谷公代議員の本会議(12月10日)一般質問

産業・就労施策

① 希望する働き方を続けられる職場環境づくりに取り組む中小企業支援を

【質問】

仕事に向かうお母さんと一緒に早く家を出て、開門時間まで校門の前で待っていると言う、いわゆる小1の壁を目の当たりにし、何か事故が起きる前に対策をと、早速、公明党豊島区議団と連携し、豊島区長へ小1の壁解消に向けた要望書を提出した。その結果、豊島区は本年4月からすべての小学校で、児童の朝の居場所と夕方の見送りを実施し、子どもが安心して過ごすことができると保護者から喜びの声が届いている。

しかし、この「小1の壁」は、学校の対応だけではなく、本来であれば保護者の働き方の改革こそが大事である。仕事と子育て、家庭との両立に悩む方々が、安心して働き続けられる社会を実現していくために、希望する働き方を続けられる職場環境づくりに取り組む中小企業を、都がしっかり支援し、広げていくべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

働き方改革を通じて「手取り時間」を増やし、子育てなど様々なライフステージと仕事を両立できる職場づくりを進めることは重要である。

都は、柔軟な働き方により仕事を効率的に行い、「手取り時間」の創出や育児・介護など様々な事情を抱えた方々を支援する企業を後押ししている。

「小一の壁」に対しては、労働時間の短縮や始業時間の繰下げなど子育てと仕事を両立できる仕組みづくりをサポートしている。

今後、働く時間の見直しも含め、柔軟な働き方を一層進めることで、誰もがいきいきと活躍し、やりがいを感じられる社会を実現していく。

② 女性の副業・兼業を専門とする新たな相談窓口の設置を

【質問】

生活の安定のため副業・兼業を始めてみたいが、どこに相談すれば良いのかわからないとの声が多く届いている。副業・兼業は収入を増やすだけでなく、新たな知識や技術の習得、スキルの向上にもつなげていける可能性もあると考える。一方で、健康管理や働き方のバランスなど、専門的なサポートも求められている。働く現役世代、とりわけ女性のキャリアの可能性を広げるため、都が開設した「はたらく女性スクエア」に、副業・兼業に関する相談体制を強化する必要がある。将来まで見据えたワンストップの総合窓口として、副業・兼業を専門とする新たな相談窓口を設けるべきと考えるが、都の見解を求める。

【産業労働局長】

女性が個性や能力を発揮して働く場で活躍できるよう、これまでの経験やスキルを生かした働き方を選択できる支援は重要である。

これまで都は、はたらく女性スクエアにおいて、キャリアアップに関する悩みなどに対し、キャリアコンサルタントや管理職経験者等のメンターによる専門的な相談対応を行ってきた。

また、令和7年度、女性特有の健康課題に対し、専門家による相談対応を開始した。

今後は、多様な働き方の相談において、兼業・副業や起業の経験者などから体験に基づいた助言を受けられるよう、支援窓口の充実を検討する。

青少年の安全安心

 「青切符」導入を機に中高生等への自転車安全利用の普及啓発を

【質問】

自転車の交通反則通告制度、いわゆる「青切符」を導入する改正道路交通法が、令和8年4月から施行される。スマートフォンの操作やイヤホンを使用しながらの運転、夜間ライトの無灯火といった行為が、事故につながるおそれがある上に、16歳以上の高校生をはじめとする若い世代も取り締まりの対象となる。通学で自転車を利用する中学生・高校生などを交通事故の加害者にも被害者にもさせないため、制度導入を機に正しい交通ルールの理解と安全意識の向上に向けた取り組みを強化すべきと考えるが、都の見解を伺う。

【都民安全総合対策本部長】

都はこれまで、自転車シミュレータや啓発リーフレット、東京都自転車安全学習アプリ「輪トレ」等を活用して普及啓発を実施してきた。

令和7年度は、いわゆる青切符制度導入を契機に、ながらスマホなど、日常的に見受けられる違反行為を注意喚起するショート動画を配信しているほか、分かりやすくまとめた交通ルールブックを制作する。さらに、令和7年内には、主な反則行為や金額などを都ホームページに掲載し、周知を図る。

