古城まさお議員の予算特別委員会(3月26日)討論

都議会公明党を代表して、本委員会に付託された知事提出の全議案に賛成し、日本共産党提出の予算の編成替えを求める動議およびミライ会議提出の修正案に反対する立場から討論を行います。

令和6年度当初予算案は、都立・私立高校、都立大学等の授業料実質無償化の所得制限撤廃や給食費の負担軽減、介護・福祉施設職員の処遇改善、激甚化する豪雨に対応可能な調節池の整備など、わが党が求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価します。

また、事業評価による見直し・再構築を行い、過去最高となる1,266億円の財源を確保し、わが党の提案により新公会計制度を導入して事業評価の取組を開始した平成19年度以降、18年間の合計で約1兆円の財源確保へと繋げています。さらに、未来への投資の財源として基金を戦略的に活用する一方、都債残高を着実に減少させるなど、中長期を見据えた財政対応力の堅持にも努めています。

今後も急激な景気変動にも耐えられるよう、財政調整基金への積増しも含め、財政基盤の一層の強化に取り組むことを求めます。

次に、私立高校授業料の実質無償化の所得制限撤廃についてです。

わが党は、所得制限の撤廃により、申請手続きが不要であると思われている保護者がいる現状を踏まえ、理解促進に向けた取組を求めました。これに対し、都は、情報発信の頻度の増加や問い合わせ窓口の体制強化など、学校とも緊密に連携して、周知に取り組む考えを示しました。手続きの周知に加え、保護者が一時的に費用を負担する制度の見直しに向けた取組を進めるよう、強く求めます。

次に、介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当についてです。

わが党の推進により、令和6年度から新たに、都独自の手当の支給が開始されますが、在宅介護の要である訪問介護サービスについて、正規職員だけではなく、非常勤職員の方も支援対象とするよう求め、都は、週20時間以上勤務する非常勤職員の方も対象とする考えを明らかにしました。また、給与規程の改正が間に合わない事業者であっても、職員に手当を支給した場合には、令和6年4月分から補助することを求め、都は4月分から遡及して支給する考えを示しました。

さらに、年間の手当支給予定額を前払いで交付すること、4月に問合せ窓口を開設し、6月中旬から補助申請の受付を開始することを明らかにしました。全ての事業者に活用いただけるよう、都の丁寧な対応を求めます。

次に、第2子の保育料無償化に関連し、就労の有無にかかわらない多様な他者との関わり創出事業についてです。

都は、国のこども誰でも通園制度事業では対象とならない0歳6か月未満や3歳以上の就学前児童も対象とするほか、令和6年度からは第2子以降の利用料を無償化する考えを明らかにしました。わが党の要望を踏まえ、第2子以降の利用料を無償化したことを評価します。国の動向も注視しながら、事業の充実に取り組むよう求めます。

次に、肺炎球菌ワクチンについてです。

わが党は、令和5年度で定期接種の経過措置が終了することにより、接種控えが起きる懸念があることを指摘しました。これに対し、都は、令和6年度に限り65歳以上の全年齢を対象に、2,500円を上限に補助を行う考えを明らかにしました。都民に対する周知を徹底するとともに、令和7年度以降も、高齢者肺炎球菌ワクチン接種を実質無償化するよう、強く求めます。

次に、粒子線治療についてです。

令和6年度予算案には、都立駒込病院に陽子線治療施設を整備するために、基本設計の費用が計上されています。一日でも早い施設の整備が都民の命と健康を守ることに繋がることから、早期の供用開始を検討すべきです。知事は、設計と工事工程を並行するなど、整備手法に工夫を凝らし、令和12年度の運用開始を目指す考えを明らかにしました。

粒子線治療を担う人材の確保、育成と、駒込病院への整備を着実に推進するとともに、多摩総合医療センターへの整備についても取り組むよう、強く求めます。

次に、駅ホームドアの整備についてです。

わが党はかねてより、ホームドア整備の推進に取り組んでいます。都は、令和6年度、18駅に補助を行うことを明らかにするとともに、整備の前倒しに向け、債務負担行為を活用した補助を開始する考えを明らかにしました。整備の一層の加速化を強く求めます。

