談話 令和5年東京都議会第2回定例会を終えて

令和5年6月21日
都議会公明党 幹事長 東村邦浩

1.本日、令和5年第2回定例会が閉会しました。都議会公明党は、物価高対策、子育て・教育施策、防災対策、医療・福祉施策、住宅施策、産業施策、人材不足対策などの様々な都政課題などについて、具体的な政策を提示しつつ、活発な論戦を展開しました。

2.都は、都議会公明党の要請をしっかりと受け止め、コロナ感染症の5類移行や、物価高などの課題に応じた補正予算を迅速に編成しました。特に、わが党が強く推進した、地方創生臨時交付金を有効に活用することで、LPガスを利用する家庭や、特別高圧の電力を利用する中小企業者の負担軽減、医療機関、高齢者、障害者施設、保育所等に対する支援の拡充など、都議会公明党が求めてきた対策が随所に盛り込まれたことを、高く評価するものです。

3.子育て・教育施策については、都立・私立高校の授業料の所得制限を撤廃した実質無償化を、2024年を視野に実現するよう求めました。これに対し知事は、誰もが個性と能力に応じて希望する教育を受けられるよう努めていくとともに、子育て世帯の置かれている状況を注視していくと前向きに答弁しました。子どもの成長に合わせて高まる家計の負担の軽減を強く求めるものです。

4.防災対策については、大規模風水害時における、広域避難の実行性の増強、高速道路を活用した緊急避難、河川の水害対策の強化などを求めました。これに対して知事は、広域避難施設の更なる確保、情報発信のタイムラインとしての整理を図る旨を答弁しました。また、河川監視カメラの増強などについて、前向きな答弁がありました。都民の安全を確保するための、さらなる対策の強化を求めるものです。

5.マンションの防災対策については、発災後のトイレやエレベーターの使用など、使用可否の判断や復旧に向けた工事業者等との連携など、多岐に渡るマンションの防災課題に対し、局横断的な検討を求めました。これに対し知事は、マンション特有の構造上の課題への対応や、地域コミュニティと一体となった自助・共助の強化など、関係各局が連携し、具体的に検討を進めると答弁しました。着実な取り組みを求めるものです。

6.がんの粒子線治療については、駒込病院と多摩総合医療センターでの早期の導入を求めるとともに、粒子線治療施設の整備計画の策定に向けた取り組みについて、知事に見解を求めました。知事は、都立病院の粒子線治療施設の整備計画に、具体的な整備地を盛り込むことを明らかにしました。着実な前進を求めるものです。

7.アピアランスケアについては、都議会公明党の要請を受けて、都は今年度から、がん治療での支援を開始しています。今回は、がん以外の支援の拡大とともに、義眼購入に対する助成制度の創設を求めました。これに対し都は、治療による外見の変化を補うアピアランスケアが重要との認識を示した上で、がん以外の病気へ適用や義眼について実態把握に努めると答弁しました。早期の拡充を強く求めるものです。

8.都議会公明党の提案で実現した人手不足の建設・IT・ものづくり分野の中小企業に就職した学生等に、3年間にわたって最大150万円の奨学金の返済を都が支援する事業について、対象要件を拡大すべきと提案。都は「一定の期間、生産や営業の仕事を行う方や、卒業後に転職をする20代の若手も対象に含める工夫を行う」と答弁しました。今後、状況の変化に的確に対応することを求めるものです。

9.医療施策については、東京における医療機能の地域の偏りを解消し、不足する医療を提供できる仕組みに改めるべきと主張。都は、地域に不足している医療機能を担う病床の配分につながるよう工夫すると答えました。今後、実効性ある取り組みを求めるものです。

10.宿泊税については、高額な宿泊料金を支払う富裕層について、定率課税方式を導入し、1泊1万5千円以下の宿泊料金については、宿泊税を免除するなど、宿泊税の見直しを行うよう、知事に求めました。これに対し知事は、宿泊税をめぐる状況が変化しているとの認識を示した上で、宿泊税の見直しについて、検討を深めていく考えを明らかにしました。見直しに向けた着実な検討と、観光事業の活況に向けた活用を強く求めるものです。

11.東京2020大会の不正事件については、組織委員会のガバナンスについて課題を分析するため、調査チームの有識者からの総括を求めました。これに対し都は、利益相反を防ぐ人材配置や、利害関係者との接触ルールを定めていなかったことなどが、有識者から指摘されたことを明らかにしました。2025年の世界陸上の開催に向けて、都が、運営組織の設立後も引き続き関与していくならば、東京2020大会での運営手法とは明確に異なる一線を引くよう、改めて強く求めるものです。

12.このほか、保育士の確保対策や防犯カメラの設置補助、広告宣伝車の規制、中小企業の外国人材の確保など、数々の施策を提案し、成果を収めました。

13.都議会公明党は、都民の命と暮らしを守り、経済の回復を実現するため、現場の声にしっかりと耳を傾け、都政のかじ取り役として、具体的な政策提言を重ねてまいります。

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