かまた悦子議員の本会議(6月8日)一般質問

障がい者施策

① 特別支援学校における就労支援について

【質問】

このコロナ禍、障がい者雇用については、各企業の働き方の変化から、これまで従事していた業務が無くなったり、全く別の業務が新たに生まれたりしている。

また、社会のデジタル化の進展に伴い、必要とされる業種も変化することから、障害者雇用についても、社会の変化に対応した対策を検討する必要がある。

特別支援学校の就労支援については、ウイズコロナ社会等、社会の変化に対応していく職業教育に、常に内容を改善していくべきと考えるが教育長の見解を求める。

【教育長】

特別支援学校における就労支援についてであるが、生徒の企業への就労に向け、社会の変化に対応して実習内容を見直し、実践的な知識や技能を習得できるようにすることが大切である。

近年では、新型コロナ対策としての消毒や清掃へのニーズが高まっていることから、清掃技能検定の実施を通じて、清掃業務の実習を充実させてきた。

また、業務報告等にパソコンを用いる企業が多いことから、記録の作成や電子メールによる報告、連絡などの実習を行っている。

今後とも、生徒が就労先において、学校で身に付けた力を発揮して働けるよう、職業教育の内容の改善を図っていく。

② 社会変化を見据えた障害者の就労について

【質問】

今年2月の東京都障害者就労支援協議会では、東京のハローワークにおける令和2年度の障害者の新規求人数が前年度比、約4割減となっている。当協議会でも、コロナ禍や今後の社会変化を見据え、就労先確保の在り方について協議し対策を検討すべき。見解を伺う。

【福祉保健局長】

障害者の就労支援についてであるが、都はこれまで、障害者の就労状況を踏まえ、就労支援と生活支援を一体的に行う区市町村就労支援センターの体制強化や、障害者雇用のノウハウを伝える企業向けセミナーの開催など、障害者の就労機会の確保に取り組んできた。

また、今年度からは、コロナ禍による働き方の変化に対応するため、就労支援事業者を対象に、テレワークを想定した支援方法などを学ぶ研修を開始する。

今後、企業や就労支援事業者等で構成する就労支援協議会において、社会変化も見据えた障害者就労のあり方に関して議論を深め、こうした議論も踏まえながら、多様な働き方に対応した障害者の就労支援を進めていく。

ひきこもり施策

① ひきこもり支援のためのコンタクトパーソンづくりについて

【質問】

私自身も学校で多くの子供や保護者と関わる中、長い期間、生きづらさや孤立感を味わうと、なかなかSOSが出せなくなるということを実感している。

だからこそ、こちらから歩み寄り、当事者やご家族の思いに寄り添いながら、ゆっくりと支援の手を差し伸べていく、仮称コンタクトパーソンの必要性を提唱させていただく。

都は、当事者やその御家族に寄り添い、信頼関係を構築し、様々な支援に結び付けていく、コンタクトパーソンづくりという考え方を、支援策の1つの柱にしていくべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

ひきこもりに係る支援についてであるが、生きづらさを抱える当事者の尊厳を守り、身近な人や地域とのつながりを回復するには、当事者やその家族に寄り添い、信頼関係を構築し、見守り、伴走し続ける地域の理解者や協力者を増やすことが重要である。

都は、ひきこもりは誰にでも起こり得る自分の身を守る反応の1つであることなどについて、都民や関係者等の理解促進を図るため、インターネットや新聞広告、交通広告などを活用して普及啓発している。

今年度は、東京都ひきこもりに係る支援協議会で、より効果的な広報について検討し、充実を図るほか、新たに民生・児童委員向けに研修を実施する。

こうした取組を通じて、当事者やその家族の孤立を防ぎ、支援につなげていく。

② ひきこもりの元当事者等の声を伝える取り組みについて

【質問】

元当事者やその御家族の体験談などを聴くことは、ひきこもりの状態にある当事者やその御家族が失った自己肯定感を取り戻すきっかけになる。当事者やその御家族に、元当事者やその御家族の声を伝える取組が重要と考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

ひきこもりの元当事者等の声を伝える取組についてであるが、支援協議会の提言では、普及啓発や相談体制に、同じ悩みを共有できる元当事者やその家族が関わることで、相談に対する心理的なハードルが下がるとされている。

そのため都は、元当事者等に出演を依頼してドキュメンタリー番組を製作し、東京動画に掲載しているほか、家族会と連携し、ピアオンライン相談を実施している。

今年度は、元当事者等の体験談を盛り込んだパンフレットを作成し、相談機関等に広く配布するとともに、ピアオンライン相談の実施回数を拡充する。

こうした取組を通じて、元当事者やその家族の声を広く伝え、継続的な支援につなげていく。

③ 学校や地域から離れてしまった子供とつながっていく仕組みについて

【質問】

学校や社会の中で生きづらさを抱える不登校の当事者やご家族を早期に支援するため、いつでも安心して相談できる、第三者の存在は重要である。

例えば、地域のボランティアの方や教員退職者、また、保育ママ登録者の方々等に、地域の子供やそのご家族の担任になっていただき、進路や就職や人間関係等で悩んだ時に、相談できる第三者として、活躍していただく社会にしていく必要があると考える。

社会全体で子供を育み、チルドレンファーストを実現していくためにも、学校や地域から離れてしまった子供ともつながっていく仕組みを構築すべきだと考えるが、知事の見解を伺う。

【知事】

子供政策についてであるが、誰一人取り残さない包摂的な社会を実現する上で鍵となるのは人と人との「つながり」である。様々な困難を抱える子供に寄り添いながら、子供と地域・学校等との多様なつながりを創出していくことが重要である。

