うすい浩一議員の本会議一般質問

福祉・医療施策

① 認知症支援を担う人材育成について

【質問】

認知症の人や家族は、今後の生活などに不安を抱えることになり、診断された人に対して個々につながりフォローしていくことが重要である。身近な地域で、生活面の困りごとに対する支援を担う人材の育成を区市町村と連携し、推し進めるべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

認知症支援を担う人材育成についてであるが、認知症の方と家族が安心して暮らせるようにするためには、生活面での困り事や不安を理解し、身近な地域で生活支援を担う人材の育成が必要である。

都は、認知症を正しく理解し、地域で認知症の方への声掛けや見守り等を行う認知症サポーターを養成するため、サポーター養成講座の開催に取り組む区市町村を包括補助により支援するとともに、講師を養成している。

さらに今年度から、困り事の相談や外出支援など、認知症の方や家族のニーズ等と認知症サポーターを中心とした活動をつなぐ仕組みの整備に向け、その中核となるコーディネーターの養成に取り組んでいく。

② 若年性認知症の方への支援について

【質問】

現在のコロナ禍を鑑み、若年性認知症総合支援センターの相談もオンライン化を取り入れて、若年性認知症の方々に対し、寄り添ったサポートをするべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

若年性認知症の方への支援についてであるが、若年性認知症は、働き盛りの世代が発症することから、都は、医療や介護だけでなく、就労の継続など多岐にわたる相談にワンストップで対応する若年性認知症総合支援センターを区部と多摩の2か所に設置し、本人や家族の状況に応じた支援を行っている。

センターでは、現在、若年性認知症の方やその家族からの相談について、来訪によるほか、電話、訪問、メールなど、相談者のニーズに応じた様々な方法で対応している。

これらに加え、ウェブ会議システムなどが広く普及してきたことから、今年度中にオンライン相談を開始する。

中小企業の事業承継相談体制

【質問】

オンラインでの本事業の実施に当たっては、いつでも活用できるようにパソコン以外の身近な機器でも簡単にアクセスできるようにすべきであり、併せて、支援を本当に必要としている方々に対して速やかに集中的なPRを行っていくことが重要と考えるが、都の見解を伺う。

【産業労働局長】

オンラインを活用した事業承継支援についてであるが、感染症の影響により、中小企業に直接対面して支援を行うことが困難な状況下にあっても、ニーズの高い支援を継続して提供していく必要がある。

このため、都は、相談窓口に来訪しなくても同様の支援を受けることができる事業承継プラットフォームの構築を進めている。今月からは、ウェブ会議システムを活用した事業承継相談を開始しており、今後はスマートフォンなどでも様々な支援を利用できるよう、利便性を高めていく。さらに、インターネットの検索キーワードに応じて表示される広告の仕組みを活用し、多くの中小企業への周知を今後、集中的に行っていく。

このように、これまでの対面支援に加え、非対面でも多様な支援を提供し、円滑な事業承継を後押ししていく。

不燃化対策

① 魅力的な移転先整備事業について

【質問】

都が、新たな取組として、足立区内の江北地区と関原地区の都有地を活用しての魅力的な移転先整備事業を都が開始したことは高く評価する。そこで、魅力的な移転先整備事業の第一弾である江北地区の取組及び応募状況について都の見解を求める。

【都市整備局長】

魅力的な移転先整備事業についてであるが、木密地域の不燃化を加速するには、権利者が安心して生活再建できるよう、コミュニティを維持しながら入居できる魅力的な移転先を確保することが効果的である。

そのため、都は、都有地等を活用し、権利者の受皿となる移転先の整備に取り組むこととした。

先行実施地区の第一弾である江北地区については、本年6月に事業者の募集を開始し、コミュニティの維持に配慮した共用スペースの整備や、周辺環境・景観に配慮した緑化、さらには災害時の対応策など、多様な観点から事業者の積極的な創意工夫を促してきた。

先日、事業者による提案書の提出を受け、今後、審査委員会によるヒアリングなどを実施し、12月頃に事業予定者を決定していく。

② 木密地域改善に向けた取組の展開について

【質問】

今後、住民の生活再建支援にも資するように、木密地域改善に向けた更なる取組の展開を行っていくべきである。都の見解を求める。

【都市整備局長】

木密地域改善に向けた取組の展開についてであるが、都は、木密地域の不燃化を加速させていくため、今年3月、防災都市づくり推進計画の基本方針を改定し、不燃化特区制度の更なる活用に加えて、権利者のニーズに応じた生活再建にも資するよう、高齢者の住替えの円滑化策など、一歩踏み込んだ取組を新たに展開していくこととした。

具体的には、都有地等を活用した魅力的な移転先の整備の更なる展開や、不燃化特区制度を活用した住替え費用助成の活用の拡大などを図っていく。

また、高齢者等の入居を拒まない「東京ささエール住宅」の一層の普及促進など、住宅施策とも連携していく

これらにより、住民が安心して移転できる環境を提供しながら不燃化を促進していく。

人材育成

① リカレント教育の充実について

【質問】

多くの都民が自らの個性や能力を活かして、社会の重要な担い手として活躍していくために、各自治体・各大学が地域の実情を踏まえて進めるリカレント教育を、都として支援していくべきだが、所見を伺う。

