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小磯善彦議員の本会議代表質問

都政運営について

【質問】
     新たな長期計画について、気候変動への対応や、一層深刻化する少子高齢化や生産年齢人口の減少等の経験値だけでは対処できない未知の課題に対しては、既存政策の延長上の視点ではなく、骨格となる構想を固め直すことから始めるべきである。今後の取組のスケジュールを含め、知事の見解を伺う。
【知事】
     お話のように、東京においても、2025年をピークに、人口減少が始まる。更なる少子高齢化の進展や、生産年齢人口の減少がもたらす、世界のどの都市も経験したことのない課題に、私達は、正面から向き合っていかなければならない。
     また、世界的な気候変動が都市に与える影響や、IoT、AI等の先端技術がもたらす産業構造や社会構造の大きな変化に対して、有効な政策を戦略的に講じていく必要がある。
     そのため、このたび策定する新たな長期計画では、こうした将来を見据え、東京2020大会を通じて生み出されるレガシーなども反映させながら、「人」の力が支える持続的な「成長」と、誰もが安心して豊かに暮らせる「成熟」とが両立する、新たな都市像を描いていきたい。
     まずは現状を分析し、「鳥の目」で全体を俯瞰しながら、今後の東京の姿について議論を積み重ね、年末を目途に、将来に向けた政策目標と、取り組むべき具体的な政策を、長期計画の戦略ビジョンとして示していく。
     そして、この戦略ビジョンを基に、有形無形の大会のレガシーなどを反映させ、政策目標や具体的な政策を更に充実させながら、新たな長期計画として取りまとめていく予定である。
     東京の活力の源泉である「人」がいきいきと活躍し、その中で成長を生み続ける成熟都市・東京を実現する。
     そのために、都議会の皆様と議論を重ね、都民、区市町村、産業界や労働界、有識者の方々等様々な方から広くご意見を伺いながら、首都東京の長期的な羅針盤としてふさわしい骨太の計画を作り上げていきたい。

【質問】
     新たな長期計画はSDGsの視点に立ち、誰一人取り残さない持続可能な都市・東京を構築することに直結する内容とすべきである。加えて、PDCAサイクルを活用し、事業の成果や課題を公表する等「見える化」の視点を位置付けるべきである。知事の見解を伺う。
【知事】
     長期計画におけるSDGs等の視点についてであるが、国連が採択した持続可能な開発目標、いわゆるSDGsは、「誰ひとり取り残さない社会」の実現に向けて、環境、社会、経済など、あらゆる分野における課題解決を目指しており、これは、私が目指す、「人が輝く東京」の実現に向けた政策とも一致するものである。
     こうしたグローバルな視点から都の政策を練り上げることは、世界の潮流を捉え、国際都市としての東京のプレゼンスを、更に高めていく上で不可欠であると考えている。
     先月、世界の主要都市が参加し東京が議長都市として開催した国際会議U20メイヤーズ・サミットにおいても、SDGsという枠組みの中で、気候変動など、世界共通の課題解決に向けた認識を共有することができた。
     今後策定する長期計画においても、こうしたSDGsの視点に立って、世界をリードする政策を盛り込んでいきたい。
     また、現在の実行プランの推進に当たっては、毎年度、その進捗状況等を精査し、政策の強化を図るPDCAサイクルの取組を進めるとともに、取組の成果や課題を公表している。
     新たに策定する長期計画とその実施計画においても、こうした「見える化」の視点をしっかりと位置付け、常に政策をブラッシュアップしながら、その実効性を高めていく考えである。

まちづくりについて

【質問】
     築地再開発について、地元区との連携を重視しつつ、都民の夢と希望を育み、世界の主要都市に類の無い、ロケーションを生かしたまちづくりとするべきと考えるが、知事の見解を求める。
【知事】
     築地は、都心に近接し、かつて「浜御殿」と呼ばれた東京の宝「浜離宮恩賜庭園」、江戸の名所を数多く抱える「隅田川」に面するなどまたとないロケーションにある。
     地域のポテンシャルを生かし、都民をはじめ、国内外から多くの人々が集い、ともに感動し、楽しみを共有しながら、東京の新たな魅力を発信できるような交流拠点を形成していく。
     民間の力も最大限に活用して文化の創造拠点を象徴する優れたデザイン・景観の形成も図りながら、先進性と国際性を兼ね備えた、海外都市にないこれからの東京の新たな顔をつくっていく。
     まちづくりの推進に当たっては、地元区とも十分に連携を図っていく。

【質問】
     築地再開発における価値の向上についてであるが、今後の開発に当たっては、民間のノウハウを最大限に生かして経済効果を高めつつ、かつ、都民の誰もが開発のメリットを享受できる開発としていくべきであるが、知事の見解を求める。
【知事】
     築地では、都心のまたとない広大な土地を生かし、民間の力を最大限に活用しながら、段階的に整備を進め、将来の都民にとっての価値の最大化を目指していく。
     有識者から提言をいただいた「築地まちづくりの大きな視点」では、民間開発部分の、個別の収益の最大化を求める従来のような手法では、全体として最適なものとはならないとされている。
     長期的観点から、まちづくりを適切に進められるよう、外部の有識者を交えながら、一貫して開発をコントロールする仕組みを構築し、都民にとっての、東京全体の価値が最大化できるよう、しっかりと取り組んでいく。