次に、水害対策についてです。

わが党は、激甚化、頻発化する豪雨に対し、大きな効果を発揮する調節池の整備を推進する必要があると訴えました。これに対し、都は、令和6年度、新たに仮称境川中流第三調節池等の工事に着手するほか、2030年代までに約200万立米の事業化を目指し、神田川など10河川において候補地や形式の検討を実施することなどを明らかにしました。迅速かつ着実な取組を強く求めます。

次に、大規模災害対策についてです。

能登半島地震では、マンパワーが不足し、デジタルの活用が課題になっていることから、わが党は、都の災害対策に先端のデジタル技術をより一層積極的に活用していくことを求めました。これに対し、都は、倒壊家屋のAIによる自動判別等の実証を行い、業務効率化による人的資源の有効活用につなげていくことなどを明らかにしました。新技術の活用も含め、災害対応力の強化を求めます。

わが党はこれまで、東日本大震災の教訓を踏まえ、防災対策に、あらゆる場面で女性の視点を入れることの必要性を繰り返し訴えてきました。これに対し、知事は、事前の備えから応急復旧段階の生活支援に至るまで、幅広く女性の視点を防災対策に反映していく考えを明らかしました。引き続き、女性視点の防災対策を推進するよう求めます。

次に、被災地支援についてです。

知事は、13年が経過した東日本大震災からの復興の歩みを引き続きしっかり後押しすることは大切だとした上で、現地の要望等を十分に踏まえ、令和6年度も被災地応援ツアーを実施し、震災からの復興につなげていくと答弁しました。わが党の要望を踏まえた対応を評価するとともに、今後も継続して事業を実施するよう求めます。

また、能登半島地震で被災した石川県についても、福島県と同様に被災地応援ツアーを実施するとともに、被災地産品の流通拡大に向け、卸売市場の特性を活かした方策に取り組むよう、強く求めます。

次に、子供政策についてです。

わが党は、子供の最善の利益という視点に立ち、子供が思い切り遊べる遊び場づくりを推進することを求めました。これに対し、都は、区市町村が遊び場等を整備する事業に対し、補助率10分の10、1か年度1億円を限度に最大3か年の補助を行うとともに、新規採択事業の予算規模を倍増させることを明らかにしました。引き続き、組織横断で施策を推進していくよう求めます。

次に、認知症対策についてです。

わが党は、認知症基本法を踏まえて、都における認知症施策推進計画の策定を訴えてきました。都は、推進会議の検討体制を拡充し、TOKYO認知症施策推進プロジェクトなどを盛り込む計画策定を進める方針を明らかにしました。若年性認知症と診断された方が早期に支援へつながることができる広域ネットワークの構築も含めて、全国をリードする認知症施策を展開するよう求めます。

次に、外濠浄化プロジェクトについてです。

わが党が一貫して推進している玉川上水路を活用した外濠の浄化について、都は、債務負担行為を活用するなど必要な施設の早期完成を目指すとともに、令和6年度の東京グリーン・ブルーボンドの活用に向けて取り組む方針を明らかにしました。

人々が憩う外濠の水辺再生を着実に実現するとともに、知事も答弁で応じた世界遺産に向けた取組も進めていくよう、強く求めます。

次に、日本共産党提出の予算編成替え動議について申し上げます。

この動議は、木密地域における特定整備路線の整備など、防災対策やまちづくりなどの予算を削減し、他の施策の充実に回すことを主張しています。しかしながら、都民の生命、財産を守る防災対策や、まちづくりなどの予算を減額する無責任な提案には、到底賛同することはできません。

最後に、福手ゆう子委員の虚偽の発言の取消しを求める動議、および、関口健太郎委員の不穏当な発言の取消しを求める動議が可決されたことについて申し上げます。

都議会史上初めて、発言の取消しを求める動議が可決されました。総括質疑は、各党の責任の下に行われるものであり、福手ゆう子委員、関口健太郎委員は言うまでもなく、日本共産党東京都議会議員団、東京都議会立憲民主党にも、猛省を求めます。

都議会公明党は、地域に根差したネットワークの力を強みに、都民の声と真摯に向き合い、現場第一主義で都政をリードすることをお誓いし、討論を終わります。

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