古城まさお議員の予算特別委員会(3月9日)総括質疑

都政の重要課題

① 予算案に込めた思いについて

【質問】

未来を担う若者を含め、誰もが活躍できる社会を構築するため、また、東京をより魅力的な街へと進化させるため、令和4年度予算に込めた思いについて知事の答弁を求める。

【知事】

東京の持続的な成長の原動力は「人」であり、誰もが希望に応じた生き方を選択し、自分らしく活躍できる社会をいち早く実現していかなければならない。

また、東京の成長につながるビジネスや生活の基盤を整備するなど、世界の人々を惹き付ける都市へと更に進化していくことが重要である。

こうした思いから、令和4年度予算では、若者や女性など、多様なニーズに応じた雇用対策・就業支援を充実するとともに、新宿などの都心エリアや、臨海部での国際競争力を備えた魅力的なまちづくりなど、東京の活性化に向けて、様々な施策を展開している。

こうした取組を着実に前へと進めることで、全ての人々が輝ける社会を形成するとともに、東京の魅力を更に高め、新型コロナを乗り越えた先のサステナブル・リカバリーの実現につなげていく。

② 区市町村における自殺対策の強化について

【質問】

SNS自殺相談がその本来の目的を一層発揮するためにも、区市町村における自殺対策の強化に向けて、都として支援すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

都は、東京都地域自殺対策推進センターを設置し、区市町村職員等が、自殺未遂者への基本的な対応を学ぶ研修などを実施するほか、区市町村連絡会で自殺対策の先進事例等を提供している。

今後、区市町村が悩みを抱える方を継続的に支援する体制を更に強化できるよう、地域の関係機関が連携して相談者に対応するための具体的な手法や、連携先となる地域資源の開拓方法などのノウハウを、連絡会等を通じて提供する。

こうした取組により、区市町村における自殺対策が一層進むよう支援していく。

③ 教育相談体制の充実について

【質問】

SNS教育相談については、これまでの知見を活かし、相談時間の延長を継続するとともに、昨年の一般質問で求めたIT技術を活用した心をケアする仕組みも含めて、子どもたちがより相談しやすい体制を整備すべきである。都教育委員会の見解を求める。

【教育長】

子供の様々な不安や悩みの解消に向け、SNS相談を充実するため、都教育委員会は、今年度、相談の受付時間を、子供のニーズに応じて8時間に延長してきた。

来年度も引き続き受付時間の延長を継続する。また、これまでLINEを通して行っていた相談について、より多くの子供たちが相談できるようにするため、LINEをインストールしていないスマートフォンや、GIGAスクール構想で配備した端末などからもアクセスできるようにして、利便性の向上を図る。

さらに、現在都立高校向けに開発している、教員が生徒の心の不調を把握するアンケートシステムと連携し、相談ニーズのある生徒にSNS相談窓口を案内することで、生徒の相談を促していく。

④ ネットトラブルの相談窓口「こたエール」について

【質問】

青少年のネットトラブルの早期解決のためには、周囲に相談できる環境が不可欠であり、都の相談窓口「こたエール」の役割が益々重要となっている。「こたエール」が青少年にとって身近な存在となるべく、更に活用を促していくべきと考えるが、見解を伺う。