【質問】
     都は、築地跡地を段階的な整備をしていくとしているが、開発方針の一貫性が薄らぐのではないかとの危惧や、築地場外市場への影響などが懸念される。これらの課題に対しても、都は責任ある対応を示すべきと考えるが、見解を求める。
【東京都技監】
     築地の再開発の進め方についてであるが、築地の段階的整備に当たっては、まちづくりを適切に進めるための一貫した方針の下、周辺との相乗効果等も図りながら、適切に機能を順次導入していく必要がある。
     機能の導入に当たっては、食文化の拠点として築地が育んできた活気とにぎわいに鑑みて、新たなにぎわい・集客の創出にも留意していく。
     また、周辺との連携を強化することができるよう、楽しく周遊できる歩行者のネットワークなどを形成する。
     そして、水の都にふさわしい舟運の活性化や、築地場外市場とのつながりなどの観点から、まずは、船着場周辺のエリアを先行して整備していく。
     まちづくりの推進に当たっては、築地場外市場の所在する地元区とも十分に連携を図っていく。

【質問】
     今後、都は、マンション再生まちづくり制度を活用し、管理組合による専門家活用の促進を図るべく、推進地区の指定に向けたまちづくり計画の策定に取り組む区市の数の拡大を目指すべきと考えるが、見解を伺う。
【住宅政策本部長】
     マンション再生まちづくり制度についてであるが、都は、これまでマンション再生に向けた目標や取組の方針を示すまちづくり計画を策定する6つの区市に対し支援を行い、2つの地区をマンションの再生を図る必要性が高い推進地区として指定した。
     この指定により、管理組合が行う区分所有者の意向調査や、説明会の実施などについて、区市を通じて5年間、複数の住棟の場合は8年間助成できる。
     都は、本制度を区市へ積極的にPRし、推進地区の指定に向けたまちづくり計画を策定する自治体の数の拡大を図り、管理組合による専門家活用を促進していく。
     こうした取組により、マンションの建替えと、それにあわせた道路の拡幅や広場空間の確保等を図り、地域の防災性の向上と良好な市街地環境の形成を進めていく。

【質問】
     特に建替えの検討初期段階においては、専門家を活用しやすくする例えば無料派遣などの特別な支援が重要と考えるが、見解を伺う。
【住宅政策本部長】
     建替え検討初期段階での専門家活用についてであるが、マンション建替えを円滑に進めるためには、検討初期段階でマンションの区分所有者の建替えに向けた意識を高め、管理組合全体での合意形成につなげていくことが重要と認識している。
     都はこれまで、マンション建替え・改修アドバイザー制度により、管理組合等の求めに応じ、建築士などの専門家を派遣し、建替えに向けた情報提供や助言を行ってきた。今後、都内では、老朽化したマンションが増大することが見込まれており、より一層の取組が必要である。
     このため、条例による管理状況届出制度が来年度から開始されることを契機として、御提案のような視点も踏まえつつ、管理組合等が建替え検討を進めるに当たり専門家を活用しやすい制度となるよう幅広く検討していく。

【質問】

     都は、空きシェアハウスなどについて、都内の新たな負の遺産になりかねない問題の物件を、有効資産に変えていくためにも、区市と連携して空き家対策事業によるリフォームの進展などを図っていくべきと考えるが、都の見解を伺う。
【住宅政策本部長】
     空き家対策についてであるが、空き家対策を効果的に進めていくには、地域特性を踏まえた区市町村の取組が重要であり、都はこれまで実態調査、計画作成、除却や改修などへの支援を行ってきた。
     今年度からは、区市町村の創意工夫を活かし、空き家の利活用を更に推進していくため、新たに、区市町村からの企画提案に基づく事業への支援を開始した。
     具体的には、お話のような、賃貸用の空き家・空き室を子育て世帯向けに広い住戸に改修する、また外国人労働者向けの住宅やグループホームに改修することなどにより、地域ニーズに弾力的に応えられる仕組みを整えた。
     今後、区市町村の意向を改めて的確に把握しながら、新たな補助制度を活用し、東京における空き家の利活用を積極的に推進していく。

環境対策について

【質問】
     都においても、気候変動適応計画を策定すべきである。また、その計画には、具体的な適応策として、堤防や洪水調整施設などのハード整備、農林水産物の調査・検討などを盛り込むべきである。あわせて、都の見解を求める。
【環境局長】
     気候変動適応計画についてであるが、都はこれまでも、温室効果ガスの排出を抑制する緩和策を進めてきたが、引き続き緩和策を行ってもなお気候変動による影響は残るため、適応策を合わせて進めていくことが重要である。
     このため、検討体制を新たに構築するとともに、最新の気象データを調査し、自然災害、健康、農林水産業、生態系等の分野ごとに適応策を盛り込んだ気候変動適応計画について、年度内を目途に策定する。
     都民の生命と財産を守るため、気候変動の影響による被害の回避・軽減に向け、全庁的な体制で本計画を推進していく。

【質問】
     情報収集や分析、そして、導き出された適応策の推進を図るためには、(仮称)「地域気候変動適応センター」などの新設が必要と考える。都の見解を求める。
【環境局長】
     地域気候変動適応センターの新設についてであるが、気候変動適応法では、地方公共団体に対し、地域における気候変動適応を推進するセンターの設置が努力義務とされている。
     センターは、適応に関する情報の収集、分析、提供等を行う拠点となるものであり、気候変動の影響による被害の回避・軽減を図る上で重要である。
     今後、都においても、環境省や国の気候変動適応センターに位置付けられている国立環境研究所とも連携しながら、センターの設置に向けた検討を進めていく。

