細田いさむ議員の予算特別委員会(3月26日)討論

都議会公明党を代表して、本委員会に付託された知事提出の全議案に賛成し、共産党提案の予算の編成替えを求める動議、並びにミライ会議提出の第一号議案の修正案に反対する立場から討論を行います。

令和7年度一般会計当初予算は前年度に比べ、7,050億円増の9兆1,580億円となっています。

具体的な施策では、保育料の第一子無償化や子供の医療費助成における所得制限の撤廃、アフォーダブル住宅の供給促進、新たな調節池の事業化など、都議会公明党がいち早く提案し、求めてきた施策などが随所に盛り込まれており、高く評価します。

そして、基金は一定の残高を確保しつつも活用を図っており、事業評価では過去最高となる1,303億円の財源を確保し、都債も残高を減少させています。しかし、世界経済の先行き不透明さは高まっており、新公会計制度の発生主義による事業費評価を一層しっかりと進め、財政基盤の更なる強化を図っていくことを求めておきます。

次に、産業労働施策についてです。

都議会公明党は、賃上げに向けた投資に踏み出せない中小企業があることから、支援の充実を求めました。これに対し都は、サプライチェーンの中核となる中小企業が賃上げ等を行う場合に、大型設備導入への助成限度額を1億円から2億円に拡充するとともに、小規模事業者の機械設備導入への助成率を4/5に引き上げる考えを明らかにしました。

また、持続的な賃上げのため、企業による人への投資を促していくべきと、知事の決意を求めました。それに対し知事は、労使関係づくりのための新たな相談窓口の設置や副業導入等に取り組む企業への最大230万円の奨励金など、人への投資を促す多面的な施策を強力に推進していく考えを示しました。

次に、物価高騰対策についてです。

一人7千ポイントを付与する東京アプリのキャンペーンに関連し、都議会公明党の提案により検討されている、高齢者へのスマホ購入費助成の状況について答弁を求めたところ、都は4月以降に区市町村と連携し、迅速に支援していく考えを示しました。デジタルに不慣れな方にも寄り添った対応を重ねて求めておきます。

次に、住宅施策についてです。

都議会公明党は、都内マンション価格が投機的な取引により高騰し続けていることから、今後の都施行再開発事業のマンション建設での投機抑制の取組について見解を求め、都は申込制限といった実効性のある対策を再開発事業の特定建設者に要請していく考えを明らかにしました。

また、神戸市ではタワーマンションに関して空き部屋所有者への課税等が有識者会議で言及されていることを踏まえ、都としてもマンション価格高騰への対策を幅広く検討し、対応していくことを指摘しました。これに対し都は、現在実施している実態調査の結果を活用しながら、住宅政策審議会等において学識経験者の意見を聞いていく考えを示しました。実効性のある対策を講じていくことを強く求めます。

次に、都市の安全対策についてです。

都は都議会公明党の要請に応え、来年度予算に個人住宅等に向けた防犯カメラなどの防犯機器等購入緊急補助事業を盛り込んだことを評価します。その上で、都営住宅へのカメラ付きインターホンの設置についてです。

都営住宅には経済的な困窮や身体的な状況などから、補助制度を利用し難い事情を抱えた方々おられることから、都議会公明党はカメラ付きインターホンの設置促進策を図るべきと提案しました。これに対し都は、手や足が不自由で、玄関までの移動や対面での対応が困難な身体状況にある居住者を対象に調査としてカメラ付きインターホンを設置して、機器の仕様や設置方法、コスト等を検討し課題を整理していく、と答弁されました。防犯対策の強化を求めます。

次に、防災対策についてです。

都議会公明党は、地域の安全・安心確保に活躍している消防団が物価高騰等の中にあっても活動を強化できるよう、処遇改善の取組を求めたところ、都は特別区消防団員に支給する費用弁償を4千円から500円引き上げる考えを示しました。