【都民安全推進本部長】

インターネットの利用が拡大する中、青少年はSNS上の誹謗中傷や自画撮り被害など、様々なトラブルに直面している。

これまで都は、全ての学校に配布する啓発リーフレットや啓発講座などの中で「こたエール」を周知するとともに、電話、メールに加え、LINEでの相談を実施してきた。

来年度は新たに、「こたエール」の利用を一層促進するため、青少年に直接Web広告を配信し、一人で悩みを抱え込まずに相談できるようアプローチしていく。

こうした取組を通じて、青少年がネットトラブルを相談しやすい環境の整備を推進していく。

⑤ 若者総合相談センター「若ナビα」について

【質問】

若者の不安や悩みが一層深刻化している中、若者のニーズに対応し、より利用しやすい相談環境の整備を進めるべきと考えるが、見解を伺う。

【都民安全推進本部長】

東京都若者総合相談センター「若ナビα」では、これまでも、LINE相談やオンライン面接相談の導入など、若者になじみのあるツールを活用し、相談方法を拡充してきた。

来年度は、LINEと電話の相談時間について、若者が利用しやすい夜間の23時まで延長する。

また、「若ナビα」をより多くの若者に知ってもらうため、新たにLINE広告を実施するなどSNSを活用した広報を強化する。

こうした取組により、若者が利用しやすい環境整備を一層推進していく。

⑥ 困難を抱える若者への支援について

【質問】

様々な困難を抱える若者に対して、寄り添い、一歩を踏み出せるような支援が必要であると考えるが、見解を伺う。

【都民安全推進本部長】

孤独や悩みを抱える若者が、将来に対し前を向けるよう支援することは重要である。

そこで、都は来年度新たに、このような若者をオンラインイベントや情報発信により支援する「若者応援プロジェクト」を実施する。

オンラインイベントでは、著名人と若者が語り合う場や参加者同士の交流の場など一方的な発信ではなく、双方向でのやりとりができるよう工夫をする。

また、情報発信では、公式ホームページやWeb広告により、行政等の支援内容についても積極的に発信する。

こうした取組により、次代を担う東京の若者たちが他者とのつながりを実感し、希望を持って明るく前向きになれる機会を提供していく。

雇用

① 就職氷河期世代について

【質問】

来年度は、事業の一層の充実を図り、非正規で働く就職氷河期世代などのキャリア形成に向けた支援を強化すべきと考えるが、都の見解を伺う。

【産業労働局長】

都は、非正規で働く就職氷河期世代の方の安定した就労を支援するため、資格の取得やデジタルスキルの習得をサポートするeラーニング訓練と、職業紹介などを一体的に行う事業を実施している。

来年度は、この事業規模を300人から1,000人に大幅に拡充し、しごとセンターの「就職氷河期世代特別支援窓口」の利用者などに紹介する。

また、このeラーニング訓練を、現在の6コースから10コースに拡充することで、再就職の促進を図る。

こうした取組により、就職氷河期世代など非正規で働く方の安定した雇用を実現していく。

② 就職氷河期世代の都職員採用について

【質問】

就職氷河期世代を対象とする都職員採用においては、今年度も1,700名を超える申込みがあったと聞いている。引き続き、期間を限定することなく、就職氷河期世代の安定的な就労を支援する取組を行うべきと考える。今年度の実績とともに、都の見解を伺う。

【総務局長】

就職氷河期世代を対象とした常勤職員の採用については、都職員の年齢構成や退職動向等を踏まえ採用予定者数を決定し、今年度は、大学卒業程度の区分で11名、高校卒業程度の区分で12名、計23名を合格とした。来年度も、それぞれの試験区分で採用予定者数を10名とすることを先月公表した。

また、非常勤職員の採用については、採用後、就労経験を積むとともに、資格取得などを通じて、民間企業等への正規雇用での就労を目指す取組として、選考を実施しており、今年度、11名が合格した。来年度も10名程度の採用を予定しており、現在、選考手続を進めている。

令和6年度以降における採用の取扱いについては、今後、就職氷河期世代を取り巻く状況や国・他自治体の動向を注視しつつ、適切に対応していく。

スポーツ

① パラスポーツの普及促進について

【質問】

東京レガシーハーフマラソンにおいては、障害者の参加割合15パーセントを目指すなど、障害者に配慮して大会を運営すべきと考えるが、見解を伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

都は、東京2020大会のパラリンピックマラソンコースを活用した東京レガシーハーフマラソンを、東京マラソン財団とともに、令和4年秋に創設する。

経験の少ない方でも参加しやすいハーフマラソンの特性を活かし、障害のある多くの方にも参加いただけるよう、障害者の参加枠を、10パーセント確保している。これについては、他の大会の例を見ても、非常に高い水準であり、多くの方に挑戦いただきたいと考えている。

今後の大会運営に当たっては、障害者に配慮した更衣スペースの設置やサポートスタッフの配置など東京マラソンでの経験も踏まえ、障害のある方が安心して参加いただける大会となるよう、早期に検討を重ねていく。

