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中嶋義雄議員の本会議代表質問

 

福祉政策

①高齢者や障がい者の施設での検査への支援について

【質問】

PCR検査の実施は、保健所に負担をかけず各施設が事業を活用できるよう支援するとともに、陽性者が発生した場合、施設運営に支障がないよう対策を講ずべきである。さらに、対象外の地域密着型特養等でも区市町村と連携して実施すべきだが、知事の見解を伺う。

【知事】

高齢者や障がい者の施設での検査への支援であるが、高齢者や障がい者は新型コロナウイルス感染症にかかると重症化するリスクが高いことから、その感染予防対策を徹底する必要がある。

そのため、秋から冬を見据え、高齢者や障がい者等が広域的に利用し、感染者が発生した場合に影響が大きい入所施設を対象に、新規入所者や職員への定期的な検査など、感染予防のための経費への支援を新たに開始する。

事業実施に当たっては、施設からの申込みを直接受け付け、結果通知まで一貫して対応いただける民間検査機関を紹介し、保健所の負担とならないよう配慮していく。

また、検査により陽性者が判明した場合に備え、保健所等にも十分な情報提供を行うとともに、職員等の感染により人員不足が生じた施設に対し、他の施設から応援職員を派遣するため、関係団体と協定等を締結して、広域的な支援体制を構築していく。

さらに、定員29名以下の小規模な特別養護老人ホームや、重度障がい者の通所施設等については、区市町村と共同で地域の感染拡大防止対策を推進する事業で都が必要な経費を全額補助する。

これらの重層的な取組により、高齢者や障がい者の感染拡大防止に万全を期していく。

 

②高齢者を対象とした予防接種について

【質問】

補正予算に計上された季節性インフルエンザ定期予防接種に対する補助事業について内容を明らかにしていただきたい。また、今度のインフルエンザワクチン接種補助事業と同様に肺炎球菌ワクチンの予防接種の補助も検討すべきだが、知事の見解を伺う。

【知事】

高齢者を対象とした予防接種についてであるが、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行が懸念される中、重症化リスクの高い高齢者等に対し、早期にインフルエンザワクチンの接種を受けていただくよう促すことは有効である。

このため、都は、本年度、区市町村を通じて、65歳以上の高齢者等に対するインフルエンザ定期予防接種の自己負担分を全額助成する。

また、肺炎は、昨年の日本人の死亡原因の第5位であり、日常的に生じる肺炎の約3割は、肺炎球菌が原因と考えられている。

お話しの肺炎球菌ワクチンは、秋冬の流行に備えて、毎年接種を受けていただくインフルエンザワクチンとは異なり、平成26年度から定期予防接種に位置付けられ、各年度に65歳となる方などに1回接種することとされている。

現在、高齢者の肺炎球菌ワクチンの都内における接種率は約3割となっており、今後、接種率の更なる向上を図る取組が必要であると認識している。

 

③在宅要介護者等の受入体制の整備について

【質問】

介護する人が感染した際、要介護者を迅速に受け入れる体制整備が必要。受入体制の整備には、要支援者へのきめ細かな事業を展開している区市町村との連携は不可欠である。区市町村への財政措置だけでなく、都が調整に加わるなど支援すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

在宅要介護者等の受入体制の整備についてであるが、高齢者や障がい者を介護している家族や児童を養育している保護者が新型コロナウイルスに感染した場合でも、安心して療養に専念できる環境を整える必要がある。

このため都は、こうした場合に、要介護者等を地域で一時的に受け入れられるよう、介護施設の空きベッドの確保、自宅から施設等への搬送など、要介護者等の状況に応じて必要な取組を行う区市町村に対して、1千万円を上限にその全額を支援していく。

今後、区市町村がこうした取組を円滑に進められるよう、モデルとなる取組事例を示すとともに、関係団体等への協力依頼や、複数の自治体が共同して実施する場合の調整を行うなど、地域における在宅要介護者等の受入体制の整備を進めていく。

 

④東京iCDCの専門家ボードについて

【質問】

東京iCDCは、専門的見地から都民の命と健康を守る的確な対策を打ち出すべきである。同時流行に備えて、専門家ボードが優先的に検討する分野と、そのための体制等を明らかにし、迅速に対応すべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

東京iCDCの専門家ボードについてであるが、来月1日に立ち上げる「東京iCDC」には、幅広い分野の専門家の方々に参画いただく「専門家ボード」を設置する。

このボードからは、最新の科学的知見やエビデンスに基づき、政策につながる提言を頂くこととしており、座長の下、専門分野ごとのチームをつくり、早急に具体的な課題の検討を行っていく。

まずは、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との同時流行への備えとして、PCR検査をはじめとする臨床検査などの研究を進める専門家などでチームをつくり、新型コロナウイルスとインフルエンザの新たな検査・診断手法の活用方法などについて検討していく。

また、臨床の現場で感染症診療に従事している専門家などでチームをつくり、重症患者の症例の分析に基づきリスクの高い対象者への早期の受診勧奨など、的確な注意喚起を検討していく。

このように、専門家ボードからの提言を踏まえ、時機を逸することなく、速やかに施策の具体化を進め、様々な危機に対し、常に先手先手で対策を講じていく。

 

⑤多摩地域の保健所について

【質問】

都は、保健所を支援するためIT技術の積極的な活用を推進するとともに、新型コロナウイルス感染症が収束した段階で、多摩地域の都の保健所の対応能力を検証し、改めて在り方を検討すべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

