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斉藤やすひろ議員の予算特別委員会での総括質疑

新型コロナウイルス肺炎対策について

【質問】

区市町村が財政的な問題に躊躇することなく、新型コロナウイルス対策が実施できるように財政的な支援をすることが必要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのか知事の決意を伺う。

【知事】

新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、学校教育や保育行政、保健所における対応など、住民に身近な行政を担っている区市町村が現場の最前線において大きな役割を果たしている。

先日、区市町村の代表の皆様から、それぞれの地域が抱える課題や都に対する意見・要望など現場の生の声を伺い、この難局を共に乗り越えていかなければならないと強く実感した。

区市町村では、公立小中学校の臨時休校や管理する体育館・図書館等の臨時休館、主催するイベントの中止・延期などに伴い、今後多額の財政負担の発生が見込まれている。

こうした状況を踏まえ、補助金の創設など区市町村の財政負担に対する特別の措置を国に要望していくとともに、都において、市町村の財政需要に応えるため、新たな交付金の創設を検討する。

また、特別区の財政需要に対しては、都区財政調整の特別交付金を活用することで対応していく。

 

【質問】

新型コロナウイルス感染症対策として、既存の融資の返済猶予など、企業の負担を緩和する方策を講じるべきである。また、非正規雇用などの方々が生活に窮することがないよう、これまでにない思い切った支援策を講じるべきと考えるが、併せて知事の見解を伺う。

【知事】

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、中小企業やそこで働く方々にも様々な影響が出ており、都としても独自の経済対策を講じることとした。

まず、委員ご指摘の資金繰りが厳しくなる年度末を中小企業が乗り切ることができるよう、感染症に対応した緊急借換制度を新たに創設する。この制度では、既存の融資を借り換え、元本返済の据置期間を最長2年として、実質的な返済猶予を可能とし、事業者の負担の軽減を図る。

さらに、「危機対応融資」を新設し、既存債務とは別枠で融資を受けることができるようにする。

また、働く人の生活の安定に向け、中小企業の従業員を対象とする実質無利子の融資制度を新設し、経済的負担の軽減を図る。この制度では、中央労働金庫を通じて、上限を100万円、貸出期間を5年間、信用保証料も都が全額負担する。さらに、非正規雇用の方々のセーフティネットとなるよう雇用保険の加入対象とならない方々も利用できるものとする。

こうした取組により、中小零細企業の経営や非正規雇用の方々の生活を全力で支えていく。

 

【質問】

今回の緊急事態とも言える感染症対策として、更に多くの企業へのテレワーク導入を進めるためには、こうした中小企業の実情に寄り添い、導入のハードルを下げるための新たな手法による支援を検討すべきと考えるが見解を伺う。

【産業労働局長】

中小企業の中には、ITに詳しい従業員が少ないなどの理由でテレワーク導入に踏み切れていない企業や、セキュリティの確保などへの不安から、テレワークを敬遠している企業も多い。

このため中小企業の不安を払拭し、テレワークを円滑に導入いただけるよう、新たな支援策を講じることとした。具体的には、経済団体と連携し、テレワーク導入に必要なノウハウ等を紹介するセミナーをWEB配信により実施する。さらに、中小企業にテレワークを実体験いただくため、実用ツールを搭載した機器を無料で一定期間貸し出す事業を開始する。

あわせて、企業への直接訪問や相談窓口によるサポート体制を整備し、中小企業のテレワーク導入を強力に支援していく。

 

長期戦略ビジョンについて

【質問】

戦略ビジョンでは、「SDGsと軌を一にする」との立ち位置から一歩踏み込んで「SDGsを推進する」といわばSDGs推進への行動宣言をしたと評価するが、SDGs推進への行動宣言をした知事の思いについて、令和2年度予算案での対応状況も含め伺う。

【知事】

今般策定した「『未来の東京』戦略ビジョン」は、今後想定される大きな変化・変革を見据え持続可能な「成長」と「成熟」が両立した都市の実現に向けた方向性を示したものである。こうした都市の実現は、環境・経済など、あらゆる分野における地球規模の課題解決を目指すSDGsの理念を体現することにつながる。

こうした認識のもと、戦略ビジョンでは、「都庁自らの政策の推進」「区市町村との連携」「都民・企業など、多様な主体との連携」「全国との連携」「世界への発信」など、SDGsの目線に立った多面的な取組を推進することとした。