今後、動画やルールブックを学校に提供し、交通安全教育で活用を促す等、教育庁などの関係局、区市町村と連携し、一層の普及啓発に取り組んでいく。

② 安全な自転車通行空間の整備を

【質問】

自転車が安全に走れる通行空間を整備することは重要である。自転車通行空間の整備にあたっては、都道・国道と区市町村道との連続性を確保するネットワークの形成が重要と考える。都と区市町村が連携をはかり、安全かつ連続性のある自転車空間の整備に取り組むべきと考えるが、都の見解を伺う。

【建設局長】

都は、令和3年度に策定した整備推進計画に基づき整備を進めており、令和6年度末までに累計約413キロメートルが完成している。

また、国や区市町村等とで構成する調整会議を開催し、区市町村ごとの自転車ネットワーク計画策定に向けた取り組みを促しており、令和7年9月末時点で、30区市が策定済みである。今後とも、安全に利用できるよう、地元自治体等と連携しながら自転車通行空間の整備を着実に進めていく。

 被害が広がっている若年層を守る新たな効果的な特殊詐欺対策を

【質問】

かつては被害が高齢者が中心だったものが、最近では20代・30代など若年層の詐欺被害が急増しており、特に「警察官を名乗るオレオレ詐欺」やSNSを介した投資詐欺などの手口で、インターネットバンキングから送金を強いられ、高額な被害につながる事例が報告されている。中には、被害者として金銭を失った後、その損失を取り戻したいという気持ちや、経済的な困窮から、犯罪に加担してしまい加害者にもなってしまう場合があると聞く。被害が広がっている若年層を守る対策として、若年層に響く新たな効果的な対策を講じるべきと考えるが、都の見解を伺う。

【都民安全総合対策本部長】

都では現在、詐欺の手口を周知し、注意喚起を行うターゲティング広告や、防犯対策についての情報発信など、インターネット利用の多い年齢層の行動様式に合わせた啓発を実施している。

今後、最新の手口や犯罪の事例を踏まえながら、若者が自分事として捉え、警戒心を持つよう促すターゲティング広告を実施するなど、若年層への対策を強化する。

引き続き、若年層を含め、あらゆる世代の特殊詐欺に対する防犯意識を向上させることで、被害防止対策を推進していく。

東京アプリの機能強化

【質問】

今回の東京アプリの生活応援事業を契機に、東京アプリのダウンロード数が伸びていくと予想されるが、生活応援事業のみならず、都民に東京アプリを活用していただける取り組みが重要である。数ある都の事業において、こうした都民に役立つ有益な情報を効果的に提供する東京アプリの機能強化をはかっていくべきと考えるが、都の見解を求める。

【デジタルサービス局長】

都民がスマホから簡単に行政とつながるアプリにしていくためには、行政の様々なサービス等を分かりやすく提供していくことが重要である。

現在アプリでは、安全・安心に係る情報や子育てに役立つサービスなど、都民に身近で関心の高い情報を提供している。

今後、こうした情報に、より簡便にたどり着けるよう、暮らしに役立つコンテンツをテーマ毎にまとめて閲覧できるようにする。また、就職、出産、介護などライフシーンに応じた行政サービスへアクセスできる機能も設けるなど、都民がより利便性を実感できるアプリへと発展させていく。

エスカレーターの安全利用

【質問】

エスカレーター上を歩くことが習慣化されている現状を踏まえ、都議会公明党は、令和6年第4回定例会において、条例制定も見据えたエスカレーターの安全利用の対策を講じるべきと訴えた。この提案を受け、都では令和7年10月から「東京都商品等安全対策協議会」で検討が開始されたと伺っている。また、令和7年夏には、全国の鉄道事業者や商業施設、自治体が共同で、エスカレーターの安全利用を呼びかけるキャンペーンが実施されている。今後の検討にあたっては、高齢者や障がい者への合理的配慮を踏まえ、誰もが安心して利用できる対策を講じていくべきだが、都の見解を求める。

