長橋桂一議員の2年度補正予算に関する本会議(3月8日)代表質問

緊急事態宣言の延長

【質問】

今回の緊急事態宣言の再延長については、菅総理が政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の意見を踏まえ、決断されたものである。今回の緊急事態宣言について、2週間延長することに対し、どう評価されているのか、知事に見解を伺う。

【知事】

緊急事態宣言の延長についてであるが、1都3県に対する緊急事態宣言が3月21日まで延長された。

新規陽性者数は、下げ止まりが継続しており、現状は依然として非常に厳しく、今回の延長を大変重く受け止めている。

これまでの都民・事業者の皆様の御協力に感謝申し上げるとともに、改めて、感染防止への御協力をぜひともお願いしたい。感染の早期収束に向け、残り2週間、集中して対策を徹底的にやりきる。

緊急事態宣言後の措置

【質問】

新型コロナウイルス感染症のリバウンドを起こさないためにも緊急事態宣言後は、尾身会長のいう法的強制力を伴うまん延防止等重点措置に移行すべきと考えるが、なぜ都は、強制力を持たない段階的緩和措置としたのか、知事に見解を求める。

【知事】

緊急事態宣言後の措置についてであるが、国の基本的対処方針によれば、まん延防止等重点措置の実施は、感染が都道府県の一部の区域から全域に拡大するおそれがあるなどの事態が発生していることを踏まえ国が総合的に判断する。

都では、現在の感染状況や専門家の意見等も踏まえ緊急事態宣言下のこの2週間は集中して都内全域の感染を徹底的に抑え込む。

解除後も感染の再拡大を防ぐために3月末までの段階的緩和期間を設け、時短要請をはじめとした感染防止対策を実施していく。

今後は、国や1都3県で連携を図りながら、早期の感染収束に向け、万全の対策を講じていく。

新規陽性者数①

【質問】

知事は、「今後、毎日の新規陽性者数が1週間前の7割で推移していった場合、3月初旬には1日当たりの新規陽性者が140人以下、都民10万人当たり1人以下になる」と述べた。今回、なぜ、140人以下にならなかったのか、都の分析について、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

新規陽性者数についてであるが、東京iCDCの専門家によると、都内の主要繁華街滞留人口は、夜間は一定程度抑えられていたものの本年2月中旬に一時期増加する場面があり、昼間は1月の緊急事態宣言以降、増加傾向が続き、抑制できていない状況にあると分析されている。

さらに、3月4日に開催されたモニタリング会議では、専門家から、病院や高齢者施設で数十人規模のクラスターが複数発生していることや、同居する人からの感染等により高齢者層への感染が続いているとのコメントがあった。

これらのことが、総合的に、新規陽性者数減少の鈍化につながったものと考える。

新規陽性者数②

【質問】

「新規陽性者数が140人以下、都民10万人当たり1人以下」の数字の意味するところを分かりやすく都民の方に説明していただきたいと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

新規陽性者数についてであるが、先月の緊急事態宣言の延長時には、新規陽性者数の減少の目安として、7日間平均を前週比の7割以下とすることを掲げた。

これを継続できれば、3月初旬には、1日当たり140人、都民10万人当たり1人以下となることから、医療現場の皆様の相当な負担軽減にもつながるものと考えていたが、現状では、減少傾向が下げ止まり、7割とならない日が続いている。

今、最も大切なことは、長期化している医療現場への負荷を軽減することであり、緊急事態宣言の解除に向け、この2週間で、まずは、医療提供体制の指標を国基準のステージⅡまで改善していかなければならない。

そのためには、東京の総力を結集し、感染対策に取り組むことが必要であり、改めて、都民の皆様一人ひとりに御協力をお願いしたい。

飲食店等の感染防止対策

【質問】

知事は、3月5日の東京都議会災害対策連絡調整本部会議において、冒頭「集中して、徹底した対策を実施して行く」と述べた。であるならば、もう一度、徹底して飲食店等に対して、アクリル板の設置と換気対策を要請していくべきである。知事の見解を求める。

【知事】

飲食店等の感染防止対策についてであるが、都はこれまで、飲食店等の事業者に対し換気をはじめとした基本的な感染防止対策の実施とガイドラインの遵守、ステッカー掲示の徹底を繰り返し促してきた。