② パラスポーツの普及促進について

【質問】

東京レガシーハーフマラソンでは、パラアスリートについて、順位とは別に、記録更新の結果や努力を顕彰するなど、パラスポーツの発展に繋げる取組を行うべきと考えるが、見解を伺う。

【オリンピック・パラリンピック準備局長】

障害者スポーツにおいては、障害の程度が異なるクラスの選手が一緒に競技を行う場合があり、障害の程度が重い選手が、順位とは別に特筆すべき成果を収める例もある。

例えば、東京2020大会のパラリンピックマラソンでは、視覚障害のクラスで、全盲の選手が、弱視の選手と一緒に出場し、順位としては3位だったが全盲のクラスとしては世界記録を樹立するなど活躍された。

東京レガシーハーフマラソンでは、このような選手の活躍にも光が当たるような情報を発信するなど、パラスポーツの理解促進につながる取組について、主催者の東京マラソン財団とともに検討していく。

都市の整備

① 下水を貯留するための施設整備の取組状況について

【質問】

外濠に流入する雨の降り始めの特に汚れた下水を貯留するための施設整備の取組状況について伺う。

【下水道局長】

下水道局では、雨天時に合流式下水道から放流される汚濁負荷量を削減するため、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備など、合流式下水道の改善に取り組んでいる。

外濠の流域では、1万6,600立方メートルに及ぶ貯留施設の整備を進めており、そのうち1,800立方メートルを平成26年度に稼働させ、残りの1万4,800立方メートルについては、外堀通りの地下約50メートルの深さに、貯留管本体の整備を昨年度に完了している。

昨年8月には、降雨初期に外濠へ放流されている下水を、この貯留管へ取り込む工事を契約しており、令和5年度末の貯留開始に向けて、施設整備を推進していく。

② 外濠の水質改善について

【質問】

今年度実施した暫定対策の効果と、新年度の取組について見解を伺う。

【建設局長】

外濠については、水質改善を進め、国の指定史跡にふさわしい良好な環境としていくことが重要である。

このため、アオコに対する暫定対策として、水質改善処理剤の散布などを実施している。

これにより今年度は、東京2020大会開催時において、新見付濠でアオコの濃度が大会前の2分の1程度に低下したほか、市ヶ谷濠や牛込濠でも発生抑制の効果を確認した。

令和4年度は、地元の千代田区と連携し、処理剤の散布や効果の検証を行うなど、引き続き外濠の水質改善に取り組んでいく。

③ 清流復活事業の知見等を踏まえた関係局の連携について

【質問】

ステップ1に「下水再生水の供給余力を活用して導水」することが示されているが、清流復活事業と共通することから、これまでの知見や経験を踏まえて関係局と連携するべきだが、見解を求める。

【環境局長】

野火止用水、玉川・千川上水清流復活事業は、関係局と協力し、多摩川上流水再生センターの処理水の一部を砂ろ過及びオゾン滅菌により高度処理した下水再生水として放流し、水辺環境を回復する事業である。

多摩川上流水再生センターから小平監視所まで導水した後、玉川上水へ放流し、中流部の中の橋まで再生水を流している部分が、外濠浄化プロジェクトの導水ルートの一部と共通している。

清流復活事業では、例えば降雨時の氾濫などの危険が想定される際にも、地元等関係者の理解を得ながら安全を確保した事業運営を行ってきており、こうした経験を外濠浄化プロジェクトにおいても活かすことができる。

今後も、外濠浄化プロジェクトについて、これまでの知見や経験を踏まえて関係局と連携し取り組んでいく。

④ 外濠浄化に向けた導水に必要な施設整備について

【質問】

ステップ2では、「荒川の河川水を活用し、ステップ1と合わせ浄化に必要な量を導水」するに当たり、都議会公明党は工業用水道事業廃止後の施設活用を提案している。導水に必要な施設整備について見解を求める。

【水道局長】

水道局では、関係5局による庁内検討会で決定した役割分担により、玉川上水の下流部とともに、荒川の河川水を活用する区間の施設整備を担当している。

この役割分担に基づき、今年度は、外濠の水質浄化に向けた荒川からの導水に必要な施設整備について、既存施設の活用や、新たに整備が必要な施設に関する調査検討を実施している。

