高倉良生議員の本会議(12月7日)代表質問

新型コロナウイルス対策

① 今後の感染拡大への対応について

【質問】

第6波から都民を守る対策が急務であり、知事に緊急要望を行った。知事は、要望を反映した補正予算案を提出した。これまで措置した予算と今回の補正予算で、万一、オミクロン株が急拡大しても監視体制の強化を含め、どう迅速に対応できるのか、知事の見解を伺う。

【知事】

今後の感染拡大への対応についてであるが、現在、新たな変異株が発生するなど、引き続き緊張感を持って対応していく必要があり、より厳しい感染状況も想定して備えを講じなければならない。

そのため、感染拡大の状況に応じた病床や宿泊療養施設の確保とともに、自宅療養者への往診体制の強化や保健所業務のデジタル化推進による負荷軽減などからなる総合的な保健・医療提供体制を構築する。

今回取りまとめたオミクロン株に関する緊急対応において、宿泊療養施設を都内の濃厚接触者の待機施設にするとともに、陽性者の検体のゲノム解析や、東京都健康安全研究センターが独自に構築した変異株PCR検査手法を用いて検査を開始するなど、迅速に対応している。

今後、この変異株PCR検査手法を近隣県と共有するほか、民間検査機関へ拡大するなど、都内の監視体制を一層強化するとともに、陽性者が見つかった場合には、濃厚接触者の範囲を広げて積極的疫学調査を行っていく。

こうした複合的な対策を先手、先手で講じることで、都民の安全安心を確保していく。

② 新型コロナの病床の確保について

【質問】

都は、医療機関と密に連携し、感染拡大状況や患者の病状に応じた病床を、転退院を含め、確実に確保・稼働するよう取り組むべき。また、医療機関の協力を得て、受入可能な病床を一元管理するシステムを活用して、効率的に入院調整していくべき。併せて見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

新型コロナの病床の確保についてであるが、都は、第6波に向けて、新たな国のレベル分類において、都独自に設定したレベル2.5の段階で先手を打って医療機関に病床確保を要請するとともに、酸素・医療提供ステーション等の受入規模を拡大することで、約9,440床の医療提供体制を確保していく。

また、確保した病床を有効活用するため、入院調整本部の転退院支援班にて、症状が改善したコロナ患者を軽症・中等症の患者を受け入れる病院や回復期支援病院への転院を促進させていく。さらに、これまで入院調整中の患者情報等を共有するため都と保健所で活用しているシステムについて、11月から医療機関も共有しており、一元管理している受入可能病床数を活用し、転院を含め効率的に入院調整していく。

③ 宿泊療養及び自宅療養への支援体制について

【質問】

第5波では、宿泊療養・自宅療養も過去最多となり、医療機関で受け入れきれない状況の中、残念ながら亡くなられる方が出た。都は、宿泊・自宅療養者が安心して療養に専念できるよう、寄り添った支援と体制の強化を一層図るべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

宿泊療養及び自宅療養への支援体制についてであるが、都は、感染再拡大に備え、既存の宿泊療養施設の運用見直しや新規施設の開設により、受入可能室数を約7,900室確保していくとともに、希望する方を確実に宿泊療養につなげるため、患者自らが申込みのできる専用の窓口を先月開設した。11月30日の国内で第1例目となるオミクロン株感染者発生を受け、濃厚接触者が待機する施設として、速やかに宿泊療養施設を活用している。

また、自宅療養者フォローアップセンターの人員について、本年8月時点の150人体制から、最大250人体制まで増強可能とするとともに、診療や検査を行った医療機関による健康観察の実施や、感染拡大時に往診を広域的に行う医療機関との連携強化などにより、安心して療養できる環境の整備に努めていく。

④ ウェアラブル機器による健康観察について

【質問】

都は、10月から宿泊療養施設でウェアラブル機器を活用した健康観察を試行しているが、その結果を踏まえ、早期に実用化を図り、宿泊療養者の容体急変に備える体制を構築すべきである。また、自宅療養における活用も図るべきだが、併せて見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

ウェアラブル機器による健康観察についてであるが、宿泊療養施設でのウェアラブル機器の導入に向けた試行では、療養者の健康状態を常時計測し、遠隔でも正確に把握できるよう、安定的な装着方法に工夫を重ねた結果、容体急変の迅速な察知など、その有効性が確認できた。

今後は、全ての施設への導入を進め、特にきめ細かな容体把握が必要な療養者の健康管理に効果的に活用していく。

また、自宅療養については、保健所が行う健康観察や、入院決定から入院するまでの患者のフォロー等について、ウェアラブル機器の活用を先行実施し、有効な活用手法や今後の展開を検討していく。

⑤ 抗体カクテル療法について

【質問】

今後、感染再拡大時には、高齢者など重症化リスクの高い方など想定されるあらゆる場面で抗体カクテル療法を速やかに投与できる体制を整備すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

抗体カクテル療法についてであるが、抗体カクテル療法は、発症後速やかに投与することで、重症化を防ぐ効果が期待できることから、都は中和抗体薬治療コールセンターを設置するなど、迅速な投与に結び付ける仕組みを構築してきた。今後、発症抑制を目的に、無症状の感染者などもこの仕組みに追加する。

また、自宅療養者等への迅速な投与を可能にするため、往診を行う医療機関や経過観察を行う訪問看護ステーション等への支援を本格的に実施し、高齢者施設等でクラスターが発生した際にも速やかに対応できる体制を整備する。

引き続き、抗体カクテル療法の対象者を速やかに投与につなげることで、高齢者などリスクの高い方の重症化を防いでいく。

⑥ 宿泊療養施設における経口治療薬の治験について

【質問】

現在、都の宿泊療養施設では、複数の製薬会社が進める治験に協力していると聞いているが、治験への参加を希望する患者への周知・説明を丁寧に進めるべき。現在の取組状況について、伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

