けいの信一議員の本会議(3月25日)討論

都議会公明党を代表し、知事提出の全議案に賛成、共産党の議員提出議案に反対の立場から討論を行います。

はじめに、令和4年度一般会計当初予算について申し上げます。

令和4年度当初予算案は、感染症や気候変動などの危機への備えの強化、「サステナブル・リカバリー」で世界をリードする東京への進化、共生社会の形成などに重点的に予算配分されており、前年度に比べて約3,800億円増となる7兆8,010億円となっています。

具体的な施策には、高校3年生世代までの医療費無償化の実施準備予算をはじめ、幅広い分野において、都議会公明党が繰り返し要請した内容が盛り込まれています。

また、評価制度をさらに強化して1,117億円の財源確保につなげるとともに、基金の積極的活用のほか、税収増の活用、都債の発行抑制などにより、施策展開と財政運営の両立を図っています。

しかし、都議会公明党が代表質問で指摘した通り、基金残高の水準は、コロナとの闘いに突入した令和元年度の半分以下の水準です。今後の景気変動や財政需要の増加リスクなどに備え、一層の基金残高の確保に努めるよう強く求めておきます。

また、ロシアのウクライナ侵攻の影響により、原油価格の高騰や穀物価格の上昇が続くなど、我が国の景気の先行きは不透明感が増しています。

刻一刻と変わる状況を適切に見極め、都民生活を守るという観点から、機動的に対策を講じられるよう、戦略的な財政運営に努めるよう改めて強く求めるものであります。

ウクライナ危機に伴う都内経済の影響を踏まえ、中小企業など事業者の経営を支援するため、都議会公明党が提案した新たな制度融資が、3月15日からスタートしました。

都内の事業者は、長引くコロナ禍の中で、二重の打撃を受けています。新たな制度融資は、こうした状況に十分に配慮した上で、利用しやすく、効果の高いものにすべきことを主張しました。

これに対し、都は、東京の産業を取り巻く状況の推移を見極めながら、利子補給を含めた中小企業への様々な支援を検討する考えを明らかにしました。未だコロナ以前に売上が回復しない事業者が多く、都議会公明党にも返済が厳しいという声が多数寄せられています。状況を見極めながら、利子補給の実施も含め、一層の支援の強化を求めるものであります。

また、わが党が強く求めたフードパントリーや子ども食堂への支援の強化や、生活に困窮する方々への宿泊場所の確保・貸付金の拡充など生活支援にも全力で取り組むよう求めます。

次に、新型コロナ対策についてです。

抗ウイルス薬としての経口薬の確保状況や、3回目のワクチン接種状況などを踏まえ、新型コロナの感染症法上の分類を2類から5類に見直すべきこと、また、分類の見直しにより、治療費やワクチン接種が有償になることから、国に無償化を求めていくべきことを主張しました。

これに対し、知事は、保健所や医療機関の逼迫など、社会活動等の影響が大きくなっているとの認識を示すとともに、専門家から知見を収集していくとともに、国に対しても必要な対応を求めていく旨答弁しました。

様々な状況をしっかりと見極めながら、都民負担の増加につながらないよう、国に対してしっかりと働きかけを行うべきことを改めて強く求めるものであります。

次に、高速道路上の本線料金所の撤去について申し上げます。

都議会公明党は、都市部の渋滞の要因の1つである高速道路の料金所を撤去するため、ETCの全面義務化を繰り返し求めてきました。先の代表質問では、都としても国や首都高と協力して、ETCの全面義務化を加速化させ、都内7か所の料金所を撤去すべきことを主張しました。特に、永福料金所を最優先で撤去すべきこと、また、その際、現金しか利用できない人のためにプリペイドカードをETCでも読み取れるよう技術開発を行うべきことを主張しました。

これに対し、知事は、自ら国土交通大臣に要望したこと、高速道路会社が料金所のETC専用化を来月から順次拡大していくことを明らかにしました。

国や高速道路会社などと連携しながら、ETCの全面義務化と高速道路の料金所撤去が進むよう、積極的に取り組むべきことを強く求めるものであります。

次に、東京都防災会議条例の一部を改正する条例についてです。

都議会公明党は、東京都防災会議条例の改正の狙いについて、知事の見解を求めました。これに対し、知事は、過去の大規模災害の教訓などを踏まえ、女性をはじめとした多様な視点を反映できる体制を構築するため、防災会議条例を改正すると答弁しました。女性や要配慮者などの視点に立ち、実効性のある防災対策につながるよう、着実な取組を改めて強く求めるものであります。