令和4年度は、このうち一部の区間の施設整備について、更に検討を進めることとしている。

⑤ 人々が憩う外濠の水辺再生について

【質問】

これまで検討を進めてきた導水に向けた詳細調査や基本計画を基に、人々が憩う外濠の水辺再生を着実に進めていくべきだが、見解を伺う。

【東京都技監】

外濠への導水に向けて、これまで都は、関係局が役割分担し、新たな導水路整備等に関する詳細調査や様々な検討を行ってきており、年度内に基本計画を取りまとめる予定である。

令和4年度は、施設の基本設計に着手するとともに、多摩川からの通水の可能性の展望に向けた、玉川上水の構造物健全度調査等を引き続き行う予定である。さらに将来にわたり「水と緑の空間」を残していくため、外濠や玉川上水などにおいて、水辺環境の大切さを学ぶ、子供向け勉強会等を新たに予定している。

外濠を中心とした魅力あるまちづくりへとつなげられるよう、引き続き、都市整備局が中心となって、関係局とともに、国や地元区とも連携し、人々が憩う外濠の水辺再生を着実に進めていく。

⑥ 淀橋市場の機能強化について

【質問】

より効率的な市場運営を実現することで、淀橋市場が、新たな都市型市場のモデルとなるように機能強化を進めるべきと考えるが、都の見解を伺う。

【中央卸売市場長】

淀橋市場は、新宿をはじめとする区部西部の青果物流通において重要な役割を担っており、今般、とりまとめた経営計画案では、供給拠点型市場として、小売店等の実需者ニーズに対応する機能を維持強化していくこととしている。

また、昭和14年の営業開始以来、適宜、施設整備を行ってきたが、現在、築50年を経過する古い建物を有するなど老朽化対応が必要となっていることに加え、狭隘化という都心部に立地する市場ならではの課題を抱えている。

これらの課題を解決し、より円滑な市場運営を実現していくため、拡張整備事業を進めており、本事業を契機として、自動搬送技術などを活用した場内物流の効率化を図ることとしている。今後、来年度実施する基本設計を通じて、具体化を図っていく。

⑦ 淀橋市場の社会的役割等について

【質問】

住宅地に隣接し、近隣住民との距離が近い淀橋市場であるからこそ、地域に根ざして、社会的役割を積極的に果たしていくとともに、地域に誇るべき市場となるよう魅力を高めていくべきと考えるが、都の見解を伺う。

【中央卸売市場長】

淀橋市場は、都市部に立地する特性を活かし、帰宅困難者の一時滞在施設に指定されるとともに、災害時に都と市場業者との協定に基づき、生鮮品の調達に協力するなど、地域防災に資する役割を担っている。来年度は、拡張整備事業に合わせ、BCPの見直しに着手する。

また、市場の業界団体である「新宿淀橋市場協会」が地元の青果店と連携して旬の野菜や果物を販売するイベントを開催しているほか、地元の小学生を対象とした社会科見学の受入れなどに積極的に取り組んでおり、これらを地域の方々に幅広く発信するなど、更なる市場の魅力の向上に努めていく。

こうした取組を通じて、新宿に立地する淀橋市場が、地域の方々への貢献という社会的役割を着実に果たしていく。

⑧ 新宿区画整理事業の取組について

【質問】

新宿の再編に当たっては、長期に及ぶ工事期間中においても、誰もが駅や駅前広場をわかりやすく利用しやすいように整備を進めるべきと考える。いよいよ土地区画整理事業の工事が始まるとのことだが、来年度の取組予定と今後のスケジュールについて、伺う。

【東京都技監】

新宿駅周辺では、誰もが利用しやすい機能的なターミナルへの再編を目指し、土地区画整理事業により整備していく。

今年度末から西口駅前広場の工事を開始し、来年度は線路上空の東西デッキ等の設計を行っていく。

駅ビル建替工事等とあわせて整備を進め、2035年度には、東西デッキと東西駅前広場を一部完成させるなど、鉄道上空の新たな往来を確保していく予定である。

⑨ 国家戦略特区の活用について

【質問】

国家戦略特区を活用したまちづくりについて、制度の特長や新宿駅周辺での活用状況を伺う。

【東京都技監】

国家戦略特区は、都市再生を推進するため、国や都、区などの関係者が、一堂に会した会議で協議することで都市計画等の決定手続をワンストップ化し迅速化を図るほか、税制支援などを行う制度である。