多摩地域の保健所についてであるが、多摩地域にある都の保健所は、二次保健医療圏における、保健医療の広域的・専門的・技術的拠点として、健康危機管理や市町村支援を行っており、地域の感染症対策の重要な役割を担っている。

今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応では、多摩地域でも多くの患者が発生し、保健所の負担が増大している。

このため都は、電話相談窓口の委託化や入院先の調整機能を保健所に代わって担う本部の設置、自宅療養者の健康観察を行うアプリの導入など、保健所の負担軽減に取り組んできた。

また、都保健所が行うPCR検査の一部委託化を進めるとともに、感染症対応における様々な業務のデジタル化の推進などにより更なる負担軽減や業務の効率化を図っていく。

こうした取組により、都保健所の健康危機への対応力強化を図り、今後、今回の感染拡大から収束に至るまでの保健所の取組について検証した上で、改めて、多摩地域の保健所の在り方を検討していく。

 

⑥保健所の業務について

【質問】

保健所が行っている陽性者の病院や宿泊療養施設への搬送業務を民間に委託すべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

保健所の業務についてであるが、新型コロナウイルス感染症対策の最前線を担う保健所では、業務負担が増大しており、その支援が喫緊の課題である。

現在都は、各保健所へ職員を派遣して業務支援を行うほか、健康安全研究センター内に保健所支援拠点を設置し、今月から新たに、疫学調査等の業務を担う8名の保健師や看護師を「トレーサー班」として配置することにより支援の拡充を図っている。

お話しの、陽性者の搬送業務については、既に委託を行っている宿泊施設への搬送に加え、今後、多摩地域の都の保健所に配備した陰圧車両の運転業務を民間に委託し、保健所の負担を軽減していく。

さらに、保健所を設置している区市に対しては、搬送業務をはじめとした業務委託経費について、補助を行うこととしている。

新型コロナウイルス感染症の流行時に、保健所がその機能を十分発揮できるよう、今後とも搬送業務を含め様々な観点から保健所を支援していく。

 

⑦新型コロナウイルスに関するコールセンターについて

【質問】

「COCOA」の通知を受けた都民やインフルエンザの問合せなどに対応するワンストップのコールセンターが必要と考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

新型コロナウイルスに関するコールセンターだが、都はこれまで、保健所の負担軽減を図るため、感染を疑う都民からの相談を一括して受け付ける「新型コロナ受診相談窓口」を運営してきた。

秋冬のインフルエンザの流行期においては、発熱患者等の問合せが増加し、また、普及が進んでいる新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」による通知を受けた方からの問合せも増加することが危惧される。

このため都は、保健所の相談対応業務の更なる負担軽減を図るため、こうした問合せにワンストップで対応する、新たなコールセンターの整備に向け、関係機関と調整しており、10月中には開設する予定である。

 

⑧データを活用した社会的課題の解決について

【質問】

これまで以上にデータを活用し、民間のアイデアを活かしながら、感染拡大防止などの社会的課題の解決につなげていく取組は重要であると考える。都の見解を伺う。

【戦略政策情報推進本部長】

データを活用した社会的課題の解決についてであるが、コロナ禍において、感染拡大を防止しながら、日々の仕事や暮らしを続ける「新しい日常」を実践するためには、3密回避に資する混雑データなどの利活用を積極的に進めることが重要である。

都では現在、民間からの提案により、データを活用して混雑回避等のための新たなサービスを提供する実証実験に取り組んでいる。具体的には、ビーコンを使い、オフィス内の混雑状況を見える化・分析することで、テレワーク等の行動変容につなげる事業等を実施している。年内に検証結果を取りまとめ、広く情報発信していく。

こうした取組を通じて、官民でのデータ利活用を一層推進することで、「新しい日常」の実践や社会的課題の解決を目指していく。

 

⑨新型コロナウイルス感染症対策条例について

【質問】

条例改正案は、都民・事業者の責務として感染の「予防に努める」「感染症対策に協力する」と規定されていた努力義務を更に明確化するものであるが、都民・事業者にその趣旨を正しく理解していただく必要がある。条例改正の目的と理解促進に向けた知事の見解を伺う。

【知事】

新型コロナウイルス感染症対策条例についてであるが、本年1月に、都内で初めての患者が確認されて以来、都は、新型コロナウイルス感染症対策に全力を挙げて取り組んでいる。

この間、4月には、対策の強化を図るため、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例を制定し、都や都民、事業者の基本的責務を明らかにした。

また、7月には、新規陽性者数が大幅に増加するなど、当時の危機的な状況を踏まえ、緊急に対応する必要があったことから、この条例を一部改正し、事業者にはガイドラインの遵守とステッカーの掲示を、都民へはステッカーのある施設の利用等を努力義務として定めた。

ウイルスとの闘いが長期化し、再拡大も見込まれる今、対策の実効性をより高めていく必要があることから、今般、条例を新たに改正することとした。

改正案では、都が、検査体制の整備、医療提供体制の確保、療養環境の整備などに責任を持って取り組むことを定めた。

また、都民や事業者の皆様方に対しては、必要な検査や、まん延防止のための調査への協力など、具体的に御協力いただくことを明確にした。

今後、条例改正を機に、改めて、都の対策や協力の重要性などについて、様々な機会を通じて分かりやすく発信することで、都民や事業者の皆様方の更なる御理解、御協力につなげていく。

 