特に、都庁自らの取組については、気候変動対策や、中小企業の取組支援、ESG投資など、様々な分野において強力に推進するため、令和2年度予算案にも、数多くの具体的な事業を盛り込んでいる。

また、実施した施策について、PDCAサイクルを回し、確実な事業目標の達成と、更なる施策の充実強化を図っていく。

重要なことは、戦略ビジョンに掲げた内容を具体的な施策の推進につなげていくことである。SDGsの視点から、政策に磨きをかけ、長期戦略に結実させることで、全ての都民が豊かにいきいきと活躍できる明るい未来の東京を実現していく。

 

【質問】

区市町村がSDGsに積極的に取り組むことができるよう、都がサポートすることで、具体的な進捗を図るべきと考える。見解を伺う。

【政策企画局長】

SDGsを達成する上で、住民に身近な区市町村の果たす役割が大きいことから、先般公表した「『未来の東京』戦略ビジョン」において、都と区市町村が連携・協働しながら、地域の課題を踏まえた特色のあるSDGsの取組を推進していくことを掲げている。

今後、区市町村の実務担当者に対して、都の取組や、各局の区市町村向けの補助事業のうち、SDGsに貢献する事業の紹介を行うとともに、区市町村が実践しているSDGsの事例を取りまとめ、共有を図ることで、取組の輪を広げていく。

これらを通じ、都と区市町村が連携をさらに深めることで、SDGsの取組を推進していく。

 

「稼ぐ東京」について

【質問】

世界のメインストリームとなっているESG投資の日本における更なる普及に向けた取組と決意を知事に伺う。

【知事】

金融の力で、気候変動など社会的課題の解決を図り持続的な経済発展を確保することは、世界の潮流であり、都としても、世界をリードする「環境先進都市」かつ「国際金融都市」であり続けるために、ESG投資の普及促進に積極的に取り組んでいる。

具体的には、グリーンボンドの発行や、ESG投資の普及を実践する金融事業者の東京金融賞による表彰、ニューヨークやロンドンをはじめ、世界の主な金融センターが集まるネットワーク連合体であるFC4Sへの加盟など、施策を積極的に展開してきた。

都としては、ESG投資の更なる普及促進に向け、引き続き先導的な取組を行っていく。

このため、先月には「東京版ESGファンド」を創設して、国内の再生可能エネルギー発電施設への民間投資などを促進するとともに、来年度には、その運営事業者が、管理報酬の一部を寄附して、社会的課題の解決に資する事業を支援する、「仮称ソーシャル・エンジェル・ファンド」を創設することとしている。

引き続き、このような取組を通じ、東京が先頭に立って、社会的課題の解決を図る新たな金融の動きを牽引することで、日本全体のESG投資の普及促進を図るとともに、東京を委員御指摘のSDGsを推進する「スマートシティ」としていきたい。

 

【質問】

「ソーシャル・エンジェル・ファンド」が支援する事業について、具体的な事業内容を伺う。

【戦略政策情報推進本部長】

「仮称ソーシャル・エンジェル・ファンド」は、社会的課題の解決に資する事業でありながらも、現実には民間資金を十分に集めにくい事業に、継続的に資金支援を行うために、創設するものである。

ファンドから資金支援を行う事業の対象としては、具体的には、ひとり親の創業などの支援、女性活躍の推進、子ども食堂の運営などの子供・子育て支援、中小企業での障がい者雇用の促進などを想定している。

実際に資金支援を行う事業については、来年度に、都がファンドの運営事業者を公募し、選定された事業者から提案していただく予定である。

 

【質問】

先日、都は、国家戦略特区を活用して障害者雇用を促進する取組について発表した。その具体的な内容について伺う。

【戦略政策情報推進本部長】

都は国家戦略特区に積極的に取り組んできており、これまでに特区の認定を受けた件数は全体の約3割を占める96件と全国で最も多く、都市再生や外国人材など幅広い分野で活用してきた。

昨年の12月には障害者の雇用を推進するため、中小企業が簡便に設立できる有限責任事業組合、いわゆる「LLP」を活用して障害者雇用を促進する取組が全国で初めて認定を受けた。

これは正に国家戦略特区を活用して中小企業における障害者雇用という「ソーシャル」分野を支援していく取組である。

今後とも様々な分野で国家戦略特区を活用し、全員参加の社会の実現を進めるとともにESGのソーシャル分野も含めた国際的なビジネス拠点の形成を図っていく。

 

