時短要請
① 補正予算について
【質問】
国との協議という外的な要因はあったものの、定例会最終日になって営業時間の短縮要請にかかわる補正予算を提出した理由について、知事の見解を伺う。
【知事】
追加の補正予算の提出についてであるが、感染拡大の防止に向けて、11月28日から飲食店等への営業時間の短縮を要請しているが感染者数の増加に伴い、先日のモニタリング会議では「医療提供体制がひっ迫し始めている」との御指摘を頂いたところである。
このような状況を踏まえ、営業時間の短縮について、1月11日まで継続することを前提に、必要な財政上の支援を行うよう、国に求めてきたところである。
こうした都の要望を受け、先般、国が、財政措置の充実などの方針を示したことを踏まえ都は、14日に対策本部会議を開催し、1月11日までの営業時間の短縮要請を決定するとともに全面的にご協力いただける中小事業者の皆様に対し、一律100万円を協力金として支給することを決めたところである。
営業時間の短縮及び協力金の支給については、協力要請の終期が近づく中、事業者の皆様に一日でも早く改めてのご協力のお願いをお伝えするとともに、円滑かつ迅速な協力金の支給を図る必要がある。そのためには、速やかな予算措置を要することから開会中の第四回定例会に補正予算案を提案することとしたものである。
② 新型コロナウイルス感染症に係る今後の適切な対応について
【質問】
1月11日までの時短要請によってもなお感染拡大が収まらない場合もある。その場合においても、手を打つことが遅れないよう適切な対応を考えておく必要があると考えるが、知事の見解を求める。
【知事】
新型コロナウイルス感染症に係る今後の適切な対応についてであるが、都内の感染状況は、依然として非常に厳しく、重症者数も高い水準で推移するなど、国難とも言うべき予断を許さない状況にある。
都はこれまで、毎週、モニタリング会議を開催し、都内の感染状況や医療提供体制について、専門家から分析をしていただき、この分析を踏まえ、必要な対策を適宜適切に講じてきた。
現在、年末年始における医療提供体制を確保し、都民の命を守り抜くことが極めて重要であり、そのためには、今般の営業時間の短縮の要請などにより、更なる感染拡大を食い止め、医療機関などの負担軽減を図っている。
今後とも、死亡者を出さない、重症者を出さない、医療提供体制の崩壊を防ぐ、この3つを柱として、感染拡大の抑止に向け、都内の感染状況や、国の方針、専門家の意見を踏まえつつ、都民・事業者と一体となって、あらゆる手段を先手先手で講じていく。
③ GoToトラベルの今後の対応について
【質問】
知事は12月28日から1月11日までの取扱いについて、東京が目的地・出発地の旅行の利用については「利用を一時停止」とするとしている。期限がすぎても感染が収まらない場合、その後の対応をどうしていくのか、知事の見解を求める。
【知事】
「Go Toトラベル事業」についてであるが、感染拡大防止のためには、人出が増える年末年始の期間、徹底的な対策を講じることは極めて重要であり、政府としても、特例的かつ強力な予防的措置として「Go Toトラベル事業」の全国一斉の一時停止などを決定した。
都としても、様々な方策を取って、年末年始の期間に感染拡大を食い止め、「Go Toトラベル事業」が再開できるよう、国と連携しつつ、全力を尽くしてまいりたい。
④ 協力金の支給の考え方について
【質問】
協力金を事業者ごとに支給するのではなく、店舗ごとに支給すべきと考えるが知事の見解を求める。
【知事】
協力金の支給の考え方についてであるが、営業時間の短縮に係る協力金については、店舗の営業の補償を行うものではなく、都の要請に応じて、夜の22時までに営業時間の短縮に協力していただいた事業者に対し、100万円の支給を行うものである。
こうした協力金のほかに中小の事業者に対し、資金繰りを支えるための無利子融資や、家賃支援を行うことにより、総合的にサポートを行うこととしている。
こうした取組により、これまでにない厳しい状況に置かれている中小事業者をしっかりと支えていく。
⑤ 営業時間の短縮要請の効果について
【質問】
営業時間の短縮要請が具体的な感染拡大防止にどの程度効果が上がっているのかをしっかりと検証した上で、事業者に協力要請をしていくことが重要である。これまで実施してきた要請による感染防止効果はどうだったのか伺う。
【総務局長】
営業時間の短縮要請の効果についてであるが、本年8月及び9月の営業時間の短縮要請においては、繁華街における人出が減少し、新規陽性者数に減少傾向が見られた。また、会食や「夜の街関連」における新規陽性者数も大幅に減少した。
さらに、11月28日以降の営業時間の短縮要請についても、多くの飲食店等の事業者の御協力を得ており、その結果、急激な感染者の増加は抑えられているものと認識している。
こうした点から、これまで営業時間の短縮要請は、感染者の増加の抑制に一定の効果があったと考えている。
今後、年末年始の時期に、会食の機会や人出が増えることが想定されることから、引き続き営業時間の短縮要請を実施することとした。