経済産業政策

①制度融資の今後の展開について

【質問】

都議会公明党の緊急要望を受け、補正予算で3兆8千億円まで、目標額を引き上げるとしたことは的確な対応と考える。事業者を取り巻く状況を考えれば、無利子・無保証料の融資は少なくとも来年3月まで継続すべきである。制度融資の今後の展開について見解を伺う。

【産業労働局長】

制度融資についてであるが、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ本年5月には、融資を受けた後、金利の支払いは3年間、元本の返済は最長で5年間、不要となる新たな制度を開始し、中小企業の資金繰りにおける負担を大幅に軽減してきた。

今回の補正予算では、依然として高い中小企業の資金ニーズに対応できるよう、こうした実質無利子の融資メニューを継続するとともに、融資目標額を2兆5千億円から3兆8千億円に大幅に引上げるため、預託金や利子補給及び信用保証料補助に必要な費用について計上している。

今後も、国や経済の動向、中小企業への感染症の影響を見極めながら、更なる継続も含め必要な金融支援を行っていく。

 

②補助金の利便性向上について

【質問】

都は、コロナ禍での事業者を支援するため様々な助成制度を創設したが、補助金は支払いに数か月かかる。そこで速やかな資金調達手法である「POファイナンス」を広くPRし、金融機関側にもメリットを説明するなど、中小事業者を支援すべきである。見解を伺う。

【産業労働局長】

中小企業向け補助金の利便性向上についてであるが、中小企業に対し、都が実施する補助金の効果的な活用を促し、その成長につなげていくことは重要である。

このため、中小企業振興公社では、今月から補助金の交付決定を受けた中小企業が、受領した交付決定通知書を担保として活用し、金融機関から融資を受けることのできる仕組みを新たに導入している。

また、中小企業制度融資においても、補助金の交付までの資金繰りの円滑化を支援する「補助金・助成金つなぎ融資」を今年度から実施している。

今後は、資金調達の円滑化に資するこうした制度の活用を促進するため、商工団体や金融機関と連携し、広く周知を図っていく。

 

③テレワークの推進について

【質問】

テレワークはメリットがある反面、自宅にWi‐Fi環境がないなどの声も聞く。最近では宿泊施設が客室をテレワークの場として提供する動きが広がっており、都は適切な支援を講じることでテレワークの更なる促進、定着を図ることができると考えるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

テレワークの促進と定着についてであるが、テレワークの更なる利用拡大と定着を図るためには、企業に対する導入支援とともに、様々な場所でテレワークを実施できる環境の整備が必要である。

このため都は、テレワーク機器等の導入助成や、多摩地域において職住近接のモデルサテライトオフィスの整備等を行っている。今後は、テレワーク東京ルールに沿った企業の創意工夫ある取組を広く発信していく。また宿泊事業者による新たなテレワークオフィス事業の促進に向け、備品設置等に要する経費や、利用企業が負担する借上費用の一部を支援していく。

これらの取組により、テレワークの一層の促進と定着を図っていく。

 

IT技術の活用

①行政手続のデジタル化について

【質問】

構造改革の目的がデジタルトランスフォーメーションを梃子にした都民サービスの飛躍的向上であるならば、全庁が一丸となって取組を加速させ、一刻も早く行政手続のデジタル化を実現すべきであると考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

行政手続のデジタル化についてであるが、新型コロナウイルス感染症との闘いの中で、我が国のデジタル化の遅れなどが浮き彫りとなった。

東京が「世界から選ばれる都市」になるためには、強い危機感の下、スピード感を持って、都政のデジタルトランスフォーメーションを強力に推進する必要がある。

こうした認識に立って、都政の構造改革に着手し、新たに立ち上げた構造改革推進チームの下で改革を先導する7つのコア・プロジェクトを推進することとした。

行政手続のデジタル化を進める「ワンストップ・オンライン手続プロジェクト」は、都民サービスに直結することから、まさに、スピード感ある対応が求められる。

このため、例えば建設業許可の証明など、都民から多くの申請があり、都の権限で実施が可能な全ての手続について、直ちにデジタル化に着手し、早期のサービス提供を目指していく。

また、パスポート申請など国が定める手続や区市町村を経由するサービスについても、デジタル化に向けて関係機関と精力的に調整を進めていく。

今定例会に提出した「東京デジタルファースト条例」を梃子として、デジタル化をはじめとした7つのコア・プロジェクトを強力に推進し、都政のクオリティ・オブ・サービスの飛躍的な向上に向け、全庁一体となって取り組んでいく。

 

②都営住宅募集のオンライン化について

【質問】

年間12万件に及ぶ、都営住宅の募集では、申込みや抽せん結果の通知などは、オンラインでも実施できるように速やかに転換すべきである。見解を伺う。

【住宅政策本部長】

都営住宅募集のオンライン化についてであるが、都営住宅の入居者募集において、都政のクオリティ・オブ・サービスの向上の観点から、その手続きの改善を図っていくことは重要である。

現在の手続きでは、申込者が手書きで申込書に記入し東京都住宅供給公社に郵送する。同公社では、入居者情報等を一元管理しているシステムに申込者情報を入力し公開抽せん後、抽せん結果をはがきで返信している。

申込みや抽せん結果の通知など、手続きのオンライン化により、手書きや郵送の手間を省き、申込書の未記入を防止できるなど、都民サービスの向上が期待できる。

今後、既存システムの安全性等を確保しながら、これと相互にデータ連携させる募集オンライン申請システムの構築に向け、速やかに取り組んでいく。

 

