災害対策
① TOKYO強靭化プロジェクトについて
【質問】
都では、地震や風水害などの5つの危機に対し、2040年代の強靭な東京の実現を目指すTOKYO強靭化プロジェクトを立ち上げた。
年始に発生した能登半島地震の深刻な被害を踏まえ、首都直下地震や激甚化する風水害などのリスクに対し、プロジェクトの取組の一層の強化・加速化を図るべきと考えるが、知事の見解を伺う。
【知事】
大規模地震や、激甚化・頻発化する風水害など、差し迫った災害の脅威から、都民の命と暮らしを守る対策の強化は待った無しである。
こうした危機感の下、令和5年末に、プロジェクトをアップグレードした。
住宅の耐震化や木密地域の不燃化などの支援を拡充するとともに、気候変動を見据え、豪雨対策をレベルアップし、地下河川の事業化に向けた取組や、避難先になる高台まちづくりの推進など、災害への備えを強化していく。
また、今般の能登半島地震も踏まえ、戸建て住宅の液状化対策をはじめ、避難所の電源確保や衛星通信機器の配備の拡充など強靭化の取組を一層加速していく。
都民の安全・安心の確保に向けて、万全の備えを固めることで、強靱で持続可能な東京を創り上げていく。
② TOKYO強靭化プロジェクトの推進について
【質問】
2040年代の災害に強い東京の実現のためには、こうした取組を中長期にわたり、しっかりと継続していくことが重要である。
地震や風水害からの被害の軽減などに向け、TOKYO強靭化プロジェクトの着実な推進が必要だが、都の考えを伺う。
【政策企画局長】
プロジェクトが目指す、2040年代の政策目標に向けた道筋を、より確かなものとするため、アップグレードにあたり、新たに2030年頃の中間目標を施策ごとに設定した。
具体的には、水害に対し、新たな調節池等の事業化目標や、地震に対し、耐震化や木密地域の不燃化目標、火山に対する、国などと連携した除灰体制の構築などを掲げている。
今後、副知事や関係局長で構成する推進会議の下、政策目標の実現に向けて施策を不断に見直しながら、プロジェクトを着実に推進し、強靭で持続可能な東京を実現していく。
③ 災害ケースマネジメントの都と区市町村の役割分担について
【質問】
国は、それぞれの被災者に寄り添い、さまざまな制度を組み合わせたオーダーメイド型の支援である、災害ケースマネジメントを実施する方針を示している。
首都直下地震が発生した時には、多くの都民が被災することが想定されている。
国が掲げる災害ケースマネジメントについて、都は、区市町村との役割分担をどう考えて支援に結び付けていくのか、見解を伺う。
【総務局長】
災害ケースマネジメントは、被災者一人ひとりに寄り添ったきめ細かな支援を行い、その自立や生活再建を達成するための手段の1つであると認識している。
災害ケースマネジメントを検討する際の参考となるよう取りまとめた国の手引きでは、区市町村は支援の実施主体として、被災者が抱える課題等を個別の相談などにより把握した上で、専門家と連携しながら、課題等の解消に向けて継続的な支援を行うこととされている。
都は、弁護士会、行政書士会等を含む20団体と協定を締結しており、今後も、専門家などと連携し、区市町村の取組を支援していく。
④ 災害ケースマネジメントの区市町村との認識共有について
【質問】
被災者の生活再建は、中期、長期にわたる支援になる場合があり、都の役割は大きいと考える。
そこで都は、被災者支援の主体となる区市町村と連携して、災害ケースマネジメントの考え方に基づく取組の重要性について、認識を共有するとともに、平時からの体制構築に取り組むべきと考えるが、都の見解を伺う。
【総務局長】
被災者一人ひとりに寄り添ったきめ細かな支援を行うためには、その主体となる区市町村が、平時から保健師や弁護士など福祉・法律等の専門家と連携し、適切に対応できる体制を構築することが重要である。
こうした視点の下、区市町村職員への研修などの機会を通じた普及啓発等について検討していく。
空き家対策
【質問】
令和5年12月13日に施行された空家特措法では、特定空家等になる前段階から区市町村が対応できるよう、新たに管理不全空家等に対する指導、勧告ができる仕組みができた。
