災害対策
① 荒川区内における隅田川のスーパー堤防の整備について
【質問】
区が行う整備の機会を捉え、荒川区内における隅田川のスーパー堤防化を推進すべきであると考えるが、都の見解を伺う。
【建設局長】
荒川区内における隅田川のスーパー堤防整備の推進についてであるが、隅田川などにおいて、地震に対する安全性と河川環境の向上を図るためには、沿川のまちづくりなどと一体的にスーパー堤防の整備を推進することが重要である。
荒川区内においては、区立中学校や公園と一体的に整備し、昨年度完成した西尾久3丁目など、これまでに6地区が完成しており、堤防延長の約5割がスーパー堤防となっている。
さらに、その上流の西尾久6丁目では、「区立あらかわ遊園」の拡張に合わせて、今年度、盛土工事に着手し、令和4年度の堤防の完成を目指し整備していく。
② 旧南千住浄水場用地におけるスーパー堤防の整備について
【質問】
旧南千住浄水場用地においても区の公園整備に合わせて、都がスーパー堤防を整備するべきであると考えるが、都の見解を伺う。
【建設局長】
旧南千住浄水場用地におけるスーパー堤防の整備についてであるが、まちづくりなどと一体的に整備するスーパー堤防を進めるためには、開発者と連携を図り事業化していくことが重要である。
隅田川沿いの旧浄水場用地約1.8ヘクタールについては、荒川区が公園用地として取得する予定である。また、スーパー堤防の整備にも積極的に協力する方針であると聞いており、今後、区とスーパー堤防の事業化に向けた検討を行っていく。
引き続き、地元区などと連携し、スーパー堤防の整備に取り組んでいく。
③ 河川監視カメラについて
【質問】
隅田川にも速やかに、河川監視カメラを設置すべきと考えるが、都の見解を伺う。
【建設局長】
隅田川への河川監視カメラの設置についてであるが、水害から都民の命を守るためには、河川監視カメラの画像の公開など、迅速な避難行動に繋がる情報をわかりやすく確実に提供することが重要である。
都は、近年の全国的な豪雨災害等を踏まえ、東京都水防災総合情報システムにおいて、監視カメラの画像の公開を拡充することとしており、これまでに38か所で公開し、今年度末までに多摩地域の河川を中心に、更に20か所追加する。
引き続き、過去の被害状況や区市町村からの要望等を踏まえ、隅田川を含めた都内全域の河川を対象に、カメラを設置・公開する箇所について検討していく。
今後とも住民の適切な避難判断の一助となる水防災情報の更なる充実に取り組んでいく。
④ 都立産業技術高等専門学校の体育館への空調整備について
【質問】
「学生等の利用者の安全を守るためにも、また防災の観点からも、体育館に空調を設置すべき」との我が党の提案を受けて、都は整備が着実に進むよう支援する方針を示した。都立産技高専体育館の空調設置に向けた今後の見通しを明らかにすべきであるが、見解を伺う。
【総務局長】
都立産業技術高等専門学校の体育館への空調整備に関する今後の見通しについてであるが、体育館は、学生が安全に学習を行う場であるとともに、災害時は避難所等としての活用も見込まれる。
このため、産技高専では、体育館への空調整備に向け昨年度決定した整備方針に基づき、順次、実施設計や設置工事を進めており、荒川キャンパスについては、令和3年6月までを工期として、現在、工事を行っている。
また、品川キャンパスについては、今年度末まで、老朽化に伴う改修工事等を実施しているため、令和4年の夏までの設置に向け、現在、実施設計を行っている。
なお、空調設備が設置されるまでの間は、スポットクーラーの設置により、暑さ対策を実施することで、安全・安心な環境の確保に努めていくこととしている。
教育施策
① デジタル教科書の導入等について
【質問】
先進的にデジタル教科書の導入を進めている学校に対し、支援制度を設けるべきと考えるが、都教育委員会の見解を伺う。
【教育長】
デジタル教科書の導入等についてであるが現在、国において、令和6年度の導入に向けて、内容に関する検証を行うとともに、制度面の課題についても議論がなされている。
