高倉良生議員の予算特別委員会での代表総括質疑

今後の財政運営と感染症対策について

【質問】

感染拡大は都民生活や経済活動に影響を及ぼしており、予算案に計上された税収も確保できるか課題である。一方で、感染症対策には、予備費等も活用し、新たな財源措置も講じていかねばならない。

今後の財政運営と感染症対策に立ち向かう知事の見解を求める。

【知事】

新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、都が直面する課題に迅速に取り組んでいくためには施策の展開を支え得る強固で弾力的な財政基盤の確保が不可欠である。

このため、都は、令和2年度予算編成では1,266件の評価結果を公表するとともに約1,030億円の財源を確保した事業評価の取組や、予算執行時の精査により無駄の排除を徹底することで、財源を生み出し、令和2年度末時点で財政調整基金について9,348億円の残高を確保するなど財政基盤の強化を図ってきた。

今般、喫緊の課題に急浮上した新型コロナウイルス感染症対策に対して、財政調整基金を活用し機動的に補正予算を編成することができたのもこうした蓄積の賜物である。

新型コロナウイルスに関する情勢については日々刻々と変化しており、学校や企業をはじめとして都民生活に大きな影響が生じている。都としても、今後、策定が予定されている国の緊急対応策などを踏まえ、躊躇なく必要な対策を実施していく。

今後も、税収動向を注視しつつ、より一層無駄の排除を徹底するとともに、都債や基金を戦略的かつ計画的に活用するなど、健全な財政運営に努めていく。

私立高校無償化について

【質問】

私立高校授業料の世帯年収910万円未満の拡充について、令和2年度予算で都が制度を拡充できた背景について、知事の見解を求める。

【知事】

家庭の経済状況によって、子供たちの将来の希望が閉ざされてはならない。誰もが希望する教育を受けることができるよう、子供たちの学びたいと言う気持ちに応えていく必要がある。

理事からお話があったとおり、国が就学支援金制度を拡充し、年収約590万円未満の世帯を対象に授業料を実質無償化することにより、都としての負担が減少することなどから、この財源を活用し、都の特別奨学金の対象を、年収約910万円未満の世帯まで拡大することとしたものである。

【質問】

多子世帯における都立学校授業料の負担軽減について、今後は授業料軽減の手続きなど、具体的な内容をまとめていくことになると考えるが、都立学校における現在の検討状況について伺う。

【教育長】

都教育委員会では、令和2年度から、年収が約910万円を上回り、扶養する23歳未満の子供が3人以上いる世帯において、都立学校に通う生徒の授業料の半額を減額することとしており、現在、事務手続等について、検討を進めている。

具体的には、東京都立学校の授業料等徴収条例に定める減免規定を活用することにより、全日制、定時制、通信制高校や特別支援学校高等部等、それぞれ定められている授業料の半額を減額するものである。

今後、多子世帯において、都立学校授業料の軽減措置を確実に利用できるよう、リーフレットを作成し、広く周知を図るとともに、具体的な認定手続等について、更に準備を進めていく。

【質問】

住民税の算出方法及び扶養控除について、その概要を伺う。

【主税局長】

住民税は、地方税法により、前年の1月から12月までの所得に基づいて課することとされている。その税額は、給与所得者の場合、収入から社会保険料や給与所得控除、扶養控除等を差し引いた所得に税率を乗じて算出する。

扶養控除は、前年の12月31日において年齢が16歳以上であって、年間所得額が一定以下などの要件に該当する扶養親族がいる場合に、所得金額から1人当たり33万円を控除するものである。

【質問】

私立高校授業料の実質無償化の世帯収入による受給可否等は住民税所得割額で審査されている。その所得割額は控除額によって変動するため、早生まれの生徒の家庭に不公平が生じている。この課題について解決を図るべきだが、見解を求める。

【生活文化局長】

私立高校授業料の実質無償化は、一定の所得要件を満たす世帯について、国の就学支援金と都の特別奨学金補助を合わせて、都内私立高校の平均授業料額まで支援する制度である。

国の就学支援金においては、扶養控除が反映された額を所得要件の審査基準としており、都の特別奨学金においても、国の就学支援金と同様の審査基準としている。

御指摘の課題については、国においても認識していると聞いており、今後、国の動向を注視していく。

【質問】

都認可以外の通信制高校に通う生徒の授業料負担軽減については、「新たな仕組みが必要であり、今後、その方策について検討する」と知事が答弁した。そのために都は、道府県認可の通信制高校の関係者と意見交換し実態を把握することが必要と考えるが、答弁を求める。

【生活文化局長】

通信制高校では履修単位数に応じて生徒1人ずつ授業料が異なっているため、これらを正確に把握する必要がある。しかしながら、都認可以外の通信制高校は都の指導監督権限が及ばないため、特別奨学金の支給に必要な生徒一人ひとりの授業料等の情報を得ることが困難である。また、特別奨学金の算出に必要となる「国の就学支援金」の交付額を都が把握しておらず、他道府県による審査結果が必要となる。このため、現行の仕組みはそのまま適用できず、新たな仕組みを検討する必要がある。