法改正により新たに創設された管理不全空家等に対する取組を促進するため、区市町村への支援を積極的に行っていくべきであるが、見解を伺う。
※特定空家…そのまま放置すれば、倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態にある空家
【住宅政策本部長】
区市町村が所有者等に空き家の適切な管理や修繕を促し、管理不全空家等を解消することは、防災の観点からも有効である。
このため、都は令和6年度、区市町村が空家特措法の改正等を受け、管理不全空家等の実態把握のために行う調査や、空家等対策計画の作成等への財政支援を拡充し、補助率を2分の1から3分の2に引き上げる。
あわせて、都内の全区市町村が参加する協議会を通じ、今後蓄積される指導・勧告措置の事例を共有するとともに、具体的な判定基準等についてワーキンググループで検討し、ノウハウの向上を図るなど、技術的な支援に取り組み、区市町村の取組を強力に後押しする。
医療・福祉
① 災害時の歯科保健医療対策について
【質問】
今回の能登半島地震では、口腔内の不衛生から生じる誤嚥性肺炎を原因とした、災害関連死を防止するため、歯科医師や歯科衛生士が避難所を回って口腔ケア等を行っており、被災地において誤嚥性肺炎などを予防する取り組みの重要性を改めて認識した。
そこで、いつ起こるか分からない災害の発生に備えた、歯科保健医療に関する都の取組について答弁を求める。
【保健医療局長】
都は、令和5年度末に改定する歯科保健推進計画に、大規模災害等の健康危機に対応した歯科保健医療対策の推進を重点事項に位置付け、都や区市町村、関係団体などの活動内容の充実に取り組むこととしている。
令和6年度は、災害時歯科医療救護活動ガイドラインを改定し、平時からの区市町村や歯科医師会など関係団体との役割分担や連携強化、避難所における口腔衛生の維持や誤嚥性肺炎の予防対策等に関する内容を充実し、区市町村や関係団体に周知するなど、災害時における歯科保健医療活動の強化を図っていく。
② 認知症の健診推進事業の充実について
【質問】
認知症治療において、新たな抗体医薬であるレカネマブの投与が令和5年末に開始された。
令和5年第3回定例会で都議会公明党が指摘したとおり、新たな抗体医薬であるレカネマブの投与対象が早期段階の患者に限られることからも、都は認知症の早期診断につながるよう、認知症検診推進事業の充実を図る必要があるが、令和6年度の取組について伺う。
【福祉局長】
都は現在、原則70歳以上の高齢者を対象として、検診を希望する方に問診・認知機能検査を行い、専門機関等につなぐ区市町村の取組を支援している。
アルツハイマー病の原因物質とされているアミロイドベータは、発症の約20年前から脳内に蓄積すると言われているため、令和6年度から、検診の対象年齢を原則50歳以上に拡大し、その人口規模に応じて補助基準額を段階的に引き上げるとともに、令和10年度まで補助率10分の10で支援する。
③ 認知症に係る若い世代を含めた普及啓発について
【質問】
今後、レカネマブの投与対象となる、アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症の方が、時機を逸することなく診断につながることが必要となる。
認知症の早期診断、早期支援を推進するためには、若い世代を含めた普及啓発の強化が必要である。令和6年度の取組について伺う。
【福祉局長】
都は現在、認知症検診の対象となる70歳以上の高齢者にチェックリストを掲載したパンフレットを送付するなど、認知症に関する正しい知識の普及啓発に取り組む区市町村を支援している。
令和6年度は、これに加えて、幅広い世代に対する普及啓発を推進するため、住民が集まるイベントでのチラシの配布や自治会掲示板等へのポスターの掲示など、各区市町村の実情に応じた取組も補助対象とする。
また、認知症の早期診断の大切さを伝えるリーフレットを新たに作成し、区市町村に提供していく。
④ 認知症に係る検診後の支援について
【質問】
軽度認知障害(MCI)と診断された方が認知症に進行するのは、1年で1割程度とされている。認知症に進行する可能性も、正常状態に回復する可能性も両方ある。