⑥ 営業時間の短縮要請の事業者への影響について
【質問】
年末年始をはさむ今回の営業時間の短縮要請の効果については、感染防止の効果にとどまらず、事業者への影響についてもしっかりと検証する必要があると考えますが、産業労働局長の答弁を求めます。
【産業労働局長】
事業者への影響に係る検証についてであるが、今回の営業時間短縮の要請は、年末から年始にかけての繁忙期に行うことを踏まえ、これによる事業者への影響を考慮し、協力金の額を100万円としている。
今後とも、都内の経済情勢や事業者の経営環境を的確に把握しながら、感染拡大防止と経済活動の両立に向けて、必要な施策を講じていく。
⑦ ガイドライン等に基づく対策実行支援の拡充について
【質問】
業界ガイドラインに基づいて実施する感染防止対策への補助制度は、中小零細事業者の現場の実態に即していないとの声が上がっている。こうした補助制度をより現場の実態に即したものに改善し更に支援期間を延長するなど積極的に取り組む必要があると考えるが見解を伺う。
【産業労働局長】
中小企業の感染防止対策への支援についてであるが、新型コロナウイルス感染症が再び拡大する中、中小企業が有効な感染防止対策を講じるうえで、その実情を踏まえた支援を提供することが重要となっている。
このため、都はガイドラインに基づく感染症対策への助成制度について、換気設備の工事を対象に助成限度額を2倍に引き上げるなど、充実を図ってきた。
今後は、基本的な感染予防に必要なアクリル板等の消耗品の購入費も支援対象に加えるとともに、申請受付期間を来年2月26日まで延長する。
本助成制度の更なる利便性の向上を図ることにより、中小企業の感染防止対策を着実に後押ししていく。
⑧ 店舗等に対する巡回について
【質問】
要請に協力をしないで協力金を申請している事業者もある。都は目に見える形での巡回チェックなどの取組に力を入れる必要がある。また、必要な予算を計上して区市町村にも協力を要請することも検討すべき。これまでの具体的な取組と今後の対応について見解を伺う。
【総務局長】
店舗等に対する巡回についてであるが、現下の厳しい感染状況を踏まえ、短期間で集中的に感染を抑え込むため、最大の感染経路である家庭内に、ウイルスを持ち込ませないよう、酒類を提供する飲食店及びカラオケ店の事業者に対して、営業時間の短縮を要請している。
都は、これまで職員が現地に出向いてステッカー掲示店舗への感染防止対策の確認をする際に、営業時間短縮への協力の要請も併せて行ってきた。
今後は、区市町村とも連携・協力しながら、都民や事業者に対して、不要不急の外出自粛や感染防止策の徹底への協力について呼び掛けるなど、感染拡大防止に向けた取組を実施していく。
協力金
① 協力金の迅速な支給について
【質問】
今回の時短延長に対する迅速な協力金の支給をどう進めていくのか、産業労働局長の見解を求める。
【産業労働局長】
協力金の迅速な支給についてであるが、都による営業時間短縮の要請に協力していただいた事業者に対し、迅速に協力金を支給するためには、申請手続きを円滑に行うとともに、審査を速やかに行う体制をつくることが重要である。
このため、都は、協力金の申請にあたり、動画を用いて一連の手続きなどをわかりやすく伝える工夫を行うとともに、申請者の負担軽減を図るため、同じ店舗について再度の申請を行う場合には、提出書類を減らす等の対応を行っている。また、これまで審査を担当したことのある職員をできるだけ多く確保して体制を整備すること等により、審査の迅速化を図っていく。
こうした取組により、協力金のより迅速な支給を実現していく。
② 申請及び協力金支給の開始時期等について
【質問】
これまでの協力金支給について、毎回、どの程度の日数がかかったのか。また、今回の時短延長について、申請はいつから始まり、いつから協力金の支給が始まるのか、さらに申請から支給までに要する日数がどう短縮されるのか、産業労働局長の見解を求める。
【産業労働局長】
協力金の支給についてであるが、先月28日から今月17日までの営業時間短縮に係る協力金について、申請受付後、速やかに審査を進め、最短で1週間後に入金を行えるよう調整している。
こうした申請手続きとは別に、今月18日からの営業時間短縮に係る協力金の申請を受け付けることとし、具体的なスケジュールは年内に公表する。
また、審査の手続きの見直しを進め、申請から支給までの日数の短縮につなげていく。
③ 都としての雇用対策について
【質問】
新型コロナ禍の中で職を失う方が増えており、協力金申請の処理に携わる人を増やすことは雇用対策にもつながる。会計年度任用職員を増やすなど具体的に対応すべきと考えるが、知事の見解を伺う。
【知事】
都としての雇用対策についてであるが、コロナ禍における雇用情勢の悪化を踏まえ、都庁も自ら率先して、雇用を創出する施策を講じる必要がある。
これまで都は、感染症の影響により、職を失った方や、アルバイトの機会が減少した学生など、経済的に困難な状況にある方々を対象に、緊急雇用対策として非常勤職員の採用を行っている。
