北口つよし議員の本会議(10月9日)討論

討論に先立ち、非常に強い台風22号の大きな影響を受けている伊豆諸島について、現に災害が続いている可能性があります。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。 

都は情報収集と対応に総力を挙げるとともに、都議会公明党としても全力で支援してまいります。 

都議会公明党を代表し、知事提出の全議案に賛成し、議員提出議案第9号に反対の立場から討論を行います。 

初めに第222号議案、東京都給水条例の一部を改正する条例と、第223号議案、東京都下水道条例の一部を改正する条例について申し上げます。 

両議案は、どちらも、災害時に迅速に復旧工事が施工できるよう、都認可外の他県企業などでも上下水道の工事を可能とする条例改正です。 

能登半島地震での教訓を活かし、大規模災害時の復旧工事が迅速に進むよう、こうした取組みを強く支持します。今後は本条例の実効性の確保と、地域を熟知している都内事業者の災害対応力の更なる向上支援を求めます。 

次に第237号議案、災害用アルファ化米(個食)の買入れ(令和7年度)について申し上げます。本議案は、災害備蓄食品、約78万食の買入などを行うものです。昨今の激甚化する豪雨災害や首都直下地震など、災害から都民の命を守るため、平時から備えておくことは大変重要です。万全の準備を行い、いざという時に速やかな配布ができるよう求めます。 

一方で都は、賞味期限が近付いた備蓄食品の配布も実施しています。こうした備蓄品が、フードバンクなど、真に必要な方々に行き渡るよう取組みを求めます。 

今定例会は、都議選後はじめての定例議会となる為、都議会公明党は、重点政策「家計応援計画」に基づき質問をしました。以下申し上げます。 

初めに、子育て施策についてです。 

都議会公明党は、「教育負担のかからない東京」の実現に向け、先進事例を調査し、教材費や学用品を学校で備え付けるなど、負担軽減策を検討するよう求めました。 

これに対し都は、外国を含めて実情の把握を進め、優良事例を活用する考えを明らかにしました。国内外の優れた事例を東京に展開し、負担軽減を早期に実現するよう求めます。 

また、学校通学費の負担軽減については、特にバスの定期券の負担が重いことから、バス通学定期を低額に抑える学生パスの導入を検討することを知事に求め、これに対し知事は、通学費に係る現状や課題を調査する考えを示しました。速やかに検討を行い、学生パスの導入実現を求めます。 

次に、産業労働施策についてです。 

都議会公明党は、「現役世帯の所得が増える東京」の実現に向け、賃金アップのための公労使会議の設置や、中小企業の生産性向上を支える設備投資に対する補助の予算規模を大幅に引き上げることを求めました。 

これに対し都は、今月14日に最初の公労使会議の開催を決定したことを評価します。 

また知事は、賃上げに向けて、中小企業の生産性を高めるための取組を強力に進めていく考えを示しました。現役世帯の所得アップに不可欠な中小企業の賃上げを大きく後押しすることを求めます。 

また、高齢者介護施設などの空き情報が分かりづらいことや、手続に多大な時間を要するため、介護離職が発生していることから、マイナンバーカードの活用により、負担なく施設探しや利用手続が行える「介護DX」の実現を求めました。 

これに対し都は、国と意見交換するとともに、局横断のチームを立ち上げ現場の意見を聞き取り、検討を進めていることを明らかにしました。区市町村などとも連携し、ビジネスケアラーの負担軽減を速やかに進めるよう求めます。 

次に、物価高騰対策についてです。 

我が党は、「物価高に負けない東京」の実現に向け、7000円分から1万円分へのポイントアップを求めている東京アプリのキャンペーンの取組状況について知事に答弁を求めました。 

これに対し知事は、最終的な検証を行うなど着実に実施に向けて進めていくとともに、ポイントアップについては、社会経済情勢などを見極めながら検討していく考えを示しました。1日も早い実施を求めます。 

また、事業者への物価高騰対策については、本年12月末までの延長に当たり申請手続の簡素化などの配慮を行うとともに、来年3月までの更なる延長を知事に求めました。 

これに対し知事は、申請手続の簡略化を進めていくとともに、更なる延長については国の経済対策の動向等を見極めながら検討していく考えを明らかにしました。 

長引く物価高騰の影響は深刻であります。都民生活、中小企業の経営を強力に下支えしていくことを求めます。 

都議会公明党は、子育て世帯や、若者に対し、市場相場よりも安い家賃で住宅を提供するアフォーダブル住宅を提供するよう提案してきました。この求めに対し都は、事業者の選定にあたっては、家賃設定を最重点項目として評価していくと答弁しました。子育て若者世代へ低廉な家賃での住宅提供を求めます。 