一方、軽度認知障害と診断された方や家族にとって、将来回復せずに認知症に進行することへの大きな不安があると思うが、相談支援の取り組みはいまだ十分ではない。
認知機能検査の結果、認知症の疑いがあると診断された方やその家族等が孤立することのないよう、相談支援等の充実が必要と考えるが、見解を伺う。
【福祉局長】
都は、認知症の疑いがあると診断された方の検査結果などを、本人の希望に応じて、専門医療機関や地域包括支援センターに提供し、支援につなげる取組を行う区市町村を支援している。
令和6年度は、こうした取組に加えて、認知症の疑いと診断された方に対する定期的な連絡や訪問を行う区市町村を支援し、本人や家族等が孤立して悩むことのないよう、早期の相談支援に着実につなげていく。
下水道施策
① 下水汚泥からのリンの回収・肥料化について
【質問】
我が国において、化学肥料の原料であるリンは、農産物育成に不可欠にもかかわらず、ほぼ輸入に依存し、世界的にも資源が偏在している。
国際情勢の急変や輸入制限などで2021年以降、日本国内の肥料価格は高止まりが続いており、農家経営に大きな影響を与えている。
一方、下水汚泥はリンを含有しており、肥料として利用できれば、国内で安定的に確保できることから、都議会公明党はかねてから、下水汚泥からリンを回収し、輸入原料に頼らない国内資源由来の肥料を作る必要性を訴えてきた。
令和6年2月、1月末に稼働した砂町水再生センター内のリン回収・肥料化施設を視察し、この施設では、下水汚泥からリンを回収する技術の実証を行っていることを確認した。
そこで、下水汚泥からリンを回収し、農業者のニーズに合った肥料の実用化に向けた現状と今後の取組について伺う。
【下水道局長】
下水道局では、下水道が有する資源を最大限に活用するため、下水汚泥中のリンの肥料への有効利用に向けて、技術開発に取り組んでいる。
令和6年1月には、下水汚泥から良質なリンを効果的に回収するリン回収・肥料化施設を砂町水再生センター内に完成させ、運転を開始した。
本施設は、年間約70トンのリン回収物を生産する能力を有しており、現在、リンの回収率や肥料の品質等を実証している。
今後は、実証を通じて、リン回収の低コスト化や、農業者が使いやすい良質な肥料の開発を目指していく。
② 下水再生リンの肥料としての効果について
【質問】
リン回収施設が稼働し、今後は、このリンを原料に、メーカー等が肥料の開発を進め、販売される見込みと聞いている。
下水再生リンの利用を促進するため、その効果を検証し、丁寧な情報提供を行うべきと考えるが、令和6年度の取組について、都の見解を伺う。
【産業労働局長】
東京の農業で使う良質な肥料の確保に向け、都は令和6年度、農林総合研究センターにおいて、水再生センターの下水再生リンの肥料としての効果等を調べる。
具体的には、こうしたリンを肥料にコマツナ等の野菜を栽培し、生育状況や収穫量などへの影響を確認する。
この結果について、ウェブ等を通じ分かりやすく紹介するとともに、講習会を開き、各地域の農業者に情報提供を行い、今後の利用促進に結び付ける。
③ 下水再生リンの広域利用について
【質問】
都は、国内の下水処理量の約1割を占めているとのことなので、そこに含まれる多量のリンは都内だけでなく、日本全国で利用することが望まれる。
そこで、農業関係者との調整を加速し、広域利用を推進すべきと考えるが、見解を伺う。
【下水道局長】
全国で最大の下水処理を実施している都が、下水汚泥からリンを回収し、肥料として広域的な利用に取り組むことは重要である。
このため、下水再生リンの流通経路の確保や農業者の理解醸成に向けて、JA全農と連携して取り組んでいく。
具体的には、令和6年の夏頃を目途に肥料製品を開発し、順次、試験栽培やイベントでの肥料配布などを通じ、農業関係者の理解醸成などに取り組む。
これらの取組を推進し、広域での下水再生リンを活用した肥料利用を実現していく。
④ エネルギー・地球温暖化対策について
【質問】
地球温暖化の大きな要因とされている温室効果ガスの排出を削減する方策について、これまで以上に取り組むことが重要である。
下水道は、東京都内における年間電力使用量の約1パーセントにあたる電力を消費するなど、大量のエネルギーを必要とし、多くの温室効果ガスを排出している。