宿泊療養施設における経口治療薬の治験についてだが、新型コロナウイルス感染症の経口治療薬は、患者の負担が少なく、自宅での服用が可能であるため、入院や受診の抑制効果が期待でき、医療体制のひっ迫を避けられる点で有用である。

そのため都は、国内の製薬会社による経口治療薬の治験が円滑に進むよう、宿泊療養施設を治験実施場所として提供しており、本年11月からは、治験を希望する療養者に対し、治験薬の投与が開始された。

実施に当たっては、治験に係る人員体制の確保、健康観察の方法など具体的な実施手順について、都は製薬会社ときめ細かく協議を重ね、療養者に対して治験薬の効能や副作用等に関する丁寧な説明を求めるなど、宿泊療養施設における安全な治験の実施を支援している。

⑦ ワクチンの追加接種について

【質問】

1、2回目のワクチン接種の際の課題を捉えた上で、3回目の接種を着実に進めていくべき。都は、区市町村のワクチン追加接種を後押しするとともに、医療従事者への接種、大規模接種会場の設置、職域接種の推進など、円滑な接種体制を構築すべき。見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

ワクチンの追加接種についてであるが、今月から開始された追加接種では、医療従事者等も含め、全ての接種対象者について区市町村が主体となって調整していくことから、都は、区市町村とのワクチンチーム会議を精力的に開催し、実施方法を決定した。

また、区市町村の意向も踏まえ、今月中旬から、都庁北展望室ほか多摩1か所の大規模会場を開設し、医療従事者や救急隊員等から接種を開始する。今後、ワクチンの供給計画等を踏まえ、更なる対象者への接種が可能となるよう、会場を6か所程度まで順次拡大していく。

さらに、国に対し、職域接種では、より多くの企業が参加するよう働きかけを行うことや、早急に実施規模を示すことについて重ねて要望するなど、今後とも、追加接種が円滑かつ安定的に進められるよう取り組んでいく。

⑧ 感染再拡大に備えた検査体制強化について

【質問】

第5波では感染が急拡大し、行政検査が追い付かず、検査処理能力を十分発揮できない状況があった。感染再拡大に備え、今後、検査体制を一層強化すべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

感染再拡大に備えた検査体制強化についてであるが、都は本年11月に検査体制の見直しを行い、第5波の最大新規陽性者数をベースにインフルエンザとの同時流行も想定し、検査需要を1日当たり最大約8万8千件、検査処理能力を最大約10万件とする計画改定を行った。

本計画を踏まえ、都医師会等とも連携し、診療・検査医療機関等の更なる拡充や公表とともに、インフルエンザと同時に検査可能な抗原検査キットの活用等も進めている。

加えて、感染急拡大時には、医療機関等に対して要請を行い、迅速に体制強化を図ることとしている。

なお、今般のオミクロン株の国内発生を受け、今後の感染拡大に備えるため、都は12月3日付で関係機関に対し、速やかに検査体制の強化を図るよう要請した。

⑨ 社会経済活動を継続するための検査について

【質問】

ワクチン接種を受けられない人には、都道府県が予約不要で無料検査を行うほか、都道府県の判断で、感染の不安のある無症状者の無料検査を国が支援することとなった。この検査を促進するために体制確保を急ぎ具体化し、都民に丁寧に周知すべき。見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

社会経済活動を継続するための検査についてであるが、国は、感染対策と日常生活の両立に向けて「ワクチン・検査パッケージ制度」等の利用促進を図っている。

制度利用に必要な無料検査のため、都は、国の情報も活用して民間検査機関や薬局等に周知し、実施事業者として登録の上、12月下旬以降を目途に事業を開始する。

実施に当たっては、無料検査の対象となる方や実施事業者の一覧等をホームページ等で分かりやすく周知していくとともに、実施事業者に対して検査費の交付と検査環境整備に対する支援を来年3月まで行っていく。

また、感染拡大時には、国が示す「感染リスクが高い環境にある等のため感染に不安を感じる無症状者」で、特措法による要請に応じた都民に対し、無料検査を実施し、感染拡大防止と都民の不安解消を図っていく。

⑩ 中小の旅行業者への支援について

【質問】

都が今後、観光の活性化に向け支援事業を組む際には、都内中小旅行事業者にも効果が行き渡るよう支援を強化すべきと考えるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

中小の旅行業者への支援についてであるが、観光産業の回復に向けた支援を行う上で、中小規模の事業者に着実に効果が及ぶような取組が重要である。

都では、国の「Go Toトラベル」の開始に合わせ、都民による都内旅行に助成する事業「もっとTokyo」の再開を予定している。

本事業について、今回の補正予算により、支援規模を大幅に増やすとともに、引き続き、定額の助成を行う仕組みとし、中小の旅行業者が取り扱う比較的低廉なツアー等の利用の増加につなげる。また、中小の旅行業者の取扱いが多い団体旅行などを広く支援の対象とすることで、そうした事業者のニーズにも応えていく。

これらの取組により、中小の事業者を後押しし、観光産業の活性化に結び付けていく。

⑪ 年末年始の事業者や都民への支援について

【質問】

都は事業者や厳しい生活の渦中にある都民に対して、適切な年末年始の支援策を講じていく必要があると考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

年末年始の事業者や都民への支援についてであるが、都内の感染状況は低い水準に留まっており、経済の回復に向けた期待は高まりつつある。一方、長期にわたるコロナ禍や原油高の影響等により厳しい状況にある事業者や不安を抱える都民もいる。

年末年始を迎えるこれからの時期は、こうした方々に必要な支援を届けることが大切である。

年末は事業者の支払いが集中することから、日々の資金を速やかに確保できるつなぎ融資による金融支援を行う。また、金融や経営に関する差し迫った相談を夜間や年末にも受け止められる体制を整え、きめ細やかに対応していく。