まずは、都認可以外の通信制高校における都民の在籍状況等を把握する必要があるが、認可権限の及ばない学校に関するこのような調査を行ったことがないため、協力いただく他道府県等への丁寧な説明など、その手法も含め具体的な進め方について検討していく。

市町村総合交付金について

【質問】

令和2年度予算要望で都議会公明党は市町村総合交付金の増額を求めたが、昨年の台風災害による被害を考慮すれば、防災対策などの施策をさらに強化する必要がある。市町村総合交付金の増額を決めた判断と、市町村総合交付金の使い道について、知事の見解を伺う。

【知事】

市町村総合交付金は、地域の発展に向け、市町村が取り組む各種施策に要する一般財源の補完としての役割を果たしているものと認識している。

これまで、道路や公共施設の整備、産業の振興などの政策課題に活用いただくなど、各市町村の取組をきめ細かに支援してきている。

先般行った、市町村長の皆様との意見交換では、各市町村が、地域の課題解決に向け、創意工夫を凝らして取り組まれている状況を直接伺った。

また、御指摘のとおり、昨年の台風被害を踏まえた防災対策の更なる強化、都市のデジタル化・スマート化や働き方改革への取組など、時代の変化に即した新たな課題が生じている。

こうした各市町村の課題解決に向けた自立的、主体的な取組を後押しし、多摩島しょ地域の更なる振興を図っていくため、今回、市町村総合交付金について、令和元年度予算から20億円増額した580億円を予算案として提案している。

今後とも、市町村の皆様の御意見を十分に伺いながら、総合交付金を有効に活用いただき、新たな課題に対して市町村が積極的に取り組んでいただけるよう支援していく。

新型コロナウイルス対策について

【質問】

東京都が特別区、八王子市、町田市と共同設置している新型コロナ受診相談窓口や都内の各保健所に、感染の疑いがあると思って相談をしてきた件数は何件あったのか。また、3月5日までの間に東京都健康安全研究センターが行ったPCR検査は何件あったのか伺う。

【福祉保健局長】

新型コロナ受診相談窓口は、平日日中には、都内の全保健所で開設し、平日夜間及び土日祝日には、特別区、八王子市、町田市と共同で運営している。

寄せられた相談件数は、2月7日の開設から3月5日までの合計で、21,624件である。

また、東京都健康安全研究センターにおける検査実績は、3月5日までの集計で、都内発生分1,485件、その他、武漢市からのチャーター便やクルーズ船の関係者634件、合計2,119件である。

【質問】

今後、都民の相談件数は増加していくと思われる。そこで、一般相談を受け付ける新型コロナコールセンター及び新型コロナ受診相談窓口に、都民が相談していただく目安について伺う。

【福祉保健局長】

新型コロナコールセンターでは、具体的な予防法や心配な症状が表れたときの対応など、新型コロナウイルス感染症に関する様々な相談に応じている。

また、新型コロナ受診相談窓口では、風邪の症状や37度5分以上の発熱が4日以上続いている場合、強いだるさや息苦しさがある場合、これらの症状が2日程度続いている高齢者や基礎疾患等がある方からの相談を受け付けている。

コールセンターに寄せられた相談のうち、専門的な助言が必要な場合には、受診相談窓口を案内している。

都は、それぞれの窓口の対応内容や対象者の目安等を都民に周知し、ニーズに応じた適切な相談窓口の利用を呼びかけていく。

【質問】

検査対象者について、国は流行状況を見極めながら、都度都度変更していると聞いているが、この対象者の変遷について、時系列での説明を求める。

【福祉保健局長】

国は、1月23日に、患者が37度5分以上の発熱かつ呼吸器症状があり、発症前2週間以内に、武漢市内を訪問した場合や武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人との接触歴がある場合について、インフルエンザ等の検査を行いつつ、医療機関と保健所が相談した上で、検査対象とするとした。

2月4日には、検査対象とする患者の要件として、「発熱または呼吸器症状があり確定患者との濃厚接触歴がある場合」や「集中治療その他これに準じるものが必要であり、かつ、直ちに特定の感染症と診断することができないと判断した場合」などが定められた。

2月7日には、この基準を基に、新型コロナウイルス感染症を強く疑う場合には、より柔軟に検査を行うよう要請があった。

これを受け、都は、2月12日に、都内の保健所を設置する自治体と改めて申合せを行い、国の要件に合致しない場合でも、感染が強く疑われる場合には検査を実施することとした。

2月17日には、これまでの検査対象に加えて、「発熱かつ呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる場合」や「症状や患者の接触歴の有無など医師が総合的に判断した場合」などについても、検査対象とすることとされた。

