谷村孝彦議員の本会議(12月8日)一般質問

多摩都市モノレールの箱根ケ崎への延伸

【質問】

自立した多摩地域を構築していく上で、多摩都市モノレールは欠くことのできない交通インフラである。箱根ケ崎への延伸実現に向けて今後の取り組みと開業時期の見通しについて、知事の見解を伺う。

【知事】

多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸についてであるが、多摩地域は、東京の3分の1に相当する400万人もの人口を擁し、豊かな自然や良好な住環境に恵まれており、また、多くの大学や研究機関が集積するなど、その発展は、活力ある東京に欠くことができない。

箱根ケ崎方面への延伸を実現することで、都内で唯一鉄道のない市において、利便性が飛躍的に向上するとともに、開業区間と一体となって南北方向の拠点を結び、多摩地域の活力や魅力を更に高めることができる。

都は、沿線市町による、沿線まちづくり構想の策定なども踏まえ、令和2年度に調査検討を開始し、本年10月には沿線自治体の住民向け説明会を開催した。

今後、国や沿線市町、運営会社など関係者と一層連携を図り、2030年代半ばの開業を目指していく。また、沿線市町とともに地域の個性と魅力を活かしたまちづくりを推進していく。

引き続き、多摩地域における公共交通ネットワークの充実を図り地域の更なる発展へとつなげていく。

教育施策

① 私立高校授業料の保護者負担軽減について

【質問】

私立高校授業料の実質無償化をスタートして5年になるが、課題もある。授業料を一旦納入し、9か月後にようやく補助金が支給されるという仕組みであり、これが保護者負担となっている。来年度からの支給早期化に向けて、明確な答弁を求める。

【生活文化スポーツ局長】

私立高校授業料の保護者負担軽減についてであるが、補助金の早期支給は、授業料を負担している保護者にとって重要であることから、都はこれまで、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を活用した申請及び審査手続の検討を行ってきた。

このたび、新たな申請及び審査に係る情報管理体制について専門家評価において了承が得られたことから、支給スケジュールが確定した。

具体的には、令和5年度から、保護者負担軽減補助金は、都外の私立高校に通う生徒など一部の例外を除く受給者に対して、現在の12月末から10月中旬に最大2か月半前倒しして支給する。

今後は、関係者と連携し、保護者や学校に対して丁寧な説明・周知を実施するなど、補助金支給の早期化を着実に推進していく。

② 英語スピーキングテストについて

【質問】

来春の都立高校の入学試験で合否判定に反映される英語スピーキングテストが11月27日に初めて実施された。実施状況について答弁を求める。

【教育長】

スピーキングテストについてであるが、本テストは、中学校の学習で身に付けた英語の「話す」力を客観的に評価するとともに、都立高校入試に活用することで、中学校と高校における英語指導の充実を図り、生徒の使える英語力の育成を推進するために実施するものである。

今年度の本試験は、11月27日に、都立高校等197の会場において実施した。都内公立中学校第3学年の生徒約6万9千人が受験し、体調不良等による欠席者がいたものの、採点結果に影響を与えるようなトラブルがなく終了した。引き続き、12月18日に実施する追試験が円滑に行われるよう、万全の準備をしていく。

③ 都立高校における英語力の強化について

【質問】

全ての都立高校にオンライン英会話を導入したり、英語検定試験の活用を拡大するなど、都立高校の英語スピーキング教育の強化策を示すべきである。都教育委員会の明快な答弁を求める。

【教育長】

都立高校における英語力の強化についてであるが、中学生が身に付けてきた英語の「話す」力を、都立高校に入学後も更に伸ばすために、実際に英語を使う機会をより充実させることが重要である。

都教育委員会は、これまで、都独自の動画コンテンツを活用した指導実践の充実や、全都立高校に配置している外国人指導助手を活用した英語によるディスカッションの実施など、指導の改善に取り組んできた。

今後、より多くの生徒がオンライン英会話を利用できるようにするほか、外部の英語検定試験を活用した「話すこと」に関する指導の工夫など、英語力強化に向けた取り組みの拡大について検討することにより、英語をツールとして使いこなす力の育成の加速化を図っていく。

契約制度における最低制限価格の上限値設定の改善

【質問】

工事契約での最低制限価格は、不当なダンピングを防ぐため、国も都も予定価格の92パーセントを上限に設定されている。

都議会公明党の要請を受け、都は本年7月、最低制限価格の算出式における一般管理費が占める比率を、国に準じて引き上げたところである。

都には国と異なり、中小企業の保護を目的とした、予定価格の事前公表制度があるが、新たな比率に従い一般管理費を見積もっても、事前公表案件では、最低制限価格の上限比率が従来と変わらないため、ダンピング対策の効果が発揮されず、応札価格が頭打ちとなるため、都議会公明党は改善を求めてきた。

これを受けた都の改善策を示し、丁寧かつ早急な周知を急ぐべき。見解を求める。

【財務局長】

工事における最低制限価格等についてであるが、都はこれまで、最低制限価格制度や低入札調査制度を活用してダンピング対策を図ってきたところであるが、ダンピング対策の更なる徹底を図るため、本年7月に国の基準に合わせて、この算定基準を引き上げた。

算定基準の引き上げ以降に実施した入札案件について、影響の分析を行ったところ、最低制限価格等が上限値に達する案件の増加が確認された。

こうした案件についてもダンピング対策の効果を行き渡らせるため、最低制限価格等の上限値について、都独自に予定価格の92パーセントから93パーセントに引き上げ、来年1月から適用することとしている。

