談話 令和5年東京都議会第3回定例会を終えて

令和5年10月5日
都議会公明党 幹事長 東村邦浩

1.本日、令和5年第3回定例会が閉会しました。都議会公明党は、経済、子育て・教育、防災、医療・福祉、産業、環境などの分野で具体的に政策を提案し、論戦を展開しました。

2.経済対策については、国の経済対策の動向を踏まえた速やかな都の補正予算の編成など、物価・燃料の高騰対策を求めました。知事は、当初予算等での対策を着実に実施するとともに、国の動向を見極めつつ、都民生活と東京の経済をしっかりと守り抜くと答弁しました。苦境に立たされ都民を、時期を逸することなく支援するよう強く求めるものです。

3.子育て・教育施策については、都立・私立を問わず、高校授業料の実質無償化での所得制限の撤廃を求め、知事は、議論を深めていくと答弁しました。また、フリースクールへの財政支援については、利用者の負担も重く、高額な費用がかかり、運営は厳しい状況のため、より踏み込んだ支援をすべきと訴えました。都は、フリースクール等に求められる役割を後押しする方策を検討すると答弁しました。既存の枠組みを超えて新たな対策を打ち出すよう強く求めるものです。加えて、各種の支援策が、すべての子育て世帯に適用されることを含め、具体的な進捗を求めるものです。

4.子どもの性被害対策については、都庁各局が連携しながら、都としてなすべきことを即座に実行すべきと知事に訴えました。これに対し知事は「東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターに、新たな専用電話相談窓口を設置し、子どもや保護者が相談しやすい体制の充実を図り、すべての子どもの人権が守られる社会の実現に向けて、全力で取り組んでいく」と答弁しました。迅速な対応を、改めて強く求めるものです。

5.防災対策については、TOKYO強靱化プロジェクトの強化を求めました。知事は、2040年代を視野に、2030年代の目標を新たに定め、年度内にプロジェクトのアップグレードを図る考えを明らかにしました。また、豪雨対策では、現在の整備目標を、気候変動を踏まえて1.1倍に増強し、時間降雨で区部85ミリ、多摩部75ミリとするよう求めたほか、調節池を結んで東京湾に繋げるなどの調節池の地下河川化を提案しました。都は、目標整備水準の引上げや、複数の調節池をトンネルで連結するネットワーク化等を検討して、年内に取りまとめる考えを明らかにしました。対策の迅速な強化を求めるものです。

6.高齢者の就労支援については、シルバー人材センターにおいて、働く意欲のある高齢者のニーズに対応できるよう、幅広い就労機会の提供に積極的に取り組むことを求めました。知事は、より多くの就業機会を確保し、高齢者の働く意欲にきめ細かく応えていく考えを示しました。高齢者の意欲に応えるべく、時代の変化に即応することを求めるものです。

7.粒子線治療については、一日でも早く都民の命を守るべく、最短の供用開始を訴え、都の見解を求めました。都は、年内に素案を公表し、パブリックコメントを実施の上、今年度に改定予定の、がん対策推進計画と併せて、導入機器等を定めた整備計画を策定することを明らかにしました。粒子線治療の導入に向け、迅速かつ着実な取組を求めるものです。

8.被災地支援については、わが党の提案で実施されている被災地応援ツアーを活用することにより、福島を訪れる旅行者の方々に、水産物を食べていただく取組を行うことを求めました。知事は、被災地応援ツアーで、福島県を訪れる方には、助成額に1千円の上乗せを行うとともに、水産品が安全・安心であることをPRしていく考えを明らかにしました。風評被害の払拭に向けた都の積極的な取組を強く求めるものです。

9.東京農業については、新規就農者への資金援助の市街化区域内を含めた継続、区部に加え、多摩地域での普及指導員の増員、GAP認証で付加価値が高まった農産物についての、消費者の購買意欲の増進などの支援の充実を図ることなどを求めました。都は、新規就農者支援の市街化区域内を含めた継続、普及指導での地域特性を踏まえた支援の充実と、GAPに則り生産する農業者が、オンラインの商談会に出展し、販路開拓を図る取組を拡充すると答弁しました。東京農業の振興に向けた支援の充実を求めるものです。

10、インフルエンザとコロナの同時流行については、新型コロナの感染者数が依然として高い水準の中、インフルエンザの感染者も急激に増えており、インフルエンザとコロナワクチン接種の適切な情報提供の必要性や、薬の供給不足などの課題に対し、対策を質しました。都は国に対し、治療薬の安定供給、インフルエンザワクチンの供給の前倒しを求め、コロナワクチンとの同時接種も可能なことについて、広く周知するよう要望していくと答弁しました。医療機関を支え、都民の命と健康を守ることに全力をあげるよう強く求めるものです。

11.神宮外苑地区の再開発については、「イチョウ並木が枯れるのでは」など、心配の声が届いているため、都が責任ある関わり方を取るべきと求めました。都は、事業者がイチョウの根の張り具合を調査し、影響が及ぶ場合は、新野球場のセットバックなど計画の見直しを行い、4列のイチョウ並木を、すべて保存すると明言していることを明らかにし、確実な保全を事業者に強く要請すると答弁しました。都民の不安を払拭するため、都は引き続き事業者に対して強く働きかけられるよう、重ねて強く求めるものです。

12、このほか、認知症施策の推進、市販薬の乱用防止対策、火葬に関する検討会議の設置、多摩地域での農業振興、古着のリサイクルシステムの構築、グリーン水素の製造・活用、宝くじの活性化などについて見解を求め、都からは、いずれも前向きな答弁を得ました。

13、都議会公明党は、都民の命と暮らしを守り、経済の回復を実現するため、現場の声にしっかりと耳を傾け、都政のかじ取り役として、具体的な政策提言を重ねてまいります。

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