22日)討論

都議会公明党を代表して、本委員会に付託された知事提出の全議案に賛成し、共産党提案の予算の編成替えを求める動議、立憲民主党提案の予算の編成替えを求める動議、ミライ会議提案の予算の修正案に反対する立場から討論を行います。

令和5年度一般会計当初予算案は、子どもたちへの投資、環境貢献、防災機能の強化など、持続可能で美しい地球を未来に残す取り組みに重点的に予算を配分したことなどにより、一般会計の予算規模は、前年度に比べ、2,400億円増となる8兆410億円となっています。

具体的な施策では、第2子の保育料無償化や、高校生世代までの医療費無償化、私立中学校等の授業料負担軽減、耐震改修への補助の拡大など、都議会公明党が求めてきた施策が随所に盛り込まれ、高く評価します。

また、評価制度の更なる充実を図り、事業評価では1,207件の見直し・再構築を行い、1,141億円の財源確保へ繋げています。基金については、未来への投資の財源として戦略的に活用する一方、都債の発行抑制を継続するなど、中長期を見据え財政対応力の堅持にも努めています。

しかし、都議会公明党が先の総括質疑で指摘したとおり、リーマンショック時の税収減やコロナ対策での財政支出などの経験を踏まえると、財政調整基金の残高は、いまだ十分ではないと言わざるを得ません。様々なリスクに備え、更なる基金の積立てなどの努力を一層強化するよう改めて求めます。

次に、耐震化促進税制についてです。

わが党の推進により、令和5年度から新たに、平成12年度以前に建築された新耐震基準の木造住宅についても、旧耐震と同様に改修費用等の助成が開始されます。都議会公明党は耐震化促進税制についても、旧耐震同様、新耐震基準を軽減対象に含めることを求め、都は、検討を進める考えを示しました。耐震化の更なる促進に向け、税制面からも支援を行うよう改めて強く求めます。

次に、子ども・子育て施策についてです。

都議会公明党は、親の就労の有無にかかわらない集団保育の実現に向けた知事の決意を改めて求めました。これに対し、知事は「親の事情」ではなく、「子供の最善の利益」という観点から幼児教育・保育のあり方を捉え直し、子どもを主体とした「子育ち」支援に取り組んでいく考えを明らかにしました。

その具体的取り組みとして、令和5年度予算案に、親の就労の有無に関わらず子どもを保育所等で受け入れる新たな仕組みの創設が盛り込まれことは大きな一歩であり、評価します。

また、対象施設や利用料について、説明を求めたわが党の質問に対し、都は保育所に加え、幼稚園や幼稚園型認定こども園も対象とすること、利用料については、年収360万円未満の世帯等を対象に区市町村が負担軽減を行う場合、都が経費の一部を補助することなどを明らかにしました。

都議会公明党が推進してきた第2子の保育料無償化が、いよいよ令和5年度からスタートします。本事業についても、第2子以降の利用料無償化を改めて強く求めます。

次に、認証保育所への支援についてです。

認証保育所の制度発足から20年以上が経過し、施設の老朽化が進む中、現行の補助上限額の250万円では、大規模な修繕等を行うことは困難であると指摘しました。その上で、定員増を伴う改修等の場合には、最大3,700万円を助成していることを踏まえ、老朽化施設の改修においても制度を柔軟に運用することを都に求め、前向きな答弁を得ました。支援の拡充を改めて求めます。

次に、教員への支援策についてです。

都議会公明党は、厳しい環境の中で働く教員を守り、支えるために、アウトリーチ型の相談事業の拡充や新規採用教員への支援などを求めました。これに対し、都教育委員会は、相談事業の対象を2自治体から30自治体に大幅に拡大するとともに、小学校において病気休職から復帰する全教員を対象とした相談事業を実施することや、すべての新規採用教員に対してアウトリーチ型の相談事業を新たに開始することなどを明らかにしました。これらの取り組みを着実に進めるよう改めて求めます。