既に600人を超える方々を雇用しているが、今回新たに、1,000人以上の方を緊急サポートスタッフとして募集することとした。
採用された職員は、感染拡大防止協力金に係る事務補助や宿泊療養施設の運営補助など、感染症対策に関連して都庁の増加する業務に従事していただく。
また、各職場における文書のデジタル化など、都政の構造改革の取組を後押しする事務についても、非常勤職員の雇用につなげていく。
感染症の影響が長期化する中で、都民の雇用を守るため、都庁の職場も活用して就業機会を創り出し、積極的な雇用対策に取り組んでいく。
補正予算に盛り込む内容
【質問】
補正予算に盛り込む内容と、盛り込まない内容があるのはいかなる理由によるものか、財務局長の見解を求める。
【財務局長】
補正予算についてであるが、今月14日に、営業時間の短縮要請の期間延長に伴う協力金の支給に関して、都の対策本部会議で方針を決めたことから、その所要額を補正予算に計上している。
一方、年末年始に感染者の入院を受け入れる医療機関に対する支援の充実については、国の対応も見極めつつ、現在最終的な詰めを行っているところであり、今回の補正予算には計上していない。
年末年始に営業する協力薬局に対する支援
【質問】
病院の年末年始の診療・検査には補助が支給される一方、薬局に支援がないのは不公平である。我が党は年末年始に営業する協力薬局に対しても補助を行うべきと都に要請してきたが、具体的な支援について、見解を求める。
【福祉保健局健康危機管理担当局長】
年末年始における薬局への支援についてであるが、都は、年末年始における診療・検査体制の整備を進めているが、発熱患者等が受診した際に、医療機関の処方に対応する調剤薬局が必要になることから、東京都薬剤師会とも連携し、調剤薬局における体制も確保していく。
また、この取組に対する協力金についても検討していく。
医療従事者に対する手当の増額
【質問】
医療従事者は感染が始まって以来、休む暇もなく、毎日の業務に携わっている。都は現在、医療従事者に対し、1日3,000円の手当を支給しているが、こうした状況を十分踏まえて、手当の金額を大幅に増大すべきと考えるが、知事の見解を求める。
【知事】
年末年始における医療従事者への支援についてだが、今まさに正念場を迎えている。新型コロナウイルス感染症対策において、私は、「死亡者を出さない」、「重症者を出さない」、「医療提供体制の崩壊を防ぐ」この3つの柱を軸として、危機に対する様々な対策を講じている。
今年1月に都内で初の感染者が発生してから、約1年が経過しようとしており、医療従事者の方々には、長期間にわたり大変なご苦労をおかけしている。
入院患者数が高止まりする中、医療現場で人員体制の確保が困難になる年末年始においても、都民の皆さんの命を守るために、医療提供体制の確保に万全を期していかなければならない。
そのため、医療機関と、ひいてはそこで働く医療従事者に報いるよう支援策を検討している。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大をなんとしても食い止め、都民の命を守るため、全力で対策を講じていく。
都民への呼び掛け
【質問】
帰省の時期をずらすことや、買い物等で外出する場合の人数や時間を最小限にすることなども呼び掛けている。いずれも重要なことと思うが、都民により分かりやすく、具体例を示しながら伝えるべきと考えるが、知事の見解を伺う。
【知事】
都民への呼び掛けについてであるが、都内の感染状況は、依然として非常に厳しく、重症者数も高い水準で推移するなど、予断を許さない状況にある。
こうした中、より一層感染防止を図っていくため、都民に対して、不要不急の外出を避けるなどの呼び掛けを行っている。
こうした都民へのメッセージを発信するに当たっては、都民が呼び掛けの内容を正確に理解できるよう具体的な例示や分かりやすい言葉で発信している。
具体的には、会食時の注意事項として、小人数、小1時間、小声、小皿、小まめと、いった「5つの小」と「こころづかい」を合言葉に感染防止対策の徹底を都民に呼び掛けている。
年末年始に向けても都民の目線に立ち、明確でわかりやすいメッセージを発信していく。
新型コロナの医療提供体制
【質問】
昨日は重症者が緊急事態宣言解除後最高の78名に達した。即応性がある重症病床の半分に迫る事態になっていることを示しており、重大な局面を迎えている。都は医療提供体制をこれまでのオレンジから赤に変え、都独自の警戒警報を発すべきだが、知事の見解を伺う。
【知事】
新型コロナの感染状況に関する情報発信についてであるが、都は、「感染状況」と「医療提供体制」について独自の基準を定め、毎週、モニタリング会議において、1週間の動向を専門家に分析していただき、その結果を踏まえ、施策を実施している。
今後とも、専門家の御意見も踏まえ、感染状況や医療提供体制について、都民に適時適切に発信するとともに、必要な対策を講じていく。