加藤雅之議員の本会議(9月27日)一般質問

防災対策

① 災害時の火葬体制について

【質問】

近年の新型コロナ感染症による死亡者急増の対応では、都立の火葬場では、コロナ関係の優先枠を設けて積極的に受け入れしましたが、一部民間火葬場では、経営環境の変化のためか、東日本大震災当時のような状況ではなかった。都は、都内の民間火葬場との災害協定について、感染症など新たな課題に対しても、BCPも踏まえ実効性ある火葬体制を整える必要があると考えるが、知事の所見を求める。

【知事】

災害時の火葬体制についてであるが、大規模な災害発生に備えた火葬体制を確保することは重要であり、都は、都内及び近隣県等の火葬場を活用して災害時に広域的な火葬を円滑に行えるよう広域火葬実施計画を策定している。

また、災害時における遺体搬送や火葬等に関する協定を関係団体等と締結し、実際の災害を想定した広域的な訓練を毎年実施している。

大規模災害発生時にこうした枠組みが有効に機能するよう、今後も、近隣自治体や関係団体及び民間事業者と連携し、広域火葬体制を確保していく。

② 高台まちづくりについて

【質問】

東京の東部低地帯には、いわゆるゼロメートル地帯が広範囲に広がっており、特に地元墨田区の鐘ヶ淵駅周辺地区では、水害時の浸水深が10メートル程度となり、2週間以上水がはけない状況が続くことが想定されている。鐘ヶ淵駅周辺地区において、都は、国や地元区と連携し、高台まちづくりを進めていくべきと考えるが、見解を伺う。

【都市整備局長】

高台まちづくりについてであるが、東部低地帯等では、深刻な水害被害が想定されており安全性の高い高台まちづくりを加速させることが重要である。

都は、国と策定したビジョンを踏まえ、国や関係区も含めたワーキンググループを設置し、モデル地区等において、高台まちづくりの具体化や、推進方策の検討を進めている。また、国や都においては、地元区の高台まちづくりに対する支援事業を創設している。

鐘ヶ淵駅周辺地区においても、御指摘の関連事業との整合を図りながら、国と共に地元区の検討を支援するなど、水害に対して安全なまちづくりを推進していく。

③ 緊急医療救護所について

【質問】

今から6年前までは、災害拠点病院が立地していたため、緊急医療救護所も位置づけられていたが、その後、病院が移転し空白エリアとなっている。地域の医療資源の状況を踏まえ、災害医療支援病院であっても緊急医療救護所を設置し、地域ごとの実情に応じた体制の整備を行うべきと考えるが、都の見解を求める。

【保健医療局長】

緊急医療救護所についてであるが、緊急医療救護所は、区市町村が地域防災計画に基づき災害発生時に病院の近接地等に開設し、傷病者のトリアージや応急処置等を行う場所である。

区市町村が、有事に備えて緊急医療救護所の新設を準備する際には、地域の実情に応じて、設置場所の確保、資器材や医薬品の整備などを行い、都は、救護所の設置準備や訓練などの費用を補助するとともに、病院との調整にも協力するなど、区市町村の取組を支援している。

今後、災害時の医療救護体制の充実に向けて、二次保健医療圏ごとの地域災害医療連携会議を活用し、各区市町村と協働して取組を推進していく。

隅田川の橋梁群ライトアップ

【質問】

都が所管する10の橋梁は、橋の構造に合わせて照明デザインが工夫され、光の演出ができるようになっているが、言問橋と両国橋という国所管の橋梁ではどちらもライトアップがなされていない。隅田川に連続して架かる一体の橋梁群としてより魅力的な景観が創出され、流域の一貫性ある取組となるよう、国と都がよく連携・調整しながら進めていくべきと考えるが、都の見解を伺う。

【東京都技監】

隅田川橋梁群のライトアップについてであるが、隅田川には、構造や色彩が多種多様で、歴史的価値のある橋梁が架けられており、これらをライトアップすることで、水辺の賑わい向上や観光資源としての活用を図っていくことが重要である。

都では、隅田川に架かる10橋で、その形状や色彩の美しさを活かした照明デザインを採用したライトアップを実施している。

国管理の言問橋と両国橋では、今後、道路照明のLED化を行う際に、周辺の景観などに配慮したライトアップの検討を進めると聞いており、隅田川の橋梁群として一体的な夜間景観が創出されるよう連携を図っていく。

文化施設の充実

【質問】

例えば舞台芸術では、中央区水天宮に東京舞台芸術活動支援センターがあり、稽古場として比較的低廉な料金で提供している施設で、都立日本橋高校の旧校舎を活用したものがある。アーティストや芸術文化団体等の活動を活性化させていくためには、こうした施設を大切に存続させる等しながら、若手芸術家が創作活動を行いやすい環境づくりへの支援を一層充実させるべきと考える。見解を求める。

【生活文化スポーツ局長】

若手アーティストへの創作環境の支援であるが、東京の芸術文化の振興のためには、担い手となるアーティストの持続的な活動へのサポートが重要である。

都は平成22年に、舞台芸術の創造活動を支援するため水天宮ピットを開設し、多くのアーティストに稽古や交流の場を提供しており、スタジオの稼働率は9割を超えている。利用者からは「安心して創作活動に打ち込める」との声が寄せられるなど、高い評価を得ている。

今後も利用者が安全に使用できるよう適切な維持補修を行うとともに、様々な分野で活躍する若手アーティストが継続的に創作活動できるよう、他の遊休施設等の活用も検討していく。

公社住宅でのコミュニティ活性化に向けた取組

【質問】

高齢世帯の増加や世帯の単身化が進むと、コミュニティ活動が一層停滞してしまうことから、都営住宅への学生入居による自治会活動支援を進めてきた。公社は、これまで、専門スタッフ「JKK住まいるアシスタント」を配置するなどの取組を進めており、今後は、このアシスタントの更なる活用など取組を充実させるべきと考えるが、公社住宅におけるコミュニティ活性化のこれまでの取組と今後の展開について伺う。

【住宅政策本部長】

東京都住宅供給公社の住宅におけるコミュニティ活性化の取組についてであるが、居住者の少子高齢化が進む中、団地のコミュニティ活動や地域の活性化を図ることは重要である。

これまで公社は、居住者や近隣住民が交流できる拠点の整備を進めており、令和5年5月、町田木曽住宅で、交流イベント等が実施できる生活サービス拠点を開設した。

さらに令和5年度、JKK住まいるアシスタントを10名に増員し、地元自治体と連携しイベント等を展開している。

今後、こうした取組を通じて、公社住宅における居住者等の交流の促進を図るとともに、自治会等の自立したコミュニティ活動を支援していく。

介護人材対策

【質問】

介護現場における人手不足が深刻化する中、外国人材の活躍が期待されている。都としても、介護現場での外国人人材の受入れが円滑に進むよう、介護事業所への支援に一層取り組んでいくべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉局長】

外国人介護従事者の受入支援についてであるが、都は、介護施設等で外国人介護従事者の受入れが円滑に進むよう、施設経営者や指導担当者向けの研修等を実施するほか、受入施設等に対し、多言語翻訳機の導入や、在留資格に応じた日本語や介護技能の学習等に必要な経費を補助している。

令和5年度は、介護施設等と外国人介護従事者とのマッチングを支援するため、施設等が複数の受入調整機関と相談できる合同相談会を10月に開催する。

今後、次期高齢者保健福祉計画の策定に向けた議論の中で、外国人を含めた介護人材対策の強化について検討していく。

タイトルとURLをコピーしました