まちづくり
① 安定的な下水道幹線の機能確保について
【質問】
埼玉県八潮市の下水道は、12の市町から下水が集まっており、令和7年1月28日に発生した道路陥没事故の影響で120万人以上の人に対し、下水道の使用自粛をお願いするなど大きな影響が発生した。都議会公明党は、令和7年第1回定例会の代表質問において、八潮市の道路陥没を受けた下水道の対応について、効果的な保守点検や更新に取り組んでいくべきと主張した。
大田区にある森ヶ崎水再生センターは、我が国最大の処理水量を誇り、区部全体の面積の約4分の1にあたる地域などから、大規模な幹線を通じて、下水を集め処理しているが、下水道施設の中でも、こうした大規模な幹線が損傷して使用できなくなると、社会経済活動や都民生活に大きな影響を与えてしまう。将来にわたり、安定的に下水道幹線の機能を確保できるよう、取り組みを進めることが重要と考えるが、都の見解を伺う。
【下水道局長】
下水道局では、整備年代の古い幹線や、点検や調査により対策が必要となった幹線などを優先し、再構築や補修を計画的に推進している。
具体的には、現在、大田区内において、六郷川幹線などで、道路を掘り返すことなく下水道管の内側から補強する更生工法を活用した再構築を進めている。さらに、城南島汚水幹線では、再構築に必要なバイパス管の整備が完了したことから、既存の幹線の汚水をバイパス管に切り替えることで、令和7年度から再構築に着手する。
これらの取り組みを一層推進することにより、安全・安心な東京の都市づくりに貢献していく。
② 都道管理のデジタル化による維持管理について
【質問】
道路の陥没事故は直後の対応だけでなく、日常の点検などを行うことが重要であり、事故の未然防止に繋がる。
また、都道には、様々な構造物があり、平時よりこうした情報をデジタル化し、都が管理することは、今後の道路の維持管理には大変重要な取り組みとなる。
都は、都道の管理情報をデジタル化し、維持管理を行っていくべきである。都の見解を求める。
【建設局長】
道路内にある様々な構造物の情報をデジタル化し、位置や構造等を把握することは、設計・施工だけでなく、維持管理においても効率化を図る上で有効である。
都は、都道上の道路空間の3Dデータの取得を進めており、令和6年から、現場状況の確認、幅員・面積の計測など、日常管理や舗装工事等の設計に活用している。また、新規整備路線の一部で施工の効率化に向けた3Dモデルの導入、無電柱化事業において地下埋設物の位置や設計の3Dデータ化に取り組んでいる。
今後は、これらのデータを蓄積するなど、都道管理のデジタル化を進め、維持管理の高度化を図っていく。
③ 谷沢川における河川整備の加速について
【質問】
現在、谷沢川では、本川の護岸に加えて、谷沢川分水路の工事を実施しているが、豪雨時に大きな効果を発揮する分水路が完成すれば、流域の治水対策が大きく前進するため、一刻も早く完成すべきである。
また、多摩川との合流部にある玉川排水樋管は、多摩川の水位が上昇した時に谷沢川への逆流を防ぐ目的で閉鎖する恐れがあるため、大型の排水ポンプを設置することは、隣接する大田区や、この地域の豪雨対策を進めるうえで大変重要な取り組みである。
谷沢川分水路の早期整備と、玉川排水樋管閉鎖時の対策について、検討を加速すべきと考える。見解を求める。
【建設局長】
水害から都民の命と暮らしを守るためには、河道に加えて、分水路の整備等を推進していくことが重要である。
都は、年超過確率20分の1規模の降雨に対応するため、平成30年度に谷沢川分水路の工事に着手し、令和6年5月にトンネルの掘削工事を完了させた。現在、本川と接続する水路などの工事を実施しており、令和8年度の稼働を目指していく。
また、台風などにより多摩川の水位が上昇し、合流部にある玉川排水樋管が閉鎖された場合の具体的な対策については、引き続き、関係機関と調整していく。
こうした取り組みを着実に進め、地域の安全性を高める。
④ エスカレーターの安全利用について
【質問】
愛知県名古屋市では、エスカレーター上を歩かないことを条例化し、エスカレーター上を歩く方がいるとAIが感知し、注意喚起の声かけを行い、成果を上げている。
令和6年の第4回定例会の都議会公明党の代表質問に対し、都は、東京都商品等安全対策協議会の場などにおいて、有識者や事業者、都民の意見などを聞き、対策について関係各局とも連携しながら検討していくとしていた。
左手に障がいのある都民の方が右側に乗り、右手でエスカレーターのベルトにつかまっていたところ、クレームを言われたこともあり、「東京都理学療法士協会」からも安全対策を求められた。都も名古屋市の事例を参考に、条例化やAIの活用を視野に入れ、実効性のある取り組みを行う必要がある。エスカレーターの安全利用について、商品等安全対策協議会において、具体的な対策を検討してほしいと考えるが、見解を伺う。