【質問】
     食品ロス削減について、今後は、提供側と寄贈先をマッチングするシステムの構築に取り組むべき。「食品ロス削減推進法」成立を受け、より積極的に食品ロス削減を推進すべき。「食品ロス削減推進計画」の策定も含め今後の取り組みについて、都の見解を求める。
【環境局長】
     都はこれまで、食品ロス削減パートナーシップ会議での議論を重ねるとともに、各種キャンペーンの実施等により食品ロス削減のムーブメントを醸成してきた。
     今回の法律成立を受けて、都として、これまでの成果を生かし、食品ロス削減に向けた消費者、事業者等の各主体の自主的な行動をより一層促していく。
     具体的には、都や区市町村等が保有する防災備蓄食品の在庫状況を把握し、必要な団体とマッチングする仕組みの構築を目指す新たな調査を実施する。
     今後、政府が示す基本方針を踏まえ、法律が規定する食品ロス削減に向けた都としての推進計画を策定し、様々な主体との密接な連携のもと、食品ロスが発生しない資源循環の確立に向け取り組んでいく。

ラグビーワールドカップ・東京2020大会について

【質問】
     被災地の復興を支援するためにも、東京オリパラ大会が開催される2020年には、更にスポーツでJヴィレッジを活用すべきと考えるが、都の見解を求める。
【オリンピック・パラリンピック準備局長
     Jヴィレッジの活用についてであるが、都はこれまで、スポーツを通じて被災地に元気を届ける被災地支援事業を実施してきた。
     また、東京2020大会開催決定後は、「被災地の復興なくして、大会の成功はない」という理念のもと、大会準備に取り組んできた。
     Jヴィレッジは、東京2020オリンピック聖火リレーのグランドスタート会場でもあり、本施設を活用することは復興を後押しする上でも意義深いと考えている。
     加えて、Jヴィレッジの利用促進については、福島県からも、かねてより協力を依頼されている。
     このような状況も踏まえ、都が主催するスポーツイベント等におけるJヴィレッジ活用の可能性について、今後、具体的に検討を進めていく。

【質問】
     オリパラを機とする都内美化について、都は、湾岸道路の一部を含む競技開催会場周辺について、都自ら取り組むとともに、効果的な方法を検討するべき。都の見解を求める。
【オリンピック・パラリンピック準備局長】
     競技会場周辺の美化についてであるが、ラストマイルなど会場周辺の路上の清掃を行い、観客に安全で快適な経験を提供し、大会がクリーンな環境で開催される状況を世界に発信することは重要である。
     そのため、都道はもとより、国道などについても、各道路管理者等へ働きかけ、道路環境の美化に取り組む。
     また、大会中は会場周辺における定期的なごみの回収に加え、都内自治体が運営するボランティアと連携した会場周辺の美化などを行う。
     さらに、参画プログラムを通じ様々な団体が地域の美化活動に取り組んでいることから、組織委員会と連携しこうした団体の活動を広く発信し取組を促進するなど、地域の方々と一体となって大会を盛り上げ、会場周辺におけるごみのない快適な環境づくりに取り組んでいく。

【質問】
     地域における美化活動について、さまざまな方々が街の清掃活動に汗を流して下さっている。東京オリパラ大会を契機に、こうした善意の活動を都内全域で実施し、次世代へ引き継ぐ「おもてなしレガシー」としてはどうかと提案する。知事の見解を求める。
【知事】
     地域における清掃・美化活動についてであるが、サッカー・ワールドカップ大会では、日本人サポーターが試合後にスタジアムを清掃して世界から称賛を受けた。こうした善意の清掃活動は、日本人の美徳を象徴する取組である。
     都内においても、島しょ地域における「海ごみ」の回収事業や、都内各所の「スポーツごみ拾い大会」において、多くのボランティアが参加するなど、都民参画による清掃・美化活動は地域に根付いてきている。
     来る東京2020大会では、こうした都民による善意の活動を広げ、清潔で美しい街並みで来訪者をもてなし、大会後もレガシーとして街を綺麗にする取組を継続していくことは、大変重要である。
     後世に残るクリーンで快適な都市東京の実現に向けて、大会を契機として、地域住民の皆様の清掃・美化活動が、美しい都市環境を大切にする共感の輪を広げていけるように都として後押しし、大きなムーブメントとなるよう区市町村と連携して取り組んでいく。

【質問】
     都立高校生の海外ボランティア活動について、グローバル時代を生きる子供たちに国際貢献の意識を育むために、積極的に海外でのボランティア活動に参加できるようにすることが重要であると考えるが、都教育委員会の見解を伺う。
【教育長】
     グローバル社会において、生徒が社会貢献や国際協力の意識を身に付けるためには、海外を含めた様々な体験活動に取り組むことが効果的である。
     これまで、都教育委員会は、全ての都立高校等において、都独自の教科「人間と社会」やオリンピック・パラリンピック教育等を通して、生徒の様々なボランティア活動を推進してきた。
     今後、国際協力の在り方等を学ぶことを目的として、ボランティア推進校の生徒をベトナムへ派遣し、JICA隊員のジョブシャドウや障害者施設でのボッチャによる交流等を実施する。
     さらに、その成果を全都立高校等の代表生徒によるボランティアサミットで共有するなどして、国際社会に貢献しようとする意欲を高めていく。

【質問】
     ラグビーワールドカップを機に、都内と被災地の子供たちが、ともに一層活発にラグビーに取り組んでいくことを目指し、より幅広い子供たちが観戦招待を通じた交流事業に参加できるよう工夫を凝らすべきと考える。都の見解を伺う。
【オリンピック・パラリンピック準備局長】
     ラグビーワールドカップの被災地観戦招待事業についてであるが、宮城県や福島県の子供たちが、世界最高峰の試合を直接観戦するとともに、都内の子供たちとラグビーを通じた交流を図ることは重要である。
     このため、ジュニア世代のラグビー振興に資するよう、中学生に加え、小学校高学年も対象とし、保護者と合わせて120名を招待する。また、ワールドカップの雰囲気を間近に感じられるよう、東京スタジアムに隣接する西競技場において合同練習などの交流を行うことを検討している。
     広々とした天然芝グラウンドでの交流が、子供たちの心のレガシーとなり、今後の活発な活動に繋がるよう、両県や都内の競技団体等と連携し、着実に準備を進めていく。