③工事関係書類の電子化について

【質問】

都は現在、工事関係書類の削減・簡素化に向け、意欲的に検討を進めているものと理解するが、書類の電子化も急ぐべきと考える。金銭の支払に関係する代表者印以外のはんこレスを実現するだけでも、受注者側の負担が大きく軽減されるはずである。見解を伺う。

【財務局長】

工事関係書類の電子化についてであるが、公共工事の働き方改革を推進し、新型コロナウイルス感染症への危機を乗り越えていくためには、工事関係書類の電子化を推進していく必要がある。

これにより、書類への押印や書類提出の移動時間、受注者と発注者間の対面打ち合わせなどが削減され、受注者の負担軽減や感染症防止対策への寄与が期待できる。

このため、財務局工事において、新たに情報通信技術を活用した書類の提出やはんこレス等の効果を検証するため、まずは使用頻度が高い書類を対象として今年度中にモデル工事を実施していく。

 

④新型コロナウイルス感染症下における附属機関の開催について

【質問】

都には、法律または条例に基づき附属機関を設置しているが、許認可等に関わる附属機関を安定的に運営することは重要である。コロナ禍においても、迅速な意思決定が必要な場合には、オンラインを活用した附属機関の会議開催に取り組むべきと考えるが、見解を伺う。

【総務局長】

附属機関の開催についてであるが、附属機関は、法律又は条例の定めるところにより、専門的知識の導入や公正性の確保、利害等の調整を目的として、調停、審査、審議又は調査を実施している。

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、感染防止の観点から都庁においても会議や出張の抑制を図る中、各局が、開催の延期や回数の見直しなどを行った。今後、感染症の流行期においても会議を滞りなく開催し、行政執行を遅滞なく行っていくためには、感染拡大の防止策とともに、オンライン会議の活用を促進する必要がある。附属機関の運営の基本事項を定める要綱において、新たにオンライン会議の積極的な活用に関して規定し、各局に促すことにより、全庁の附属機関の安定的な運営を担保していく。

 

防災対策

①高台まちづくりについて

【質問】

本年1月、国と都が連携して取り組む方策を検討する「災害に強い首都「東京」の形成に向けた連絡会議」を設置し、この中で、高台まちづくりを進めるとしている。都は、速やかに議論を進め、事業化すべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

高台まちづくりについてであるが、近年、気候変動による大規模洪水などが相次いで発生しており、東部低地帯の災害リスクの軽減を図り、都民の命を守るために、水害に対して安全性の高い高台まちづくりを進めることが有効である。

本年1月に国と共に設置した会議には、私も赤羽国土交通大臣と共に参加し、これまで、東部低地帯の水害対策などについて具体的な検討を重ねてきた。

先般、区画整理事業と高規格の堤防整備の一体的実施による高台づくりや、建物上部への避難スペースの確保など、国と共に具体的な方策を公表した。

これらについて、都民の意見を聞いた上で年内にも取りまとめ、さらに国や地元区と連携して、高台まちづくりの実践のためのモデル地区の検討を深め、災害に強い首都東京の形成に取り組んでいく。

 

②水害時の避難スペースの確保について

【質問】

会議では、民間の高層建築物への避難スペースなどを確保するために容積率の緩和を検討しているが、新設建築物だけではなく、既に建設された建築物でも地元区が活用できるよう、補助制度などについても検討すべきと考えるが、都の見解を伺う。

【都市整備局長】

水害時の避難スペースの確保についてであるが、都は、本年1月に国と共に設置した「災害に強い首都「東京」の形成に向けた連絡会議」において、東部低地帯の水害対策などについて検討を進め、今月、中間まとめを公表した。

この中で、水害時に、域内において命の安全などが確保できるよう、避難スペースの整備・確保を進めることとしている。例えば、既存施設については、学校、公共施設及び都営住宅などを緊急避難先として活用することとしている。また、民間開発の機会を捉えて、避難スペースなどの整備が進むよう、都市開発諸制度の見直しなどを検討することとしている。

今後とも、国等と連携して、国庫補助の活用を含め地元区などへの支援策について、幅広く検討を進めていく。

 

③京成本線荒川橋梁の整備について

【質問】

京成本線荒川橋梁は、架け替えに着手しても、完成までに長い歳月を要するが、早期に完成させることと、加えて、当面の応急的な対策を講じて、一刻も早く安全性を向上させていく必要があると考える。見解を伺う。

【建設局長】

京成本線荒川橋梁の架け替えについてであるが、東部低地帯に住む都民の命と暮らしを守るため、本橋梁の架け替えにより、荒川水系河川整備計画に位置付けられた堤防高さを確保することは重要である。

国は、これまで概略設計や環境影響評価などを行い、現在は、詳細設計に加えて用地取得を進めている。

都は、河川整備計画の変更時や、毎年実施している政府提案要求などの機会を捉えて、本橋梁の架け替えによる堤防の嵩上げなど、国が管理する大河川の氾濫を防止する治水対策の着実な推進について、継続して働きかけている。

今後、安全性の早期向上に資する応急対策の検討と併せて、本橋梁の架け替えの着実な推進を引き続き国に求めていく。

 

④多摩川流域の水害対策について

【質問】

小河内ダムの治水機能を発揮させるためには、国と都の連携、そして流域区市町村への情報提供が何より重要と考えるが、見解を求める。

【水道局長】

小河内ダムの洪水調節に関する協定についてであるが、小河内ダムに新たに洪水調節機能を持たせる多摩川水系治水協定を、国土交通省、神奈川県、都建設局、交通局及び水道局の5者間で本年5月に締結した。