国の分科会は、飲食店等の感染防止対策として感染リスクが高い場所・場面でのアクリル板の設置や適切な換気が有効としている。

事業者の感染防止の取組を支援するため、都は、中小企業による感染症防止ガイドラインに基づく取組への助成を行っており、今後は、飲食店の業界団体が傘下の事業者が使用するアクリル板等の消耗品を共同購入する場合に助成率の充実を図る。

また、職員によるステッカー掲示店舗の確認の際に、アクリル板の設置や換気のチェック等を更に徹底するとともに、この助成制度を積極的に利用して対策を実施するよう事業者に強力に促していく。

ここで何としても感染を抑え込む決意で万全の対策を講じていく。

高齢者施設等に対する検査

【質問】

感染拡大を防止するためには、通所介護施設についても都が主体者となって、集中的にPCRの検査を実施すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

高齢者施設等に対する検査についてであるが、都はこれまで、特別養護老人ホーム等の入所者や職員の検査を支援するほか、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業により、通所施設等の検査の実施を支援してきた。来年度も、この区市町村との取組を推進するため、4月から6月までの期間を対象に、約25億円を予算案に計上しており、区市町村実務者連絡会などを通じ、積極的な活用を働きかけていく。

また、先月24日から高齢者施設の職員向けにPCR検査事業を開始した公益財団法人日本財団から、検査対象となる施設種別の拡大に関する協力が得られた。今後、日本財団の検査能力の増強に合わせて、対象の更なる拡大を要請する予定であり、こうした取組により、通所施設での検査実施を支援していく。

モニタリング会議による医療提供体制の評価

【質問】

モニタリング項目の重症患者数並びに入院患者数が、いくらになった場合、病床のひっ迫が解消されるのか、知事の見解を伺う。

【知事】

モニタリング会議による医療提供体制の評価についてであるが、都は、新型コロナウイルス感染症について、7つのモニタリング項目を設定し、専門家による分析結果を基に、都内の感染状況と医療提供体制の評価を行っている。

これらの分析に当たっては、数値による目安を設けるのではなく、地域別の状況など、モニタリング項目以外の状況も踏まえて総合的に分析する仕組みとしている。

現在、専門家からは、新規陽性者数の減少傾向が鈍化し、感染の再拡大の危険性があり、今後、感染力が強い変異株による感染拡大のスピードが増すリスクがある状況であり、病床のひっ迫が解消されないまま感染が再拡大する可能性があるとのコメントを頂いている。

病床のひっ迫の解消のためには新規感染者数そのものを減らし、医療体制の負荷を軽減していくことがまずもって重要であり、昨日時点で1,418人であった入院患者数をステージⅡの水準である1,250人まで下げることを目指し、都は、総合的な対策を講じていく。

小児病床を含めた病床の確保

【質問】

専門家は、「感染拡大に備え、変異株の増加を念頭に置きながら、小児病床を含めた病床確保の戦略を早急に検討する必要がある」とコメントをしている。都は、この専門家のコメントに対し、どう対応していくのか、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

小児病床を含めた病床の確保についてであるが、都は、現在、入院が必要な新型コロナ患者を受け入れる病床を5,000床確保しており、小児の患者については、都立小児総合医療センターをはじめとする東京都こども救命センターの指定施設等で病床を確保している。

変異株についてはこれまで以上に感染力が強いとされ急速な感染拡大も懸念されることから、10代以下の若者を含め感染状況を継続的に把握しつつ、専門家の御意見も踏まえ、小児病床を含めた病床確保について検討していく。

宿泊療養

【質問】

都は現在、宿泊療養施設を14か所、6,010室確保している。そこで、新型コロナウイルス感染者のうち、軽症者、無症状者については、宿泊療養を原則とする方針に保健所設置市や特別区と連携して改めていくべきであるが、都の見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

宿泊療養についてであるが、家族内感染の防止等のため、無症状者等は、宿泊施設での療養が望ましいが、実態として自宅療養を希望する方は多い。先月都は、国に対し、宿泊療養を原則とするように求め、その結果発出された通知を保健所等に周知するとともに、宿泊療養への都民の理解を求めるため、ホームページ等に分かりやすい情報を掲載した。