防災対策について

【質問】
     東京マイ・タイムラインが効果的に活用され、子ども達の防災意識を培うためには、学校での丁寧な取組が大事である。都教育委員会の今後の取組について、見解を求める。
【教育長】
     マイ・タイムラインの学校での取組についてであるが、子供たち一人一人が、家族等と話し合いながら、風水害発生時の適切な避難行動をしっかりと考えられるようにするためには、学校から子供たちに、マイ・タイムライン作成の目的や意義を十分に伝えていくことが重要である。
     そのため、都立学校や区市町村教育委員会の管理職に、本年5月に周知し、さらに6月初旬には、安全教育を担当する指導主事等に対しても丁寧に説明を行った。
     今後、子供たちにマイ・タイムラインを配布する際に、作成・活用の手引を使用して、風水害への備えの重要性を伝えるとともに、防災ノートにマイ・タイムラインの内容を記載し、様々な教育活動の中で触れられるようにして、防災意識の更なる向上を促していく。

【質問】
     子供がいない家庭を含め、若者から高齢者まで幅広い世代にマイ・タイムラインを広めていくべきである。そのためには、市区町村や東京消防庁などの関係機関が連携した取組を進める必要がある。見解を求める。
【総務局長】
     マイ・タイムラインの普及拡大についてであるが、多くの都民が風水害発生時に的確に避難できるようにするためには、家族構成によらず幅広い世代がマイ・タイムラインを作成することが有効である。
     このため都では、区市町村と連携し、防災訓練等において作成会を実施するとともに、消防署や防災館等において、夏休み期間を中心に個人や親子で参加できる作成講座を開催するなど、その普及啓発に努めていく。
     さらに、多くの都民に作成を促していくため、地域防災の担い手となる自治会の防災リーダー等を対象とした研修会の実施により、作成を指導できる人材を育成し、地域の活動を通じて普及させていく。
     こうした様々な取組を進めることで、都民一人ひとりの風水害への備えを万全なものにしていく。

【質問】
     公立小中学校における体育館等への空調整備の進捗状況について、昨年夏の災害級の暑さを踏まえわが党は、今年夏の空調整備が間に合うよう、平成30年度補正予算の編成を強く求め、その成立を導いたところである。そこで、令和元年度予算に基づく対応を含め、市区町村の小中学校で具体的にどう進展しているか、見解を求める。
【教育長】
     学校体育館等は、子供たちが安全に、安心して活動を行う場であることや、非常災害時における避難所等としての役割も果たすことから、安全性の確保や防災機能の強化は極めて重要である。
     このため都教育委員会は、区市町村が時機を逸することなく暑さ対策を講じられるよう、昨年度の補正予算により、緊急対策の一環として創設した、体育館等の空調整備に係る都独自の補助制度に加え、本年度からはリースによる対応も支援の対象とすることとした。
     これにより、昨年度の補正予算成立後から本年6月までの間で、486校の489棟において空調整備の着手がなされる予定である。

【質問】
     リース方式や設計費用への対応や武道場への空調整備について、市区町村の取組状況を明らかにすべき。また、リースによる空調設置の補助制度では、財産処分制限期間が10年となっており、この間に改築等の事情がある事例にも対応すべき。併せて見解を求める。
【教育長】
     武道場への空調整備やリース方式による空調整備に対する区市町村の取組状況及び改築等の事情がある場合の対応についてであるが、先ほどお答えした489棟のうち、武道場は2棟あり、この2棟を含め、本年度予算での対応となるリースによる空調整備は263棟である。
     また、お話のような、10年以内に改築などの特別な事情が生じる事案についても、体育館等の空調整備に対する都の支援を区市町村が積極的に活用できるよう、早急に検討し周知する。

【質問】
     市民センターや公民館に体育室を設置し、避難所として活用している市町村の空調設備整備に対する支援も求めたところであるが、その取組状況について伺う。
【総務局長】
     市町村における市民センターや公民館の体育施設への空調設備設置の取組状況についてであるが、市町村の公民館などに併設されている体育施設の多くは、学校の体育館と同様、災害時の避難所としての活用が予定されている。今年度は、八王子市と青梅市において、市民センターと総合体育館の空調設備設置のための予算が計上されており、現在、両市において、設置に向けた設計に着手しているところである。
     こうした空調設備の設置に対しては、市町村の財政負担の軽減を図るため、今年度から、市町村総合交付金をより活用しやすくすることにしており、今後、改めて市町村に通知することに加え、様々な機会を捉えて実務担当者に対しても丁寧に説明するなど、制度の更なる周知に努めていく。

【質問】
     さらにわが党は、都立高校体育館の空調設備設置についても速やかに完了すべきと訴え、都教育委員会は今年度から3年以内に整備すると明らかにした。現況と今後の見通しについて、答弁を求める。
【教育長】
     都立高校の体育館への空調整備についてであるが、都教育委員会は、昨年度、各校の電気容量の調査等を行うとともに、これを踏まえた整備計画を策定し、都立高校の体育館における空調整備に、鋭意取り組んでいる。
     今年度は、早期に対応可能な20校について、夏までに整備できるよう、現在、設置工事等を進めている。
     更に、他の都立高校についても、空調設備の必要台数や設置場所等に係る調整に着手するなど、今年度から3年以内の整備に向けて、計画的に取り組んでいく。