大量にエネルギーを消費する下水道局が、率先して行動に移すことが重要である。
そこで、脱炭素化に向けて、下水道事業の取組を加速すべきと考えるが、令和6年度の取組について見解を伺う。
【下水道局長】
下水道局では、地球温暖化防止計画アースプラン2023に基づき、温室効果ガス排出量を2030年度までに、2000年度比で50パーセント以上削減する目標を掲げ、対策を推進している。
令和6年度には、省エネルギー型機器の導入や、焼却廃熱を活用した発電により、運転に必要な電力を自給できるエネルギー自立型焼却炉の整備を進めるとともに、発電電力量を約6割増加させる新たな汚泥消化ガスによる発電事業の工事に着手する。
今後は、ペロブスカイト太陽電池などの革新的な技術を活用し、脱炭素化に取り組むことで、環境負荷の少ない都市の実現に貢献していく。
リカレント教育
① リカレント教育ポータルサイトのさらなる改善について
【質問】
令和3年第4回定例会の一般質問において、学び直しを希望する都民が調べやすいポータルサイトの構築を提案し、令和4年3月より開設された。
都民のスキルアップに役立つ教育コンテンツを提供している東京リカレントナビにおいて、老若男女問わず、リカレント教育に取り組みやすくなるよう、さらに施策を推進していくべきである。都の見解を伺う。
※リカレント教育…社会人になってからも、仕事で必要な知識の取得やスキルアップのために学び直しをすること
【総務局長】
都はこれまで、都民に幅広く学び直しを促すため、SNS広告等により東京リカレントナビをPRするとともに、初学者の学びのきっかけとなる動画を制作してきた。
令和5年度は、利用者が登録した年齢や興味分野等に即した講座を自動で推奨する機能や、受講履歴を保存できるマイページ機能を追加し、利便性の向上や継続的な学習を支援する取組を行っている。
今後も、マイページから新たに得られた情報を分析し、世代ごとのニーズに即した講座の提供を行うなど、ポータルサイトの更なる改善に取り組んでいく。
② リカレント教育における大学等との連携について
【質問】
リカレント教育には、キャリアアップを図る、生きがいのために教養を身につけるなど、さまざまなパターンがある。
都民のリカレント教育のニーズにより一層応えられるよう、東京リカレントナビにおいて、大学等との連携により、掲載講座を充実させていくとともに、効率的なサイト運営を図るべきである。都の見解を伺う。
【総務局長】
これまで都は、様々な機会を捉え、大学や自治体、民間企業等と東京リカレントナビの連携を進め、サイトには月平均約500講座を掲載している。
令和5年度、日本私立大学連盟等を通じて、各大学へ講座提供を依頼したことなどにより、連携先大学は令和4年度末から16増加し、現在20大学となっている。
また、連携先の拡大に伴い、増加する講座掲載依頼に迅速に対応するため、サイトの機能強化を図っている。
こうした取組を更に進め、都民の多様な学びのニーズに応えていく。
交通対策
① 日暮里・舎人ライナーの雪害対策について
【質問】
令和6年2月5日の降雪により、日暮里・舎人ライナーは営業運転を取りやめる事態となった。
日暮里・舎人ライナーのように、ゴムタイヤで走行する新交通システムは、一般の鉄道と比較して雪の影響を受けやすいとされているが、利用者目線からは、できる限り運行を確保することが求められる。
そこで、降雪時における日暮里・舎人ライナーの対策の強化を求めるが、見解を伺う。
【交通局長】
日暮里・舎人ライナーでは、気象の変化を詳細に把握するため、観測装置を増やすほか、除雪用ブラシを改良するなど、輸送障害の未然防止の強化に努めてきた。
今後、更なる輸送の安定性向上に向けて、凍結防止剤の散布装置を増強するとともに、ロードヒーターの増設について検討を進めていく。
また、大雪による影響が予想される場合には、降雪対策のための運行本数の削減や運行停止の可能性等について、ホームページやSNSなどを活用し、よりきめ細かく事前の情報発信に取り組んでいく。
こうした取組を通じて、お客様の安全を最優先に、安定輸送の確保に努めていく。
② 日暮里・舎人ライナーの地震対策について