あわせて、原油高が経営に及ぼす影響を抑えるため、専門家を派遣し、事業者の状況に応じたアドバイスを行うとともに資金繰りがつくよう、支援を着実に行う。

また、解雇や雇止めに遭い、そのまま年末を迎え、不安を抱える方もいる。このため、速やかな再就職を後押しする相談を実施するほか、緊急の就職面接会を開催する。

さらに、年末年始の間、TOKYOチャレンジネットを活用し、失業等の影響により住まいを失った方に一時的な宿泊場所を提供するなど支援を強化する。

困難に直面している都民や事業者の方々に寄り添い安心して年末年始を送るための様々な対策を講じていく。

⑫ 非正規雇用の方などへの就業支援について

【質問】

都は、長引くコロナ禍で雇用不安を抱える非正規雇用の方などに対して、新たな業界で働くためのスキルの取得を支援するなど、再就職支援を強化していくべきと考えるが見解を伺う。

【産業労働局長】

非正規雇用の方などへの就業支援についてであるが、非正規雇用や失業中の方が、コロナ禍においても人手不足となっている業種に再就職ができるよう、新たなスキルの取得を支援することは効果的な取組である。

このため都は、コロナ禍でも採用意欲の高いITや介護などの業界の求人を重点的に開拓して、求職者に対し一定期間の派遣就労を通じて、業務スキルを身に付ける機会を提供し、派遣先での正社員就職ができるよう支援している。また、成長産業であるデジタル関連の業界等で必要となる新たなスキルや資格を、非正規雇用の方などがeラーニングで取得できる事業を行っている。

この支援は働いている方や育児中の方でも受講が可能であり利便性も高いことから、今後、事業規模の拡充を検討する。

⑬ 女性の再就職支援について

【質問】

都は、コロナ禍で厳しい雇用環境にある女性の早期の再就職に向けて、就業支援を強化すべきと考えるが見解を伺う。

【産業労働局長】

女性の再就職支援についてであるが、女性は育児や介護を行いながら仕事をするなど、多様な就労ニーズを抱えている場合が多く、そうした女性の早期の再就職の実現には、きめ細かい支援が必要である。

このため都は、しごとセンターにおいて、専任のアドバイザーが求職者の希望や適性をカウンセリングにより把握して、それを踏まえた職場体験の機会を提供し、職業紹介も実施している。また、女性向けに、求職活動のノウハウを分かりやすく提供するセミナーと就職面接会を1日で行うマッチングイベントを定期的に開催するなど支援を強化している。

今後は、これらに加えて、女性の働きやすい職場として都が表彰した企業等が参加する新たな就職面接会の開催を検討するなど、マッチング機会の充実を図っていく。

⑭ 自殺対策について

【質問】

悩みを抱える相談者が全般的なサポートを受けられるよう、相談窓口と専門機関が連携して対応することが重要と考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

自殺対策についてであるが、自殺の背景には、健康問題や経済問題など様々な要因が複雑に絡み合っていることから、都は地域や職場、学校などで困難を抱えている方の周囲の人々がゲートキーパーとして悩みに気付き、声を掛け、必要な支援につなぐことの重要性を区市町村や事業者等に周知している。

今後、都民生活に関わる様々な分野の相談窓口が、相談者の複数の悩みに連携して対応できるよう、自殺対策や多重債務問題に取り組む民間団体、区市町村などが参加する連絡会等で、情報共有のためのシートの活用など実践的な連携事例を紹介する。

また、区市町村による企業等と連携したゲートキーパーの養成を支援するため、研修用動画や冊子も作成することとしており、引き続き自治体や関係機関と連携した自殺対策を推進していく。

⑮ デジタルを活用した生徒の不安や悩みの把握について

【質問】

都教育委員会は、今年度、心情やプライバシーに配慮し、都立高校生が心身の状況をデジタル機器に手軽、かつ継続的に入力して、学校が把握できる仕組みの検討に着手するとしている。全校への配備に向けた現在の取組状況を明らかにするべきである。見解を求める。

【教育長】

デジタルを活用した生徒の不安や悩みの把握だが、都教育委員会は、今年度、生徒の心のサインを早期に把握するためのシステム開発に向けた実証研究に取り組んでいる。本システムは、生徒がスマートフォン等を活用して毎日簡単な質問に回答し、その解析されたデータから、教員が生徒の心の変化を見いだす仕組みである。

研究指定校6校では、気持ちを伝えることが苦手な生徒の不安の解消や、平素は気付きにくい家庭に起因する悩みの早期発見等の成果とともに、質問項目の精査や、データの効果的な解析方法の必要性等の課題も明らかになった。

今後、これらの研究結果や専門家の意見を踏まえ、より精度の高いシステムとなるよう改善を図り、来年度、全都立高校への導入を目指していく。

⑯ 学校における換気対策等について

【質問】

法基準以下の学校においても計画的に取り組むべき。加えて、当面の湿度対策としての加湿機の活用では、留意点が確実に励行されるよう支援するべき。望ましい換気と湿度を各学校で具現化するべく、併せて2点、都教育委員会の見解を求める。

【教育長】

学校における換気対策等についてであるが、新型コロナウイルス感染症対策においては、適切な換気が特に重要であることから、都教育委員会は、ガイドラインの中で、学校における換気方法を示している。

都立学校では教室のドアと窓の常時開放やサーキュレーターを使用した強制換気を行い、CO2測定器により換気状況を確認する等、効果的な換気に取り組んでいる。

今後は、冬場の対策として、湿度を保つことも必要となることから、各学校に対して、湿度管理の方法や加湿器使用時の留意点等を周知していく。

また、換気や湿度管理には学校施設そのものの対策も必要であり、都立学校の新築・改築時に、施設規模を問わず建築物衛生法の求める換気や湿度の基準を満たすよう、十分な機能を備えた空調設備等の整備を進めていく。