【質問】
     災害時に重要な機能を果たす、都立高校体育館の空調設備の熱源については、電気のほか、災害にも強いLPガスの活用も有効である。都教育委員会はLPガスの活用も積極的に進めるべきと考えるが、答弁を求める。
【教育長】
     都立高校の体育館へのLPガスを動力とする空調機の導入についてであるが、LPガスは、都市ガスに比べ、災害時における復旧が早いとの報告があるほか、電気やガスが寸断されても運転可能な機能を備えた空調機もある。
     このように、災害発生時に避難場所となる都立高校の体育館へのLPガスを動力とする空調機の導入にはメリットがあることから、都教育委員会では、現在、その導入を視野に入れた調査研究を進めている。
     今後は、LPガスを動力とする空調機の設置費用や設置場所等、様々な角度から、より具体的な調査を行っていく。

【質問】
     都立高校の特別教室の空調に関して、理科教室、調理室、実験室などで設置が遅れ、未整備校が90校であることを踏まえ、知事に対し早急に整備計画の策定の緊急要望を行った。その後どう具体的に進展しているのか整備計画を明らかにするよう、改めて都教育委員会に答弁を求める。
【教育長】
     都立高校の特別教室への空調整備についてであるが、都立高校では、普通教室で代替のきかない特別教室のうち、音楽室やパソコン室などへの設置を既に完了しており、平成28年度からは、火気を使用する調理室等を新たに対象に加え、年間6校から8校の規模で、整備を進めてきた。
     こうした中、近年の夏の猛暑の状況等を踏まえ、今年度は、13校において工事を実施するとともに、更に13校で、来年度の工事に向けた設計に着手するなど、特別教室における空調整備の取組を加速している。
     今後、残りの都立高校についても、各校の現状を把握した上で、整備計画を策定し、スピード感を持って取り組んでいく。

交通政策について

【質問】
     都は市区町村と連携し、保育施設における散歩ルートや通園ルートの自主的な総点検を行うとともに、安全管理者である警視庁と連携し、子供たちを交通事故から守るためのソフト・ハードにわたる対策を早急に進めていくべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
     保育所等の園外活動についてであるが、都は、認可保育所や認証保育所の開設に当たって、歩道の有無や交通量など、公園等の代替遊戯場までの移動経路の安全性等を職員が実地で確認するとともに、開設後も、指導検査等を通じて、園外活動の際の職員体制について指導している。
     また、今回の事故を受けて、認可外保育施設を含めた保育所等に対して、園外活動の際の安全管理を徹底することや、周辺道路に危険箇所がある場合には警察署に連絡することなどを通知した。
     今後、区市町村とも連携し、指導検査等により移動経路の再点検を促すとともに、保育事業者向けの講習会で、警視庁による交通安全対策等に関する講義を実施するなど、園外活動の際の安全確認の徹底を図っていく。

【質問】
     都内の保育施設では、屋外での散歩を行っているところもあることから、保育施設における散歩ルート等を総点検するとともに、子ども達を交通事故から守るための対策を早急に進めるべきと考えるが、警視総監の見解を伺う。
【警視総監】
     保育施設の散歩ルート等における交通安全対策等についてであるが、警視庁では、既に緊急的な取組として、幼稚園及び保育施設の散歩ルートや通園ルート等について実態を把握し、危険箇所があった場合及び幼稚園などから危険箇所や交通安全対策について相談があった場合には、道路管理者等との合同点検を行い、ガードパイプの設置等、道路交通環境の改善を図っている。
     さらに、過去5年間に子どもが当事者となった重大事故の道路交通環境に類似した箇所において、同様の交通安全対策を講じていくこととしている。

【質問】
     チャイルドビジョンを運転者講習会や交通安全教室で活用したり、保護者や保育士に配布するなどして、子供の目線、子供の行動の特性について社会全体が理解した上で、安全対策を講じるべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
     チャイルドビジョンについてであるが、都は、平成18年度に、大人に比べて狭い幼児の視界の特徴に、保護者などが気付くことで、不慮の事故の予防につながるよう、東京都版チャイルドビジョンを作成し、区市町村の関係機関等に配布するなど、普及啓発に努めている。
     また、都のホームページでダウンロードできるようにするとともに、認可外保育施設の開設希望者に対する説明会で体験してもらい、その活用方法を説明している。
     今後、チャイルドビジョンを活用した安全対策の取組が一層進むよう、改めて保健所・保健センターをはじめ、都内全ての保育所や児童館、子育てひろば等に配布するとともに、保育事業者向けの講習会や認可外保育施設の巡回指導等の場も通じて広く普及啓発に努めていく。

【質問】
     幼児の視野を体験できるチャイルドビジョンを保護者や保育士などに配布するなどして、子どもの目線、子どもの行動の特性について社会全体が理解した上で、安全対策を講じるべきと考えるが、警視総監の見解を伺う。
【警視総監】
     子供の目線や行動の特性を理解した上での交通安全対策についてであるが、警察署等が実施している講習会や交通安全教室において、子供の交通事故の特徴や事故事例、幼児の行動の特性を内容とする交通安全教育を実施して、子供の交通事故防止対策を推進しており、その一環として、「チャイルドビジョン」を保護者や教育関係者のほか、運転者などにも配布して子どもの視野を理解してもらうために活用している。
     引き続き、社会全体で子供を交通事故から守るべく、各種取組を推進していく。