新宿駅周辺の活用状況としては、新宿住友ビルで交流を促す広大なアトリウムが整備されたほか、歌舞伎町一丁目地区では劇場と一体となったにぎわいのある広場整備などが、新宿駅の西口地区では、小田急の駅ビル建替えなどが、それぞれ進んでいる。

さらに、新宿駅西南口でも京王・JR東日本の駅ビルの建替えに活用を予定している。

⑩ 都市再生特別地区の活用について

【質問】

新宿駅周辺では国家戦略特区を積極的に活用していることがわかった。このうち、新宿駅西口地区はグランドターミナルの一体的な再編の先駆けとなるプロジェクトとして都市再生特区を決定したものだが、当地区で都市再生特区を活用する意義について改めて伺う。

【東京都技監】

複数の鉄道路線が乗り入れる新宿駅周辺では、拡張の過程で駅施設などが、十分な整合性が図られずに継ぎ足されてきた結果、複雑な歩行者動線や、段差によるバリアなど様々な課題もあることから、都は、人中心のまちへと作り変えることとしている。

民間の創意と工夫を引き出して、これらの課題を解決できるよう、地域貢献を幅広く容積緩和の評価対象にすることができる都市再生特別地区を活用し、当地域のまちづくりを推進している。

例えば西口地区では、駅ビルの建替えの機会を捉え、都市再生特区により、快適な歩行者空間を創出するための広場の整備や、小田急線改札の新設とあわせたバリアフリーにも配慮した地上・地下歩行者通路の整備などが可能となる。

⑪ 新宿駅周辺事業に関する情報提供について

【質問】

新宿駅周辺が変わっていく絵姿を示し、都民に対して安全や利便性に配慮した歩行者動線の確保や事業のPRなどの情報を伝えていく必要があると考えるが今後の都の取組について伺う。

【東京都技監】

新宿駅は乗降客が多く、長期間にわたり複数の事業が段階的に進むことから、官民が連携し、駅利用者へ事業等に関する情報発信を適切に行っていくことが重要である。

そこで、新宿区や民間事業者と連携し、事業が始まることを周知する動画を電車内や駅で放映するなど、昨年秋からまちづくりの機運を高める取組を行っている。

今後、工事の進捗に応じて位置等が変動する暫定的な歩行者通路については、民間事業者と共にホームページやSNS等を活用し分かりやすい情報提供を行っていく。

さらに、本年2月に立ち上げたエリアマネジメントに関する検討部会を通じて、関係者との連携を一層強化し事業の進捗状況に応じた効果的な情報発信を行い、まち全体の変わりゆく姿を示していく。

⑫ 新宿全体のまちづくりについて

【質問】

新宿グランドターミナルの再編を契機として、駅の東西の一体的な活用を図り、現在、都が検討を進めている西新宿地区の再編も含め、新宿全体のまちづくりを進めるべきだと考えるが、見解を伺う。

【東京都技監】

西新宿地区では、副都心建設から半世紀経過し、人中心の空間への改造が求められていることから、都は地元協議会等と共に地区の再整備を検討している。道路と街区間の段差を解消するバリアフリー動線の確保や、新たなにぎわいとビジネスを生み出す交流機能の導入、先端技術も活用した次世代モビリティの実装等について議論しており、来年度、再整備方針を策定する予定である。

東口地区では、百貨店や老舗等から成る国内有数の商業集積地の特性を踏まえ、都が策定した街並み再生方針に基づき、地元関係者が、国際集客都市の形成や、歩行者優先で回遊性の高いまちづくりなどに取り組んでいる。

こうした異なる個性を生かしたまちづくりを進め、新宿グランドターミナルへの再編を契機として、地域全体をつなぎ、質の高い国際交流拠点を目指していく。

⑬ 世界をリードする西新宿モデルの確立について

【質問】

西新宿モデルに参画したスタートアップが持つデジタルの力を活用して、ここから世界をリードする新しいサービスを生み出していく、賑やかで楽しく、勢いのある西新宿にすべきと考えるが宮坂副知事の見解を伺う。