この協定により、ダム上流域において豪雨が予想される場合、3日前から事前放流を実施することとなる。

このため、本年8月に、小河内ダムの運用変更に関する説明会を、各河川管理者と連携して、流域区市町村に対して開催した。今後の事前放流に際しては、実施判断のための気象情報や近隣の河川での放流状況などの情報を、国をはじめ関係機関相互で共有し、連携した対応を図る。また、放流に当たっては、河川管理者や流域区市町村へメール等により情報提供を行うとともに、局ホームページにおいても、最新の情報を周知していく。

 

⑤大規模水害時における避難の在り方について

【質問】

海水面より低い地域では、人や車両も、水没しない場所への避難でなければ、被害を避けられない。まずこの点で都は都内自治体に改めて強くメッセージを発し、対策の進捗を促すとともに、支援の強化を図るべき。見解を求める。

【総務局長】

大規模水害時における避難の在り方についてであるが、浸水が想定される地域の住民の命を守るためには、浸水のおそれの無い避難先の確保や、垂直避難、縁故避難などの分散避難を周知することが重要である。

都はこれまで、東部低地帯を中心とした浸水想定区域内の都や区の施設について、浸水などの被害を受けない階層部分のデータを提供するなど、区市町村による避難先確保を支援してきた。また、今月上旬の台風第10号で定員を超える避難所が数多く発生したことを踏まえ、テレビ会議による区市町村説明会を実施し、分散避難の取組の重要性を改めて周知徹底した。

今後も、区市町村に対して、データ等の効果的活用による避難先確保の取組を促すとともに、防災担当部署への周知を重ねて行うなど、対策の強化を図っていく。

 

⑥車両による避難や水没回避について

【質問】

都は改めて、避難に車両を使わざるを得ない避難者もいることも踏まえ、緊急車両などの避難の優先性の考え方について、急ぎ協議や検討を開始するべきと考える。見解を求める。

【総務局長】

車両による避難や水没回避についてであるが、大規模水害時において、車両での避難を余儀なくされる住民を安全な場所に避難させるとともに、早期に公共サービスを復旧させ、都民生活を正常化させることが重要である。

都はこれまで、区市町村の避難先確保を支援するため、駐車場等を活用する協定を商業施設団体と締結してきた。また、災害時においても、事業が継続できるよう企業等に対して、必要な計画の策定を促してきた。

今後は、車両による避難や車両の水没回避などの課題について、公共サービスの担い手である区市町村やライフライン事業者に対して、車両の避難等に関する調査を行うことで現状を把握し、防災対策の充実につなげていく。

 

⑦高齢者施設の風水害対策について

【質問】

23区内の特別養護老人ホームの4割が浸水想定区域内に立地するという報道もある中、高齢者施設での風水害への対策は急務である。今後、各施設において停電や水害の際にも避難や対策が確実に行えるよう支援すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

高齢者施設の風水害対策についてであるが、特別養護老人ホーム等に入所する要介護高齢者は、災害時の避難に適切な支援を必要とすることから、非常時に備え、施設で災害対策計画を策定し、日頃から避難訓練を行うことが特に重要である。

近年の災害の発生状況を踏まえ、高齢者施設等の風水害を想定したBCP策定を促進するため、都は今年度、専門家による講演や浸水被害を受けた施設の事例紹介等を行うセミナーを開催し、風水害を含めた災害への備えの重要性について普及啓発を行う。さらに、停電に備えポータブル式の小型発電機などを都独自に補助する。

また、現在、国が準備を進めている水害時の避難用スロープの設置等への新たな補助について、詳細が示され次第、都として速やかに対応していく。

 

働き方改革

①建設業界の働き方改革について

【質問】

契約後でも、受注者の意欲で週休2日を希望できる方式を実施すべきである。加えて、週休2日モデル工事では労務費が上乗せされている事実を、下請けで働く人々が認識できる環境づくりを図るべきである。さらには適切な工期の設定を徹底するべきである。見解を伺う。

【財務局長】

建設業界の働き方改革についてであるが、建設業全体の働き方改革を促進していくためには、受注者の施工体制や取組状況に応じて、柔軟に対応できる環境を整備することが必要である。

このため、財務局が実施する建築工事では、都が指定する週休2日モデル工事に加え、新たに受注者の希望に応じたモデル工事を試行していくこととした。

モデル工事では、労務費の補正を行っていることを明示したポスターを工事現場に掲示しており、今後、作業従事者まで着実に浸透を図るため、受注者に直接、補正の主旨を説明するなど、より丁寧に対応していく。

また、適正な工期の設定については、建設業法の改正に基づき、今般、国が「工期に関する基準」を定めたことも踏まえ、全庁的な会議等で周知徹底していく。

 

②設計委託での最低制限価格について

【質問】

構造や設備の設計の分野でも、耐震設計であれ、省エネや換気性能の向上、さらにはトータルなランニングコストの抑制を図るための環境整備として、構造や設備などの分野の設計においても、最低制限価格制度を適用していくべきと考える。見解を伺う。

【財務局長】

設計委託での最低制限価格についてであるが、昨年6月の品確法改正により、工事に加え、調査設計についても品確法の対象に位置付けられた。

都においては、そうした国の動きも踏まえ、設計、測量、地質調査をあわせた設計等委託について、この10月から、財務局発注の一部案件を対象に、最低制限価格制度を導入することとしている。

