談話 令和6年東京都議会第3回定例会を終えて

令和6年10月4日
都議会公明党 幹事長 東村邦浩

1.本日、令和6年第3回定例会が閉会しました。都議会公明党は、子育て・若者・教育施策、医療・福祉施策、高齢者施策、防災施策、産業施策、都市機能の向上などについて、具体的な政策を提示しつつ、活発な論戦を展開しました。

2.都は、都議会公明党の要請をしっかりと受け止め、迅速に補正予算を編成しました。特に、学校給食費無償化に向けた市町村総合交付金の拡充のほか、タクシー事業者に対する燃料費支援などの物価高騰対策や、コロナワクチン定期接種の自己負担軽減策など、わが党が求めてきた対策が随所に盛り込まれたことを、高く評価するものです。とりわけ、学校給食費については、都が、8分の7の助成を行うことが決まり、これによって、すべての市町村で無償化に向けて、検討されていることが明らかになりました。

3.子育て・若者・教育施策については、子どもの医療費助成における所得制限撤廃に向けた市町村との協議にあたっては、市町村の負担を生じさせることなく、早期に決着させることを求めました。これに対し知事は、市町村総合交付金を措置することを念頭に、早期の合意を目指していく考えを示しました。来年10月に所得制限が着実に撤廃されるよう、来年度の市町村の予算編成に間に合うよう、協議の進捗を求めるものです。

4.乳幼児期の支援については、昨年10月から始まった0歳から2歳までの第2子の保育料無償化を、第1子まで広げることについて見解を求めました。これに対し知事は、第1子への対象拡大を具体的に検討していくことを明らかにしました。子供を持ちたいと願う方々を後押しするため、来年度からの着実な実施を求めるものです。

5.医療・福祉施策については、がん治療に伴う外見の変化を補う、アピアランスケア支援事業について、がん以外の原因による外見の変化やシリコン製装具であるエピテーゼ等を対象とすることを求めました。これに対し都は、実態調査で拡充の意見があったことなどを踏まえ、取組を推進していく考えを示しました。着実な実施を求めるものです。

6.高齢者施策については、シルバーパスについて、2000年以降、25年間、制度の見直しがされておらず、課題が生じていることを踏まえ、抜本的な改善を求めました。それに対し知事は、利用実態を把握しながら、制度の改善に向けた検討を行う考えを、明らかにしました。高齢者の社会参加を促進するため、速やかに見直しを進めることを、改めて求めるものです。

7.防災施策については、首都直下地震を想定し、オール東京での災害廃棄物の処理体制を強化することを求めました。これに対し知事は、補正予算により鉄道コンテナ100基を製造し、備えを強化するとともに、都内自治体等と連携し、災害廃棄物処理体制を確立していくことを明らかにしました。能登半島地震の教訓をしっかりと生かした、実効性のある対策の実施を求めるものです。

8.豪雨対策については、8月の台風10号でも、河川水位を低下させるなど効果を発揮した調節池について、今後の整備に関する見解を求めました。これに対し知事は、2030年度までに約200万立米分の調節池の事業化を目指すとともに、環七地下広域調節池等を連結し、東京湾まで繋げる考えを示しました。激甚化する豪雨に備え、調節池等の着実な整備や活用を図ることを求めるものです。

9.入札制度改革については、都は、一定の金額未満の価格帯の発注工事について、予定価格を事前公表していますが、現在の資材及び人件費の高騰により、価格帯が実態に合っていないことから、都議会公明党は価格帯の見直しを都に求めました。これに対し都は、近年の経済状況を踏まえ、入札状況等を検証するとともに、予定価格などについて、実態を踏まえた検討を進めていくことを明らかにしました。早期の見直しを求めるものです。

10.カスハラ防止条例については、働き手が集積する東京において、企業に所属しない方を含め、幅広い働き手を都条例で守り、被害者がアクセスしやすい支援体制を設けることを求めました。これに対し知事は、職場で支援を求めることが難しい方や、組織に所属しない方が、相談しやすい体制を構築していく考えを示しました。被害防止の実効性を確保するため、録音や録画機器整備への支援を重ねて求めるものです。

11.鉄道駅のホームドア設置については、国も参画する官民協議会が設置されたことから、国と連携しながら、財政面や施工面などの課題を含め、実効性のある対応策を検討することを求めました。これに対して都は、鉄道事業の許認可権を有する、国の技術的支援を得ながら、工期短縮やコスト縮減につながる対策を、検討していく考えを明らかにしました。国・鉄道事業者とも連携し、ホームドア整備の更なる加速を求めるものです。

12.臨海副都心に整備することを発表した、世界最大規模の噴水「ODAIBAファウンテン」については、わが党は、この事業を進めるうえで、地域の皆様の理解を得ることが何よりも重要であるとし、都民の税金を新たに支出しないスキームで取り組むべきと主張しました。都は「整備費等は、埋立地の売却等による収入を財源とする臨海地域開発事業会計を活用するため、都民の税金は一切使わない。今後、地域の皆様方のご意見等を伺いながら、整備を進めていく」と答弁しました。この点を確実に履行することを求めるものです。

13.このほか、助産所を利用した場合の償還払いを避けるための、妊婦健康診査受診票の使用や、教員の負担軽減、救急医療における東京ルールの着実な運用、介護人材の待遇改善につながる都独自の昇給制度、中小企業の円満な事業承継支援、災害用トイレ対策、入札制度の改善、火葬場不足への対応、デフリンピックに向けた取組など、数々の施策を提案し、成果を収めました。

14. 都議会公明党は、東京の経済と都民生活を守るため、現場の声にしっかりと耳を傾け、都政のかじ取り役として、具体的な政策提言を重ねてまいります。

タイトルとURLをコピーしました