うすい浩一議員の本会議(3月24日)討論

都議会公明党を代表し、知事提出の全議案に賛成、共産党の議員提出議案に反対、第1号議案に対する修正動議に反対の立場から討論を行います。

はじめに、令和5年度一般会計当初予算について申し上げます。

令和5年度当初予算案は、子供たちへの投資、環境貢献、防災機能の強化などの取り組みに重点的に予算を配分したことなどにより、一般会計の予算規模は、前年度と比べて2,400億円の増となる8兆410億円となっています。

具体的な施策には、第2子の保育料無償化、高校3年生世代までの医療費無償化をはじめ、幅広い分野において、都議会公明党が要請してきた内容が盛り込まれています。

また、基金を積極的に活用する一方で、事業評価による見直しの徹底により、過去最高となる1,141億円の財源を確保したほか、都債の発行抑制を継続することで、都債残高を着実に減少させるなど、積極的な施策展開と健全な財政運営の両立を図っています。

今後は、急激な景気変動にも耐えられる財政対応力を目指し、更なる財政調整基金の積立てなどの強化を求めるものです。

次に、子ども子育て支援についてです。

都議会公明党は、親の就労の有無にかかわらず、子どもを保育所等で受け入れる集団保育の実現を提案し、来年度予算案に、新たな仕組みの創設が盛り込まれたことは大きな一歩であり、評価します。都議会公明党が、先の都議選の重点政策チャレンジエイトとして、推進してきた第2子の保育料無償化が、いよいよ来年度からスタートします。本事業においても、第2子以降の利用料無償化を強く求めます。

次に、私立中学校と都立大学への授業料助成についてです。

まず、私立中学校について、都が授業料の助成を行うこととしたのは、歴史的な転換であり、高く評価します。先の代表質問において、知事は、授業料のうち10万円を助成すること、対象は、私立中学生の約半数に相当する3万6千人を見込み、40億円を予算として計上していることを明らかにしました。

また、都立大学についても、年収910万円未満の世帯を対象に、授業料無償化を図る方針を示しました。保護者の経済的負担への支援を評価するとともに、引き続き、支援の充実に取り組むことを求めるものです。

次に、新型コロナ対策についてです。

今年の5月8日に、新型コロナの感染症法上の分類は2類相当から5類に移行されます。しかし、今後も季節的な感染拡大が発生することが懸念されるため、検査体制や受入体制の確保など、都として必要な対策を講じていくことが重要です。5類移行後の取組方針について、知事は、都民の不安や医療現場の混乱を招かないよう4月中に移行計画を策定する事を明らかにしました。状況の変化を見極めながら、必要な対策を的確に講じていくことを求めるものです。

次に、がんの粒子線治療についてです。

都議会公明党は、重点政策として、都立病院への粒子線治療の導入を掲げており、先の代表質問においても、粒子線治療の早期導入とスタッフの確保について、知事の見解を求めました。これに対し、知事は、令和5年度に粒子線治療施設の整備計画を策定する考えを明らかにしました。粒子線治療の導入に向け、着実な計画の策定を強く求めます。

次に、帯状疱疹ワクチン助成についてです。

代表質問において、都は、ワクチン接種に取り組む区市町村が負担した接種費用の2分の1を支援すること、予防等に関する情報発信を強化していくことを明らかにしました。今後は、実施を希望する全ての区市町村が助成を行えるよう区市町村に積極的に働きかけていくことを望みます。

次に、住宅政策局の再編についてです。

都議会公明党は、環境局の所管である住宅部門の再生可能エネルギーの推進について、日頃より業界団体と連携している住宅政策本部へ移管すること、また、体制が強化される住宅政策本部を住宅局に拡充すべきことを求めました。これに対し、知事は、環境局と住宅政策本部の連携強化などに取り組むと答弁しました。より実効性の高い執行体制を確立するためには、住宅政策本部への移管と、局への拡充が不可欠です。改めて組織の再編を強く求めるものです。