2月27日には、病状や患者の接触歴の有無にかかわらず、患者を診察した医師が総合的に判断した場合についても、検査対象とすることとされた。

このように国は、国内外の発生状況等を踏まえながら、検査対象を数次にわたり見直しており、都内の保健所では、国の考えを踏まえながら、実情に合った対応を行っている。

【質問】

「入院を要する肺炎が疑われる」かどうかが大事となる。この判断は誰が行うのか説明を求める。

【福祉保健局長】

「入院を要する肺炎が疑われる」と判断するのは、患者を診察した医師である。

こうした症状であると判断した医師から、新型コロナ受診相談窓口に連絡していただき、「新型コロナ外来」の受診を案内することになる。

【質問】

検査実施の判断基準について、「37度5分以上の発熱」、「呼吸器症状」、「新型コロナウイルス感染症であることが確定した者と濃厚接触歴がある」、「発症から2週間以内に流行地域に渡航又は居住していた」等の状況により、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイル感染症を疑った場合でも、更に、「季節性インフルエンザ検査」、「その他の一般的な呼吸器感染症の病原体の検査」が必要とありますが、なぜ必要なのか説明を求める。

【福祉保健局長】

患者を診察した医師が総合的に判断するに当たり、基本的には、「季節性インフルエンザにかかる検査」、「その他一般的な呼吸器感染症の病原体の検査」を行った上で、陰性になった場合に、新型コロナウイルスのPCR検査を実施することとされている。

国が示したフローチャートでは、このことを医療機関と保健所が確認できるよう、検査について明示されている。

なお、検査結果の判明までに時間がかかる場合には、結果を待つことなく、PCR検査を並行して行うこととされている。

【質問】

東京都健康安全研究センターでの検査件数を、当初より、大幅に増やし、民間の検査機関での検査を行っている現状では、もう少し柔軟な対応をして検査に結び付けていく必要があると思うが、知事の見解を伺う。

【知事】

感染の有無を確認する検査は、対策の重要な柱の1つであり、都は、健康安全研究センターで検査を独自に実施できる体制をいち早く整備した。

国では、段階的に検査対象を拡大するなど見直しを行ってきた。

都では、国の要件に合致しない場合でも、都内の保健所と申合せを行い、感染が強く疑われる場合には検査を実施することとした。

検査対応力を高めるため、民間検査機関も活用して検査体制を強化しており、さらに、来年度は、検査機器等を追加整備して一層体制を強化する予定である。

今後、流行状況を見極めながら、保健所や医療機関とも連携しつつ、患者を診察した医師が総合的に判断した結果、感染を疑う場合も検査対象となることなども改めて徹底し、必要な対象者に検査を確実に実施していく。

【質問】

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、都主催イベントをはじめとして様々な行事が取止めとなっている。それに伴い、出演者をはじめ、収入を得られないなど、大きな影響が出始めている。こうした方々に対して、都としてどのように対応するのか、伺う。

【知事】

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、都民の生活や経済活動に大きな影響が及んでおり、都として、その対応は喫緊の課題となっている。

感染の拡大を抑制し、都民生活などへの影響を少なくするため、各局横断的な検討組織として、梶原副知事をリーダーとする「新型コロナウイルス対応緊急東京チーム」を3月4日付けで設置した。

都内区市町村の代表の皆様との意見交換や、感染症などの専門家の方々から御意見も丁寧に伺い、都議会での議論も踏まえながら、今回取りまとめる緊急対応策の検討に活かしていく。

今後、国がまとめる緊急対応策の内容も踏まえ、都として、都民の不安要素の解消に努めていく。

【質問】

雇用面における支援について、国は雇用調整助成金の制度を活用して支援も行うとしているが、雇用保険に入っていない個人事業主にとっては支援にならない。都として支援を行うべきと考えるが、知事の答弁を求める。

【知事】

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うイベント自粛や学校休業の影響が、経済活動にも波及している。

都の特別相談窓口にも、受注や売上が減少し、資金繰りに困っているなどの切実な相談が寄せられている、との報告を受けており、多くの個人事業主の方が、日々不安を抱えながら事業活動をされているものと認識している。

そうした不安を取り除けるよう、先週、新型コロナウイルス感染症に対応した新たな融資制度等による支援を立ち上げた。

加えて、都内中小企業の経営や、従業員の雇用と生活の安定が図られるよう、更なるセーフティネット対策の検討を開始した。

明日、国が打ち出す予定の対策の内容も踏まえ、都が独自に取り組むべき支援策を速やかに取りまとめ、都内の様々な事業者の方々を全力で支えていく。

【質問】

都は、地域の金融機関に対し、感染拡大により事業に影響を受ける中小企業への返済猶予を検討するよう強力に働きかけるとともに、中小企業からの相談体制の強化を図るべきである。知事の見解を求める。

【知事】

新型コロナウイルス感染症に伴う、インバウンドの減少や中国との輸出入の停滞、イベントの中止などにより、都内中小企業の様々な活動に影響が生じており、東京の経済の活力低下が懸念される。

こうした影響を最小限に抑えるため、先般、都議会の皆様に可決していただいた令和元年度補正予算により、緊急融資制度を創設し中小企業に対する金融支援を速やかに開始した。