また、対象者への注意事項の説明や入所決定の連絡などの保健所の業務を、都が代わりに対応する取組も開始した。

このほか、退室後の居室の消毒等を速やかに行うため、入所期間が長い方には居室の階を移動いただくなど、効率的な運営にも取り組んでおり、今後とも、保健所等と連携し、宿泊療養の利用促進に取り組んでいく。

段階的緩和期間の対策

【質問】

段階的緩和措置期間の対象地域や酒類を提供する時間帯、さらにこの期間中の飲食店等以外の具体策は、どのタイミングで明らかにするのか、都の見解を求める。

【総務局長】

段階的緩和期間の対策についてであるが、緊急事態宣言の解除後については、国は、必要な対策はステージⅡ相当以下に下がるまで続けるとしており、都は、3月21日に宣言が解除された場合には、その後、段階的緩和期間として、3月31日までの間、飲食店等に対して営業時間の短縮を要請する予定である。

この段階的緩和期間における対策については、今後、時短要請に係る対象地域、酒類を提供する時間帯に加え、飲食店等以外の施設への協力依頼、外出自粛の要請、イベントの開催などを検討する必要があり、都としては、国の方針や都内の感染状況等を踏まえ、1都3県で連携し、専門家の意見を聞きながら、決定していく。

この決定のタイミングは、宣言解除の国の方針が示された後、速やかに行う予定である。

協力金の支給対象となる期間

【質問】

今回の「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」については、途中から協力した事業者には、一切支給を認めないのか、都の見解を求める。

【産業労働局長】

協力金の支給対象となる期間についてであるが、1月8日から営業時間短縮を要請している中、新規陽性者数が高止まりし、見回りにより個別店舗への協力依頼を行うなど対策を強化する必要があったことから、中小事業者のみならず大企業も含め、営業時間短縮について一段のお願いをし、1月22日からの協力も支給対象としたところである。

今回の協力金については、緊急事態措置期間から段階的緩和期間にかけて、飲食店等に営業時間の短縮を要請することを予めお示しし、要請の実効性を確保するため、この間を合わせた全ての期間にご協力いただいた場合に協力金を支給することとしている。

協力金の一律支給

【質問】

独立性と客観性、公正性を保持し、都民の税金について適正な支出となっているか、チェックを行っている監査委員に、現在の都の感染拡大防止協力金の一律支給は適正な支出であるのか、見解を伺う。

【監査事務局長】

感染拡大防止協力金の一律支給についてであるが、監査委員監査は地方自治法等の法令の規定に基づき、自治体の財務に関する事務の執行などに対して事後的に検証を行うものである。都においては毎年、年末に監査計画を定め、翌年に定例監査、行政監査などを実施している。

監査に当たっては、法令や要綱等に従い適切に執行されているかという合規性を中心に書類の検証、各局ヒアリングなどを丁寧に実施している。

令和3年は定例監査や行政監査など各種監査を有機的に連携させ、新型コロナウイルス感染症対策関連の事業や感染症が各局事業に与えた影響などを重点的に検証することとしており、協力金についても、今後、この中で監査していく。

踏み込んだ対策等の発信

【質問】

何としてもこの2週間で新型コロナの感染状況を抑え込んでいくという強い決意の下、踏み込んだ対策と解除の具体的な基準を都民に分かりやすく発信していくべきと考えるが、知事の見解を求める。

【知事】

踏み込んだ対策等の発信についてであるが、先日、東京iCDCの専門家からは、新規陽性者数の減少の鈍化、変異株の広がり、ワクチン接種時期が不透明、との3つの懸念が示された。

今我々が全力で取り組むべきことは、新規陽性者数をしっかりと減少させ、感染を徹底的に抑え込み、再拡大を招かないことである。

この2週間、都民に対しては、不要不急の外出や会食の自粛、基本的な感染防止対策の徹底、事業者に対しては、営業時間の短縮、テレワークの徹底を呼び掛けていくとともに変異株の監視体制の強化、ワクチン接種の都民向け相談センターの整備、高齢者施設等における検査拡大など、全庁を挙げて、集中的に取り組んでいく。

緊急事態宣言の解除については、専門家の意見も聞きながら、国が総合的に判断するものであるが、都としては、療養者数人口10万人当たり15人未満、入院患者数1,250人未満などの国のステージⅡの水準を目指すことを、分かりやすく発信し、都民と意識を共有することが重要と考えており、今後、継続的に情報提供を行っていく。

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