【生活文化局長】

都は、令和7年度、事業者団体、学識経験者等で構成する東京都商品等安全対策協議会で、エスカレーター利用者のための安全対策について検討している。

令和7年10月に開催した第1回の協議会では、エスカレーター事故の傾向や、利用実態に関する実地調査案について、意見交換を行った。

今後、実地調査の結果を踏まえ、障害者や高齢者も含めた利用者の安全につながる実効性のある対策について、都内の駅等の混雑状況や社会的影響にも配慮しつつ、慎重に検討を行っていく。

子供・教育施策

① 都立高校における日本語指導が必要な生徒への支援体制の拡充を

【質問】

都教育委員会は、都議会公明党の要望を受け、在京外国人枠設置校を8校から12校へ拡大し、さらに国籍要件も撤廃するなど、入試制度の改善を進めているが、一方で、令和7年度入学者選抜では、240人の定員に対して481人が応募しており、依然として受け入れ枠が不足している。日本語指導が必要な生徒の中には、希望する学校に進学できず、日本語指導が十分に受けられない学校に進学せざるを得ないことで、将来の職業選択の幅を狭めてしまう恐れがある。受入れ枠を拡大するなど、すべての生徒が、同じスタートラインに立って学びを築いていけるよう、日本語指導が必要な生徒を支援できる体制を拡充すべきだが、都の見解を伺う。

【教育長】

これまで都教育委員会は、在京外国人等の生徒を受け入れる都立高校で、日本語指導の優れた力のある教員の配置などを行っている。また生徒の学びをきめ細かく支援する人材の派遣も行っている。

今後は、学校に入る前や入学後の一定の期間、日本語に加え、わが国の伝統文化や地域のルールを集中的に学ぶ取り組みに力を入れる。更に、文化等の違いを海外の現地で学ぶ交流の機会の充実も検討する。これらにより日本語指導等の充実を図る。

② 乳幼児の保護者が搾乳しやすい環境の整備を

【質問】

都では、令和5年に8,187人の低出生体重児が生まれており、赤ちゃんが入院中のため、直接授乳ができず、苦労して搾乳を続けている母親も少なくない。授乳やおむつ替えができる専用スペース「赤ちゃん・ふらっと」が都内で1,661か所整備されているが、区市町村施設や民間協力施設の中にある「赤ちゃん・ふらっと」は、搾乳での利用が可能かどうかわかりづらい状況があり、ある施設では「こども連れでないと入出できない」や「授乳目的以外での利用はできない」と表示されているため、搾乳のために、女性が一人で入室しづらいこともある。搾乳が必要な方がためらわず赤ちゃん・ふらっとが利用できるよう、搾乳が可能と分かる専用マークを表示するなど、事業主の取り組みを実施要項に追加し、女性ひとりでも利用しやすい環境づくりを進めるべきと考えるが、都の見解を伺う。

【福祉局長】

都は、乳幼児の保護者が安心して外出を楽しめるよう、図書館や大型スーパーなど不特定多数の方が利用する施設の協力を得て、授乳やおむつ替えのできる設備などを備えた「赤ちゃん・ふらっと」の設置を進めている。

授乳スペースについては、利用者のプライバシーを確保するよう実施要綱で定めており、多くの施設で搾乳時にも利用可能な環境となっている。

今後、要綱を改正し、搾乳できる施設であることを分かりやすく示すよう事業主に求め、希望する方が気兼ねなく利用できる環境を整備していく。

災害に強い通信インフラ環境の整備を

【質問】

都議会公明党は令和7年10月16日、台風で甚大な被害を受けた八丈島を現地調査し、携帯電話がつながりにくい地域も依然残っていたことから、翌17日、副知事に対し、通信インフラの早期復旧と、衛星通信など先端技術の活用による高速Wi-Fi環境の整備を緊急要望した。災害発生時だけでなく、平時から島民が安心して使える高速かつ安定した通信環境を、島内各地域・避難所・公共施設に整えることが極めて重要である。災害に強い衛星通信とWi-Fiの技術などを活用し、広く都民が使える環境を整備すべきと考えるが、都の見解を伺う。