また、投機的な取引によりマンション価格が高騰していることなどを踏まえ、こうした課題を議論する場である住宅政策審議会の開催時期を明らかにするとともに、都民が安心して住宅を確保できる環境の整備を求めました。 

これに対し都は、マンションの空室状況等を調査し、11月の住宅政策審議会で広く議論する考えを明らかにしました。実効性のある対策を構築し、今後の住宅マスタープランの改定にもつなげていくことを求めます。 

次に、防災対策についてです。 

我が党は、「安全で安心な東京」の実現に向け、強く整備を後押ししている調節池について、地下調節池を連結するなどして東京湾までつないでいく「地下河川」の取組に対する見解を求めました。 

これに対し都は、事業化に向けてトンネルの基本構造等を検討し、着実に水害対策を進めていく考えを示しました。既存の調節池を活用しながら、洪水対策を更に強化していくことを求めます。 

次に、都政の諸課題について、まずは民泊問題について申し上げます。 

我が党は、外国人旅行者が過去最高の水準にある中、特に届出制である民泊で、ゴミの不法投棄などのトラブルが多く発生していることから、都が管轄するエリアにおいて条例で規制強化を行うことを求めました。 

これに対し都は、民泊事業者の適正な運営のために作成したガイドラインについて、地域の実情を把握し見直すなど、対応を行う考えを示しました。民泊の増加により都民生活に悪影響が生じぬよう、実効性のある対策を求めます。 

次に、火葬問題についてです。 

都議会公明党は、火葬料金の地域格差、公民格差が更に広がっていることから、将来にわたって火葬を公正に提供していくため、火葬場の公営化などを見据えながら議論を進めるべきと考えます。そのため、協議会を設置し、特別区長会などと民間火葬場の在り方について議論するよう知事に求めました。 

これに対し知事は、現状を把握するとともに、特別区と緊密に連携し、適切な経営管理について検討する考えを示しました。都民が今後も安心して火葬を利用できるよう、対策の実施を強く求めます。 

次に、知事の所信表明において、無電柱化を推進する全国初の条例制定を目指すとした事について申し上げます。 

我が党は、無電柱化の推進により不動産価格にそのコストが転嫁されるなど、都民負担が極力生じないように取り組むことを知事に求めました。 

これに対し知事は、現在、広く都民の意見を聴取しており、国等とコスト縮減に向けた課題を共有するなどして、無電柱化を一層推進していく考えを示しました。条例の理解促進を図るとともに、更なるコスト縮減の取組を求めます。 

次に都営住宅等事業会計の消費税の未申告問題について申し上げます。現行の消費税法への理解不足のため長年にわたり納税の義務を果たせなかったことは、都民からの信頼を損なう行為であり、こうしたことが二度と起こらないようしっかりと再発防止に取組むべきであります。 

一方、都営住宅等事業会計の今後の在り方については、住宅セーフティネットとしての都営住宅の会計性質上、一般会計に戻すことも視野に検討すべきと求めたのに対し、都は調査の後、徹底した再発防止策を講じるとともに事業の安定的な運営に向け、様々な観点から検討していくとの考えを示しました。 

都民の信頼を一刻も早く回復できるよう、調査結果と再発防止策についても速やかに公表することを求めます。 

次に、共産党提出の議員提出議案第9号について申し上げます。 

本条例は、中小企業の経営環境が厳しさを増すなか、賃上げを実施する中小企業に対して、助成金を支給するものです。 

中小企業の賃上げを進めたいとの趣旨は理解しますが、真に生産性の向上なくして、持続可能な賃上げはできません。中小企業の成長がなければ、単に補助金だよりの賃上げになってしまいます。 

都議会公明党は、各事業者が厳しい経営環境の中でも戦い抜いていけるよう、生産性の向上や、販路の拡大、経営判断支援などを通して、中小企業の真の成長を促し、本来の力を発揮して賃上げを実施していく、そのための支援をすべきだと考えます。 

最後に政治倫理条例について申し上げます。東京都政治倫理条例に基づく、政治倫理審査会が立ち上がります。この審査会は、第三者の専門家で構成される常設の審査会です。 

政治と金の問題やハラスメントなどに対し、議員が確固たる政治倫理を確立し、都民の信託にこたえることが必要です。都議会公明党はそうした思いで、この条例の制定に尽力してまいりました。今後も、清潔で公明正大な政治活動を行ってまいります。 

以上、都議会公明党は、現場の声に真摯に耳を傾けながら、東京の経済と都民生活を全力で守っていくことをお誓いし、討論を終わります。 

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