区市町村教育委員会に対しては、都立学校の取組を踏まえて、適切な換気や湿度の管理を行うことや、施設整備面での取組について、情報提供していく。

⑰ スポーツを通じた健康増進の取組について

【質問】

東京2020オリンピック・パラリンピックが無事に成功し、ようやく感染の抑制が図られた今、都民のスポーツに対する気運の高まりを、特に働き盛り世代のスポーツを通じた健康増進につなげていくべきと考えるが、都の取組について伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

スポーツを通じた健康増進の取組についてであるが、東京2020大会を契機に高まったスポーツへの興味関心をスポーツ実施に繋げていくことが重要である。

都は、新たに、オフィス街等にビジネスパーソンに運動のきっかけを提供する「アーバン・フィットネス推進事業」を実施する。具体的には、来年3月、フィットネスマシンの体験や身近なスポーツジムの情報の紹介、運動動画サイトの案内等を行うイベントを実施し、これにより、働き盛り世代の継続的な運動実施に繋げていく。

また、社員向けに職場での体操やパラスポーツ体験会に取り組んでいる企業等をスポーツ推進企業として認定し、その取組事例を紹介するなど、広く運動機会の拡大に努めている。

今後も、こうした取組を通じて、働き盛り世代をはじめとした都民の健康増進を図っていく。

文化施策

① 芸術文化活動への参画体験等について

【質問】

観客に歩み寄って分かりやすく展開しようとする企画や、担い手の拡大やリピーターの育成に向け工夫を凝らす企画に対しては、手厚い支援策を講じ、芸術文化活動への参画体験や鑑賞の機会の促進などの取り組みを進めることが重要であると考えるが、見解を求める。

【生活文化局長】

芸術文化活動への参画体験等についてであるが、東京の芸術文化活動を担うアーティスト等は、新型コロナウイルス感染症の影響により、現在もなお厳しい状況下にある。

そこで都では、音楽や演劇、映画、伝統芸能など幅広い分野のアーティストや団体を支援すると同時に、観客が芸術文化を楽しむ機運の醸成を目指し、今年度「大規模文化事業助成」を立ち上げた。

この助成は多くの都民が参加あるいは楽しめる工夫がされていることも採択ポイントとしている。

今後、都民の芸術文化を楽しむマインドの回復を目指し、更なる支援を検討していく。

② 新たな文化戦略について

【質問】

新たな文化戦略の策定にあたり都議会公明党は、人間を豊かにし、魂を鼓舞する「文化芸術立都・東京」を実現する戦略としていくべきと考える。知事の見解を求める。

【知事】

新たな文化戦略についてであるが、文化芸術は、都市の魅力を形成する要素となるだけでなく、人々の心を支え、生きる活力をもたらし、日々の生活になくてはならないものである。

都はコロナ禍において支援事業を行い、東京の文化芸術はアーティストや団体、スタッフなど、多様な方々の幅広い活動によって支えられていることを強く認識した。

東京がこれからも成熟していくためには、こうした方々が生き生きと活動し、世界を魅了する東京独自の文化や芸術が絶えず生み出されるとともに、都民が喜び、感動し、新たな価値を発見するなど、その生活がより豊かになることが重要である。

そこで、2030年度までの文化戦略を今年度策定し、文化や芸術で躍動する都市を創り上げていく。

③ 新進芸術家・芸術団体への支援について

【質問】

都では本年度よりスタートアップ助成を新設し、新たな芸術活動へのチャレンジを支援しているが、さらに多くの新進芸術家を応援するために支援を拡充するとともに、稽古や制作、発表等の場を確保し提供していく支援が必要である。都の見解を求める。

【生活文化局長】

新進芸術家・芸術団体への支援についてであるが、今年度開始した「スタートアップ助成」では、新たに活動歴3年未満のアーティストを対象とするなど、若手アーティストの活動支援に力を入れている。

今後、東京の多彩な文化や芸術を支える担い手の裾野を更に広げるためには、若手アーティストが継続的に活動できる仕組みを構築することが重要である。

「アートにエールを!東京プロジェクト」の参加者アンケートでは、都に求める支援内容として、約4割の方が「作品づくりのための環境提供」、約5割の方が「発表の機会の提供」と回答している。

そこで、新規に立ち上げた助成に加え、アトリエや稽古場等の制作環境や発表機会を充実させる方策を文化戦略に盛り込み、若手アーティストの育成を強化していく。

④ 情報発信の充実について

【質問】

助成制度等の支援情報やアーティストが必要とする情報をわかりやすく手軽に入手できるようにするために、ポータルサイトを設置するなど一元的な窓口を整備していくべきと考える。都の見解を求める。

【生活文化局長】

情報発信の充実についてであるが、都はこれまでも、アーツカウンシル東京のホームページやリーフレット等により、助成制度などアーティストに対する支援情報を発信してきた。

コロナ禍を契機にこうした情報のニーズは高まっており、必要な情報をより速やかに分かりやすく届けていく必要がある。

そこで今後は、都や国などの支援情報を一覧できるようホームページに掲載するとともに、一人一人のアーティストにも届くよう、コロナ禍によって生まれたネットワークなども活用し、アーティストへの情報発信を強化していく。

福祉・医療施策

① 子どもの医療費助成について

【質問】

助成対象を高校3年生まで広げつつある全国自治体の動きも踏まえ、都は都内の各自治体とも必要な協議を行いながら、高校3年生までの医療費無償化を早期に実現し、全国を更に牽引すべき。知事の見解を伺う。

【知事】

子供の医療費助成についてであるが、子供の医療費助成の実施主体は区市町村であり、それぞれの議会における審議を経て条例を定めて実施している。都の助成事業は、区市町村の状況を十分に踏まえたものである必要がある。