【質問】

SIBを活用したオープンデータ発信について、東京2020大会の開催が秒読みとなった今、ホテルの客室情報などの収集等に当たっては、民間の持つ資源を十分に活用して、この事業を進めるべきであると考えるが、現在の取組状況を伺う。

※SIB…ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは、民間の活力を社会的課題の解決に活用するため、民間資金を呼び込み成果報酬型の委託事業を実施する新たな社会的インパクト投資の取組。

【戦略政策情報推進本部長】

都では、障害のある方等、あらゆる人が東京で快適に過ごせるよう、ホテル客室の出入口幅、駅や劇場等も含めた詳細な施設情報のオープンデータ化に取り組んでいる。

これらの情報の収集においては、「社会・行政課題の解決」「成果連動型」等の特徴を持つSIB、ソーシャル・インパクト・ボンドの手法を都で初めて採用する。

この事業は、宿泊業の知見やネットワークを持つ業界団体と連携し成果連動型で情報の収集を行うものであり、お話しの民間資金の活用についても取り組んでいく。

さらに、今年度末に発表予定のポータルサイトを利用者目線で構築するため、障害者支援団体やICTの専門家等の助言を取り入れるなど、民間の資源を有効に活用していく。

 

スマート東京について

【質問】

一日も早く、多くの都民や外国人観光客が利用する施設について、キャッシュレス化を実現すべきと考える。都の取組を伺う。

【会計管理局長】

都民利用施設のキャッシュレス化については、東京2020大会までに、動物園や文化施設など、特に訪日外国人の利用が多い施設を中心に、QRコード決済の導入をはじめとするキャッシュレス対応を強力に進めていく。

あわせて、その他の施設においても、これまで蓄積したキャッシュレス決済の導入ノウハウを活用し、関係各局と連携して、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどの多様な決済手段を、施設の特性にあわせて導入することで、キャッシュレス化を加速していく。

これらの取組により、2022年度までには、多くの方がレジャー等の目的で訪れる約80の都民利用施設において、キャッシュレス対応率100パーセントを目指していく。

 

【質問】

今後の、キャッシュレス納税比率を高めるための都の取組を伺う。

【主税局長】

キャッシュレス納税比率を高めるためには、現金による納付件数の多い法人二税や固定資産税等を中心に取組を進めていくことが重要である。

法人二税については、昨年10月から稼働している地方税共通納税システムによる電子納税の積極的な活用を、企業や関係団体に働きかけている。

また、そのほか固定資産税を始めとする税目については、新たに、スマートフォン決済アプリを活用したキャッシュレス納付を、来年度中に導入すべく準備を進めている。

現在、急速に普及しているスマートフォン決済アプリによる納税を導入することで、都税の納付方法の選択肢を広げ、キャッシュレス納税比率と共に、納税者の利便性向上につなげていく。

 

【質問】

デジタル化など、社会経済の様相が大きく変わっていく中で、税務に関わる仕事の在り方をどのように改革していくのか、都の見解を伺う。

【主税局長】

社会全体のデジタル化が進む中、税の分野においてもデジタル化による納税者の利便性向上が重要である。

また、大量相続の発生や外国人納税者の増加等、新たな変化に対応した適正で公平な税務執行が求められる。

こうした要請にこたえるため、今般、税務基幹システムの再構築を含む税務行政の将来像を「主税局ビジョン2030」として公表し、デジタル化の利便性を最大限発揮できる基盤の確保とともに、システムで可能な業務はシステムに任せ、職員一人ひとりが税務の専門性を向上させていくという基本方針を示した。

今後、ビジョンに基づき、現行の手続や業務を一から精査し、利便性が高く、効率的で生産性の高い業務フローを検討し、税務事務改革の具体的な姿について、令和2年度内に公表していく。

 

中小企業支援について

【質問】

先の第3回都議会定例会で、特に成長戦略の一環として、中小企業のSDGs経営の推進をすべきと質問した。その際、今年度新たに実施する実態調査を踏まえ検討を進めるとの答弁があった。そこで、実態調査の結果と今後の都の取組について伺う。

【産業労働局長】

企業におけるSDGsの認知度等の調査において約4,500社から回答を得た。その結果、環境への配慮など、SDGsの理念を既に事業活動に取り入れている企業は6パーセントにすぎず、さらに「何も知らない」とした企業が半数を超えるなど、SDGsへの理解が広まっていない実情が明らかになった。