今後は、この支援策が中小企業に着実に届くよう、地域金融機関に対し、緊急融資制度の積極的な活用を依頼する。

また、中小企業の資金繰りのひっ迫が見込まれる年度末に向け、既存の債務の返済猶予や借り換えなど、個々の実状を踏まえた対応が求められている。

私自ら、地域金融機関に対して、中小企業に寄り添った柔軟な対応を要請していく。

こうした取組に加え、中小企業からの融資相談の増加が見込まれる年度末に向けて、資金繰りに関する特別相談窓口の開設時間を延長し、多忙な方でも相談しやすい体制を整える。

今後とも、感染症による影響を受けている都内中小企業が、早期に経営の安定化を図ることができるよう、金融支援に全力で取り組んでいく。

【質問】

都内の公立小中高校において、「Eラーニング」など民間のシステムの積極活用を図るべきと考えるが、教育長の見解を伺う。

【教育長】

今般の臨時休業に当たり、都内公立学校では、児童・生徒が家庭で学習に取り組めるよう、児童・生徒の実態等を踏まえ、年間を通じて計画的に使用している教材に加えて、教科ごとに新たな教材などを配布している。また、学校のホームページ上に学習課題や連絡事項を掲載するなど様々に工夫している。

今後、都教育委員会は、ホームページ上に児童・生徒の学びを支援する臨時休業に当たっての新たなサイトを開設し、これまで都が独自に開発した自己採点機能を有する東京ベーシック・ドリル等を提供する。さらに、民間事業者による学習支援コンテンツの情報も掲載し、児童・生徒の家庭学習の充実を図っていく。

【質問】

会計年度任用職員制度開始に伴う時間講師への説明会が、新型コロナウイルス感染症対応のため中止を余儀なくされた。都教育委員会は、説明会に代わる方策を検討し、時間講師への丁寧な説明を行うべきと考えるが、見解を求める。

【教育長】

今月下旬に、区部と多摩地域で5回にわたり開催を予定していた、約6,700名を対象とした時間講師制度の説明会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、中止することとした。

このため、都教育委員会は、当日使用予定であった説明資料に加え、改正内容のポイント集を新たに作成する。これらとともに、制度に関する最新の情報を盛り込んだ質疑応答集もホームページに掲載していく。また、電話相談に加え、専用の電子メールによる受付窓口を新たに設け、職員の体制を整えた上で個別に対応していく。

都教育委員会は、新年度から時間講師が安心して質の高い授業を行えるよう、制度改正による勤務条件の改正内容等について丁寧な周知に努めていく。

【質問】

今回のマスク等の不足の事態において、明らかになったのは、都としての備蓄が決定的に不足していたことである。感染が流行しても業務の継続を図らねばならない施設等のために、都はマスクなどの衛生資材の備蓄を抜本的に検討すべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

医療機関では、マスクや消毒液など、基本的な衛生資材については、日常的に確保しており、都においては、新型インフルエンザ等予期しない感染症の流行に備え、医療従事者用の防護具を備蓄している。

今般の新型コロナウイルス発生に伴い、マスクや消毒液等の資材が不足したことから、都は、これらの安定的な流通について、国に緊急要望を行った。

今後は、感染症の流行により衛生資材の入手が困難となることを想定することが必要である。

このため、対象となる資材の種類と量、区市町村との役割分担等の考え方を整理するなど、必要な衛生資材の備蓄に向けて検討していく。

【質問】

医療機関において、サージカルマスクなどの不足が深刻であると聞いている。

国はこのほど、医療用サージカルマスクなどの安定供給スキームを発表しているが、医療用マスクについては、都道府県などの備蓄の活用がまず求められている中で、備蓄として、都が独自に購入し、医療機関の安定供給をすべきであると思う。

備蓄として購入ができると思うが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

委員ご指摘のように、マスク等の衛生資材の入手が非常に困難、入手しにくい状況になっている。

今後、関係各局とも連携しながら、さまざまな手立てを尽くして、対応してまいりたいと思う。

【質問】

先の代表質問で都が発注する事業について、感染拡大によりサプライチェーンが寸断され部品供給が滞り、納期を伸ばすなど対応を求めた。感染拡大の防止は、都の工事全体に関わるものであり、対応が求められるが、都は具体的にどのような対応を行うのか伺う。

【財務局長】

新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためには、都発注工事の現場等においても適切に予防を行っていくことが重要である。

このため、都は、国の対応に準じて、工事現場等でのアルコール消毒液の設置による感染予防対策や、感染者判明時における連絡体制の構築などの徹底を図ることとした。

さらに、工事の一時中止や工期の延長等について、こちらから受注者の意向を確認し、申し出がある場合には、一時中止等を行うこととし、感染拡大の防止に努めていく。その際、必要に応じて契約変更を行うなど、受注者が過度の負担を負うことのないよう適切に対応する。

都の工事案件について

【質問】

都の工事でも品質確保や事業者の働き方改革は大事な観点である。それを踏まえ、設計等委託のダンピング受注の防止に積極的に取り組むべきと考えるが、今後の都の取組について見解を求める。