【質問】
令和3年10月7日に発生した、千葉県北西部を震源とした地震により、日暮里・舎人ライナーの脱輪事故が発生、多くの利用者に影響を及ぼした。
そこで、地震による日暮里・舎人ライナーの脱輪事故に関する検討状況と今後の取組について伺う。
【交通局長】
令和3年の地震による日暮里・舎人ライナーの脱輪事故は、車両と構造物双方の揺れに起因することから、運行や設備の管理を担う交通局と構造物の管理者である建設局とが連携して、再発防止策の検討を行っている。
令和5年度は、鉄道の専門的知見を有する第三者機関を活用し、構造物自体の揺れを抑える対策や列車の脱輪を防止する設備改修について、想定される工法の有効性に関する評価を行っている。
令和6年度は、評価結果を踏まえ、構造物や列車の地震による挙動の詳細なシミュレーションを行い、対策の早期具体化に向けて取り組んでいく。
都立公園のサービス向上
【質問】
今般、都では、パークマネジメントマスタープランの改定が予定されており、施策の1つとして健康増進について触れられている。
近年、本格的に超高齢社会に突入し、健康長寿に対する都民の意識が高まり、都民が幸せに暮らすための重要な拠点として、公園への期待は大きいと考える。
今後、憩いや散策、ウォーキングやスポーツなどを目的で訪れる公園利用者が、また来たいと思うような公園づくりをしていくべきと考えるが、パークマネジメントマスタープランの改定にあたり、さらに利用者を増やすよう、サービス向上に取り組んでいくべきと考えるが見解を伺う。
※パークマネジメントマスタープラン…今後10年間に東京が目指す公園づくりの方向性を示すとともに、多様な主体と連携しながら、都民の視点に立って取組を進めていくための都立公園全体の整備・管理運営の指針
【東京都技監】
都立公園は、レクリエーションや健康づくり、交流の場など様々な役割を果たしている。
これまで健康への意識の高まりなど公園利用者のニーズを反映し、運動施設の拡充や、利用時間拡大などに取り組んできた。
新たなマスタープランの下においても、運動施設の新設や既存施設の運用の工夫を進める等、多様なニーズに的確に対応し、利用者の利便性向上に努めていく。
中小企業の人材確保・育成に関する相談機能の強化
【質問】
都立城東職業能力開発センターでは、中小企業の人材確保・育成に関する相談窓口を設け、企業からの相談に応じて、職業訓練の受講生の採用や従業員向けの講習の受講に結びつけるなど、中小企業が人材確保・育成を図る上で極めて有効な支援を行っている。
都は、人材の確保・育成に取り組む中小企業が、個々の実情に応じて適切な支援を受けられるよう、職業能力開発センターの相談機能を強化すべきと考えるが、都の見解を伺う。
【産業労働局長】
中小企業が業務に必要な一定のレベルのスキルを持つ人材を確保し、その育成を確実に進めることができるよう支援することは重要である。
このため都は、令和6年度、都内4か所にある職業能力開発センターに、中小企業の人材の確保と育成に関する相談対応を行う「人材総合サポートデスク」を設置する。
これにより、各センターから専門家が地域の中小企業を訪問し、人材の採用や育成に関する課題を聞きとり、その解決に向けた相談を行う。
また、中小企業とオンラインによる面談も実施し、相談を効率的に進める。さらに相談内容に応じ、しごと財団等と協力し人材の確保と育成に係るノウハウの提供も行う。
小児インフルエンザ接種補助
【質問】
令和6年度予算案では、小児インフルエンザ接種の補助事業費が計上されたことを評価する。そこで、改めて、補助事業の概要について伺う。
【保健医療局長】
任意接種である小児へのインフルエンザ予防接種については、13歳以上は1回、13歳未満は2回の接種を行うものとされており、都は、子育て支援の観点から、13歳未満への接種に係る自己負担額が、13歳以上と同程度となるよう、接種費用の助成を実施する区市町村への財政支援を行うこととした。
具体的には、区市町村が助成を行う場合、都が接種1回当たり1,000円を上限に、区市町村負担分と同額を補助することとしており、都の補助を上限まで活用した場合、自己負担額は、最低でも1回分の接種費用に相当する4,000円の減額となる。