【生活文化スポーツ局長】
都では、事業者団体、学識経験者等で構成する東京都商品等安全対策協議会において、毎年度テーマを定め、商品やサービスの安全性について検討を行っている。
令和7年度は、都内エスカレーターの安全利用をテーマに、利用実態の把握や設置者・製造事業者・都民等からの意見聴取を行い、それらを踏まえ、必要な対策について検討していく。
現在、参加していただく団体や、協議会における検討内容の整理を進めている。
⑤ 鉄道の混雑緩和について
【質問】
鉄道の混雑緩和の取り組みは、利用者・企業・鉄道事業者に効果をもたらし、ひいては社会の生産性向上に繋がるため、社会全体で取り組みを進めていくことに意義がある。
現在、コロナ禍を経て出社回帰のトレンドが見られる中、都が、このタイミングで改めて、オフピーク通勤やテレワークに対する都内の企業の協力を得るため、更に積極的に企業に働き掛けていくべきだが、見解を伺う。
【東京都技監】
鉄道の混雑緩和は、社会の生産性を向上するためにも重要な取り組みであり、都は、コロナ禍以前からオフピーク通勤等を促進し、新しい働き方が浸透してきた。
新型コロナの5類移行を踏まえ、令和6年度は、改めてオフピーク通勤やテレワークを呼び掛ける広報を展開するとともに、都内在勤者を対象とし、コロナ禍後、初となるスムーズビズイベントを実施するなど、混雑緩和の取組を再スタートした。
今後は、オフピーク通勤等を促進するスムーズビズへの協力を、企業の経営層にも働き掛けるなど、鉄道の混雑緩和に向けたムーブメントを展開していく。
総合診療医の確保で救急医療体制の充実
【質問】
骨折で救急隊員が受け入れ病院を探したところ、都立を含め、担当の整形外科医不在を理由に3病院に断られた。都立病院は地域医療支援病院であり、その上、救急医療を行政的医療のひとつとして掲げている。着実に救急搬送を受け入れていくことが使命であり、そのためには、救急担当医が専門の診療科のみを受け入れるだけでなく、広範囲に診療が出来る医師を確保し、救急搬送の受入れを担当する体制を率先して整備していくべきと考える。見解を求める。
【保健医療局長】
高齢化の進展に伴い、複数の疾病を有するなど、特定の診療科だけでは対応が難しい患者の増加が見込まれており、切れ目なく全人的な医療を提供できる総合診療医を活用した救急受入体制の整備が重要である。
広尾病院では、総合診療の指導医を確保し、救急部門等との院内連携体制の構築や、救急に関する専門講座などの育成環境を整備するとともに、医師会や地域の医療機関等と連携しながら、人材育成を進めている。
令和7年度はこうした取り組みを多摩北部医療センターなど4病院にも拡大し、各病院の特色を生かした総合診療医の育成を進め、都立病院の救急医療体制等の充実を図っていく。
スポーツ振興
① 地域スポーツを支える人材の確保・育成支援について
【質問】
多くの地域では、高齢化の進展により、指導者をはじめとしたスポーツを支える人材が不足している。こうした課題への対応は、都だけでできるものではなく、都民や地域に根差した団体等の理解・協力のもと、進めていかなければならない。
改定を進めるスポーツ推進総合計画では、スポーツを支える人材の不足などの課題を、都民や地域の主体と共有しながら、指導者を確保・育成するなど、具体的な取り組みを進めていくべきと考えるが、都の見解を伺う。
【生活文化スポーツ局長】
次期スポーツ推進総合計画案では、6つの重点政策テーマを設定しており、その1つとして、スポーツを支える仕組みづくりに向けた地域における担い手の確保を掲げている。
その達成指標としてスポーツ指導者数を設定し、誰もが参加できるレクリエーションから競技スポーツまで、レベルに合わせた指導ができる人材を確保していくこととしている。実現に向け、令和7年度からスポーツ指導者資格取得等への支援を実施する。
計画に掲げた各種取り組みを推進するため、スポーツを取り巻く課題認識や方向性について、都民や区市町村、関係団体等と共有し、理解を得ながら展開していく。
② デフリンピックの効果的な広報展開について
【質問】
今後の取り組み一つ一つが、デフリンピックの盛り上げに大事になってくることから、様々な関係機関と連携して、人目に触れる公共の場や、交通機関を利用するなど効果的な広報展開を実施すべきと考える。
都は、今後、大会への関心を高め、競技会場に足を運んでいただけるよう、取り組みを進めていくべきと考えるが、見解を伺う。
【生活文化スポーツ局長】
都はこれまで、大会を知り関心を持ってもらえるよう、都有施設や駅など、都民に身近な場所でのポスター掲出や広報誌・SNSによる情報発信など、様々な機会を捉えて大会をPRしてきた。