【質問】
     自動車の安全対策について、先の知事の所信表明では、事故防止に効果的な装置の取付補助を開始するほか、全庁横断的なプロジェクトチームを設置し、解決に向けて取り組んでいく決意が示された。子どもたちをはじめ、歩行者の安全を守るため対策は速やかに実施すべき。見解を伺う。
【知事】
     歩行者が犠牲となる交通死傷事故が続発する中、痛ましい事故から都民を守るためには、様々な対策を迅速に講じていく必要がある。
     そのため、都として、自動車の安全運転を確保するための緊急対策として、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐなど、事故の防止に効果的な装置の取付補助を実施することといたし、すでに事業者とは調整を行っている。
補助の受付開始後1年間は、高齢者の方に、より早急に対応していただくために、費用の1割程度の自己負担で装着できるように、今年度の予備費での対応も含めて、支援を行っていく。
     また、運転免許の自主返納への理解促進を図るために、休日に家族相談会を新たに実施するほか、返納された方々への特典の拡充に向け、関係機関への働きかけを強化していく。
     さらに、子供の安全を守るため、警視庁や関係機関と連携し、通学路など、日常的な移動経路の危険個所の把握や合同点検等を実施し、緊急の安全対策につなげていく。
     今般設置した、全庁横断型の緊急プロジェクトチームでは、更なる対策を検討することとしており、今後とも、誰もが安心して暮らすことができる都市・東京の実現に向け、自動車の安全対策に積極的に取り組んでいく。

【質問】
     高齢者の移動支援について、都内自治体がコミュニティバスやオン・ディマンドバスの運行を拡充できるように、制度を抜本的に見直し、安定的な財政支援を行うべきである。また、買い物弱者に対する支援の拡充や先端技術を活用した支援も検討していくべきであるが、知事の見解を伺う。
【知事】
     高齢者の日常生活を支え、社会参加を促進する上で、その足となる地域の公共交通は大きな役割を担っている。
     そのため都は、現在、区市町村が実施するコミュニティバスの導入に対する支援を行っている。
     また、日常の買物が困難な方々に対する支援策の1つとして、都営住宅団地内では地元区市や民間事業者と協力して、食品等の移動販売サービスを実施している。
     今年度は、先端技術を活用し、八丈島で高齢者の移動支援ともなる自動運転バスの実証実験を行う。
     また、高低差が移動の支障となっている多摩ニュータウンでは、バス停から団地まで等の移動について、電動車いすなどを活用する実証実験を行う予定である。
     お話しのように、運転免許の自主返納を促進するためには、高齢者の買物や仕事、通院のための移動支援の充実を図っていくことが重要である。
     こうした観点から、新たに設置した緊急プロジェクトチームでは現在の制度を検証し、 実効性のある対策を検討していきたい。

【質問】
     東京都としても、自転車損害賠償保険の加入義務化に舵をきるべきと考えるが、その考えを伺う。
【都民安全推進本部長】
     自転車損害賠償保険の加入義務化についてであるが、都は、平成25年に制定した東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例で、加入を努力義務としている。加入促進のため、自転車安全利用教室や自転車購入時などに普及啓発を行っており、加入率は、昨年の都政モニター・アンケートでは、約53%になっている。
     都は、近年の事故等の状況を踏まえ、5月に更なる自転車の安全で適正な利用の促進に向け、専門家会議を設置したところであり、会議では、専門家からルール・マナーの一層の周知徹底などとともに、保険加入の義務化についても意見が出されている。今後は、専門家会議での加入義務化に関する議論や、加入義務化に舵をきるべきとの御指摘も踏まえ、都としての対応を早期に検討していく。

住宅施策について

【質問】
     都営住宅制度について、答申で提言のあった期限付き入居の拡充に向け、具体的な制度構築にすみやかに取り組むべきと考えるが、知事の見解を求める。
【知事】
     都営住宅は、都民の住宅セーフティネットの中核としての機能を担っており、社会経済情勢の変化に応じて、管理の在り方を適切に見直してきた。
     今日、入居者の高齢化・世帯の単身化が進行する中、住宅ストックを有効活用して、高齢者が安心して暮らせる環境の整備や、若年ファミリー世帯の入居促進などにより、様々な世代が共に暮らし、支え合う多世代共生を推進していくことが必要である。
     先月末の住宅政策審議会答申では、子育て世帯への支援を一層充実するため、現在10年を限度としている期限付き入居制度の入居期間を子供の高校修了期まで延長する、また、ひとり親世帯を新たに対象にする、との方向性が示された。
     この答申を踏まえ、期限付き入居制度について、期間延長の対象者の要件や現在お住まいの方に適用する場合の考え方、また、同制度で新たに対象とするひとり親世帯の要件など詳細な制度設計を早急に検討する。
     今後、条例改正も視野に入れ、都営住宅における多世代共生の実現に向け、新たに住宅政策本部を設置した趣旨を十分に生かし速やかに施策を推進していく。

【質問】
     従前居住者の住まいの確保は図りつつも、積極的にファミリー世帯向け住戸を増やす建替えとするべきである。都の見解を求める。
【住宅政策本部長】
     都営住宅のファミリー世帯向け住戸についてであるが、現在、建替え対象としている昭和40年代以前に建設された都営住宅では、居住者が3人以上の世帯の割合は平均して約11%となっている。
     これらの住宅の建替えに当たっては、居住者の世帯規模などの状況を勘案し、地元自治体との協議も踏まえつつ、必要なファミリー世帯向け住戸の整備を進めている。
     今年度に発注する建替事業においては、建設戸数の約25%を3人以上用の住戸として整備する計画としている。
     今後とも、都営住宅の建替えに当たっては、団地ごとの特性に応じ、適切にファミリー世帯向け住戸の確保に努めていく。