令和3年10月時点で、都内で高校生を対象に医療費助成を行っているのは、3区2市7町村である。

今後、先行自治体を含め調査を行うなど、状況の把握に努めていく。

② 都立病院への重粒子線治療設備の導入について

【質問】

都は、第3回都議会定例会での我が党の代表質問に対し、「施設を導入した他府県の状況等を調査し検討」と答弁があったが、現在の調査検討状況とあわせて、採算性の検証等の調査費を計上するなど、最新のがん対策について検討すべきと考えるが、知事の見解を求める。

【知事】

重粒子線治療についてであるが、重粒子線治療は、がん病巣への集中的な照射が可能であり、また照射回数も少ない等患者にとってメリットがあるとされている。

先月、都においても他県の施設を調査したところ、採算性の検証をはじめ、専門人材や土地の確保等についての重要性を認識した。

中でも、採算性の検証に当たっては、患者数の推計や、施設規模等を十分考慮しながら、収入や費用を算出する必要がある。

今後、こうした観点を踏まえつつ、重粒子線治療の事業採算性等の検証を含め、保険適用の動向等も注視しながら、最新のがん対策について検討していく。

③ 動物愛護相談センターについて

【質問】

動物愛護相談センター本所の再整備に当たって都議会公明党は、本来の動物保護付きの施設にすべきと訴えている。動物保護を進めるため、動物収容施設から生まれた獣医療・シェルターメディスンを積極的に導入すべき。センターの再整備について、知事の見解を伺う。

【知事】

動物愛護相談センターについてであるが、病気やけがをしている動物を保護する際、新たな飼い主に健康な状態で譲渡できるよう、動物ごとに状態を把握してそれに応じた管理を行うことが重要である。

このため、動物愛護相談センターでは、獣医系大学の専門家等から助言を受けながら、ストレスへの配慮や感染症の防止、症状に応じた治療など、動物福祉を踏まえた飼養管理を行っている。

センターは、動物愛護施策推進の中核を担う施設であり、今後、その整備に向け、飼養環境の向上や譲渡の促進をはじめ必要な機能について、専門家等の意見を十分に伺いながら検討を進めていく。

まちづくり・防災対策

① 被害想定の見直しについて

【質問】

この10年間の変化を踏まえ被害想定を見直すとともに、その後の地域防災計画の修正に当たっては、女性、高齢者、障害者などの視点など多様な視点を反映させ、区市町村とも一体となって、安全・安心な東京の実現を目指すべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

被害想定の見直しについてであるが、首都直下地震や、南海トラフ地震の発生が懸念される中、本年10月には、都内で震度5強の地震が10年ぶりに発生するなど、東京における巨大地震の発生が一層現実的なものとなっている。

この10年の間、木密地域の不燃化など、地震に強いまちづくりが着実に進展する一方、人口構造や世帯構成など社会環境が大きく変化していることから、今般、被害想定を見直すこととした。

見直しに当たっては、高齢化の進展など最新の状況を反映するとともに、防災対策の実効性をより一層高めるため、防災に対する都民の意識などを新たに把握し、地域防災計画の修正に繋げていく。

また、今後、東京都防災会議について、女性、高齢者、障害者の方々など、多様な意見を反映できる体制へと充実・強化を図り、様々な視点から地域防災計画の修正を検討していく。

都民一人ひとりの目線に立った防災施策を区市町村とも緊密に連携しながら推進することで、東京の防災力を向上させていく。

② 一般緊急輸送道路沿道建築物について

【質問】

特定緊急輸送道路での取組で効果を挙げている区市町村との連携を、一般緊急輸送道路の取組でも推進することが効果的である。

都は今後、区市町村の取組への支援を強化し、一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を加速させていくべきと考えるが、見解を伺う。

【東京都技監】

一般緊急輸送道路沿道建築物についてであるが、都は、震災時における応急対策の中枢施設などを結ぶ特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化に優先的に取り組んできたが、東京全体の防災力を高めるためには、警察、消防、病院など地域の主要な防災拠点等を結ぶ一般緊急輸送道路の沿道の耐震化についても、更に促進する必要がある。

これまで、区市と連携して耐震改修等の費用助成を行っており、特に倒壊の危険性が高い建築物に対する助成単価の引上げなどを今年度から開始した。

一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を加速するため、所有者への積極的な働きかけを行うなど、意欲のある区市町村をより一層後押しする支援の在り方について、更に検討を進めていく。

③ ドクターヘリについて

【質問】

都議会公明党の本年第1回定例会の代表質問に知事は、「令和3年度内のできる限り早い時期に運用が開始できるよう、具体的な取組を進めていく」と答弁をされた。全国型ドクターヘリの導入に向けた進捗状況と開始時期、そして今後の取組について、知事の見解を伺う。

【知事】

ドクターヘリについてであるが、ドクターヘリは、医師が速やかに、傷病者がいる現場に赴くことができるなど、救急医療の効率的な提供に寄与するものである。

都は、現在、ドクターヘリの導入に向け、搭載する医療資器材の整備や、救急車から患者を引き継ぐランデブーポイントについて数か所現地調査している。

また、今月末を目途に試行で運航し、出動要請からの一連の流れについて運航マニュアルを検証することとしており、着実に取組を進めている。

来年3月のドクターヘリの運航開始に向け、患者搬送訓練やスタッフの研修を繰り返し実施するなど、安全の確保を最優先に取り組んでいく。

教育・こども施策

① 都立高校における一人1台端末導入について

【質問】

知事は所信表明において、「高校段階の一人1台端末に係る保護者負担額を3万円とし、多子世帯にも支援する」と表明された。そこで改めて、一人1台端末導入の意義とその内容を明確にするとともに、低所得世帯への支援策も講じるべきと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

都立高校における一人1台端末導入についてであるが、世界の中で輝く東京、「人」が輝き、誰もが活躍できる東京を実現するため、都政のあらゆる分野で、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を強力に推進している。

教育の分野においても、DXを梃子として教え方や学び方を転換し、子供たちが主体的に学び、他者と協働して新たな価値を創造する力を養っていくことが大切である。

こうした認識のもと、今般、都立高校においては、生徒が学習に不可欠なツールとして、端末を自在に活用していくため、令和4年度入学生から全世帯を対象に、端末購入に係る保護者負担額を定額とする補助制度を創設する。

