大松あきら議員の本会議一般質問

聴覚障がい者施策

①障がいのある方への情報保障の推進について

【質問】

障がい者差別解消条例で、事業者に対し合理的な配慮を義務付けている東京都こそが、率先して、障がいのある方の権利を守り、社会参加を促進し、利便性を向上させるようなデジタル化、オンライン化を進め、情報保障を推進していくべき。知事の見解を求める。

【知事】

障がいのある方への情報保障の推進についてであるが、障がいの有無にかかわらず、都民一人ひとりが、自分らしく輝くことができる共生社会、これが私の目指す東京の姿である。

その実現のためには、障がいのある方が円滑に意思疎通できる環境を整備し、社会参加を促していくことが必要であり、障がい者差別解消条例では、情報保障の推進を基本的施策の一つとして規定している。

都は現在、聴覚障がい者の意思疎通を図るため、タブレット端末を活用した遠隔手話通訳などに取り組んでいる。

今後、都政のデジタルトランスフォーメーションの推進を梃子として、ICTなどの先端技術を活用することで、更なる情報保障を進め、障がいのある方々へのサービスの向上につなげていく。

②都庁における聴覚障がい者への情報保障について

【質問】

都庁では、聴覚障がい者が窓口までいらっしゃれば、タブレット端末を使い遠隔手話通訳を活用し、各部署と手話で対話できる。今後は、来庁しなくても、各部署と手話で話せるようにするなど、聴覚障がい者への情報保障の充実を図るべきだが、取組について答弁を求める。

【福祉保健局長】

都庁における聴覚障がい者への情報保障についてだが、都は、平成28年度から、タブレット端末を都立施設等6か所に配置し、遠隔手話通訳や、音声を文字に変換するサービスの提供を開始した。平成30年度からは、より柔軟にサービスを提供できるよう、タブレット端末を庁内各部署に貸し出すこととし、イベントや受付窓口などで活用している。

現在、聴覚障がい者が来庁しなくても、都の専用サイトにアクセスし、遠隔で手話通訳者を介して都庁に電話できる電話代理支援サービスの開始に向け、準備を進めており、こうした取組を通じて、聴覚障がい者への情報保障を充実していく。

教育

【質問】

ポストコロナを見据え、都教委でこれまで推進してきた国際交流を、今後一層発展させていくべきだと考えるが、取組について見解を伺う。

【教育長】

ポストコロナを見据えた国際交流についてであるが、都教育委員会はこれまで、学校での交流を支援するため、海外の国や地域との覚書の締結や、国際交流コンシェルジュによる交流のワンストップサービスを通じ、児童生徒の交流体験や教員の指導力向上を促進してきた。

現在の世界規模の感染拡大状況下でも、オンライン活用により交流を継続し、更に充実することが重要である

このため、今後は、これまで構築してきた協力関係や仕組みを活用し、生徒や教員による相互訪問等の交流に加え、オンラインを活用した交流機会を創出するとともに、様々な交流事例を学校に情報提供していく。このような取組を通じて、より多くの児童生徒や教員が、多様な交流を体験できるよう支援し、子供たちが世界の人々と共に未来を切り拓く力を育んでいく。

防災

①避難者受入れに係る隣接自治体同士の連携強化について

【質問】

北区では隣接区から多くの方々を受け入れる一方、区内の避難所が満員になれば、隣接区に受入れをお願いしなければならない。風水害時の避難者の受入れについて、隣接自治体同士の連携を強化できるよう支援していくべきである。都の見解を求める。

【総務局長】

避難者受入れに係る隣接自治体同士の連携強化についてであるが、感染症対策として、3つの密を避けるため、各避難先で受入人数を制限することが想定されており、隣接した自治体同士が相互に協力し、避難者を受け入れる体制を整えることが重要である。

都内区市町村は、地域ごとや、自治体間の協定により、避難者の受入れや職員の派遣、救援物資の提供等、災害時における相互協力、支援体制を構築している。

都は、こうした協定が災害時に円滑に機能するよう、自治体間での避難者の移送や受入れを想定した図上訓練を、今年度、区市町村と実施する予定である。

今後は、こうした訓練で顕在化する課題や成果の共有を図ることで、避難対策の強化に取り組んでいく。

②避難先のバリアフリー情報の発信について

【質問】

車いす使用者などにとっては、避難所のバリアフリーに関する情報が重要である。高齢者や障がいのある方々が、前もって避難先に、だれでもトイレやエレベーターがあるかどうかなどの状況を把握するために、適切な情報の発信が必要である。都の見解を伺う。

【総務局長】

避難先のバリアフリー情報の発信についてであるが、高齢者や障がい者などの方が、ニーズに応じた避難先を選択するためには、だれでもトイレやエレベーター等の有無といったバリアフリー情報を、避難の開始前に入手できる環境を整備することが重要である。

このため都は、避難先のバリアフリー情報を都民に提供するため、区市町村に対してホームページやハザードマップなどへの掲載を促していく。また、都の防災マップや防災アプリなどで避難先のバリアフリー情報を閲覧できるよう、区市町村から情報収集するとともに、改修に向けた検討を進めていく。

今後も、こうした取組を通じて、災害時における要配慮者に向けた防災情報の発信の強化に努めていく。

③河川監視カメラについて

【質問】

河川監視カメラを増設すべきである。その上で、カメラの映像を静止画で公開している水防災総合情報システムにおいて、今後は動画で公開し、より分かりやすい情報発信を行うべき。また、国管理の多摩川等の映像も見ることができるようにすべきだが、都の見解を伺う。