【財務局長】

設計等委託について、品質確保や事業者の働き方改革を推進するため、都はこれまでも、適正な予定価格の設定や発注の平準化等に取り組んできた。

こうした取組に加え、今回の品確法改正の趣旨を踏まえ、ダンピング受注の防止策として、新たに最低制限価格制度の導入を検討し、本年2月に実施した入札監視委員会制度部会において、その方向性を御審議いただいた。

今後は、取組内容を具体化し、業界団体の意見も聴きながら十分に周知を図ったうえで、来年度の下半期から財務局契約の一部の案件で試行を開始し、順次、対象範囲を拡大していく予定である。

マンション管理について

【質問】

分譲マンション総合相談窓口について、相談に十分に対応できるよう、窓口の充実を図るべきと考えるが、見解を求める。

【住宅政策本部長】

昨年9月に開設した「分譲マンション総合相談窓口」では、マンション管理士が、マンション管理条例等の問合せに対応するとともに、管理や建替え、改修についての相談を一元的に受け付けている。

条例に基づき、届出義務の対象となるマンションの数は約14,000棟に上るため、4月から対応人員を2名に増やし、毎週水曜日は開設時間を延長するとともに、月1回、土日も開設するなど、窓口体制を拡充する。

こうした相談体制の整備により、要届出マンションからの問合せや相談に的確に対応し、届出制度の円滑な運用を図っていく。

【質問】

管理状況の届出においても、届出のインセンティブとなる専門家の無料派遣を実施すべきと考えるが、都の見解を伺う。

【住宅政策本部長】

管理状況届出制度では、昭和58年以前に建築されたマンションを対象としており、これらのマンションでは老朽化等に伴って修繕積立金の不足などの様々な課題を抱えていることが想定される。

このため、届出を行った管理組合がこうした課題に対し、マンション管理士等の専門家によるアドバイスを受けられるよう、その派遣費用を1回全額助成する制度を新たに整備することにより、管理組合による届出を促し管理の適正化につなげていく。

【質問】

こうした管理不全の兆候があるマンションについて、継続的な支援を行うべきと考えるが、見解を伺う。

【住宅政策本部長】

管理不全の兆候があるマンションに対しては、行政による助言や指導等とともに、管理状況の改善に向けて専門家を継続的に活用することが重要であると認識している。

このため、届出を行ったマンションに管理不全の兆候があった場合には、繰り返し助言等を受けられるよう、専門家の派遣に当たり、その費用を最大5回まで全額助成する。

こうした取組により、適正管理に向けて管理組合等をしっかりと支援していく。

【質問】

都は、条例による管理状況届出制度が来年度から始まることを契機として、提案のような視点も踏まえつつ、管理組合等が建替え検討を進めるに当たり、専門家を活用しやすい制度となるよう幅広く検討していくと答弁したが、その後の検討状況について伺う。

【住宅政策本部長】

管理状況届出制度の対象は、おおむね築40年以上のマンションであり、お話のとおり、建替え等を検討する時期のものも多く存在すると認識している。

このため、専門家の派遣については、管理だけでなく建替えの初期段階において検討を進めていくために必要な、例えば管理組合内の検討体制の整備や、関係する法律・税制、公的な支援などについてアドバイスを行う建築士等も無料派遣の対象とする。

管理組合の状況に応じて適切な助言を実施することにより、適正管理のみならず、円滑な再生につながる切れ目ない支援を展開していく。

都営住宅について

【質問】

居住者が設置した浴室の設備更新について、浴室設備の都設置を住棟単位で効率的、効果的に更新を進めるとのことだが、エレベータを設置する際に2人以上の反対者がいると、共益費などの問題から設置できない。浴室設備の更新に反対者がいる場合はどうなるのか伺う。

【住宅政策本部長】

エレベーターの設置については、住宅の共用部分の電気代など、共益費の負担増を伴うことから、反対者がいる場合には、事業を推進する上で支障となる。

一方、浴室の設備更新については、居住者による設置から都による設置に切り替えるものであり、共益費には影響しない。

ただし、これまで空き家修繕の際に、都が浴室設備を設置してきた場合と同様に、公営住宅法に基づき使用料が改定される。

そのため、こうした制度の内容を丁寧に周知した上で居住者一人ひとりの意思を確認し、承諾をいただいた住戸について、都設置に切り替えていく。

【質問】

浴室設備更新事業の予定について、2月26日に行われた我が党の代表質問に対する答弁では、事業を計画的・効果的に進めるための住棟単位の更新と、故障した場合の住戸ごとの更新をあわせて行っていくとのことであったが、それぞれの事業について、いつごろから行う予定であるか伺う。

【住宅政策本部長】

まず、住棟単位の更新については、事前に都内全域から幅広く住棟を選定し、新年度のできるだけ早い時期に各居住者の意思を確認した上で、効率的に浴室設備を更新していく。

また、故障した場合の個別更新については、平成28年に、公社住宅において公社が浴室設備の設置を開始した際、申込みが集中したと聞いていることから、当面居住年数等を踏まえ、優先順位を設ける予定である。