【質問】
     地元市区町村の福祉部門や民間事業者と連携しながら、生活支援サービスの取組をさらに多くの団地に拡充し、展開していくべきと考えるが、都の見解を求める。
【住宅政策本部長】
     都営住宅の生活支援サービスの充実についてであるが、都営住宅において高齢化・単身化が進む中、高齢者が孤立せず、団地居住者や地域と交流しながら暮らすことができる環境の整備は重要である。
     住宅政策審議会の答申では、巡回管理人による定期訪問や自治会における見守り活動の支援など、都が実施してきた生活支援サービスの取組を更に進めるため、地元市区町の福祉部門や民間事業者等、様々な主体と連携が必要との提言がなされた。
     今後、市区町等との連携を強め、移動販売の実施団地を拡大するとともに、敷地や集会所等を活用して、入居者の居場所づくりや交流を図るイベントを、民間事業者等が多くの団地で実施できるよう、枠組みを整えるなど高齢者への生活支援サービスの更なる向上に取り組む。

【質問】
     都営住宅の浴室の設備に関わる入居者間の負担の不公平について、これを急ぎ改善すべきである。都の見解を求める。
【住宅政策本部長】
     都営住宅の浴室の設備についてであるが、昭和56年度以前の都営住宅については、当初建設時、都は浴室の設備を設置していなかった。
     昭和57年度から建替え時に設置を開始し、平成20年度からは、居住者が退去した際に行う空き家修繕の際に、設置を行ってきた。
     その結果、都が浴室の設備を設置していない住戸数はこの10年間で、約12万1千戸から約6万5千戸まで減少している。
     一方、入居の際に居住者が自ら設置した浴室の設備の更新については、居住しながら効率的に工事を行う方法などの検証を行っている。これまでの建替えや空き家修繕の際の設置に加え、入居中の住宅においても効果的な進め方について、更に検討していく。

福祉・安全施策について

【質問】
     「スクールガード・リーダー」の配置を市区町村へ促すとともに、財政支援を強化し、人材の確保支援に取り組み、川崎市のような事件の再発を防ぐべきである。都教育委員会の見解を求める。
【教育長】
     スクールガード・リーダーの配置促進に向けた取組についてであるが、児童・生徒の通学時の安全確保には、警察等の関係機関との連携はもとより、地域住民等の参画による地域の実情に応じた取組などを、有機的に組み合わせた体制整備が重要である。
     都教育委員会はこれまで、スクールガード・リーダーが巡回して学校安全ボランティアなどへの専門的な指導等を行い、登下校の見守りの質の向上を図る区市町村の取組に対する支援を行ってきた。
     今後は、区市町村の意向等を的確に把握しながら、スクールガード・リーダーの配置等の推進に向け、補助事業の更なる活用を促すとともに、関係機関と連携した人材確保の支援策について検討していく。

【質問】
     ひきこもりの方への支援について、今後は、公認心理師などの専門家の活用や高齢の家族へ向けた支援も必要であり、福祉保健局内外との横串の連携が重要となる。都は、「8050問題」の解決に向け、家族会や当事者会などの意見も聴きながら、こうした支援策の強化を図るべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
     都は、ひきこもり状態となった本人とその家族の多岐にわたる悩みに的確に対応できるよう、今年度から、庁内関係部局の推進会議に高齢部門も加え、保健、医療、就労、教育分野との連携を一層強化している。
     また、今週末には、ひきこもり状態に悩む本人と家族向けの講演会及び合同相談会を開催し、公認心理師である専門家に家族が本人に対してできることなどについて、お話しいただく予定である。
     こうした取組に加え、現在、地域の相談体制や家族等の現状把握に向け、区市町村等の関係機関や家族会、当事者団体と意見交換を行っている。
     今後、学識経験者や福祉関係者などからも意見を伺った上で実態把握を進め、ひきこもりの方やその家族への適切な支援の在り方を検討していく。

【質問】
     都は本年3月に薬物乱用対策推進計画を改定している。この機を捉え、若者層に対してインパクトのある動画やSNSを利用し、大麻などの薬物のまん延防止に取り組むべきであるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
     薬物の乱用防止対策についてであるが、都は、薬物乱用対策推進計画を定め、関係機関や地域団体と連携した啓発活動、規制や取締り、相談支援体制の充実など総合的な取組を行っている。
     本年3月にはこの計画を改定し、大麻事犯の増加や若い世代に誤った情報が流れ、大麻の使用を容認する考えが広まりつつある状況を踏まえ、若年層への啓発活動を強化することとした。このため、今年度は、新たに小学校高学年の児童への啓発にも活用できるDVDやリーフレットを作成するとともに、SNS等により、大麻などの薬物の危険性等を若い世代に強く訴えかけていく。
     お話しの、海外で誤って大麻を含む製品を購入した事例についても、旅行者への注意喚起を行うなど、今後、薬物乱用防止のための啓発活動を幅広く実施していく。

【質問】
     都の子供食堂推進事業では、個々の飲食店に対する補助実績は未だに少ない状況にある。都は、個店の飲食店での子供食堂事業の実施推進に向け、市区町村と連携し、取組の強化を図るべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
     子供食堂に対する支援についてであるが、都は昨年度から、地域の子供たちに食事や交流の場を提供する民間団体等の取組を区市町村を通じて支援する子供食堂推進事業を実施している。
     この事業では、子供食堂を月1回以上実施することや、区市町村が開催する関係機関との連絡会に参加することなどを助成の要件としており、これらを満たせば、既存の飲食店での取組も対象となる。
     昨年度、レストランやカフェなどを活用した子供食堂の取組に対しても、実際に助成を行っており、今後、こうした事例を紹介するなど、区市町村に積極的に働きかけ、地域での子供食堂の活動を支援していく。