具体的には、デジタル教科書が無償制度の対象外となっていること、使用は各教科の授業時数の2分の1未満に限定されていること、更に、教科書検定制度がデジタル教科書には対応していないことなどである。
都教育委員会では、こうした国の動きも見ながら、図表・資料の拡大や音声による読み上げなどを可能とするデジタル教科書の強みを学習活動の充実に結び付ける活用方法の検証を今年度から進めている。今後、検証結果を区市町村と共有し、子供たちの学びの充実につなげていく。
② 都立学校の修学旅行について
【質問】
感染拡大が予断を許さない現状にあって、これから年明けに実施する都立学校の修学旅行にも影響が予想される。今後やむを得ず中止となった場合、都としてあらためて保護者負担の軽減を図っていくべきと考えるが、都の見解を伺う。
【教育長】
都立学校の修学旅行についてであるが、都教育委員会は、感染症拡大防止の観点から、本年5月に、12月までの修学旅行を延期または中止した。既に今年度前半の計画が進んでいたことから、一斉の臨時休業期間を含む6月までのキャンセル料等について、国の補助制度も活用し、都として、保護者負担の軽減を図った。
来年1月以降については、感染状況を踏まえつつ、生徒等の安全を確保した上で、各学校で保護者の理解を得て、修学旅行を実施できることとしている。
感染状況は刻々と変動しており、今後、今年度に計画されている修学旅行が、やむを得ず中止される場合のキャンセル料等については、保護者負担の軽減を検討していく。
③ 子どもの転落事故防止について
【質問】
幼い子どもを持つ保護者に対して、例年とは異なる冬を迎えるこの時期にこそ、ベランダなどからの子どもの転落の危険性を知らせるメッセージを発信するべきと考えるが、都の見解を求める。
【生活文化局長】
子供の転落事故防止についてであるが、都は、平成29年度の商品等安全対策協議会の提言に基づき、事業者団体に対し、ベランダの手すりの高さの安全基準について改善等を要望するとともに、リーフレットやホームページ等を活用し、子育て世帯を始め幅広い世代への注意喚起を行っている。
しかし、現在でも、ベランダに置かれた物が足場となって転落するなどの事故が発生していることから、事故が多い就学前の子供の保護者を主な対象として、継続的な注意喚起を行うことが重要である。
そのため、区市町村や幼稚園団体の協力を得て、年末年始に向けて、改めて保育所や幼稚園等を利用する家庭に対して注意喚起を行うとともに、子育て中の若い世代の目に留まりやすいSNSによる情報発信に取り組む。
新しい生活様式への対応
【質問】
新しい生活様式を定着させていくためには、新型コロナウイルスで生じた新たな課題への対応が不可欠である。今後起こるであろう課題も含め、乗り越えていく必要があると思うが、都民に対し、「新しい日常」の実践を呼びかけている知事の見解を伺う。
【知事】
新しい生活様式への対応についてであるが、ウィズ・コロナ時代において、3密の回避や非接触など、新しい日常を実践する中でテレワークや、時差出勤、巣ごもり消費といった新たな生活スタイルが生まれてきている。お話の、街中を行き交うフードデリバリーサービスは、それを象徴する風景となっている。
一方、こうした中で、新たな課題も生じてきており、社会全体で「新しい日常」の定着に向けた対応を進めていく必要がある。
こうした新たな課題を克服することは、都民の安全の確保はもちろんのこと、雇用の促進や、飲食店の業態拡大など、経済活動の活性化にも資するものであり、東京の「新しい成長」の実現にとって、大きな意味を持つ、重要な御指摘をいただいたと受け止めている。
国難とも言える危機に直面している今は、社会の前向きな変革を促す契機とも言える。「ウィズ・コロナ」、「ポスト・コロナ」の時代における東京のあるべき姿を見据え、新たな時代にふさわしい日常の確立に向け、為すべきことに邁進していく。