今年の8月を目途に受付を開始し、現地の設備機器の状態などを確認した上で、適切に実施していく。

東京2020大会について

【質問】

都立施設の練習風景の見学を積極的に実施していくとともに、区立施設についても、これが実現できるよう組織委員会に働きかけていくべきと考えるが、所見を伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

練習会場は、世界各国のトップアスリートが集い、ハイレベルな練習が繰り広げられる場となることから、練習風景の見学は、地元での気運醸成や子供たちに夢や希望を抱かせる素晴らしい機会となる。

そこで都は、これまで組織委員会を通じ、都立5施設での実現に向けて国際競技団体と調整を進めてきた。その結果、指定された時間・会場において、都内小中学生による練習風景の見学等が可能となる見込みである。今後、各国チームやアスリートの意向を踏まえた見学スケジュールとするとともに、選手との交流についても可能な範囲で具体的な検討を進めていく。区立施設においてもその実現を図ることは重要であり、今後都の取組状況を関係区に周知するとともに、都として、組織委員会に働きかけるなど、後押ししていく。

デフリンピックについて

【質問】

デフリンピックについて、公明党は東京招致を目指し、岡本三成衆院議員を座長として、東京都本部に支援委員会を置き当事者団体と意見交換してきた。招致には本格的な議論が必要だが、まずは2021年のブラジル開催までの取組について、関心を持って調査を進めるべきと考えるが、見解を伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

障害者スポーツの振興において、身近なスポーツの機会の確保や環境整備に加え、国際的な大会が開催されることも重要である。

国際的な障害者スポーツ大会については、これまでまとまった資料がなかったことから、今年度、基礎資料を整備する調査を実施している。

来年度は、お尋ねのデフリンピックをはじめとして、大会実施の主体となる競技団体等の運営体制や今後の大会招致の意向等を把握するための調査を実施する。また直近で開催が予定されている国際大会についても、ヒアリング等により可能な限り情報収集に取り組む。

こうした調査結果なども踏まえ、デフリンピックなど国際的な障害者スポーツ大会の支援を含め、障害者スポーツが社会に根付くよう取り組んでいく。

防災対策について

【質問】

東京都地域防災計画では、都所有の防災船着場で、災害時の最優先の運用として傷病者搬送があげられている。その実効性を担保するには、船舶があらかじめ確保されていなければならないが、状況はどうなっているのか伺う。

【港湾局長】

災害時における船舶による輸送を適切に実施するためには、船舶を所有する民間事業者と緊密に連携し、より多くの船舶を確保する必要がある。

このため都は、旅客船の運航事業者の団体等と船舶による輸送等に関する協定を締結し、災害対策本部から船舶の提供について要請があった際には、被災者及び傷病者の搬送等に対応できるよう、可能な限り船舶を提供していただくこととしている。

これらの団体が保有する船舶のうち、防災船着場に係留できる小型船は約140隻であるが、より多くの船舶を確保できるよう、他の舟運事業者団体とも新たな協定を結ぶことで、災害時に確保できる船舶数の拡大を図っていく。

【質問】

これまで防災船着場の設置が進められてきたが、現在の設置状況を伺う。また運用に当たっては、地元区や関係機関と十分事前協議し、傷病者の搬送も含めた協定やマニュアルの整備が必要と考えるが、併せて現状を伺う。

【総務局長】

首都直下型地震等が発生した際、応急対策活動を迅速に行うためには、陸路だけでなく、河川や運河など複数の緊急輸送ルートの確保を図ることが重要である。

水上ルートの拠点となる防災船着場は、都内で106か所設置されている。

この防災船着場は、それぞれ国や都、地元区など、管理者が異なっているため、関係者による検討会を設置し、船着場の安全管理や船舶の確保手順などを定めた共通の運用マニュアルを作成して運用している。

一方、発災時の負傷者等の船舶による搬送については、負傷者等の体調の急変への対応や、防災船着場から病院等への搬送手段の確保などの課題が残されており、引き続き、検討会による議論を重ね、対策の実効性の確保に努めていく。

【質問】

大規模災害時等、多数の傷病者が発生し陸路が寸断された場合における傷病者の搬送について伺う。

【消防総監】

震災等の大規模災害時に陸路が寸断され、車両による傷病者搬送が困難となった場合には、消防ヘリコプターや消防艇を活用することとしている。

また、多数の傷病者が発生し、搬送手段が不足する場合には、事前の協定等に基づき関係機関と連携することとしている。

さらに、東京2020大会時には、地域防災計画に基づく協定を締結し、医療従事者等が乗船する民間船舶による搬送体制を確保した。

【質問】

海上等で傷病者が発生した場合に、救急車と同様の救急処置が行える「救急艇」を導入すべきと考えるが見解を伺う。

【消防総監】

東京消防庁では、海上等で傷病者が発生した場合には消防艇や消防ヘリコプター等を活用し、迅速に救助・救急活動を実施している。

特に大型化学消防艇「みやこどり」は、船内に14床の寝台を有し、除細動器や人工呼吸器等の救命資器材を備え、救急車と同様の処置が可能である。

今後とも、傷病者を搬送する船の有効性について検討するなど、海上等で発生した傷病者の搬送体制の充実強化に努めていく。

【質問】

更新時期を迎えている水上バスは、想定される傷病者搬送の実効性を高められるよう改めて検討すべきだが、都の見解を伺う。

【建設局長】

建設局が所有する水上バスは、都民に広く水辺環境とのふれあいの機会を提供するほか、東京都地域防災計画において、発災時の物資の輸送及び人員の搬送のための必要船舶として位置付けられている。