また、多子世帯の教育費の負担を軽減するため、23歳未満の子供が3人以上いる世帯の保護者負担額の2分の1を支援していく。

さらに、現在の低所得世帯への支援制度を活用し、全ての子供たちが安心して学べるように、工夫していく。

未来を担う子供たちが、将来への希望を持って、自ら学び、自己の可能性を広げることができる教育環境を実現していく。

② チャイルド・デス・レビュー(CDR)について

【質問】

CDRは、18歳以下の子供の全死亡例を対象に詳細な死因究明をし、その結果をデータベースに登録する。実施に当たっては、多職種の専門家や市区町村との連携が重要であり、都として実施体制の整備に向けた検討に着手すべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

チャイルド・デス・レビューについてであるが、チャイルド・デス・レビューは、子供が死亡した後、直接の死因に加え、社会的背景や環境要因等を分析・検証し、効果的な予防対策を提言するものである。

実施に当たっては、死亡診断を行う医療機関をはじめ、福祉、保健、教育、警察など、子供と家族に関わる様々な機関の連携・協力が不可欠である。

また、子供の死という特に配慮を要する情報を取り扱うため、収集する情報の範囲や、入手・管理の方法、検証結果の共有・公表、施設での事故等を検証する既存の制度との関係などについて、あらかじめ整理する必要がある。

今後、都としてどのような体制で取り組むべきか、区市町村や関係機関等の意見も聞きながら検討していく。

③ 放課後等デイサービスについて

【質問】

コア人材の確保や第三者評価の審査、職員の知識・技術の向上を図るとともに、子供や保護者の満足感・安心感を高める事業運営を行うなど、質の向上に取り組む事業所に対して、都独自の支援策を講じるべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

放課後等デイサービスについてであるが、就学中の障害児の居場所である放課後等デイサービスは、児童や保護者のニーズが多様であり、事業所ごとに支援の内容は様々である。

こうした状況も踏まえ、都が本年7月に実施した、放課後等デイサービスの実態調査では、経験のある専門職による多様な訓練や創作活動などのサービスを提供する事業所がある一方で、職歴が短い職員が多い事業所もあることや、第三者評価の受審率が低いことなどが分かった。

今後、この調査結果も踏まえ、サービスの質の向上に取り組む放課後等デイサービスへの、都としての支援策について早急に検討していく。

④ 医療的ケア児支援センターについて

【質問】

東京都医療的ケア児支援センターの設置に向けて、行政と支援者である事業所や相談支援専門員、更には当事者家族を交え、実効性を生み出す議論を開始し深めるべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

医療的ケア児支援センターについてであるが、医療技術の進歩により、医療的ケア児の数は増加傾向にあるとともにニーズも多様化しており、本人とその家族が地域で安心して暮らすには、保健、医療、福祉などの各分野が連携して支援する必要がある。

都は令和3年度、医療的ケア児の支援に関する諸課題への対応や関係機関の連携強化などについて協議するため、各分野の代表などで構成する東京都医療的ケア児支援地域協議会を設置した。

現在、医療的ケア児支援法の制定を受け、専門的支援などを担う医療的ケア児支援センターの機能や役割についても議論を重ねており、今後、多様なニーズを抱える当事者家族などの意見も聴きながら、センターの設置に向けて検討を進めていく。

⑤ 医療的ケア児支援センターの設置について

【質問】

医療的ケア児と御家族の相談に丁寧に対応するために、東西に広く人口が集中する大都市・東京の特性を踏まえ、区部・多摩地域のそれぞれにセンターを設置すべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

医療的ケア児支援センターの設置についてであるが、医療的ケア児とその家族が抱える課題は多岐にわたっており、その支援は専門性が高いことから、個々の相談窓口だけで適切な支援につなげることが難しい場合がある。

このため、センターには、当事者家族からの多様な相談に応じ、的確な支援や助言等を行うとともに、多くの機関にまたがる支援の調整について、中核的な役割を果たすことも求められる。

医療的ケア児支援地域協議会での議論も踏まえ、今後、人口規模や利便性、当事者家族からのニーズなども考慮して、設置数を含めセンターについて検討していく。

⑥ 人材の育成と関係機関の連携について

【質問】

支援に当たる人材の確保・育成と、関係機関との連携体制の構築にも早急に着手していくべきだが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

人材の育成と関係機関の連携についてであるが、都はこれまで、医療的ケア児の支援を担う事業所や行政機関の職員などを対象に、支援に関する基本的な研修に加え、地域での支援を総合的に調整する人材を養成してきた。

また、区市町村が身近な地域で必要な支援を提供するため、地域の関係機関で協議する場を設置してきており、都はこうした取組が進むよう、先行事例を紹介するなど、区市町村を支援している。

今後、医療的ケア児支援センターの設置に当たり、医療的ケア児の支援に関わる人材の確保、育成や、関係機関の連携が更に進むよう検討していく。

⑦ 医療的ケアを行う人材の確保について

【質問】

医療的ケアの根幹を支えているのは看護師だが、コロナ禍の人手不足もあり、十分に確保できていない状況がある。特別支援学校においても看護師確保に一層取り組むとともに、看護師以外にも視野を広げ人材確保に取り組むべきと考えるが、見解を求める。

【教育長】

医療的ケアを行う人材の確保についてであるが、学校が医療的ケア児の増加に適切に対応し、児童・生徒が保護者の付添いなく学校生活を送るためには、看護師をはじめとしたケアを担える人材を早急に確保し、ケアの実施体制の充実を図ることが必要である。

都教育委員会では、これまで校内や専用通学車両内でケアを行う看護師の増員を図るとともに、たんの吸引など、法に基づく研修を修了した学校職員によるケアにも取り組んできた。