設計業務においては、意匠と同様、御指摘のように構造や設備も重要なものであり、これらの分野の案件にも本制度を適用していく予定である。

今後は、本制度の試行の状況を注視しつつ、業界団体の意見を聴きながら十分に周知を図ったうえで、来年度中を目途に、各局契約の一部の案件にも試行を拡大していく。

 

都市農業

【質問】

一昨年、都市農地貸借円滑化法が施行され貸借の実例も増えてきた一方で、果樹や樹木等がある土地を野菜畑に転換する際の樹木の撤去費用が課題であるという意見がある。こうした課題も踏まえ、生産緑地の貸借を促進する支援策を都も講じるべきと考える。見解を伺う。

【産業労働局長】

都市農地の保全に向けた取組についてであるが、都内で都市農地を保全するためには、特定生産緑地への移行を進めるとともに、農地の貸借を促進し新規就農や営農規模の拡大などにつなげていくことが重要である。

都は、これまで農地制度に高い知見を持つ東京都農業会議に、農地の貸し手と借り手をマッチングする専門員を配置するなど、貸借を促進してきた。

こうした中、老木化した果樹の撤去等にかかるコストが負担となり、貸借に結びつかない事例もあることから、今後は借り手の農業者の農地整備に対する支援を行い、新たな営農に円滑に取り組める仕組みを検討していく。

こうした取組により、生産緑地の貸借を促進し、都市農地を保全していく。

 

障がい者政策

①情報バリアフリーについて

【質問】

モニタリングレポートや知事の記者会見などをはじめ、都が中継する主要な番組等においては、リアルタイムで正確な生の字幕を視聴者側のストレスを伴わずに表示できる仕組みを早急に実現すべきと考える。見解を求める。

【生活文化局長】

都がインターネットで配信する動画への字幕表示についてであるが、障がいの有無にかかわらず、誰もが情報を得やすい環境を整備することは重要である。

都においては、新型コロナウイルス感染症に関する知事のインターネットによるライブ配信で、本年4月の開始当初より手話通訳を導入し、さらに、9月からは音声認識技術を活用し、配信画面にリアルタイムで正確な字幕を表示できるよう、試験的な運用を実施しており、10月から正式に開始する。

今後は、各局が動画を制作する際に障がい者の情報保障に十分配慮して、手話や字幕表示のほか、新しい技術を活用した動画配信の仕組み等を導入するよう、広報担当者による会議などを通じて積極的に働き掛けていく。

 

②都立施設でのヒアリングループの設置について

【質問】

集団補聴設備、いわゆるヒアリング・ループの整備について、早急に未整備施設の全容を把握すべきと考える。加えて、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が推奨する、設置済みマークを掲示するよう、施設管理者等に徹底すべきと考える。あわせて見解を伺う。

【福祉保健局長】

都立施設でのヒアリングループの設置についてであるが、都は、補聴器を使用する高齢者や障がい者等が必要な情報を容易に入手できるよう、都立施設の観覧席・客席について、施設の状況に応じて、常設型や移動型のヒアリングループ等の集団補聴設備の導入を進めており、イベントの主催者等には、設備が利用できることを事前に分かりやすく周知することを求めている。

今後、都立施設におけるヒアリングループ等の設置状況や今後の設置予定等を確認した上で、一層の整備を進めるとともに、お話しのヒアリングループマーク等を活用した表示の徹底を図っていく。

 

③盲ろう者の通訳・介助について

【質問】

都の盲ろう者支援制度は、通訳介助者の利用時間数などの点で他県に比べて利用しやすい一方、通訳介助者の勤務単価は全国平均の1,596円を下回っている。派遣時間数の総量だけでなく単価の点で全国のトップを行く水準を目指すべきであるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

盲ろう者の通訳・介助についてであるが、盲ろう者にとって、通訳・介助者による支援は生活に欠かせないものであり、盲ろう者の社会参加を確保するには、通訳・介助者派遣事業の充実を図っていくことが重要である。

このため都は、今年度から登録通訳・介助者のフォローアップの研修に対する支援を新たに実施し、通訳・介助者の資質の向上を図っている。

今後、盲ろう者支援の更なる充実を目指し、通訳・介助者の確保等に向け、派遣単価についても、他の自治体の状況等を踏まえて検討していく。

 

④盲ろう者及び通訳・介助者の感染防止について

【質問】

盲ろう者の通訳介助の利用に際しては、盲ろう者と通訳介助者の双方に感染防止の取組が保証されるべきだが、国の補助経費には盲ろう者への支援が含まれていない。都は、改善を国に求めるとともに、実現までの間は都自らが支援し、推進すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

盲ろう者及び通訳・介助者の感染防止についてだが、視覚障がいと聴覚障がいが重複している盲ろう者は、コミュニケーション手段が非常に限られており、通訳・介助者と指を触れ合わせて伝える指点字など、意思疎通の際の接触を避けることができない。

コロナ禍にあっても、盲ろう者に継続的にサービスを提供できるよう、今後、都が購入する予定のマスク等の衛生用品を活用し、感染防止を支援していく。

また、感染症対策に要する物品購入費用等を支援する国の感染対策徹底支援事業について、盲ろう者に対する通訳・介助など、生活に必要なサービスを提供する事業者を広く対象とするよう、提案要求していく。

 

