加藤雅之議員の本会議(2月24日)一般質問

防災・安全対策

① 水害対策について

【質問】

都民の生命と財産を守るため、都は、国と連携し、調節池の整備をより一層推進していくべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

調節池整備の推進についてであるが、近年、全国各地で甚大な豪雨災害が発生している。こうした水害が東京で発生した場合、人的な被害はもとより、首都東京としての機能が麻痺する恐れがありその影響は計り知れない。

そのためにも、平常時から「備えよ、常に」の精神で準備しておくことが重要である。

このため、都は、風水害への備えとして、最優先で調節池の整備を加速する。令和4年度には、目黒川流域の新たな調節池の事業に着手し、将来の地下河川化も見据えつつ、環状7号線地下広域調節池と連結させ、国内最大の地下調節池として整備していく。

また、国に対しては、今年度工事に着手した荒川第二、第三調節池の着実な整備を求めていく。

引き続き、国と連携して河川施設の整備を推進し、「強靱な都市」東京を形成していく。

② 盛土による災害防止のための総点検について

【質問】

都は盛土総点検により現況の把握に努めるとともに、点検の過程で災害をもたらすおそれがある盛土の存在が判明した際には、各法令に基づき、速やかに対応策を検討するとの答弁があった。そこで、都における盛土総点検の結果と対応について伺う。

【建設局長】

盛土総点検の結果とその対応についてであるが、盛土に起因する土砂災害を防止するには、その状況を把握し必要な対策を実施することが重要である。

都は、土地利用の規制等に関する法律や条例を所管する4局が連携し、盛土による災害防止に向けた総点検を実施しており、昨年末には点検結果の暫定的な取りまとめを行った。点検対象とした約1,600箇所のうち、約1,500箇所で点検が完了し、そのうち16箇所については、許可・届出等の内容と現地の状況が一致していないなど、是正措置が必要であることが判明した。これらの箇所については、現在、各法律や条例に基づき事業者に対して是正指示等の適切な対応を行っている。

引き続き、残る箇所の点検を早期に完了させるなど、盛土の安全性確保に向け、取り組んでいく。

③ 盛土対策について

【質問】

都は、関係局から成る会議体を早期に設置し、検討していくことになった。都は、国の法改正の動向を把握し、国へ積極的に提言し、更に都独自の対策を打ち出すべきであるが、都の見解を伺う。

【東京都技監】

盛土対策についてであるが、都は、熱海市における土石流災害を受け、法令のはざまとなっている課題への対応の在り方などについて検討するため、昨年12月に、都市整備局、政策企画局、環境局、産業労働局、建設局、さらには港湾局をオブザーバーとした関係6局で「盛土のあり方検討会議」を設置し、各局における現行法令の運用上の課題などを共有化するとともに、国の動きの把握などに努めてきた。

国は、関係府省連絡会議の申合せを踏まえ、危険な盛土造成等を規制するための全国一律の新たな法制度の創設に向け、今期通常国会に法案を提出する予定である。

都としては、国の動向を見ながら、必要に応じ、適切に対応していく。

選手村における3Rの取り組み

【質問】

都議会公明党は大会を3Rの視点で推進すべきと訴え、大会終了後に選手村宿泊棟で利用した給湯器などを都営住宅の建て替え時や修繕の際に活用すべきなどと具体的に提案した。ビレッジプラザの木材や宿泊棟の給湯器などの再利用の取組について、都の見解を伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

選手村における3Rの取組についてであるが、持続可能性に配慮した大会として、大会時に使用した設備等の3Rを推進することは重要であり、選手村については、その整備前から、設備等を大会後も有効利用できるよう、庁内各局等と様々な検討を行ってきた。

ビレッジプラザについては、全国63自治体から無償で借り受けた約4万本の木材を、大会後に各自治体へと返却し、それぞれの公共施設などにおいて、レガシーとして引き継がれる予定である。都が提供した木材についても、地元区の小中学校等において活用する。

また、宿泊棟の給湯器については、都営住宅の計画的な修繕において約300台を活用するとともに、大会後の賃貸住宅でも再使用することとしており、こうした取組を始めとして、選手村における3Rを推進していく。

充電設備の導入拡大

【質問】

EV(電気自動車)の普及を飛躍的に拡大していくには、充電設備の設置可能なスペースをこれまで以上に活用し、その導入を加速させていくべきと考えるが、都の見解を求める。

【環境局長】

充電設備の導入拡大についてであるが、都はこれまで、自動車ディーラーや商業施設、マンション等に対し、施設管理者が原則負担なく充電設備を設置できるよう、導入に当たっての支援を実施し、普及を進めてきた。

来年度からは、これまで補助対象外としていた既存の戸建住宅や、建物併設ではないコインパーキング等の駐車場も新たに補助対象とし、普及を拡大していく。

さらに、道路上の設置についても、関係機関と連携しながら、課題の整理等、検討を進めていく。

これらの取組を通じて、充電設備の設置可能なスペースをこれまで以上に活用しながら、その導入を加速し、EV(電気自動車)の普及を飛躍的に拡大していく。

まちづくり

① バス停留所の広告付き上屋について

【質問】

官民連携方式の導入による局の整備費用軽減と、小型上屋の導入に向けた今後の取組について、あわせて都の見解を伺う。

【交通局長】

バス停留所の広告付き上屋についてであるが、交通局では、お客様の利便性・快適性の向上に向け、広告付き上屋を自ら設置しているほか、官民連携方式により事業協力者の負担で設置している。この方式で整備した171棟について、局自ら設置した場合の整備費用を試算すると、約10億円に相当する。