【建設局長】

河川監視カメラの取組状況についてであるが、水害から都民の命を守るためには、河川の状況をわかりやすくリアルタイムに伝える監視カメラの設置等、住民の避難に資するソフト対策を進めることが重要である。

都は、近年の全国的な豪雨災害等を踏まえ、東京都水防災総合情報システムにおいて、監視カメラの画像の公開を更に拡充することとしており、これまでの32か所に加え、令和3年度までに新河岸川など約40か所で新たに設置し公開する。

また、河川の水位や状況などをよりリアルタイムに、また、更に多く伝えるため、河川の画像の動画化や国及び区市町村のシステムとの情報共有化を検討していく。

今後とも、住民の迅速な避難行動に繋がる、わかりやすい水防災情報の更なる充実に取り組んでいく。

④荒川第二、第三調節池について

【質問】

現在、国は荒川第一調節池の上流に荒川第二、第三調節池の整備を進め、更なる防災力向上に取り組んでいる。東京都としても、治水効果の早期発現に向け、その整備を着実に進めるよう国と連携して取り組むべきであるが、都の見解を伺う。

【建設局長】

荒川第二、第三調節池の整備についてであるが、激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、国が管理する荒川においても、豪雨に対して大きな効果を発揮する調節池の整備を推進することが重要である。

本調節池は、昨年の台風において総容量の九割を貯留した「荒川第一調節池」の上流に隣接する、総容量約5,100万立方メートルの調節池で、平成30年度より国が事業を実施している。

都は、本調節池の着実な整備について、荒川水系河川整備計画の変更時や、毎年実施している政府提案要求などの機会を捉えて、継続して働きかけている。

引き続き、水害に強い首都東京の実現に向け、本調節池の整備等による安全性の早期向上を国に求めていく。

外濠の水質改善

①外濠のアオコ対策について

【質問】

外濠におけるアオコ対策の現在の取組状況について見解を伺う。

【建設局長】

外濠におけるアオコ対策についてであるが、外濠については、東京2020大会の開催に向け、国の指定史跡にふさわしい良好な環境となるよう、水質改善を進めていくことが重要である。

このため、庁内関係5局による検討会での方針に基づき、アオコに対する暫定対策として水質改善処理剤の散布など外濠に適用可能な対策に取り組むこととした。

これまでの室内実験による処理剤の選定や、アオコの直接回収方法などの検討結果を踏まえ、現在、市谷濠、新見附濠にて対策を実施しており、引き続き、その効果を検証していく。

今後とも、関係局と連携し、外濠の水質改善に向けた取組を進めていく。

②外濠への導水に向けた調査などについて

【質問】

導水に必要な管路施設の機能の調査・検討の進捗状況を明らかにすべきであるが都の見解を伺う。

【都市整備局長】

外濠への導水に向けた調査などについてであるが、水と緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京を実現するには、水辺空間を生かした魅力ある都市の顔づくりを進めることは重要である。

これまで都は、関係局が連携して、外濠の効果的な水質改善方策を幅広く検討し、河川水等の導水の有効性などを確認してきた。

外濠への導水に向けては、玉川上水等の活用可能な既設水路や新たに整備が必要となる導水路に関する調査・検討が必要であり、関係局が役割分担し、新型コロナウイルス感染症への対応状況も踏まえ、現在、調査委託の契約に向けて準備を進めている。引き続き、国や地元区とも連携して外濠の水質改善を進め、水の都にふさわしいまちに潤いを与える東京を実現していく。

葬祭業

【質問】

葬儀業は許可や認可、届け出などの法的規制がなく、誰もが参入できる事業である。こうした状況を踏まえ、都民が消費者トラブルに巻き込まれないための取組が必要と考えるが、見解を求める。

【生活文化局長】

葬儀に関する消費者トラブルについてであるが、消費者被害を防止するためには、行政による消費者に対する普及啓発に加え、消費生活相談での対応や不適正な取引行為の是正に向けた取組が重要である。

このため都では、葬儀サービスに係る相談事例や留意点等についてホームページで注意喚起するほか、消費者からの相談に対しては、専門知識を持った相談員が丁寧にアドバイスをするとともに、事案によってはあっせんを行うなど、トラブル解決に向けて支援している。

今後は、都民向け情報誌「東京くらしねっと」にも相談事例などを掲載し、注意喚起を強化する。また、事業者が行う広告や表示に対する監視強化を進め、法令に違反する場合は、表示の差し止めや再発防止を求める措置命令を行うなど、厳正に対処していく。

歯科検診

【質問】

北区では区の妊産婦検診に合わせて、お父さんも検診する「イクメン歯科検診」を独自に実施している。都内の区市町村に対し、北区のこうした取組を紹介しながら、若年成人への歯科検診の促進に取り組むべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

若い世代の方たちの歯科健診の促進についてであるが、歯周病などの歯科疾患は、糖尿病、心疾患など、全身の健康と深く関わるとされており、その予防や早期発見のため、歯科健診を定期的に受診することは重要である。

青年期は、学校歯科医による指導の機会が減り、むし歯や歯周病のリスクが高まる傾向にあることから、昨年度は、青年期の口腔の現状や、かかりつけ歯科医による定期的な口腔衛生管理の重要性等を解説したリーフレットやポスターを作成し、普及啓発を行った。

また、都は、健康増進法に基づく40歳以上の節目年齢での歯周疾患検診に加え、若い世代の方の歯科健康診査に取り組む区市町村を包括補助で支援しており、今後も、各種会議の場で区市町村における取組を紹介するなど、歯科健診の受診促進に向けた取組を進めていく。

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