また、昨年の本会議代表質問での提案に引き続き、災害現場において新たな視点でドローンを活用することを求めました。これに対し都は、消化ホースをつないで20m以上の高さで継続的に放水できる新たなドローンなどを民間企業等と共同して開発する考えを明らかにしました。新たな技術の効果的な活用により、都民の安全・安心の一層の確保を求めます。

次に、水害対策についてです。

都議会公明党が強力に推進をしてきた、都民の命と暮らしを守る調節池の整備について、今後の見解を求めました。これに対し、都は来年度新たに3か所の調節池の本体工事に着手するとともに、2035年度までに250万㎥の事業化に向け、柳瀬川上流部など2か所で新たな事業化に踏み出す考えを明らかにしました。気候変動等による豪雨の激甚化に、着実に対応することを求めます。

次に、子供・子育て・教育施策についてです。

都議会公明党は、高校授業料無償化や保育料無償化などこれまで数々の提案をしてきた、チルドレンファースト社会の実現について知事に見解を求めました。これに対し、知事からは7年度予算では医療費助成の所得制限撤廃など施策全体の総額で約2兆円を計上し、チルドレンファースト社会実現を全力で進めていく力強い答弁がありました。

また、医療的ケア等により地域の保育所に通えない子供が保育士など他者との関わり合いを持つ機会の提供を求め、都はベビーシッターによる保育を第一子含め、無償で提供する考えを明らかにしました。

加えて、都立盲学校における歩行訓練士のの具体的活用について、都は、四つの都立盲学校に歩行訓練士の資格を持つ外部人材を派遣し、指導・助言をするなど教育レベル向上を図る考えを示しました。全ての子供や子育て家庭の視点に立ったきめ細かく実効性のある施策の一層の強化を求めます。

次に、若者施策についてです。

都議会公明党は、とりわけ子供から大人へと生活が定着するまでの移行期にあたるユース世代、特に18才から25歳ぐらい迄の世代を対象とした支援を要望してきました。そして、奨学金返還支援制度と海外留学生制度に力を入れるべきと主張し、具体的に取組を確認した上で推進する体制を作るべき質したところ都からは政策企画局の本庁組織である子供政策連携室に新たな課を設置すると答弁しました。

また都議会公明党は、東京都子供・若者計画案に新たに盛り込まれた若者の居場所設置支援について、実施自治体が約3割にとどまっていることから、一層の後押しを求めたところ、都は区市町村の居場所設置に対する補助上限をこれまでの3百万円から調査費等は6百万円、開設費については2千万円まで引き上げる考えを明らかにしました。

さらに、都議会公明党の提案を踏まえ、令和4年度から実施されている中小企業を対象とした奨学金返還支援制度について、昨今の労働市場の状況を反映し、30歳代の転職者など対象拡大について見解を求めたところ、都は支援の在り方を検討していく考えを示しました。若者への支援を着実に充実させていくことを求めます。

次に、高齢者施策についてです。

都議会公明党の提案を受け、今年度から開始された介護職員等の居住支援特別手当制度について、全ての方に行き渡るよう、小規模事業者を含めた全事業者での活用に向けた取組を求めました。これに対し都は、未申請の事業者に対するプッシュ型での周知や手当を継続する事業者には申請手続き負担の軽減などを図る考えを明らかにしました。介護職員の処遇改善がしっかりと図られるよう、きめ細かい制度運用を求めます。

次に、交通施策についてです。

都議会公明党は、運転手不足から地域交通の担い手であるバスの減便等が発生する中、交通手段の確保を望む高齢者の切実な願いが高まっていることから、デマンド交通に取り組む区市町村への支援の拡充を求めました。都は区市町村アンケートでは車両の更新費用が必要などの意見があり、今後、地域公共交通の充実に向け、より幅広く後押しする取組について検討していく考えを明らかにしました。高齢者等の地域の移動手段を確保するため、具体的かつ実効性のある取組を求めます。

令和7年度予算が、安全安心と生活の向上のために、都民のお一人お一人に届くように都議会公明党は、現場第一主義で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、討論を終わります。

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