次に、経済対策についてです。

都議会公明党は、中小企業が採用した学生を対象に奨学金返済の一部を肩代わりする人材確保支援事業について、利用実績が20名を超える程度にとどまっていることを指摘し、事業の魅力を多くの学生に伝えていくよう求めました。これに対し、都は、学生向けの出張講座や説明会で紹介するなど、学生による利用を増やす取り組みを進めると答弁しました。都の積極的な取り組みを改めて求めます。

また、中小企業が若手人材の確保・定着を促進するために、住宅の借上げなどを行う取り組みを支援するよう求めたことに対し、都は、中小企業が若手社員のために住宅を新たに借り上げる場合、その経費の2分の1を、年間200万円を上限に助成すると答弁しました。この事業についても都の積極的な取り組みを強く求めます。

次に、女性の就労支援についてです。

女性が高度なデジタルスキルを習得し、正社員として活躍できるよう、学習から就職までを伴走型できめ細かく支援することを求めたことに対し、都は東京しごとセンターで能力開発と就職支援を一体的に行う取り組みを100名規模で開始することを明らかにしました。すべての女性が自分らしく働くことができるよう、積極的な取り組みを求めます。

次に、被災地の経済振興についてです。

令和4年12月、わが党は知事に対し、緊急要望を行い、福島県に対する被災地応援ツアーを令和5年度以降も継続するよう求めました。わが党の要望を踏まえ、都が令和5年度も被災地応援ツアーを実施することを評価するとともに、今後も継続して事業を実施するよう、改めて強く求めます。

次に、芸術文化振興施策についてです。

都議会公明党は、これまでも繰り返し芸術文化振興に係る施策の充実を求めてきたところであり、新年度予算案に仮称・東京芸術文化活動サポートセンター設置の予算が盛り込まれたことを評価します。わが党は、このセンターに多様な相談にワンストップで対応できる機能を整備することを求め、都は外部の専門家等とも連携し、総合的にサポートを行う考えを明らかにしました。

また、地域の芸術文化活動に対する更なる支援の拡充や、子どもが芸術文化に親しむ環境づくりを一層充実させていくべきことを求め、いずれも前向きな答弁を得ました。引き続き、施策の充実に向けて取り組むことを強く求めます。

次に、結婚支援事業についてです。

結婚は個人の自由な選択であることは言うまでもありませんが、結婚を望む方の様々な悩みに寄り添うことは重要です。そこで、結婚に関する悩みや相談に応じる結婚相談窓口の必要性を訴え、デジタルの活用を含め、都の見解を求めました。これに対し、都は出会いの機会の創出にあわせ、ウェブにより気軽に相談できる事業を実施し、相談者の不安や悩みに答えていくと答弁しました。対話型AIなど最新技術の活用も含め、効果的な取り組みの推進を改めて求めます。

次に、住宅施策についてです。

都議会公明党は都営住宅について、入居者の国籍の多様化を踏まえ、住まいのしおりの対応言語を増やすことや、都営住宅使用料等の支払いにおけるキャッシュレス決済の導入などを求め、都は検討を進める考えを示しました。入居者が快適に暮らせるよう、施策の充実を改めて求めます。

次に、デフスポーツの振興についてです。

わが党は、デフスポーツの競技力向上に向け、デフアスリートを支える方や競技団体への支援などを求めました。これに対し、都はコーチやトレーナー、手話通訳者など選手を支える様々なスタッフに対し、最大10万円の経費支援を行うほか、競技団体が都内で行う競技大会や普及啓発イベント等に対して、1団体当たり250万円を上限とする補助事業を開始する考えを明らかにしました。バリアフリー化の推進など、環境整備の促進と合わせ積極的な支援を改めて求めます。

なお、共産党提出の動議は、いつもながらの唐突な提案であり、賛同を得ようとする努力の跡も全く見られません。こうした無責任な提案には到底賛同することはできません。

都議会公明党は、今後とも現場第一主義で、都民の命と暮らしを守り抜く決意で全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、討論を終わります。

タイトルとURLをコピーしました