【宮坂副知事】

西新宿では、先行して整備した5Gネットワークを活用して、自動配送ロボットなどスタートアップによる最先端技術の実装を集中的に支援している。

一方、世界では、VR、ARや現在話題を集めている空飛ぶクルマ、メタバースなど新たな技術が光のスピードで次々と生まれ、都市への導入が始まろうとしている。

しかし、こうした技術はあくまでもツールであり、まずは、地域住民や働く人、幅広い世代の声をデジタル技術も活用して傾聴、対話することで、地域のニーズを知ることから始めることが大事である。

私は西新宿を、そこから見出されたニーズに合った新しい技術を持つスタートアップなどの挑戦者が活躍できる街にしていきたい。

来年度は、地域の企業や大学とコンソーシアムを立ち上げるとともに、住民の方々との交流を深め、地域ぐるみで新たなことにチャレンジする土壌を作り上げていく。

こうした取組により、住民が愛着と誇りを持ち、世界から注目される「西新宿モデル」を確立していく。

がん医療

① 医学物理士の確保・育成の実績について

【質問】

都立病院における、これまでの医学物理士の確保・育成の取組について、説明を求める。

【病院経営本部長】医学物理士は、高精度放射線治療の治療計画の立案や検証、管理を行うスタッフであり、放射線治療の安全性や治療成績の向上に重要な役割を担っている。

平成24年度に2名を配置して以降、高齢化に伴う放射線治療の適用患者の増加などが進む中、その必要性に応じて採用等による人材確保を進め、本年1月現在、6名を配置している。

また、都立病院では職員に対する資格取得等の支援を行っており、平成30年度からは、診療放射線技師を対象に医学物理士の資格取得支援を開始し、取得に要する費用や服務上の支援制度を整えた。

こうした支援を活用し、これまでに3名が医学物理士の資格を取得した。

② 医学物理士の確保・育成への今後の取組について

【質問】

今後も医学物理士の確保・育成に取り組むべきと考えるが、見解を求める。

【病院経営本部長】

放射線治療のさらなる高度化が見込まれる中、医学物理士の果たす役割は一層重要になると認識している。

独法化後は、医学物理士を新たな職として位置付け処遇するとともに、年度途中に欠員が生じた場合でも、機動的に人材を確保していく。

また、医学物理士の資格取得に向けた支援についても、引き続き実施していく。

こうした取組により、独法化のメリットも十分生かしながら、新たな都立病院で、高度な専門職である医学物理士を適切に確保・育成していく。

難聴児支援

① 新生児聴覚検査の公費負担制度の成果について

【質問】

平成31年4月から、都内全域の区市町村で新生児聴覚検査の公費負担制度を開始したが、都外での里帰り出産等も含め、その成果について、伺う。

【福祉保健局長】

新生児聴覚検査は、平成31年度から、都内で出産した場合は共通受診券により、また、里帰り出産など、都外の場合は償還払いにより、3千円を公費で負担する体制を取っている。

都は、検査可能な医療機関のリストをホームページに掲載するほか、区市町村や医療機関等の関係機関向けに、検査の流れや関係機関の役割などを示した実務の手引きを作成し、配布している。

検査の受診率は、制度導入以前の平成30年度の92.8パーセントから、令和2年度は98.8パーセントと上昇している。

② 難聴児への支援について

【質問】

難聴児とその家族の支援には、言語聴覚士などの専門職の支援が重要である。新生児聴覚検査実施後の体制整備が必要だが、見解を伺う。

【福祉保健局長】

難聴児を早期に発見し、療育や教育など、切れ目のない支援につなげるには、保健、医療、福祉、教育の関係機関の連携が必要である。

都は来年度、医師、言語聴覚士のほか、療育施設や教育機関の関係者などで構成する協議会を設置し、検査から診断、治療、療育、教育に至るまでの連携に向けた課題や情報を共有する。

また、協議会では、難聴児と保護者に対する相談対応や情報提供などを担う都の中核的機能の在り方のほか、地域の支援関係者に対する研修などの難聴児支援の方策について検討を進めていく。

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