上屋の設置には一定のスペースが必要であり、更なる整備拡大には、狭い場所にも対応できる小型上屋の導入が効果的である。広告付き上屋の仕様については、都内のバス事業者から成る協議会がガイドラインで詳細な規格を定めており、小型上屋がガイドラインに追加されるよう、現在関係局等と調整している。

来年度には、小型上屋を試行的に設置し、その効果や課題を整理するなど、導入に向けて取り組んでいく。

② 屋外広告物許可申請の簡略化について

【質問】

屋外広告物許可申請簡略化の進捗状況及び今後の取組について、都の見解を伺う。

【東京都技監】

屋外広告物許可申請の簡略化についてであるが、バス停上屋広告を含め屋外広告物の許可申請手続は、許可権者である都と区市町が書面により行っているが、都政の構造改革の一環として、現在、デジタル化に向け調査検討を進めている。

令和5年度からの運用開始を目指し、来年度は、システム開発に着手するとともに、事務の統一性の確保や効率性の向上などの観点から、区市町に対し、システムの共同化を促していく。

バス停上屋広告については、多くの屋外広告物とは異なる2週間ごとに広告内容を変更したいというニーズを踏まえ、事務の簡略化について、許可権者である区市町と協議を行っていく。

コミュニティの活性化

【質問】

都営住宅においても、大学と連携した学生入居による取組を導入し活力低下に悩んでいる団地自治会や地域のコミュニティ支援を行っていくべきと考えるが、具体的な取組について伺う。

【住宅政策本部長】

都営住宅におけるコミュニティ支援についてであるが、居住者の高齢化、世帯の単身化が進む中で、団地自治会の活動や地域の活性化を図ることは重要である。

今般、東京都住宅政策審議会から、大学と連携した地域コミュニティの支援について提言があった。

都は、この提言も踏まえ、都と大学で協定を結び、空き住戸の目的外使用により、団地や地域の活力あるコミュニティの形成に資するよう、取組を進めていく。

具体的には、大学の近隣の都営住宅に入居した学生が団地の自治会が行う防災訓練や地域住民との交流等に協力するなど、その活動を支援する仕組みを整える。

来年度からこうした取組を開始できるよう、まずは、地域への貢献に関心のある大学などと協定締結に向けた協議を進めていく。

地場産業支援

【質問】

東京の貴重な地場産業を支える中小企業を守り発展させていくため、区市町村による地域特性を踏まえた取組を後押しするとともに、都としても中小企業の競争力を高める取組への支援を充実していくべきと考えるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

地域産業への支援についてであるが、東京の経済を支える、地域の様々な産業の発展に向け地元の実情に詳しい区市町村の取組を適切に支援することは重要である。

このため都は、区市町村が地域の特性等を踏まえて作成する産業振興の計画を実行する場合に必要となる経費について、最長3年間にわたる支援を行っている。

また、地域で事業を展開する中小企業の競争力を高める取組を個別に支援していくことも必要である。

このため、来年度は、中小企業が競争力の強化に向け生産性の向上や新たな事業展開のため設備を導入する経費への支援の規模を大幅に拡充する。

こうした取組により、地域産業を支える中小企業の事業活動を適切にサポートしていく。

木密対策と鉄道立体化

① 補助第120号線の踏切安全対策について

【質問】

拡幅事業中の補助第120号線と交差する東武伊勢崎線の踏切については、道路の本整備に先立ち、仮歩道を整備するなど、早期に踏切周辺の安全対策を行うべきと考えるが、都の見解を伺う。

【東京都技監】

補助第120号線の踏切安全対策についてであるが、補助第120号線鐘ヶ淵区間については、現況幅員約8メートルから約20メートルに拡幅する事業を進めている。

一方で、交差する東武伊勢崎線の踏切の前後で、放射状に複数の区道が接続し、車両と歩行者が複雑に交錯することから、早期の安全対策が求められている。

そこで、鉄道事業者を始めとする関係機関と協議を進めながら、斜めに交差する区道を踏切前後において補助第120号線と直角になるように付け替える。

さらに、踏切近傍の用地取得済みで更地化されている箇所を活用して、人だまり空間を確保しながら、踏切内の歩行者通路を車道と分離させる。

引き続き、踏切の安全対策に取り組んでいく。

② 東武伊勢崎線鐘ケ淵駅付近について

【質問】

区の描くまちづくり計画の改定を見据え、鉄道の早期立体化に向けた取組を進めるべきと考えるが、見解を求める。

【東京都技監】

東武伊勢崎線鐘ケ淵駅付近についてであるが、鉄道立体化は、交通渋滞や踏切事故の解消とともに、鉄道により分断された市街地の一体性を高めることから地域のまちづくりとあわせて進めていく必要がある。

地元墨田区では、これまでに、まちづくりの基本的な計画を策定するとともに、その具体化に向けて取組が進められている。また、都が整備を進めている補助第120号線に加え、鉄道と交差する区道についても整備に向けた手続等が進められてきている。

こうしたまちづくりの進捗状況や、交差する道路整備の具体化等を踏まえ、都としては、鉄道立体化に向け、地元区や鉄道事業者と調整を進めていく。

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