⑤都における知的障がい者の雇用について

【質問】

今年の予算特別委員会で常勤採用を求めた我が党の提案に対して、知事は「知的障がい者が非常勤職員から常勤職員にステップアップすることを可能とする新たな雇用の枠組みの創設に向けて検討を進めていく」と応じた。この検討状況について、都の見解を伺う。

【総務局長】

都における知的障がい者の雇用についてであるが、障がい特性に適した職務内容や勤務条件を検証するため、知的障がい者を対象とした非常勤職員であるオフィスサポーターの採用を開始し、現在8名を雇用している。

この取組を通じて、非常勤職員としての勤務実績を考慮した上で、常勤職員へステップアップすることを可能とする、新たな雇用の枠組みの創設に向けて、詳細な検討を進めている。

具体的には、一定の勤務実績のあるオフィスサポーターを対象に、今年度中に常勤職員の採用選考を実施し、合格者については、来年度から常勤職員として、事務等の補助の職務を担わせることを検討している。

今後も、一人ひとりの特性に応じて能力を発揮できるよう、都における知的障がい者の雇用促進に努めていく。

 

⑥人工呼吸器を使用する子どもの保護者付添いについて

【質問】

保護者からの声を受け、学校内のみならず、専用通学車両内での人工呼吸器の管理を看護師が行うよう強く求めてきた。通学から学校生活まで保護者の付添いをなくし、一貫した支援が受けられるよう早急に通学ガイドラインを改正すべきだが、都の見解を伺う。

【教育長】

肢体不自由特別支援学校における人工呼吸器を使用する子供の保護者付添いについてであるが、都教育委員会は、子供たちの自立をより一層促進する観点から、校内と通学時の両方での付添いの在り方を検討してきた。

校内については、昨年度末に人工呼吸器管理ガイドラインを策定し、今年度、保護者付添いから看護師による管理に移行している。

また、通学時については、校内で看護師による管理への移行が完了した子供から、順次専用通学車両に乗車できるよう、乗車中に実施可能なケアの内容、緊急時対応等について現在準備を進めている。

年内には乗車に関するガイドラインを改訂し、人工呼吸器を使用する子供が看護師の管理の下、安全に通学し学校生活を送れるようにしていく。

 

保育政策

①都営バスにおける双子用ベビーカーの乗車について

【質問】

双子用ベビーカーを折りたたまずに都バスに乗車できる取組について、これまでの取組と今後の周知に係る見解を伺う。

【交通局長】

双子用ベビーカーのバスへの乗車についてであるが、都営バスでは、ベビーカーにお子様を乗せたまま安全に乗車できるよう、ベビーカーを固定するベルトの設置や乗務員研修などを進め、今月14日から周産期母子医療センターを経由する路線など5つの路線で試行を開始した。ご利用の際には、国が取りまとめたルールに基づきベビーカーをベルトで固定し、しっかり支えるなど、お客様自身で安全を確保していただき、併せて周囲のお客様には譲り合いなど、ご協力をお願いする必要がある。このため、試行開始に合わせたポスターやSNS等による呼びかけに加え、今後は利用方法を分かりやすく伝える動画を作成し、車内のデジタルサイネージで放映していく。こうした取組により、双子用ベビーカーの利用者を含め、誰もが移動しやすい環境整備に貢献していく。

 

②多胎児を育てる家庭への支援について

【質問】

多胎妊娠は、妊娠・出産から子育て期において、特段の配慮が必要と考える。育児をサポートするため当事者と専門職と研究者が共同して作った育児双子手帳の配布と保育所の優先入所など、多胎児を育てる家庭への支援をより一層進めるべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

多胎児を育てる家庭への支援についてであるが、多胎児を育てる家庭は、同時に2人以上の育児をすることに伴う様々な困難に直面する場合も少なくない。

このため都は、今年度から、多胎児家庭に対する予防接種などの際の移動支援や、家事育児サポーターの利用支援のほか、多胎育児の経験者による交流会等の実施などの支援を開始した。また、区市町村が地域の実情に応じた取組を進められるよう、包括補助で支援しており、お話しの多胎児用健康手帳を配布する取組などを、幅広く支援していく。

保育所への優先入所については、区市町村の多胎児に関する取扱状況等を調査し、待機児童対策協議会で情報共有することにより、今後とも、多胎児家庭が安心して子育てできる環境整備を進めていく。

 

③保育人材の確保について

【質問】

宿舎借り上げ支援事業は、保育士の確保に欠かせないと聞いている。しかし、本事業は今年度で終了予定であり、保育事業者や保育士の間に不安が増大し、採用活動にも影響が出ている。今後も本事業を継続し、人材確保の取組を支援すべきだが、知事の見解を伺う。

【知事】

保育人材の確保についてであるが、私は、就任直後から、待機児童対策を都政の最重要課題の一つに位置付け、保育サービスの充実を図ってきた。

保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は、保育人材の安定的な確保のため、平成28年9月の緊急対策において、都独自に採用後の年数制限を撤廃し、全ての職員を対象としており、昨年度は、50区市町村で活用されている。

区市町村や保育事業者からは、他県よりも家賃が高い都内において保育人材を安定的に確保するために、この事業は、大変有効な支援であるとの声を多数頂いている。

また、平成28年度以降、保育サービスの拡充を進めていく中で、利用実績は、毎年5千件程度増加し、昨年度は約2万件となっているなど、保育人材の確保と定着に、大きな役割を果たしていると考えている。

