けいの信一議員の本会議一般質問

自転車の安全について

【質問】
     5月末に設置された「自転車の安全で適正な利用の促進に向けた専門家会議」において免許を持たない方などへの安全対策強化を検討していくべきである。都の見解を伺う。
【都民安全推進本部長】
     免許を持たない方などへの自転車の安全対策強化についてであるが、都はこれまでも、自転車のルール・マナーの向上にむけ、春、秋の交通安全運動や自転車シミュレータを活用した交通安全教室などで啓発用リーフレットの配布を行うとともに、自転車の購入時にも販売店を通じて安全利用に向けた確認書を交付するなど、様々な機会を活用して自転車の安全で適正な利用について、理解の促進を図ってきた。
     現在都では、更なる自転車の安全で適正な利用の促進に向け、専門家会議を設置し、5月の末には第1回の会議を開催した。
     今後は当該会議での議論を踏まえながら、お話しの免許を持たない方などへの安全対策の強化も含め、交通規則の遵守・マナーの向上に向け、更なる普及啓発に努めていく。

【質問】
     都道における車両乗り入れ部の整備では、歩車道境界の段差がマウントアップ形式では5センチメートルであるが、セミフラット形式では2センチメートルである。自転車の転倒事故を少しでも減らすために、セミフラット形式に改善すべきと考えるが、都の見解を伺う。
【建設局長】
     都道における車両乗り入れ部の段差改善についてであるが、都は、東京都道路バリアフリー推進計画に基づき、歩道の段差や勾配の改善に取り組んでいる。
     車道と歩道の境界部の段差が5センチメートルで整備されている車両乗り入れ部については、歩道改良工事等の際に、地域の状況や要望に応じて、道路工事設計基準に基づきセミフラット形式での整備を実施することで、車道と歩道の段差を2センチメートルに改善していく。
     また、道路の新設や拡幅工事においても、沿道の利用状況などに応じて、引き続き歩道のセミフラット化を実施していく。
     今後とも、沿道住民の方々の理解と協力を得て、安全で快適な道路空間の確保に取り組んでいく。

【質問】
     自転車の安全教室は、重要な取組であり、多くの高齢者が参加できるようにするべきである。また、希望する全ての方が安心して電動アシスト自転車の運転体験ができるよう多彩なタイプを用意すべきと考える。さらに、市区町村への連携支援を含め、都の見解を伺う。
【都民安全推進本部長】
     高齢者向け自転車安全利用講習会についてであるが、この事業は、運転免許証を返納した高齢者等の日常の交通手段の確保を図るため、平成30年度から開始したもので、自転車のルール・マナーについての講義や、自動車教習所のコースを使った安全な乗り方の実技に加え、電動アシスト付き自転車の試乗も実施している。
     今後はより多くの高齢者に参加していただけるよう自治会・町内会や交通安全協会を通じた参加者募集のPRを強化していく。また、形状や大きさが異なる電動アシスト付き自転車を用意することで、全ての参加者が体格などに合った自転車で安心して試乗ができるようにする。
     さらに、講習会の独自開催を計画する市区町村に対しては、自転車シミュレータの手配や講習会用自転車を提供する企業を紹介するなど、積極的に支援を行っていく。

海洋教育について

【質問】
     都立大島海洋国際高校実習船「大島丸」の運航について、充実した航海実習のために船員の確保こそ喫緊の課題である。こうした困難な状況の中、これまで努力をされてきた現在の船員の方々の処遇にも十分配慮をしたうえで、技術と実践力を備えた外部の力を積極的に活用すべきと考える。都教育委員会の見解を求める。
【教育長】
     近年の国内の船員数の著しい減少や、海を隔てた大島という地域特性などの背景から、船員の確保は大変厳しい状況にある。
     こうした状況の中、これまで船員の病気などの不測の事態では、臨時の船員を採用することや、派遣船員の活用により運航体制を整えてきた。
     また、船員の退職などが見込まれる場合には、関係機関への個別の働き掛けも含め、広範な採用募集を行うなど、船員の確保に努めてきた。
     今後は、実習船「大島丸」の安心・安全で安定的な運航を確保し、更に充実した航海学習を実施するため、外部の民間活力の導入などの検討を進めていく。

【質問】
     都立大島海洋国際高校での今後の海洋教育について、今後の施設や人材の充実はもとより、海洋問題に詳しい大学と連携した実習を実施するなど、世界をリードする海洋教育への改革に取り組むべき。都教育委員会の見解を求める。
【教育長】
     これまで大島海洋国際高校では、航海実習における、海水温や透明度などの観測調査や、小笠原海域での漁獲による海洋生物調査など、海洋における環境諸課題に関連した教育を実践してきた。
     都教育委員会は現在、海洋ごみの状況を大学と連携して調査する取組への支援や、水中生物や海底資源等を映像や音波、捕獲などの多様な方法で調査することを可能とする、新たな実習船「大島丸」の建造を進めている。
     今後、大学や関係機関との連携の下、令和3年度に予定している学科改編に向けて具体的検討を進め、持続可能な社会の実現に貢献する人材の育成を図るため、海洋教育の全国的なモデルとなり得る取組を推進していく。