【質問】
     都内の各卸売市場では、地域への貢献活動の一環として、立地する自治体の子ども食堂事業への、安全な食材の提供が期待されている。中央卸売市場の積極的な対応について見解を求める。
【中央卸売市場長】
     子ども食堂についてであるが、卸売市場には、都民に対し、生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的インフラとしての役割に加え、地域への貢献として、都民や消費者との交流の場としての役割が期待されている。
     都内の各卸売市場においても、これまで、市場まつりや食育に関する講習会などに取り組んできた。
     お尋ねの子ども食堂は、各区の支援のもと地域の実情に応じてNPO等が取り組んでいるものであり、地元区から要望があった場合には丁寧に対応するなど、生鮮食料品等の供給を担っている卸売市場としても、市場関係者と連携しながら地域へ貢献していく。

【質問】
     子供食堂事業の実施に際しては、事業運営の安定性に加え、安全性の確保も重要である。食中毒、食物アレルギーや食堂内での怪我などの事故に備える安全対策を強化すべき。万一のための保険加入の義務付けも含め、安全対策の徹底を図るべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
     子供食堂の安全対策についてであるが、お話しのように、子供食堂の運営に当たっては、安全性の確保は重要であり、都は、子供食堂推進事業を活用する民間団体等に対し、先ほど申し上げた要件に加え、事前に保健所に相談し、指導・助言を求めること、食品の安全確保を図るため、適切な衛生管理体制を構築すること、参加する子供の食物アレルギーの有無を確認すること、常時、責任者を配置することなどを義務付けている。
     また、事故発生時の対応のため、保険への加入を求めるとともに、そのために必要な経費も助成の対象としている。
今後とも、本事業を適切に実施し、子供たちが安心して食事や交流ができるよう、子供食堂の安全対策の徹底を図っていく。

犯罪被害者対策について

【質問】
     犯罪被害者等支援条例の制定について、都の条例は、日本の首都であり、多くの外国人が住み訪れる国際都市・東京にふさわしい「被害者の尊厳を尊重し守る」先進的な条例とするべきである。知事の見解を求める。
【知事】
     犯罪被害者及びその御家族の方々は、犯罪の発生により、直接的な被害を受けるとともに、被害者への無理解などにより心身共に過酷な状況に置かれ、社会において孤立することも少なくない。そのため、被害者に対し、必要な支援を迅速かつ確実に提供していくことが重要である。
     都はこれまでも東京都犯罪被害者等支援計画を策定し、総合相談窓口の設置を中心に、 被害者やその御家族の方々が一日も早く元の生活を取り戻せるよう、被害者の方々に寄り添った支援を幅広く行ってきた。
     これらの取組を社会全体でより一層進めていくため条例を制定することとし、先月、有識者懇談会を設置の上、検討を開始した。
今後、多くの外国の方々が住み訪れていることなど、首都東京に特有の課題について精査し、有識者懇談会の議論を踏まえながら検討を進め、令和2年第1回定例会への条例提案を目指していく。

【質問】
     条例には、犯罪被害者の人権を守るための具体的な条項を盛り込むべきであり、その意味で、策定に当たっては、被害者やその家族、被害者団体等の意見を幅広く取り入れるべきである。知事の見解を求める。
【知事】
     被害者等の意見を伺うことについてであるが、犯罪被害者等支援条例は、犯罪により苦しんでいる被害者の心の支えとなることが大切であり、そのためにも被害者やその御家族、支援団体等の意向をしっかりと把握することが重要である。
     こうした考えの下、有識者懇談会には、被害者やその御家族の御意見を伺うため、犯罪の被害に遭われた方の御家族に委員として就任いただいている。
     また今後、被害者や被害者団体等への調査を行い、被害者の実態と被害者支援に係る様々なニーズをしっかりと把握していく。
     被害者の切実な思いに寄り添った条例案の策定に向け精力的に検討を進め、誰もが希望を持ち安心して暮らしていける都市・東京の実現に努めていく。

【質問】
     条例に、心ない差別や偏見、冷遇などから犯罪被害者とその家族を守る責務を自治体が負うことを明記するとともに、あらゆる機会を捉えて被害者に対して正しく理解を深めるための条例とし、次期の支援計画に取り組み具現化していくべきと考える。都の見解を求める。
【総務局長】
     被害者に対する正しい理解の促進についてであるが、犯罪被害は、誰もが突然遭遇する可能性があるにもかかわらず、犯罪被害者等の実情については、正しい理解が都民に浸透しているとは言い難い。
     このため、被害者やその御家族の多くは、犯罪による直接的な被害に加え、周囲の無理解や心ない言動などに苦しめられている状況にあることから、一日も早く穏やかな日常を取り戻すためにも、被害者に対する正しい理解を進めることが重要である。
     今後、こうした観点から、被害者の声なども踏まえて実態をしっかりと把握し、有識者懇談会において、条例の内容や支援策などを幅広く議論していただき、検討を進めていく。

【質問】
     今後、犯罪被害者等支援条例の制定に当たっては、先行事例の積極的な導入を図るとともに、さらにその先を行く支援制度を構築するべきと考える。都の見解を求める。
【総務局長】
     犯罪被害者等支援の先行事例についてであるが、都は、これまでも3期にわたる東京都犯罪被害者等支援計画に基づき、被害者等に被害直後から途切れることのない支援策を実施してきた。
被害者支援の一層の充実を図っていくためには、他の自治体における優れた取組を参考にすることが重要である。
     既に17の道府県が条例を制定・運用しており、今後こうした自治体における被害者支援の制度や実施状況などの詳細を調査していく。
     その調査の結果に基づき、有識者懇談会において幅広く議論し、東京都の実態にあわせた支援策についても検討するなど、より実効性の高い条例案の策定に向けて努力していく。