平常時は、隅田川、荒川、臨海部を中心に運航しており、定期便やイベント便のほか、水上バスを活用したインフラツアーや環境学習を実施するなど、水辺のにぎわい創出に寄与してきた。発災時には、災害対策本部からの要請を受け運航することから、地元区や東京消防庁をはじめ関係機関と連携した防災訓練を定期的に実施するなど、災害対応力の強化に努めている。

今後、水上バスが、更なる水辺の魅力向上に寄与するとともに、バリアフリーを充実するなど発災時にもより有効に活用できるよう検討していく。

性的マイノリティーについて

【質問】

職員向けのマニュアルを作成するとのことだったが、その進捗はどうなっているか、また今後どう活用していくのか伺う。

【総務局長】

昨年12月には「性自認及び性的指向に関する基本計画」を策定し、施策の4つの柱の1つとして、職員理解の推進を掲げ、職員向けのマニュアルを作成することとした。

マニュアルの作成に当たっては、性的マイノリティの支援団体にも協力をいただき、性自認及び性的指向に関する正しい知識、窓口等における接遇の際の留意点や職場における具体的な配慮事例、職員自身が多様な性の在り方を尊重するための基本的な心構えなどについて記載していく。

年度内にマニュアルを作成し、新年度からは、職員研修等で活用していくことなどを通じ、性自認及び性的指向について、職員の理解をより一層深めていく。

【質問】

民間企業等においても性的マイノリティ当事者がいるはずであり、こうした方々にとっての、特に職場環境における性自認及び性的指向に関する困り事やハラスメントに対し、都としてどう対応していくのか伺う。

【総務局長】

都では、職場において性的マイノリティ当事者が抱える様々な困り事について、カウンセラー等による専門電話相談で受けており、相談内容に応じては、適切な関係機関へとつなげている。

また、当事者が働きやすい職場づくりには、事業者の理解促進が重要であることから、年度内に都民向けの啓発冊子を新たに作成し、事業者団体等を通じて広く配布するほか、イベント等において活用していく。

加えて、民間企業の人事・採用担当者等を対象として性自認及び性的指向に関する無料の研修を新たに実施する。この研修を受講した企業には、「LGBTフレンドリー宣言(仮称)」を行っていただき、それを都が公表することを通じて、企業イメージの向上を図るとともに、事業者の主体的な取組を後押ししていく。

【質問】

同性パートナーの都職員の場合、休暇制度・互助組合の各種事業・職員住宅の使用の処遇について、他の職員と同様になっているのか見解を求める。

【総務局長】

今回措置要求があった項目のうち、育児時間及び子どもの看護休暇については、パートナーの子と養子縁組を行うことにより、取得が可能となっている。一方、その他の休暇制度、結婚祝金や弔慰金などの互助組合の各種事業、職員住宅における家族住宅の使用は、法律婚・事実婚のみが制度の対象であり、同性パートナーは対象外となっている。

なお、この措置要求については、人事委員会で調査中である。

【質問】

都営住宅条例には入居要件としての「親族」が入っているが、時代状況を踏まえた運用を図り、同性パートナーの都民への入居機会の平等を図るべきと考えるが、見解を求める。

【住宅政策本部長】

都営住宅では、使用者の資格の1つとして、東京都営住宅条例で、現に同居し、又は同居しようとする親族があることと規定しており、入居の際、親族関係については住民票により確認しているが、同性パートナーについては、親族関係の記載がないため、入居資格を確認できない。

今後、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画も踏まえ、他の自治体における動向や課題等を調査するなど、都営住宅の管理制度等における取扱いについて検討していく。

中央卸売市場の事業者支援について

【質問】

市場業者の意欲的な取組を支援していくには、補助率の引き上げや手続き面での負担軽減など、具体的な改善を進めるべきだが、都の見解を伺う。

【中央卸売市場長】

都は今年度から、中央卸売市場の活性化に資する市場業者の先駆的な取組を支援しており、都内の全11市場において様々な取組が行われている。

来年度は、資金的な余裕が少ない市場業者でも取り組みやすくなるよう、中小事業者等に対する補助率を2分の1から3分の2に引き上げ、より多くの市場業者の取組を促していく。

また、新たな販路開拓に向けた国内外の展示会への出展など、事例が多く申請内容が定型化された取組については審査手続きの簡素化を図り、市場業者が機を逸することなく取組を開始できるように改善する。

【質問】

より多くの市場業者の取組を促進するためには、資金的に余裕のない事業者が多い仲卸業者に対する補助率が引き上げられなくてはならないと考えるが、中小事業者の定義と、どのくらいの割合の仲卸業者が補助率引き上げの対象となるのか伺う。