障害者施策について

【質問】
     都立高校においても、医療的ケアを必要とする生徒への対応が求められる。都立高校における障害のある生徒への更なる支援を進めるべきだと考えるが、都教育委員会の見解を伺う。
【教育長】
     都立高校における障害のある生徒への対応についてであるが、都教育委員会は、これまで生徒の障害の程度や状態に応じて、施設のバリアフリー化やICT機器等の整備を進めるとともに、生徒の障害に起因する困難さを補うため、非常勤の介助職員を配置してきた。
     その一方で、現在、医療的ケアが必要な生徒については、保護者の付添いを依頼している。
     そのため、今後、都立高校における医療的ケアへの対応に向け、インクルーシブ教育システムに関する調査・研究で先進的な取組事例を把握するとともに、医学的見地や医療安全の観点を踏まえた専門家等による検討会を立ち上げ、障害のある生徒に対する支援の一層の充実に向けた検討を行っていく。

【質問】
     「スルッとKANSAI」では、改札機にかざすだけで障害者割引が適用されるICカードを発行している。公共交通のバリアフリー化促進の観点から、障害者割引に対応したICカードの発行を交通事業者に働きかけていくべきと考えるが、都の見解を伺う。
【東京都技監】
     障害者割引に対応したICカードについてであるが、誰もがいきいきと生活できる都市を実現するには、駅のエレベーター設置やノンステップバスの導入など、公共交通のバリアフリー化を促進することが重要である。
     お話の障害者割引に対応したICカードについては、利用の都度、駅の係員やバス乗務員に障害者手帳等を呈示する手続が不要となり、鉄道やバスが更に利用しやすくなる効果がある。
     一方、事業者からは、各社で割引制度が異なることや自動改札等の機器、運賃の計算システムの改修を伴うこと、その改修費用の負担等の課題があると聞いている。
     都としては、国の動向等を見ながら、事業者に対し、障害者割引用のICカードの発行を働きかけるなど、誰もが移動しやすい公共交通の環境整備に努めていく。

【質問】
     福祉保健局関係の質問に入る前に、一言、申し上げます。児童虐待防止を呼び掛ける都のホームページに、「児童虐待推進キャラクター」と誤って表記されていたことが、昨日、報道によって明らかになりました。当事者にとっては、断じて許されないことであり、福祉保健局は、緊張感を持って仕事に取り組んで頂きたいと申し上げておきます。
【福祉保健局長】
     この度、私ども福祉保健局が所管しますホームページ上で、児童虐待防止にかかるキャラクターの表記につきまして、誤植、一部、ございました。
     誠に、児童虐待防止を推進し、それを所管し、また、オール東京で、これをやっていこうと、児童虐待防止を進めていこうという中、その所管する局の責任者として誠に慙愧(ざんき)の念に耐えません。本当に申し訳ございませんでした。
     改めまして、職員一同、一丸となって、児童虐待防止を推進してまいりたいと考えております。
     どうぞよろしくお願いいたします。

【質問】
     厚生労働省は、障害者手帳のカード化を認める省令改正を行い、4月1日に施行された。これを受け、カード型障害者手帳を希望する方々に対し、1日も早い交付を実現できるよう、都としても準備を進めるべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
     障害者手帳のカード化についてであるが、国は、これまで身体障害者手帳及び精神障害者保健福祉手帳について、厚生労働省令で様式等を定めていたが、本年3月末に、この省令を改正して従来の紙の手帳の様式例を削除し、自治体の判断でカード形式で手帳を交付できるようにした。
     同時に、技術的助言として通知を発出し、カードの形状や材質、偽造防止対策の方法、視覚障害者が判別しやすい加工を施すことなど、カード形式で手帳を発行する際の仕様を示している。
     都は、国通知の内容を踏まえるとともに、障害者団体を通じて、利用者である障害当事者の意見を伺いながら、カード形式での障害者手帳の発行について、検討を進めていく。

【質問】
     誰もが生き生きと生活ができ、活躍できるダイバーシティの実現を目指す都が、知的障害の定義や判断基準の統一化も含め、療育手帳の法制化を国に強く働きかけていくべきと考えるが、知事の見解を伺う。
【知事】
     療育手帳の法制化についてであるが、身体、知的、精神の障がい者にとって、障害者手帳は、税の減免や交通運賃の割引などを受ける際の必要な証明書であると同時に、身分証ともなるものである。
     身体障がい者と精神障がい者の手帳は法律で定められているが、知的障がい者に交付される療育手帳は、国の要綱に基づき、手帳の名称や形式、判定基準等を各都道府県・政令市が定めている。
     このため、療育手帳を所持している方が転居した際に、障がいの程度などの判定内容が変わったり、お話しのように、民間事業者が療育手帳を身分証として認めない事例なども生じている。このようなことは大変残念なことであり、障がい者の支援や社会参加を進める観点からも、改善すべきであると考える。
     都は、これまで、療育手帳の法制化について、他の自治体と連携して国に働きかけてきた。今後、都としても、独自に国に対し、知的障害者福祉法に知的障がいの定義及び手帳制度を規定するよう提案要求していく。

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