本見直しは、既にホームページの掲載や業界への周知を図っており、個々の案件ごとに明示して進めていく。

東村山駅連続立体交差事業

【質問】

西武新宿線東村山駅付近における連続立体交差事業の現在の進捗状況と今後の見通しについて伺う。

【東京都技監】

西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業についてであるが、本事業は、市内5か所の踏切を除却することで、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業である。

平成25年度に着手し、用地については、現在、9割以上取得しているが、一部の用地で権利者との折衝が難航し時間を要している。一方で、並行して高架橋の工事を進めており、先月、鷹の道の上空に橋桁を一部架設し、来年度には府中街道や駅北側の都道にも架設する。

今後は、早期の事業完了に向け、残る用地の取得に努めるとともに、工事工程を見直しながら、関係機関と連携し、本事業を積極的に推進していく。

村山上貯水池の堤防上の道路拡幅と歩道の整備

【質問】

村山貯水池、いわゆる多摩湖について、多摩湖中央の堤体の上を走る道路は、時間帯によっては交通量がとても多く、歩道は湖面近くまで降りるという危険な道路であったことなどから、堤体の耐震補強の際には同時に、6メートルの車道を9メートルに拡幅し、車道に並行した歩道の設置も要請していた。

しかし、2015年1月に提示された計画素案では「技術的に困難」との結論だったため、粘り強く要請し、半年後には車道を9メートルに拡幅し、並行して歩道も設置する計画案が決定した。

2019年7月に着工し、いよいよ完成間近となった。多摩湖中央の堤体強化事業の取り組み状況と完成時期について答弁を求める。

【水道局長】

村山上貯水池堤体強化事業についてであるが、水道局では、大規模地震の発生時における安定給水の確保を目的として、盛土による堤体の強化を進めており来年8月の完了を予定している。

また、堤体上部の車道については、交通の安全性を向上させるため、幅員を6メートルから9メートルに拡幅するとともに、渋滞緩和のため右折レーンを新設する。

あわせて、堤体下部に迂回していた歩道は、歩行者の利便性や安全性確保のため、車道と並行して幅員6メートルで整備するほか、地域住民に一層親しまれるよう、貯水池を眺望できるベンチを設置する。

これらの整備は、令和6年1月の完成を予定しており、引き続き、水道事業に対する都民の皆様の御理解を頂きながら、工事を着実に推進していく。

多摩北部医療センターの改築

【質問】

東村山市内に出産できる病院が少ないため、最優先課題として産科を設置することを求めるとともに、小児救急体制や感染症対策の強化、ドクターヘリ・災害用ヘリが離着陸できるヘリポートを設置することなどを求めてきた。検討会の結論も踏まえ、見解を伺う。

【福祉保健局長】

多摩北部医療センターの改築についてであるが、多摩北部医療センターは、救急医療やがん医療などの提供を通じて、北多摩北部医療圏で重要な役割を果たしている。

先般公表された、新病院の基本構想検討委員会報告では、地域に医療資源が少ない産科の新設や、地域医療機関との連携による小児救急の充実の検討に加えて、感染症医療に必要な陰圧病床や災害医療の対応に必要なヘリコプター離発着場の整備等を求めている。

新病院が、より質の高い医療を提供し、地域住民の安全・安心の確保に一層貢献できるよう、都立病院機構では、この委員会報告や都民アンケートの結果なども踏まえ、今年度末までに基本構想を策定する。

空堀川上流雨水幹線の取り組み状況

【質問】

近年、記録的な大雨による被害が多発し、特に東大和市南部では、床上・床下浸水被害が頻発している。

都は、広域雨水幹線を3市9キロメートルにわたって整備するとしているが、事業区間が長いため、特に東大和市では先行して事業効果の発揮が求められる。

現在の取り組み状況について伺う。

【下水道局長】

空堀川上流雨水幹線の取り組み状況についてであるが、都は、東大和市、武蔵村山市、立川市と連携し、浸水被害の軽減に向けて取り組んでおり、延長約9キロメートルの雨水幹線を複数の工区に分けて整備することとしている。

これまで、流出解析シミュレーションを実施し、1時間当たり65ミリの降雨に対応できることを確認するとともに、浸水被害が頻発している東大和市駅前などを含む延長約2キロメートルの区間について設計や関係機関との調整を行ってきた。その結果、今年度中に工事に着手できる見込みとなったことから、本年8月から9月にかけて住民説明会を開催した。

当該区間の完成後は、早期に整備効果を発揮させるため、暫定的に貯留施設として稼働させる予定である。

今後とも、空堀川上流雨水幹線の整備を着実に推進していく。

都立野山北・六道山(ろくどうやま)公園整備

【質問】

お子さん連れに人気の高い「冒険の森」と「あそびの森」は入り口が分かりにくい状況であるため、エントランスやその広場の新設と駐車場の拡充を求めてきた。現在の整備状況や完成時期について答弁を求める。

【東京都技監】

野山北・六道山公園についてであるが、本公園は、狭山丘陵に位置する都立公園であり、里山の豊かな自然環境を有している。公園の東側のエリアには丘陵地の斜面を生かし、アスレチック遊具の広場である「冒険の森」と「あそびの森」を整備しており、多くの子供に親しまれている。

昨年度から、これらの森につながる新たなエントランス広場と駐車場の整備を進めている。広場には日除けのためのパーゴラやベンチなどの休憩施設を設けるとともに、駐車場は臨時を含め約90台分を確保し、来年の2月に供用を開始する予定である。

こうした施設の整備により、来園者の利便性の向上を図っていく。

タイトルとURLをコピーしました