都議会公明党を代表して、知事提出の第104号議案「令和2年度東京都一般会計補正予算(第19号)」について、賛成の立場から討論いたします。
国は緊急事態宣言を3月21日まで再延長し、加えて都は22日から31日までを段階的緩和措置期間としました。
都内飲食店やカラオケ店の方々は、1日も早い感染状況の収束を願い、大変な努力をして時短要請に協力して下さいました。しかし、緊急事態宣言の解除に至らなかったわけであります。宣言の再延長や段階的緩和措置を単なる期間の延長として終わらせないため、まさに今、都の取り組みの真価が問われているのであります。
本定例会において総務局長は、感染防止徹底宣言ステッカーについて、都民の行動変容を促す取り組みであると述べました。これに対し我が党は、飛沫防止のアクリル板設置や換気設備もないままステッカーだけを張っている店舗があることを指摘しました。答弁で知事は、アクリル板等の共同購入の助成を拡充する考えを示しましたが、個々の店舗での購入も対象にすべきとの声も強く、さらに対応強化を進めるべきであります。
協力金について我が党は、22日からの段階的緩和措置期間中の対象地域や酒類提供時間帯、飲食店等以外の具体策を明らかにするよう求めました。都は、宣言解除の国の方針が示された後、速やかに行うと答えましたが、時短要請への協力の長期化で大変な影響を受けている飲食店等の状況を踏まえ、早期に明らかにするよう求めるものです。
協力金について我が党は、これまでも繰り返し、売上高や従業員数等の事業規模に応じて支給し、不公平感を払拭するよう強く求めてきました。今回の協力金支給のための補正予算を見れば、事務費を除くと、協力金支給の財源のうち、国の財源を除く都の支出は1%ほどでしかありません。都として、もっと独自の取り組みをすべきであります。事業規模に応じた協力金支給が実現できるよう早急な取り組みを強く求めるものです。
知事は3月5日の会見で、緊急事態宣言下の都の取り組みを明らかにしました。我が党が質問で指摘した通り、高齢者施設等への検査の拡大を除き、これまでの施策とほとんど変わりません。
高齢者施設等への検査拡大について我が党は、通所介護施設でのPCR検査を、都が主体者となって集中的に実施するよう提案しました。これに対し都は、日本財団による検査事業の協力拡大の中で、通所介護事業所も加えるよう要請すると答えました。通所介護施設でのPCR検査は重要であり、実施が大きく広がるよう積極的な取り組みを求めます。
医療体制の強化に関して我が党は、病床ひっ迫の解消について考え方をただしたほか、10代の若者も感染する変異株への対応として、モニタリング会議の専門家が訴えている小児病床を含めた病床確保の戦略の検討について質問しました。知事は、入院患者数をステージⅡの水準である、1,250人まで下げると答えるとともに、小児病床の確保も含めた病床確保を検討すると明言しました。変異株の感染が現実になっている中で早急な実現を求めるものです。
さらに我が党は、新型コロナ感染のこれまでの3つの大きな波の中で得た教訓を生かし、今後来るかもしれない第4の波に対し、感染拡大が減少傾向にある今こそ、その対策を打っていくべきと強調しました。
特に、急激な感染拡大の中で今年1月に1日9千人以上に膨れ上がった自宅療養者については、容体の急変や、家族への感染拡大の恐れがあることを考慮するならば、改めて適切な対応の検討が急務であります。軽症者や無症状者に関しては、保健所設置市や特別区と連携し、都が借り上げたホテルを活用しての宿泊療養を原則とすることを改めて徹底するよう求めるものです。
以上、申し上げて、討論を終わります。