今後は、看護師のニーズを踏まえた勤務時間の設定について検討を行うとともに、看護師に加え、介護施設等での医療的ケア経験者を新たに活用することなどを検討し、医療的ケアを行う人材の一層の確保を図っていく。

住宅施策

① 型別供給基準の見直しについて

【質問】

都営住宅に入居を希望される方々に適宜適切に対応するためには、多摩地域では、現在の入居基準の1つである型別供給基準を抜本的に見直すなど、早急に対応すべきであるが、都の見解を伺う。

【住宅政策本部長】

都営住宅の型別供給実施基準についてであるが、都は住宅に困窮する都民への都営住宅の的確な供給を図るため、平成5年度に型別供給実施基準を定め、それに合わせた基準設計により、世帯人数に応じた広さと間取りの住宅を整備してきた。この実施基準と基準設計については、社会経済状況の変化等に応じて、これまでも数回にわたり、見直しを行ってきた。

また、令和2年2月からは、多摩地域での入居者の公募に当たり、応募状況の改善に向けて、住戸あっせん基準の弾力的運用を実施している。

今後、建替事業における居住者移転との整合を保ちつつ、あっせん基準の運用を工夫するとともに、建替事業で整備する住戸について、基準設計の改善と併せて型別供給実施基準の見直しを図っていく。

② 都営住宅の入居者募集のオンライン申請について

【質問】

都は、都営住宅募集オンライン申請の実施に向けて取り組んでいるが、具体的な運用開始時期と、オンラインによる応募の利便性向上及び都民の円滑な利用に向けた都の取組について伺う。

【住宅政策本部長】

都営住宅募集のオンライン申請についてであるが、現在、都では、オンライン申請システムの構築を進めており、今後、運用テストなどを行った後、令和4年2月の毎月募集から運用を開始し、5月以降、定期募集や随時募集においても活用していく予定である。

この申請システムでは、スマートフォンやパソコン等から専用のポータルサイトにアクセスし、世帯人数や最寄り駅等の条件から、希望に合った住宅を検索して申し込めるとともに、抽せん番号や抽せん結果をメールで受け取れるなど、利便性の向上が期待できる。

また、運用開始に当たり、利用案内チラシを募集パンフレットに折り込んで配布するなど広く周知するとともに、新たに専用のコールセンターを設置し、都民が円滑に利用できるようサービスの充実を図っていく。

③ 東京ゼロエミ住宅導入促進事業について

【質問】

ゼロエミ住宅の更なる普及拡大のため、都は今後、来年度に向けた取組も含め、迅速に対応すべきであるが、見解を伺う。

【環境局長】

東京ゼロエミ住宅導入促進事業についてであるが、ゼロエミッション東京の実現に向けては、住宅等建物の脱炭素化を図ることが重要である。

このため都は、住宅用地が狭小など、東京の特性を踏まえ設定した、都独自の基準を満たす住宅を新築する際建築主に費用の一定額を助成しており、毎回、予算額を超える申込みがある。こうした都民の省エネ意識の高まりを更に後押しし、東京ゼロエミ住宅の一層の導入促進を図るため、今般の補正予算案でその総額を拡大する。

また、来年度に向けて、より高いレベルの省エネ性能等を備えた住宅の建築を促進するため、その水準の多段階化などを進め、実効性を高めていく。

こうした取組を通じて、住宅の脱炭素化を加速させ、2030年カーボンハーフを実現していく。

④ 既存住宅の省エネ改修の促進について

【質問】

ゼロエミッションの達成という高い目標を実現するためには、強力な推進策が必要であり、既存住宅を対象に、省エネ改修を支援できる新しい仕組みを構築するべきと考える。住宅政策の観点から、都の見解を伺う。

【住宅政策本部長】

既存住宅の省エネ改修の促進についてであるが、2050年までのゼロエミッション東京の実現に向け家庭部門のCO2排出量を削減していくためには、既存住宅の断熱改修の更なる促進が重要である。

これまで都は、省エネリフォームの効果や優良事例等をまとめたガイドブックによる普及啓発に取り組むとともに、窓などの開口部の断熱改修工事や、マンション共用部における照明のLED化への助成等を行ってきた。

こうした取組を引き続き推進するとともに、壁面や天井などの断熱改修にも支援できる新たな事業の検討を進めている。

今後、自治体と連携した事業の創設を目指している国の検討状況も踏まえながら、施策の具体化を図り、既存住宅の省エネ性能向上に取り組んでいく。

都政運営

① 週休2日モデル工事について

【質問】

都は、国と連携しつつも国任せとはせず、働き手不足の解消につながるような労務単価の割増の目安を導き出すべきであるが、見解を求める。

【財務局長】

公共工事の週休2日の促進についてであるが、建設業の働き方改革を推進していくことは、公共工事の担い手確保に向けた重要な責務と認識している。

都では、工事現場の週休2日の取組を促していくため、平成28年度から週休2日モデル工事を試行しており、必要となる経費として国に準じて労務費を補正し、実態に即した経費を計上することとしている。

モデル工事では、受注者に直接、補正の主旨を説明し、更に作業従事者まで着実に浸透を図るため、労務費の補正を行っていることを明示したポスターを工事現場に掲示している。

今後とも、関係団体の労務単価に関する声を聞きながら試行を継続するとともに、国へ現場の声を伝えるなど意見交換を行い、連携を図っていく。

② 工事関係書類の削減・簡素化について

【質問】

工事関係書類の削減・簡素化に関するこれまでの都の取組の成果と更なる改善の見込みについて見解を求める。

【財務局長】

工事関係書類の削減・簡素化についてであるが、都では、関係局が連携し、令和元年度から工事関係書類の削減等の効果を検証するモデル工事を行った。

あわせて、押印省略が可能となる書類についても検討を進め、財務局では令和3年に基準等を改正し、統一様式32様式のうち11様式と局独自に定める7様式の削減・簡素化を図った。各局でも基準等の改正を行い、統一様式に加え独自に定める延べ36様式の削減等を図った。