そのため都では、来年度から中小企業のSDGs経営を促進するため、その理念や導入方法などを学ぶ普及啓発セミナーを年3回、経営戦略に取り入れるための計画策定を支援するワークショップを年2回開催することとした。さらに、基礎知識をまとめたハンドブックの発行や、専用ポータルサイトでのモデルとなる先行事例の発信などを通じて、広範に中小企業のSDGs経営を促進していく。

 

生物多様性地域戦略の改定について

【質問】

「ポスト愛知目標」が決定されるのを機に、自然環境の保全や回復を進めるのはもちろん、新たな社会課題の解決に資するよう、これからの時代に相応しい、新たな東京の生物多様性戦略を策定すべきと考えるが都の見解を伺う。

【環境局長】

社会経済活動を支える自然環境の劣化をくい止め、気候変動の影響等の新たな社会課題に対応するには、貴重な自然を守り、持続的に利用することが重要である。

都は、平成24年に生物多様性地域戦略である「緑施策の新展開」を策定し、生物多様性の保全に取り組んできた。

ポスト愛知目標に基づき、令和3年度に国が国家戦略を改定するのに合わせ、都の生物多様性戦略を改定する。

改定にあたり、従来の取組に加え、希少な動植物の保全等、生きものの生息・生育環境を維持・回復する取組の強化や、自然が持つ防災・減災機能の活用等について検討していく。

今後、庁内各局やさまざまな主体と連携して、これからの時代に相応しい地域戦略を取りまとめていく。

 

スポーツ振興について

【質問】

昨年の第4回定例会代表質問に対して、知事からは、「今後、都立公園の整備等の機会を捉え、ラグビーができる場の整備について検討して」いく旨の答弁があった。今後の都立公園における取組について、都の見解を伺う。

【建設局長】

都立公園には、サッカー場や陸上競技場など様々なスポーツ施設があり、都民が身近な場所で、気軽にラグビーに親しむ環境を整備することは重要である。

具体的には、来年度、代々木公園、府中の森公園のサッカー・ホッケー場を、天候による影響を受けにくい人工芝に改修していく機会を捉え、ラグビーの試合ができる広さを確保するための設計や土壌調査に着手する。

また、整備中の高井戸公園においても、地元自治体やラグビー、サッカーなどの関係団体と連携し、ラグビーができる場として、具体的な設計を進めていく。

今後、様々なスポーツが楽しめる場として、都立公園の一層の整備に取り組んでいく。

 

【質問】

昨年の我が党の4定代表質問に、都は「今後は、これまでの事業で培ってきた競技団体等との協力関係を生かしつつ、子供たちがラグビーを楽しみながら技術力の向上にもつながる取組を検討する」と答弁した。2年度に実施するラグビー普及の取組について検討状況を伺う

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

ラグビーの普及を図っていくためには、都民がラグビーに親しめる機会を増やしていくことが重要である。

このため都は、来年度、子供たちをはじめとした都民が気軽にラグビーに触れ、競技の楽しさを感じてもらえるよう、広いグラウンドを活用した体験会を実施する。

また、子供たちが互いに技術を高め合えるよう、都内のラグビースクールによる交流試合を行うほか、指導者向けクリニック等も開催する。

こうした取組を行うに当たっては、東京都ラグビーフットボール協会をはじめとする関係団体と連携を強化するなど、ラグビーワールドカップ開催を契機に高まったラグビー熱を都内に広く継続させ、ラグビー文化の定着を図っていく。

 

豪雨対策について

【質問】

平成30年8月の豪雨では、自由が丘駅付近で浸水被害が発生しており、浸水対策の重点地区以外でも、地域に根差した小規模な対策も必要である。都の見解と併せて、上目黒地区、八雲地区の2地区の取組状況を伺う。

【下水道局長】

浸水から都民の生命と財産を守るため、大規模な幹線等の整備を進めることに加え、地域の実情に応じたきめ細かな対策も重要である。

自由が丘駅付近では、降った雨を速やかに下水道に取り込むため、地元区と連携して、雨水ますの増設を既に実施し、枝線の排水能力を強化するバイパス管の設置等の基本設計に着手した。

目黒区の上目黒地区、八雲地区については、直径2.2メートルから5メートルに及ぶ大規模な貯留管の整備を進めており、現在は、地域の公園等を借用し、必要な立て穴の掘削を行っている。

いずれの地区も密集した市街地での事業であり、地元の皆様のご理解を頂きながら、浸水対策を積極的に進め、地域の安全・安心を確保していく。