【デジタルサービス局長】

災害情報や支援活動など住民が必要とする情報を得られるよう、その生命線となる通信の確保は重要である。

都は令和7年度、島しょ地域において、災害に強い衛星通信を活用したWi-Fiスポットの整備を進めている。設置場所の選定にあたり、平時に多くの人が利用し、有事には避難場所として活用される施設等を対象に、町村と協議を行っている。

今後は、整備した通信環境を有事の際に円滑に利用していただけるよう、住民向けに丁寧に説明を行っていく。こうした取り組みを通じて、災害時にも都民がつながる環境を提供していく。

豊島区の道路整備の課題

① とげぬき地蔵入口交差点における巣鴨駅側横断歩道の整備を

【質問】

放射第9号線の整備が進められているとげぬき地蔵入口交差点では、地域の皆さまの要望に応じて横断歩道橋が撤去され、令和2年に地蔵通り側へ横断歩道が設置された。しかし、巣鴨駅側には横断歩道が設置されておらず、地元住民からは、反対側にも安全に渡れる横断歩道の整備を求める強い要望をいただいている。放射第9号線の道路拡幅事業にあたって、とげぬき地蔵入口交差点における巣鴨駅側横断歩道を整備し、安全で歩きやすい道路環境整備を進めるべきと考えるが、都の見解を伺う。

【建設局長】

放射第9号線は、千代田区大手町から板橋区舟渡に至る延長約15キロメートルの都市の骨格を形成する重要な幹線道路であり、このうち、豊島区巣鴨3丁目から巣鴨5丁目に至る約470メートルの区間で道路拡幅事業を進めている。

これまでに89パーセントの用地を取得し、排水管や電線共同溝の設置工事を実施した。

とげぬき地蔵入口交差点において、未設置となっている巣鴨駅側の横断歩道については、設置に向けて関係者と協議を進めていく。

引き続き、地元の理解と協力を得ながら、早期完成に向け、着実に整備を推進する。

② 環状第5の1号線の早期整備を

【質問】

環状第5の1号線の整備に合わせ、豊島区では、池袋駅東口エリアにおいて、池袋駅コア整備計画が策定されるなど、街づくりの機運が大いに高まっている。この計画を着実に推進していくためには、池袋駅前を通る明治通りのバイパスとなる環状第5の1号線の早期整備が不可欠である。しかし、平成10年事業着手以降、平成23年に事業期間を延伸したものの、用地取得の遅れなどから、令和2年度完成予定が、令和10年3月まで事業期間が延伸された。地元の皆様からは早期の完成を求める声が高まっており、豊島区の発展、そして渋谷・新宿・池袋の3つの副都心を結ぶ東京全体の成長のためにも、明治通りの高戸橋付近からグリーン大通りまで早期に完成すべきだが、都の見解を伺う。

【建設局長】

環状第5の1号線は、都心に集中する交通の分散化や渋谷、新宿、池袋の連携強化などの役割を担う延長約14キロメートルの重要な幹線道路である。

このうち、豊島区高田3丁目から南池袋2丁目に至る1.4キロメートルの区間で事業中であり、これまで、トンネルや擁壁等を整備してきた。

現在、交差する目白通りの千登世小橋及び都電荒川線の直下にトンネルを構築するための立坑築造工事を、橋梁の保全や、都電の安全な運行に配慮しながら、慎重に進めている。

地元区と連携し、引き続き地域の皆様の理解と協力を得ながら、早期開通を目指していく。

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