細田いさむ議員の本会議(6月6日)討論

都議会公明党を代表し、知事提出の全議案に賛成の立場から討論を行います。

初めに、令和7年度一般会計補正予算について申し上げます。

物価の高騰が長期化し、都民の家計へ深刻な影響を及ぼしている中、今年も早い段階から厳しい暑さが予想されています。

都議会公明党は先月、水道料金の基本料金を無償化するよう知事に緊急要望を行いました。都は、我が党の要請に応え、水道の基本料金を無償とし、都民の光熱水費負担を軽減するため、補正予算を編成しました。

この基本料の無償化は、水道という基幹インフラの維持・更新にもしっかりと目配せし、ただ水道料金を引き下げるというものではありません。

今回の無償化と将来にわたるインフラの維持更新について、日本共産党都議団が主張する10%の値下げに対する考え方を含めて、見解を求めました。

これに対し都は、今回の措置は物価高騰や今夏の猛暑予想を踏まえ、一般会計からの補填を受けて実施するものであり、水道料金を単純に10%引き下げることは、水道事業に必要な費用が賄われなくなることにつながり、今回の措置とは異なるとの見解を示しました。

公明党の要望に応えた、将来にわたる都民の安全・安心にも配慮した今回の都の取組を高く評価するものです。

次に、個別の事項について申し上げます。まず、都議会公明党の家計応援計画の一つである物価高騰対策についてです。

都議会公明党は、電車に比べてバスの場合には通学定期の割引率が低く、負担になっているとの声があることから、都内のバスに対する小学生から大学生までの低額の学生パスの導入を求めました。

これに対し都は、国や交通事業者などとともに学生等の通学費の現状と課題について整理する必要があるとの考えを示しました。速やかに検討し、学生パスを提供していくことを求めます。

また、東京アプリのつながるキャンペーンについて、決算時に生じる財源を活用し、物価高騰対策として、支給するポイントを7千円分から1万円分に増額することを知事に求めました。

これに対し知事は、社会経済情勢や国の経済対策の動向を見極めながら検討していくと答弁しました。早急な対策の実施を求めます。

さらに、スマホの操作が不慣れな方や持っていない方もキャンペーンに参加できるよう対策を求めたところ、都はアプリに対応したスマホを初めて購入する高齢者を対象に3万円を上限に、購入費助成を行う区市町村を支援するとともに、アプリ登録などのワンストップサポートを購入店舗で行う体制を整えることを明らかにしました。

また、障害によりご家族等の代理手続きが必要となる方等もアプリの利便性を享受できる対応を求めました。都は、なりすまし防止のための確認等、課題解決に向けた検討を進める考えを示しました。課題を乗り越え、誰もが使いやすいアプリとすることを求めます。

次に、中小企業支援についてです。

現役世帯の収入増を図るため、都議会公明党の求めに応じて実施している、DX化などの無料アドバイザー派遣等で得られたノウハウの普及拡大を求めました。

これに対し都は、専用相談窓口での助言やDX専門家の企業へのサポートなどにより計画的な賃上げにつながった業種別の事例を分析し、ノウハウを分かりやすく発信する考えを示しました。中小企業の更なる賃上げをしっかりと後押しすることを求めます。

次に、暑さ対策についてです。

都議会公明党は、今月から実施されている職場における熱中症対策の義務化を踏まえ、都発注工事における暑さ指数の把握及び指数に基づく対応の実施や電動ファン付きウェアの購入経費等が確実に事業者に補填されることを求めました。

都は、暑さ指数を計測する機器を工事経費に含め、指数に応じた作業の一時中止を含めた対策の実施を受注者に助言するとともに、電動ファン付ウェアや工期変更に伴う経費等についても対応する考えを明らかにしました。

また、熱中症対策の義務化の対象となる中小企業について、自宅やサテライトオフィス等に馴染まない業種を含めた支援や新たな技術を活用した対策への支援を求め、都は今年度新たに、猛暑時の屋外作業用に電動ファン付きウェア等を貸与する取組に係る費用を支援するとともに、温度変動を抑える遮熱シートの更新へ新たに補助する考えを示しました。

また教育現場で、暑さ指数を日々測定できる機器や生徒の体温を教職員が把握できるウェアラブル機器の整備等を求めたのに対し都は、全都立学校に暑さ指数測定器を導入するほか、体温の上昇を知らせる腕時計型の最新機器を8校に配布し、効果検証を行う考えを明らかにしました。様々な現場での暑さ対策が進むよう、支援の着実な実施を求めます。

次に、都立高校施設の環境についてです。

都議会公明党の提案で、都立高校のトイレの洋式化や女子トイレへの生理用品の配備がされていますが、温水洗浄機能付きトイレの設置を進めるなど、快適性向上を求めました。

これに対し都は、現在までに都立高校の洋式化を約9割まで進めており、今後は温水洗浄機能の付いたトイレを増やす取り組みにも力を入れる考えを示しました。生徒が学ぶ環境の更なる向上を求めます。

次に、就業支援についてです。

都議会公明党の提案により創設された人材不足の分野の中小企業に就職した学生等への奨学金の返済支援について、先の予算特別委員会で求めた20代という年齢要件緩和の検討状況について都に答弁を求めたところ、都は中小企業の若手人材の採用では30代前半を対象とする求人も多い状況を確認しており、こうしたことを踏まえた対応を行う考えを明らかにしました。速やかに検討を進め、要件緩和を実現することを求めます。

次に、小児インフルエンザのワクチン接種についてです。

都議会公明党は、針を刺さないため、痛みを嫌う子供への接種に期待されるインフルエンザの経鼻ワクチンについて、改めて区市町村への補助を実施すべきと求めました。

これに対し都は、調査では注射に比べて親子ともに接種への負担感が減少した等の声があり、こうした自治体の状況やワクチンの供給見込み等を踏まえて対応を検討していく考えを示しました。子供たちが安心してワクチンを接種できるよう、都の支援を求めます。

次に、介護施設についてです。

都議会公明党は、介護老人保健施設の7割以上が築20年を超えているものの、現状の都の補助では財源の問題により十分な対応ができないことから、補助額を3分の2まで引き上げるなど支援の拡充を求めました。

これに対し都は、今年度新たに老朽化した空調設備の更新に特化した補助を行うとともに、現場の実情を調査していく考えを示しました。高齢者が地域で暮らし続けるための要である介護老人保健施設が今後も着実に役割を果たせるよう、支援の充実を求めます。

次に、シルバーパスについてです。

都議会公明党は、シルバーパスの一斉更新について、新型コロナウイルス感染症により一時、郵送方式で実施していたものの、令和6年度は千円パス対象者全員に所得確認を実施したため、手続きが難しいなどの声が多くあったことから、利便性の向上などを求めました。

これに対し都は、今年度、手続きに不安を抱える方のため、都内郵便局55か所で対面相談を行うとともに、マイナポータルと連携して、スマートフォンで申請できる方式を導入する考えを明らかにしました。利用者に寄り添った改善を求めます。

最後に、防犯対策についてです。

都議会公明党の提案により実施される都の2分の1負担による防犯機器の設置促進を低所得世帯等でも更に進めるため、障害や介護状態により移動困難な都営住宅入居者に対するカメラ付きインターホン設置推進の具体策を求めました。

これに対し都は、要介護3以上及び身体障害者手帳4級以上の都営住宅居住者を対象に、7月から順次、カメラ付きインターホンを設置し、課題の整理を行う調査に取り組む考えを明らかにしました。体が不自由な入居者が安心して暮らせる防犯対策の実施を求め、討論を終わります。

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