次に、リスキリングへの支援についてです。

デジタル化の進展など、社会が変化する中、職業能力を磨き直すリスキリングの重要性はますます高まっています。リスキリング支援について、知事の見解を求めたのに対し、知事は、あらゆる世代の能力開発等を進める年間2万人規模のプロジェクトを展開することを表明し、従業員のスキル取得に取り組む企業への手厚い経費支援や、デジタル知識を学ぶ新たなプログラムの実施などに取り組む方針を示しました。幅広い世代に対する総合的な支援を強く求めるものです。

次に、中小企業の若手人材の確保・定着についてです。

都議会公明党は、中小企業の人手不足が一層深刻化する中、中小企業が採用した学生を対象に奨学金返済の一部を肩代わりする人材確保支援事業について、事業の魅力を多くの学生に伝えていくよう求めました。これに対し、都は、学生向けの出張講座や説明会で紹介するなど、利用を増やす取り組みを進めると答弁しました。

また、住まいの確保を通じて若手人材の確保・定着を図る中小企業の取り組みへの支援を訴えてきました。来年度の取り組みについて、都は、中小企業に専門家を派遣し、福利厚生の充実に向けた助言を行うこと、若手社員のために住宅を借り上げる場合、経費の半額を助成することを明らかにしました。我が党の主張を踏まえた対応を評価するとともに、継続的な支援の実施を求めるものです。

次に、羽田空港への多摩地域からのアクセスの利便性向上についてです。

都議会公明党は、羽田空港アクセス線西山手ルートを完成させるため、都が積極的に取り組むべきこと、中央特快と青梅特快を新宿駅経由で羽田空港まで延伸し、乗り換えなしで羽田空港まで行けるようにすべきことを求めました。これに対し、知事は、西山手ルートの事業スキームの具体化に向けて、国やJR東日本等との協議調整を積極的に進めるなど、空港アクセス利便性の向上に取り組む考えを明らかにしました。実現に向けては、都の協力が不可欠です。積極的な対応を強く求めます。

次に、高速道路上の本線料金所の撤去についてです。

都議会公明党は、都市部の渋滞の要因の一つである高速道路の本線料金所を撤廃するため、都内高速道路の全面ETC化を繰り返し求めてきました。先の代表質問において、知事は、圏央道とその内側の料金所を対象に、2025年度までのETC専用化を予定していること、国や高速道路会社に対して強く働きかけ、できる限り早期の料金所撤廃に向けて取り組んでいくことを明らかにしました。

一日も早い撤廃の実現に向け、取り組みの更なる強化を求めるものです。

次に、都政のDXについてです。

都政のDXを推進するため、職員の意識改革を求めた我が党の質問に対し、知事は、各局にCIO補佐官を導入し、都民目線でサービスをデザインするという意識改革を徹底していくことなどを明らかにしました。都民がDXの恩恵を実感できるよう、都自らが率先して意識改革に取り組むことを求めます。

次に、動物保護拠点の整備についてです。

都議会公明党は、新たに整備を予定している動物愛護相談センターについて、令和5年度に策定する基本計画の中で、保護施設としての機能や、都民から親しまれる動物との共生拠点にふさわしい施設内容などを明らかにすべきことを求め、知事からも前向きな答弁を得たところです。子どもからお年寄りまでが集い、動物との関わりを持てる拠点として整備を進めていくことを強く求めます。

最後に、予算特別委員会で否決された日本共産党の予算の編成替えを求める動議について申し上げます。

仮に実現を目指すのであれば、財源確保に向けた知事との折衝や他会派の賛同を得ることが不可決であります。汗をかくことはせず、組み換え案を提出しただけで、政策を具体化していくために重要なプロセスが決定的に欠けており、到底賛成できるものではありません。

令和5年度から実現する18歳までの医療費助成の拡充などについて、共産党は自分たちの実績であるかのように、街なかにポスターなどで喧伝し、0~2歳児の第2子の保育料無償化、私立中学校授業料負担軽減など共産党が実現させたと議会で発言しています。

しかし、実現させたとする施策の予算が盛り込まれた令和5年度予算案に明確に反対していることを申し添えておきます。

都議会公明党は、地域に根差したネットワークの力をさらに強化し、現場の声に真摯に耳を傾けながら、東京の経済と都民生活を全力で守っていくことをお誓い申し上げ、討論を終わります。

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