こうした認識の下、今後も引き続き、区市町村や保育事業者としっかりと連携しながら、保育人材の確保に向けた取組を全力で支援していく。

 

児童虐待対策

①一時保護児童への支援について

【質問】

保護児童の学習を保障するため、教師経験者を児童相談所に配置しているが、個々の児童の状況や学力に配慮し、更にきめ細かな学習指導が必要と考える。一時保護所の職員体制の強化や学習環境の充実など、支援体制の強化を図るべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

一時保護児童への支援についてであるが、都は、一時保護を行った児童への支援を充実するため、職員を国基準より厚く配置しており、今年度は専門職を8名増員し、夜間の見守り体制の強化や、児童の心理ケアの充実を図っている。

また、一時保護所には、学習の習慣が身についていない児童や学習に遅れのある児童も入所しているため、教員免許を有する非常勤の学習指導員を配置し、学年や学習の習熟度などに応じた学習指導を行うとともに、ボランティアを活用した学習支援や、進学時期の児童に対する在籍校と緊密に連携した受験対策なども実施している。

今後とも、一人ひとりの状況に応じた、より丁寧な支援が行えるよう、更に必要な人員確保や学習環境の充実に努めるなど、一時保護児童の支援体制を強化していく。

 

②乳幼児揺さぶられ症候群について

【質問】

乳幼児揺さぶられ症候群について、国の調査研究の動きを踏まえるほか、児童相談所は協力医に加え、画像診断に精通している医師の診断を基準に多角的に判断するとともに、親子の愛着形成に配慮した慎重な対応が必要と考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

乳幼児揺さぶられ症候群についてであるが、児童相談所は、医療機関から揺さぶられによる虐待の疑いの通告を受理した際には、虐待に該当するかどうか等について丁寧な調査と慎重な判断を行っている。具体的には、医師や保護者等から子供の病状把握、受傷に至った原因等の情報を収集するとともに、児童相談所の協力医師として登録している法医学、小児科、眼科等のセカンドオピニオン等を得た上で援助方針を総合的に判断しており、今後は更に脳神経外科、放射線科等様々な診療科の専門医師の所見も得ながら多角的に判断していく。

子供と保護者の愛着形成は重要であり、それを考慮し、今後、状況に応じて一時保護委託中の面会交流を進め、保護者の養育力の評価や指導を実施するとともに、国の調査研究の状況も注視しながら適切に対応していく。

 

医療政策

①アレルギー疾患の医療提供体制について

【質問】

アレルギー疾患医療拠点病院等を中心として、地域の医療機関と円滑に連携できる体制の整備が必要と考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

アレルギー疾患の医療提供体制についてであるが、アレルギー疾患は種類や病態が多様であり、患者が状態に応じた適切な医療を受けられるようにするためには日常的なアレルギー疾患医療を担う地域の医療機関が標準的治療を行うとともに、標準的治療では病態が安定しない患者等を、専門的な医療を提供する拠点病院等に円滑につなげられる連携体制を整備することが必要である。

そのため、都は、アレルギーに関する総合的な情報を提供している「東京都アレルギー情報ナビ」の医療関係者向け情報ページに、拠点病院等で実施可能な検査や治療等の情報を掲載している。さらに、本年11月に、都内医療機関での標準的治療の普及状況や患者紹介の実施状況等について調査することとしており、その結果も踏まえ、医療機関の連携体制の整備を推進していく。

 

②アレルギー疾患医療の従事者の資質向上について

【質問】

アレルギー患者が地域の医療機関で適切な治療を受け症状をコントロールするためには、高度なアレルギーの専門知識と指導技術を持ち、患者を継続的に支援できる看護師、薬剤師などの医療従事者の役割も非常に重要。資質向上を進めていくべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

アレルギー疾患医療の従事者の資質向上についてだが、都は、地域の医療機関がアレルギーの症状に応じて適切な医療を提供できるよう、拠点病院や東京都医師会と協力し、医師等を対象として、疾患別のガイドラインに基づく標準的治療に関する研修を実施しており、先ほど申し上げた調査の結果も踏まえて、標準的治療の更なる普及を図っていく。

また、アレルギー疾患医療に従事する看護師や薬剤師等が、患者や家族に対し、きめ細かな説明や支援ができるよう、来年1月から、スキンケアの手技や吸入補助具の使用方法等に関する研修を実施する。

今後も、アレルギー疾患を抱える都民が、地域で質の高い治療やケアを受けられるよう、医療従事者の資質向上に取り組んでいく。

 

高校教育

【質問】

多くの都民が通う都認可外の通信制高校も来年度から実質無償化の対象に加えるべきである。現在の検討状況について答弁を求める。

【生活文化局長】

通信制高校の授業料負担軽減についてであるが、都認可の私立通信制高校については、国の就学支援金に加え、各学校から生徒一人ひとりの授業料額等の情報を取得し、都の特別奨学金を支給している。

一方、都の指導監督権限が及ばない都認可以外の通信制高校からは、特別奨学金の支給に必要な生徒一人ひとりの情報を直接入手することが困難であり、現行の仕組みはそのまま適用できない。

そこで、都は、都認可以外の通信制高校の状況を把握するため、本年6月から7月まで、他道府県等の協力を得ながら、各学校に対して、都民の在籍生徒数や授業料額、就学支援金額の確定時期等の調査を実施した。

現在、これらの調査結果等を踏まえ、新たな仕組みについて検討を進めている。