このため、子供政策総合推進本部のもとに立ち上げた推進チームでは、つながりという視点を重視して新たな施策や支援の枠組みを構築していく。

今後、幅広い分野の有識者へのヒアリングや、国内外の先進事例調査等に取り組みながら、教育や福祉といった多様な人材が活躍できるプラットフォームづくりを推進し、子供と学校・地域等とのつながりを創出していく。

④ 就労に困難を抱える方への支援について

【質問】

しごとセンターにある専門サポートコーナーは、ひきこもり傾向にある方や障害者手帳が無い方などを含め、様々な状況に応じたサポートを推進してるが、令和3年度に支援した方は、137名にとどまっている。

専門サポートコーナーのさらなる周知をするとともに、多くの支援希望者をサポートできる体制の強化が必要であると考えるが、都の見解を伺う。

【産業労働局長】

就労に困難を抱える方への支援についてであるが、様々な事情により就労に困難を抱える方について、コロナ禍の長期化で雇用環境が厳しさを増す中、より一層の支援を行うことが必要である。

このため都は、就職に関する専門知識を持つキャリアカウンセラーや臨床心理士などのチームによる相談対応を行っている。今年度は体制の拡充を図り、一人ひとりの状況や希望を踏まえたよりきめ細かな支援を行う。

これらの取組について、これまでのSNSや求人情報誌による広報に加え、今後はウェブ広告を活用した発信や福祉施設でのPRなどにより周知の強化を図る。

こうした対応により、就労に困難を抱える方の支援を着実に進めていく。

健康施策

① 生理で登校できない都立高校生への相談体制について

【質問】

生徒が生理による体調不良がある場合でも、例えば、ヘルス休暇など、安心して学校を休んだり、校内で安心して相談できたりする体制づくりを、都立高校から進めるべきだと考えるが教育長の見解を求める。

【教育長】

生理で登校できない都立高校生への相談体制だが、体調不良の生徒が相談しやすい環境を整え、各学校が個々の生徒の状態に応じて適切に対応することが必要である。

これまで、都教育委員会は、校長連絡会等で、体調不良等で欠席した生徒の単位や進級・卒業の認定を行うに当たっては、校内規程を柔軟に運用することなどについて周知してきた。また、生徒の体調不良等に関する相談には、養護教諭などが対応している。

今後とも、体調不良などのやむを得ない理由で欠席した生徒に対しては、相談を受けた養護教諭等と連携して対応するよう、管理職や教科主任等に周知していく。

② 帯状疱疹について

【質問】

帯状疱疹は、多くの方が子供のころにかかる「水ぼうそう」のウイルスが原因で発症し、50歳代から発症率が増え、80歳までの3人に1人がかかると推定されている。

そこで、ワクチン接種の助成を実施する区市町村への支援について検討を進めるとともに、帯状疱疹の予防や治療に関する情報を必要な方に周知する体制を整えるべき。見解を伺う。

【福祉保健局健康危機管理担当局長】

帯状疱疹についてであるが、国立感染症研究所の報告によれば、成人の9割以上が帯状疱疹の原因となる水痘帯状疱疹ウイルスの抗体を保有しており、免疫低下や加齢に伴い、誰もが発症する可能性があることから、都民に帯状疱疹についての正しい理解を広げることが重要である。

このため都は、適切な予防と治療がなされるよう、発症の原因や症状、予防方法や抗ウイルス薬による治療などの情報を、ホームページで分かりやすく発信していく。

また、ワクチン接種については、国の厚生科学審議会において、期待される効果や対象年齢に関する検討が引き続き必要とされていることから、この検討を加速するよう国に働きかけるなど、適切に対応していく。

まちづくり施策

① 連続立体交差事業の推進について

【質問】

昨年12月、大山駅の連続立体化事業が認可されたが、東武東上本線(大山駅付近)連続立体交差事業の今後の取組について伺う。

【東京都技監】

東武東上本線大山駅付近の連続立体交差事業についてであるが、本事業は、鉄道を高架化し、8か所の踏切を除却することで、道路ネットワークの形成を促進し、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業であり、昨年12月に事業認可を取得した。

本年夏には、用地補償説明会を開催し、積極的に用地取得を進めていく。

引き続き、地元区や鉄道事業者と連携し、令和12年度の完成に向けて、事業を着実に推進していく。

② 都営三田線の段差・隙間対策について

【質問】

都営三田線のラッシュ時の混雑が大きな課題であり、三田線の8両化の署名活動や都議会公明党による議会質問が後押しとなり、遂に本年5月、8両編成の車両運行が開始された。

しかし現在、三田線は8両と6両の車両が混在しており、車いすをご利用の方が乗車しやすいよう、車いすスペースのある位置に合わせて、ホームにスロープを設置してあっても、8両編成に乗車すると、駅によっては、乗った場所と同じところにスロープが無い場合がある。

8両編成と6両編成、どちらに乗車しても、車いすをご利用の方が安心して乗り降りできるよう、段差すきま対策を進める必要があると考えるが、今後の取組について見解を伺う。

【交通局長】

都営三田線の段差・隙間対策についてであるが、三田線では、車椅子をご利用のお客様が乗り降りしやすいよう、6両編成の車椅子スペースの位置に合わせてホームに固定式スロープを設置している。

8両編成の運行開始に伴い、新たに車椅子スペースの乗降口となる箇所には、今後、固定式スロープを整備する。またホームと車両との隙間が広い箇所には、隙間を縮小するための部材であるくし状ゴムを設置する。

今年度工事に着手し、令和6年度までに順次整備を進めていくとともに、駅係員がお客様に声かけをしながら、ご要望に応じて、乗り降りの際に介助を行うなど、きめ細かく対応していく。

今後とも、お客様に安心してご利用いただけるよう、段差・隙間対策を推進していく。

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