民間医療機関の患者受け入れ
【質問】
都の患者の声・相談窓口での差額ベッド代の相談は多く、令和2年度は255件にのぼるとのことである。不適切な取扱いを繰り返す悪質な事例への対処を国に要望し、民間医療機関の差額ベッド代の仕組みを改めて都民へ周知すべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
病院の特別療養環境室いわゆる特別室の料金だが、国の通知では、同意書による同意がない場合、患者本人の治療上の必要により入室させる場合、病棟管理の必要性等から特別室に入室させた場合等は、料金を求めてはならない、とされている。
都は、こうした情報を患者の声相談窓口のホームページに掲載し、都民へ周知するとともに、都内病院に対しても情報提供している。
また、相談窓口で対応した相談・苦情等のうち、不適切な事例が認められた場合には、厚生労働省へ情報提供し、改善につなげるなど、引き続き、適切な医療提供体制の確保に努めていく。
福祉施策
① 民生・児童委員の年齢要件について
【質問】
健康で意欲もある方々への推薦を促進するべく、更なる年齢要件等の緩和に向けて、検討を進めるべきと思うが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
民生・児童委員の年齢要件についてであるが、民生・児童委員は都道府県の推薦により国が委嘱するものであり、国の通知では、75歳未満の者を選任するよう努めることとされている。
都は、これを踏まえ、東京都民生児童委員連合会等と協議して、推薦の際の年齢要件を定めており、一定期間の活動が可能となるよう、令和元年度から、新任は原則として67歳未満、再任は75歳未満としている。
これまでも、充足率等の状況により、年齢要件を適宜見直しており、本年12月の一斉改選後の充足率も踏まえて、年齢要件等について関係機関と検討していく。
② 民生・児童委員の普及啓発について
【質問】
都は、民生委員・児童委員の活動内容の周知において、特にボランティア意識が高いと思われる人々への広報を強め、民生委員・児童委員への関心を広げ、担い手の確保が進むよう取り組むべきと考えるが、見解を伺う。
【福祉保健局長】
民生・児童委員の普及啓発についてであるが、民生・児童委員の活動促進や担い手の確保に向け、地域住民や関係機関等に、制度や活動内容を広く周知することが重要である。
都は、これまでも、5月の民生・児童委員活動強化週間において、パネル展の開催や、民生・児童委員によるパレードを実施するなど、東京都民生児童委員連合会等と連携しながら、広く都民への普及啓発に努めてきた。
また、今月からSNSを活用し、若い世代に活動内容を紹介する取組を実施している。
引き続き、関係機関等と連携して、効果的な普及啓発に努めていく。
豪雨時の下水道の樋門操作
【質問】
都が持つ知見を活かし、樋門操作に際しての安全対策の強化など様々な手法での豪雨対策を要望するが、都の見解を求める。
【下水道局長】
豪雨時の下水道の樋門操作についてであるが、下水道局では、樋門操作時の安全を確保するため、堤防から河川に張り出した操作盤につながる通路の転落防止柵のかさ上げや、堤防の宅地側からでも操作ができるように遠隔化を実施した。
また、多摩川の水位や樋門の開閉状況などの情報を速やかに共有するため、地元区などとの情報伝達ルートや共有方法を定めたことに加え、樋門の操作を委託している大田区や世田谷区と、昨年度から年に1回合同で操作訓練や情報連絡訓練を実施している。
今後も、より安全性の高い樋門の操作方法などを含め、関係機関と連携して対策の検討を進め、都民の安全・安心な暮らしに貢献していく。
鉄道整備
① 新空港線について
【質問】
優先6路線の1つである新空港線の整備に向けた、知事の見解を求める。
【知事】
新空港線についてであるが、国際都市東京の玄関口としての羽田空港の機能を最大限に発揮させるためには、鉄道によるアクセスの充実を図ることが重要である。
新空港線は、国の答申において、空港アクセスの向上に資するプロジェクトの1つとして示されている。
一方で、関係者間で費用負担の在り方等について合意形成を進めるべきとの課題も示されている。
このため、都と大田区では、本路線に関する協議の場を開催し、まちづくりの要素等も加味して事業プランの検討を行っており、その結果をもとに都区負担等に関する協議を行っていく。
できる限り早期に協議が整うよう、区と連携して取り組んでいく。
② 新空港線に係る都区負担について
【質問】
都は、国の答申での位置付けや他路線での事例なども踏まえ、新空港線整備事業を広域事業として応分の負担に取り組み、広域自治体としての責務を果たすべきと考えるが、都の見解を求める。
【東京都技監】
新空港線に係る都区負担についてであるが、国の交通政策審議会の答申においては、本路線について、東急東横線等との相互直通運転を通じて、国際競争力強化の拠点である新宿や、東京都北西部等と羽田空港とのアクセス利便性が向上するとの効果が示されている。
一方、空港アクセスの向上に資するプロジェクトとして、本路線のほか、羽田空港アクセス線などのプロジェクトも示されている。
都としては、答申に示された広域的な空港アクセスの向上に資するとの観点等を踏まえつつ、羽田空港アクセス線の整備による本路線の需要等への影響も考慮しながら、都区負担に関する協議を行っていく考えである。
③ 新空港線に係る協議について
【質問】
都は広域自治体としての立場に立って、区との負担割合などの様々な課題の解決に向け積極的に調整に臨み、今年度内を目途に、早期に都区間の合意に結び付けるべきであるが、見解を求める。
【東京都技監】
新空港線に係る協議についてであるが、本路線については、国の答申において、関係者間で費用負担の在り方等について合意形成を進めるべきとの課題が示されている。
まちづくりの要素等も加味して事業プランを検討し、その結果をもとに都区負担等に関する協議を進めるため都は大田区と、本路線に関する協議の場を開催している。
これまで、蒲田駅周辺のまちづくりとの整合を図りながら、乗換利便性の向上等について検討を進めてきており、引き続き、需要予測及び収支採算性等の精査や、都区負担の考え方の整理を行っていく。
できる限り早期に協議が整うよう、区と連携して取り組んでいく。