【総務局長】

リカレント教育の充実についてであるが、人生100年時代を迎え、誰もが生涯を通じて活躍できる社会を実現していくためには、スキルや知識を常にアップデートするためのリカレント教育が求められている。

都が設置する産業技術大学院大学及び産業技術高等専門学校では、自治体や企業等と連携し、シニアの起業を支援するスタートアップ講座や、社会人のスキルアップ等を目的とした、情報セキュリティ講座を実施している。

また、都では、シニアの希望等に応じて、再就職や起業、NPO法人設立など、幅広くセカンドキャリアについて学べる講座も開催している。

こうした取組に加え、今後、「『未来の東京』戦略ビジョン」に掲げる、幅広い層への社会人教育を展開するため多様な主体が連携した取組の充実を図っていく。

② リカレント教育の推進について

【質問】

都立以外の大学も対象に含めたリカレント教育推進を都の計画に位置付け推進体制を整え、都が全体の包括的な推進役を担い、区市町村が個別取組を実施することで成果が得られるものと考える。東京における総合的なリカレント教育の推進について、知事の所見を伺う。

【知事】

リカレント教育の推進についてであるが、デジタル化の急速な進展や雇用の流動化など、時代や社会構造の大きな変化に対応するためには、知識や技術を常にアップデートし、自らの価値を高めることが不可欠である。

人生100年時代において、リカレント教育の充実が、今後ますます重要になってくる。

このため、「未来の東京」戦略ビジョンでは、「生涯を通じたキャリア・アップデートプロジェクト」を掲げ、都立大学のプレミアム・カレッジをはじめとした、セカンドキャリアに繋がる学び直しや、現役世代の実践的な学びなどの施策を盛り込んでいる。

こうした取組を、更に広げていくためには、東京に数多く立地する大学や、区市町村とも連携し、ライフステージに応じた幅広いリカレント教育の展開を図っていく必要がある。

生涯を通じた学びやキャリアアップを通じて、都民一人ひとりが、充実した人生を送ることが、東京の都市の活力向上や、持続的な発展につながっていく。

東京全体のリカレント教育の充実に向け、多様な主体と連携した取組などプロジェクトのバージョンアップを図り、長期戦略に盛り込んでいく。

無電柱化

① 足立区の大学病院周辺区道の無電柱化について

【質問】

来年度中に開院予定の東京女子医科大学病院新東医療センター周辺の道路は、災害時も通行を確保する必要があり、無電柱化が急務である。既に都の補助を活用して無電柱化が進められているが、この地域における区道の更なる無電柱化の推進について、都の見解を伺う。

【建設局長】

足立区に開院予定の大学病院周辺区道の無電柱化についてであるが、無電柱化は都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要である。

この病院の西側に接する区道については、現在、電線共同溝本体工事が進められており、都は、防災に寄与する路線として財政支援を行っている。

また、病院北側には環状七号線が、東側には尾久橋通りがあり、それぞれ第一次緊急輸送道路に指定されており、病院とこれら緊急輸送道路とを結ぶ区道の無電柱化についても、防災に寄与する重要な事業である。

今後とも地元区に対して財政支援を行うなど、無電柱化を積極的に推進していく。

② 江北バス通りにおける無電柱化等歩行空間の確保について

【質問】

都道307号線「江北バス通り」は、幅員が狭く地域からは危険との声が多数上がっている。歩行空間確保のため、無電柱化を図るなど対策を講じるべきと考えるが、都の見解を伺う。

【建設局長】

いわゆる江北バス通りにおける無電柱化等歩行空間の確保についてであるが、本路線は、道幅も狭く、歩道もない状況であり、安全性を確保するため路側帯のカラー舗装化や交差点部のすべり止め舗装などを行ってきている。

無電柱化については、現在、都として、道幅の狭い道路においても整備を進めるため、電線管理者とも連携し、地上機器のコンパクト化や、街路灯と一体となった機器の開発に取り組んでいる。

引き続き、技術開発に取り組み、無電柱化を推進することで、安全で快適な歩行空間の確保に努めていく。

江北給水所の上部利用

【質問】

足立区は、江北給水所南側の高野小学校に、健康というテーマに沿って、多目的に利用できる広場を整備する計画である。都は、江北給水所の上部利用について、区の計画と連携して進めるべきであると考えるが、見解を伺う。

【水道局長】

江北給水所の上部利用についてであるが、江北給水所は、交通至便の好立地にあることから、水道局では給水所上部を貴重な経営資源としてとらえ、企業努力の一環として利活用を図り、収益の確保に努めることとしている。

一方、足立区からは給水所上部について、区がまちの将来像を示した江北エリアデザイン計画に配慮した活用を検討願いたいとの要望を受けている。

同給水所上部の利活用については、配水池上部という事業上の制約や収益の確保、立地特性等を総合的に勘案するとともに、江北エリアデザイン計画に示されている健康という視点や高野小学校跡地との機能連携など、地元の意見も十分に考慮しながら、検討を進めていく。

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