今後、電車内のビジョンや街中のデジタルサイネージなど多様な媒体において、大会のPR動画や選手を起用したポスターを活用して、広報プロモーションを展開していく。また、大会への出場が決定した東京ゆかりのデフアスリートの情報をホームページで随時発信する。
こうした取り組みにより、大会時に多くの都民に会場で選手を応援していただけるよう大会への関心を高めていく。
働き方改革
【質問】
ワーケーションを進める上で重要になる、仕事や職場以外の場所でのテレワークの活用が企業に浸透するよう支援すべきだが、知事の見解を伺う。
※ワーケーション・・・労働であるワークと休暇であるバケーションを組み合わせた造語で、観光地やリゾート地で仕事と休暇を同時に行うワーケーションは、地域や観光業界なども含め、様々なメリットがある制度として期待されている
【知事】
ワーケーションを進める環境整備についてであるが、時間や場所を問わないテレワークの幅を広げ、余暇の充実にもつなげるため、自宅でも職場でもない場所で働く環境づくりを後押しすることは重要だ。
都は、これまでサテライトオフィスの活用を図る企業を支援することにより、サードプレイスで働くことを浸透させてきた。
令和7年度は、この流れを加速し、ワーケーションができる仕組みを設ける企業への支援を新たに開始する。
こうした働き方への理解を深め、利用を促進するための交流イベントも充実する。
これらにより、柔軟な働き方を促進し、誰もがいきいきと働ける新しいモデルを東京から広げていく。
障がい者施策
① 障害児通所支援における心理担当職員の配置支援について
【質問】
都議会公明党は令和4年度から、心理担当職員や経験豊富な保育士などのコア職員配置を要件とする質の高い都型放課後等デイサービス事業を後押ししてきた。特に心理担当職員による支援は、障害児通所支援においても求められている総合的な支援の提供につながるため、大変重要である。
都内の障害児通所支援事業所において心理担当職員の配置が更に進むよう、都として取り組むべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉局長】
障害児通所支援事業所が心理担当職員を配置する場合、報酬上の加算で評価されるが、その要件は、加算の届出を受ける各都道府県等が判断することとされている。
都はこれまで、公認心理師などの有資格者であることを要件としていたが、サービスの質を担保しつつ人材の確保を推進するため、令和7年度から要件を見直し、有資格者に加え、大学で心理学を専攻し実務経験を有する者等を追加する。
今後、新たな心理担当職員の要件について事業所向けの説明会等を通じて周知するなど、事業所における配置を進め、障害児の専門的な支援の充実に取り組んでいく。
② 都教育委員会における障害者雇用について
【質問】
都議会公明党の提案により、都では障害者の雇用促進に向け、オフィスサポートセンター等が開設され、会計年度任用職員から常勤職員へとステップアップする制度も導入されているが、教育委員会の障害者雇用率は法定雇用率を達成しておらず、一層の障害者雇用の推進が求められるが、見解を求める。
【教育長】
障害者が意欲や適性に応じ、その能力を適切に発揮できるよう、教育の職場の中で活躍のできる機会を増やすことは重要である。
これまで都教育委員会は、障害のある方が民間への就職の前に、仕事に慣れる場をつくるほか、庁内のスタッフからサポートを受け業務を行う対応を実施してきた。
令和7年度は、障害者の働く場を増やすため、新たに計画を作り、グループで現場を巡回し事務補助を行うほか、学校からデータ入力等の作業を請け負う仕組みを導入する。また、短時間勤務等の柔軟な働き方を取り入れるとともに、関係局とも連携し、求人やPR活動の強化を行う。
外濠の水辺再生事業の実施計画策定を
【質問】
都議会公明党は、外濠やその下流にあたる日本橋川の水質改善に向けて、下水、再生水の供給余力や、荒川の河川水を、玉川上水路などの活用により、導水することを提言してきた。これを受けて、知事が表明されたとおり、外濠への導水により、日本橋川を経て、東京湾への水循環が形成されることとなった。
東京における水と緑の回廊の実現を目指し、早期に外濠の水辺再生事業の実施計画の策定が必要と考えるが、見解を伺う。
【東京都技監】
水の都東京を実現するためには、歴史的遺構である外濠への導水による水質改善を進め、人々に癒やしの場を提供し、魅力あるまちづくりにつなげることが重要である。
現在、導水施設の整備に関する設計や、早期整備に必要な立坑用地の確保等に向けた管理者協議を行っており、関係局と共に検討や調整を着実に進め、令和7年度に外濠の水辺再生事業の実施計画を策定する。
引き続き、小学生向け勉強会の実施などにより、外濠の歴史的価値を周知するなど機運醸成を図りながら、国地元区とも連携し、2030年代半ばの整備完了を目指して、外濠の水辺再生に取り組んでいく。