次に、子供施策についてです。

こども基本条例を踏まえ、子どもの笑顔あふれる社会の実現のためには、全庁を挙げて施策展開すべきであります。そこで、未来の東京戦略を踏まえた子供政策の総合的な推進について、知事の見解を求めました。

これに対し、知事は、都政のあらゆる分野で子供目線からの政策を盛り込んでいること、「こどもスマイルムーブメント」を官民一体で戦略的に展開していくことなどを明らかにしました。

知事はまた、子供政策連携室を新たに設置し、分野横断的に子供政策の企画立案・総合調整を図っていくとともに、従来の枠組みにとらわれない新たな取り組みの検討を進める考えを示しました。

子ども政策を全庁的に推進する子供政策連携室が総合調整機能を発揮し、子どもの笑顔があふれる社会の実現に向けて、強力に取組を推進していくべきことを改めて強く求めるものであります。

次に、受験生チャレンジ支援についてです。

都議会公明党が一貫して存続と充実を求め、応援してきた受験生チャレンジ支援について、今回制度の対象基準を大きく見直し、対象者と予算規模の拡大を図ったことは、都議会公明党の要望に応えるものであり評価します。その上で、都として、1日も早くその詳細を都民に周知するとともに、利用申請の受付を担う市区町村との連携をより一層深め、利用促進を図るべきこと、併せて、連帯保証人の基準についても、緩和すべきことを求めました。

これに対し、知事は、対象の拡大に当たっては、区市町村等とも連携し、広く周知を図るとともに、連帯保証人の見直しを検討し、利用を希望する方や区市町村等の負担軽減を図っていく考えを示しました。

社会の宝である子供の将来が、生まれ育った環境によって左右されることがないよう、子どもたちの学びを支援していくべきことを改めて強く求めるものであります。

次に、文化・芸術施策についてです。

都は、先日、文化に関する2022年度から2030年度までの長期計画である、「東京文化戦略2030」の案を公表し、3月末に成案を取りまとめると公表しました。そこで、この「東京文化戦略2030」で描く芸術文化都市東京の未来像について、知事の見解を求めました。

これに対し、知事は、芸術文化が都民の心を豊かにし、日々の生活になくてはならないものになっているとの認識を示しました。その上で、芸術文化に関わる人々が社会のあらゆる分野で活躍し、魅力的な作品が世界に発信されることで、東京の芸術文化都市としての注目度が高まるという好循環が生まれていると答弁しました。

文化戦略を着実に実行するとともに、文化芸術に携わる方々への支援を強化することで、芸術文化都市としての東京の魅力を更に高めるべきことを強く求めるものであります。

次に、女性専用車両の導入拡大についてです。都議会公明党は、代表質問と予算特別委員会で、都営地下鉄に女性専用車両の導入を求めました。これに対し都は、大江戸線への導入を検討する考えを明らかにしました。早期導入を求めるものです。

最後に、パラスポーツの推進についてです。

国際的な聴覚障害者スポーツの競技大会の招致にあたっては、都としても大会の実態を十分に把握しておく必要があることから、都議会公明党は、都に対し、調査の実施を繰り返し求めてきました。本年5月にブラジルで開催される大会は、デフリンピックをよく知る貴重な機会であることから、ブラジル大会の状況を把握すべきことを主張しました。

これに対し、知事は、開催地であるカシアス・ド・スル市において、運営状況や実態調査を行うとともに、調査を踏まえ、都としてのデフリンピックへの対応を速やかに検討する考えを明らかにしました。

デフリンピックは聴覚障害者の世界的なスポーツイベントであります。パラスポーツの一層の発展を目指す観点からも、デフリンピックの東京開催に向けて積極的な取組を改めて強く求めるものであります。

以上、都議会公明党は、地域に根差したネットワークの力をさらに強化し、現場の声に耳を傾けながら、東京の経済と都民生活を全力で守っていくことをお誓い申し上げ、都議会公明党を代表しての討論を終わります。

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