このほか、書類の提出や決裁等をネット上で行う情報共有システムを活用する試行工事を進めている。引き続き、各局と連携し監督員の意識向上を図りながら、工事関係書類の削減・簡素化に取り組んでいく。

また、工事現場の働き方改革等につながるカメラの活用方法などについては、今後、検討していく。

③ 建設業の働き方改革について

【質問】

都は、2024年の改正労基法の施行を迎える前に、契約変更の透明性等を担保するルールを自ら確立し、公共工事の適正な履行するため、建設・土木の業界での働き方改革に最大限の注力を図るべきと考えるが、路上工事における見解を伺う。

【建設局長】

建設業の働き方改革についてであるが、若手や女性にとっても魅力的な職場として建設業の働き方改革を推進し、担い手を確保することは重要である。

改正労働基準法により、令和6年度に建設業の時間外労働の上限規制が施行されることから、工事現場における時間外労働の抑制を図ることは急務である。

建設局では、常設作業帯の設置が困難な路上工事の積算について、国の基準が改定されたことに伴い今年10月に基準を改定し、労務費の補正や工期の延伸等について現場条件に合わせて必要な設計変更を行えることとし受注者にもその旨をお知らせしている。また、下水道局は11月、水道局は12月に同様の対応をしている。

今後の運用状況を見つつ、関係団体の声も聴きながら必要な改善を行い建設業の働き方改革の取組を後押ししていく。

④ 国民健康保険について

【質問】

最終的には年明けの1月、国からの確定係数提示後、納付金総額及び標準保険料率が決定され、区市町村へ提示されるが、都として都民の保険料負担を軽減するための対策を早急に検討すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

国民健康保険についてであるが、国民健康保険制度では、都道府県は、1人当たり医療費の伸びや被保険者数等を推計して積算した保険給付の必要総額から、国や都道府県の公費等を差し引いて、区市町村の納付金総額及び標準保険料率を算出することとされている。

今回の仮算定では、1人当たり医療費の大幅な増加や被保険者数の減少等により、1人当たり保険料算定額の伸びが大きくなっている。この算定に当たっては、国の特例基金や都の繰入金等を活用している。

都はこれまでも制度設計者である国に対し、今後の医療費の増加に耐え得る財政基盤の強化を要望しており、引き続き国に求めていく。

⑤ 同性パートナーシップ制度について

【質問】

同性パートナーシップ制度の創設について、当事者や有識者から寄せられた意見を踏まえて検討を加速し、来年度から制度をスタートさせるべきと考えるが、知事の見解を求める。

【知事】

同性パートナーシップ制度についてであるが、都はこれまで、誰もが認め合う共生社会を実現し、東京を、多様性を尊重する都市とするため、人権尊重条例等に基づき、啓発等の推進や、相談体制の充実を図ってきた。

同性パートナーシップ制度の検討に当たっては、支援団体や有識者へのヒアリングを実施し、多くの方々から制度の導入に肯定的な意見が示された。

10月から実施の都民等調査では、約7割の回答者が性的マイノリティの方々への必要な施策として、同性パートナーシップ制度を挙げている。

こうした意見を踏まえ、当事者の方々の、生活上の困りごとの軽減につなげることはもとより、多様な性に関する都民の理解促進の観点から同性パートナーシップ制度の来年度内の導入に向けて今年度、基本的な考え方を示していく。

制度対象者については、性的マイノリティの方々を広く認めて欲しいなど、当事者等からの意見を踏まえ多くの方々が利用できる制度となるよう検討していく。

今後も、有識者等の様々な意見を踏まえ、制度構築に向けて着実に取り組んでいく。

⑥ スポーツを通じた被災地復興支援について

【質問】

スポーツを通じた被災地支援について、震災から10年という節目を迎え、これまでの事業成果を踏まえ、改めて被災地に寄り添いながら、今後もスポーツを通じた被災地支援事業を推進していくべきと考えるが、都の見解を伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

スポーツを通じた被災地支援についてであるが、都は東日本大震災後、スポーツを通じて被災地に元気を届けられるよう、様々な事業を展開し、復興の後押しをしてきた。

具体的には、青森から東京までをたすきで繋ぐ1,000キロ縦断リレーや、野球・サッカー等に取り組む、被災地と東京の子供たちの交流等を継続的に実施してきた。

今年度も、トップアスリートがスポーツ教室で直接指導する「アスリート派遣事業」を、岩手県等で実施し、被災地の子供たちにとって、かけがえのない機会を提供することができた。

今後、これまでの取組の成果や被災県の意向を踏まえながら、被災地と東京の絆を一層深める事業の実施に向け検討していく。

⑦ 被災地応援ツアーについて

【質問】

今年度の被災地応援ツアーの状況とともに、福島県の経済と住民生活の回復に寄与するという役割を果たしていくためにも、感染状況などを踏まえながら、令和4年度も福島県に対する被災地応援ツアーを実施すべきと考えるが、都の見解を伺う。

【産業労働局長】

被災地応援ツアーについてであるが、都は、東日本大震災による被災地復興支援のため、緊急対策の一環として平成23年9月から実施している。

平成24年度からは、観光を取り巻く環境が依然厳しい状況にあった福島県を対象に、宿泊・日帰り旅行の支援を行ってきた。平成28年度からは、県と連携して都内学校の福島への教育旅行に対する支援を開始し、令和元年度からは、県が浜通り地方などの振興に向けて推進するホープツーリズムを対象に加えるなど、被災地の実情に応じた支援を行ってきた。

こうした中、昨年末の新型コロナウイルスの感染拡大により、同事業は、現在、停止している。

今後は、感染症の状況に留意し、福島県の観光を取り巻く状況や現地の要望等も踏まえて支援を検討していく。

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