【中央卸売市場長】

中小事業者とは、中小企業基本法の規定に基づいて、卸売業では、資本の額又は出資の総額が1億円以下の会社、あるいは常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人としており、都内全11市場のすべての仲卸業者が、補助率引き上げの対象となると見込んでいる。

【質問】

より多くの仲卸業者が活性化に資する取組を加速させていくためには、資金面以外での支援も必要と考える。来年度の都の取組について伺う。

【中央卸売市場長】

仲卸業者の取組を一段と加速させるためには、個々の事情に即した丁寧なサポートが必要であり、人材不足等様々な問題に直面する業者に対し、経営相談事業を活用し、個別・具体的に助言していくことが有効である。

来年度は、より多くの仲卸業者の相談に迅速かつ的確に対応できるよう、公認会計士や中小企業診断士を増員するとともに、仲卸業者の関心の高い衛生管理や労務管理の分野にも対応するため、食品衛生コンサルタントや社会保険労務士を新たに加え、体制を充実する。

また、同業他社の取組が参考になるという仲卸業者からの意見を踏まえ、都からの情報発信方法を工夫し、今年度実施した取組内容とその効果を共有していく。

【質問】

市場を取り巻く環境が厳しさを増す中、仲卸業者が時代の変化に即した適切な事業展開を図り、経営を安定化させていくためには、計画段階での相談に対応するだけではなく、進捗状況に応じて適宜サポートしていくべきと考えるが、来年度の都の対応について伺う。

【中央卸売市場長】

仲卸業者の経営課題は複雑化・多様化しており、個々の状況を踏まえて、様々な角度から対応するとともに、取組の進捗に即して丁寧に支援することが重要である。

このため、来年度は先ほど答弁した相談体制の拡充に加え、相談後にも都の職員が相談者にヒアリングを行って状況を把握するとともに、相談者からの求めに応じて専門家を再度派遣し、複数回の相談を行うなど、これまで以上にフォローを行い、仲卸業者の経営安定化に向け、継続的に支援していく。

障害者施策について

【質問】

都や教育庁における障害者雇用の今年度の状況について伺う。

【総務局長】

都は、障害者を対象とした常勤職員の採用選考を実施しており、今年度の合格者は、52名である。このうち精神障害者が37名、身体障害者が15名となっている。平成29年度に精神障害者・知的障害者に対象を拡大して以降、3年間で精神障害者が84名、身体障害者が43名合格している。

また昨年度から、総務局において、知的障害者を対象とする非常勤職員であるオフィスサポーターの雇用を開始しており、現在の4名に加え、来年度から新たに4名を採用する予定である。各種庶務事務や軽作業を担っており、職域の拡大も図っている。

今後とも、障害者の方々がその能力や適性に応じて働くことができるよう、都における障害者雇用の促進に努めていく。

【質問】

昨年度から障害者雇用の更なる雇用の場である教育庁サポートオフィスを新たに開設し、我が党との質疑を踏まえ、知的障害も含めた採用を進めていると聞いている。そこで、まず、都や教育庁における障害者雇用の今年度の取組状況について伺う。

【教育長】

都教育委員会は、障害に配慮した教員採用選考や、就労支援を目的とするチャレンジ雇用の実施に加え、昨年度、障害者雇用を推進する独自の取組として、「教育庁サポートオフィス」を開設した。現在、非常勤職である教育事務サポーターとして障害者を49名雇用しており、そのうち、知的障害者は12名である。

採用は、随時実施しており、本年4月には新たに13名、そのうち知的障害者は5名採用する予定である。担当業務は印刷などの簡易な業務から、報告書等の製本や説明会等アンケートの集計、各種会議の議事録作成等多岐にわたっており、また、職員と協働して作業を行う業務などもある。こうした業務を一人ひとりの障害特性に応じて割り振り、教育事務サポーターがその能力を発揮することで、働く意欲を高め自信をつけている。

来年度は、教育庁サポートオフィスの規模を拡大するとともに、障害者の就労支援機関と積極的に連携し、採用PRをより一層充実するなど、知的障害者を含めた障害者雇用を更に推進していく。

【質問】

今後、知的障がい者の更なる雇用拡大に向けて、新たな取組を創出すべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

誰もがいきいきと活躍できる社会に向けて、都が「隗より始めよ」として、障がい者雇用に自ら率先して取り組むことは重要である。

私が知事に就任して以降、身体障がい者のみ対象としていた採用選考を精神障がい者・知的障がい者にも拡大するとともに、知的障がい者を対象とした非常勤職員の採用を開始するなど、様々な取組を進めてきた。

昨年策定した「新たな都政改革ビジョン」では、2030年に向けた取組として、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンの推進の観点から、障がい者の活躍の場を更に拡大することとした。

このため、これまでの取組に加え、知的障がい者が非常勤職員から常勤職員にステップアップすることを可能とする、新たな雇用の枠組みの創設に向けて、検討を進めていく。

障がい者が、一人ひとりの特性や個性に応じて、能力を発揮できるよう、積極的に取り組んでいく。

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