加藤雅之議員の本会議(10月13日)最終討論

都議会公明党を代表し、知事提出の全議案に賛成の立場から討論を行います。

初めに、令和3年度一般会計補正予算及び病院会計補正予算について申し上げます。

都は、我が党の現場目線の要請をしっかりと受け止め、コロナ対策として、重点医療機関等医療チーム派遣事業や、抗体カクテル療法を受ける患者の搬送、中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業など、国庫支出金に加えて基金を有効に活用し、総額5,700億円を超える補正予算が機動的に編成されたことを評価いたします。

引き続き、第6波に備えて医療提供体制の確保に万全を期しつつ、経済の本格的な再生に向けた対策を、時機を逸することなく講じていくことを、強く求めるものであります。

次に、オリンピック・パラリンピックについて申し上げます。

今大会については、世論調査で70%の方が開催を評価し、特にパラリンピックではアスリート一人ひとりの障害に向き合う力強い姿や生きざまに多くの感動の声が寄せられました。都議会公明党は、先の代表質問において、バリアフリーによるまちづくりの推進、選手強化のための練習環境等の更なる充実など4点について、都の見解を求めました。また、大会経費や大会開催に伴う都負担について、赤字が出た場合には、国に応分の負担を求めるべきことを主張しました。

都は、バリアフリーのハード・ソフト両面の取り組みを進め、ユニバーサルデザインのまちづくりをより一層推進していくこと、また、味の素スタジアム内の施設を練習拠点として整備するほか、海外遠征など競技活動の支援も検討することなどを明らかにしました。

都の負担について、知事は、現在、組織委員会において、収入・支出両面の精査を進めているところであり、今後とも都民・国民の理解が得られるよう取り組む考えを明らかにしました。コロナ禍という非常時での開催であったことを踏まえ、赤字が出た場合には、国に応分の負担を求めるべきと強く求めておきます。

都議会公明党は、これまで文化プログラムの推進に力を入れ、コロナ禍での経験を活かした新たな文化政策の検討を求めてきました。先の代表質問においては、大会の重要な一翼を担う「文化プログラム」の成果とコロナ禍での経験を活かした今後の文化政策について、都の見解を求め、これに対し、都は、今年度策定する文化戦略において、文化プログラムの成果とコロナ禍で得た経験や知見から、文化への参加気運が都民や地域に一層根付くための施策等を盛り込み、芸術文化都市東京の実現に取り組むことを明らかにしました。

コロナ禍で外出自粛や休業要請などによる心労が広まる中で、心を豊かにする文化活動を一層推進するよう強く求めておきます。

次に、医療提供体制の強化についてです。再度の感染拡大に備え、これまでの取り組みの総点検と体制の再構築・強化を図ることが重要です。都議会公明党の質問に対し、知事は、病床の確保に加え、酸素・医療提供ステーションを増床するとともに、抗体カクテル療法の実施やオンライン診療などの取組を、スピード感をもって進めるとともに、これまでの様々な対策の総点検と体制の再構築・強化を図ると答弁しました。

子どもの感染拡大を防ぐための保育所や放課後等デイサービス等におけるPCR検査の支援などを推進することも含め、都の迅速な対応を強く求めます。

緊急事態宣言解除後の出口戦略として都議会公明党は、繁華街の入口において短時間で結果が出る検査を行い、陰性であれば来店を認め、営業時間も元に戻すというモデル事業を商店街で実施し、成果を検証した上で、本格的にこのスキームを実施すべきと主張しました。

これに対し、都は、商店街が様々なガイドラインに基づいて実施する取り組みに加え、PCR検査やワクチンの接種済証を活用した商店街の主体的な取り組みの支援を検討する考えを明らかにしました。早期に検討を進めるよう強く求めるものです。

若者の奨学金返済負担軽減と中小企業人材確保についての都議会公明党の提案に対し都は、本定例会に奨学金の負担軽減を行うことによる中小企業の人材を確保する事業の補正予算を計上しました。

知事は、本事業について、中小企業にとっても、将来的に中核を担う優秀な人材の確保につながる効果的な取り組みであり、コロナ禍において早急なサポートが必要との考え方に立ち、来年度の採用活動に間に合うよう、今年度中に対応を開始することを明らかにしたことは画期的なことと考えます。

コロナ禍で不安を感じている学生支援と中小企業の人材不足を支援するため、迅速に取り組みを進めるよう、強く求めるものであります。

次に、チャレンジ8への取組についてです。都議会公明党は、今回の都議選で、全世代の都民の安全・安心を目指し、東京の未来を拓く政策「チャレンジ8」を強く主張し、多くの都民から期待と賛同をいただきました。今回の任期4年間では、総力を挙げて「チャレンジ8」の実現に取り組む決意であります。

「チャレンジ8」について知事は、「全世代・多岐にわたる分野において、子どもから高齢者まで、一人ひとりの暮らしをきめ細かく支えるための、「人」を大切にする視点に立ったものと理解しており、今後とも、建設的な議論を積み重ねながら、「人が輝く」東京を創り上げていきたい」との見解を示しましたが、実現に向けてしっかり取り組むよう申し上げておきます。

このほか、情報モラル教育の強化、高校一人1台端末の整備に向けた取組と支援などについて、見解を求め、都からはいずれも前向きな答弁を得たところであります。

最後に、都立・公社病院の独法化について申し上げます。今定例会には定款が議案として提出されています。

わが党は、なぜ今、独法化を進める必要があるのかを都民に分かりやすく説明すること、特に重要な行政的医療の役割を担い続けるために財政的裏付けが必要なこと、独法化がもたらす人材確保の効果、さらには独法化後の議会の関与が可能となるような都庁内の体制構築を強く求めてきました。

これに対し、知事は、将来にわたって都民に必要な医療を安定的・継続的に提供できるよう、法人設立後もこれまでと同様に都が確実に財源を措置していくと明言し、独法化後の都の所管組織についても、法人が行政的医療提供の役割などを的確に果たせるよう運営支援の役割を担うとの考えを示しました。

また都からは、感染症に備えてより柔軟な人材確保が可能になることや、職員が働きやすい勤務時間制度、人事給与制度を構築する都の明確な方針が示されました。

独法化による今後の病院改革を、都民の安全安心をより一層高める改革へとつなげていくため、着実な取組を強く求めるものであります。

一方、共産党は、独法化により行政的医療が切り捨てられるなどと決めつけ、いたずらに不安をあおるばかりでした。しかし、不思議なことに、埼玉県議会の共産党は、県立病院の独法化について、前知事時代には反対していたにも関わらず、2019年に共産党が支援した知事が当選すると態度を一変。昨年末には予算賛成の立場から独法化関連議案に賛成しました。共産党が支援した知事が進める独法化は賛成で、支援していない知事が進める独法化は何が何でも反対というのは、明らかに矛盾でご都合主義としかいいようがありません。このことを厳しく指摘しておきます。

以上、わが党は、地域に根差したネットワークの力をさらに強化し、現場の声に真摯に耳を傾けながら、都民の暮らしも守り、経済の復興に全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、都議会公明党を代表しての討論を終わります。

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