まつば多美子議員の本会議(12月12日)代表質問

消費を喚起するポイント還元事業の取り組み

【質問】

都は我が党の緊急要望を受け、医療施設や保育所、高齢者・障がい者施設などの光熱費高騰分の支援やLPガスを利用する方々への支援、また、消費を喚起するポイント還元事業などを今回の補正予算に盛り込んだことを評価する。

ポイント還元事業については、早急な事業の実施と効果的な予算執行によって、措置した経費がしっかり都民や事業者に行き渡るため、身近な地域の店舗で利用が進む取組とともに、積極的な周知を行い、円滑な利用ができるよう丁寧なサポートをすべきであるが、知事の見解を伺う。

【知事】

暮らし向きの向上への支援についてであるが、日々の暮らしで買い求める品物の価格は、原材料価格の高騰や円安などにより上昇が続き、都民の家計は、これまでになく厳しさを増している。

安心して日用品を購入しサービスを受ける新たな支援を速やかに行い、商業活動の下支えにも結び付ける取組は不可欠だ。

日常の買い物などで、QRコードによる決済を行った場合、支払いの10パーセントを、1人当たり3,000円相当迄のポイントで還元する取組を国の交付金を活用して開始する。

都民の消費の力を底上げし、普段から訪れる店舗での利用を増やすため、サポート内容に関し、地域の方に確実に伝えるPRを店先で進めるほか、コールセンターによるきめ細かい案内を行う。

これらにより、都民の生活を守り、安心して暮らせる東京をつくり上げていく。

子育て・若者・教育施策

① 所得制限撤廃で授業料を納付しない仕組みについて

【質問】

都議会公明党は、高校授業料の公私間格差の解消に取組むべきと提案し、以後、2017年度には年収760万円未満まで、2020年度には年収910万円未満まで授業料の実質無償化を拡充してきた。また、都立・私立高校授業料の所得制限がない実質無償化は、我が党が毎定例会ごとに一貫して提案してきたものであり、高く評価する。高校授業料の実質無償化は、知事が、スピード感をもってと述べられている通り、都立大学も含め、令和6年4月から実施すべきである。今回の所得制限の撤廃により、当初より平均授業料までは納付しない仕組みに改めるべきである。併せて知事の見解を伺う。

【知事】

授業料の負担軽減についてであるが、教育は、子供の健全な育ちを支える重要な基盤であり、教育費の家計負担の軽減は、本来、国が責任を持って行うべきものである。

そのため、国に対し、緊急要望を行った。同時に、都が独自で為し得る対策として、国に先行して、都立・私立高校の授業料実質無償化に踏み出す。

今後、ワイズスペンディングの視点を持って、令和6年度予算編成の中で具体化を図るとともに、区市町村や関係機関と丁寧に調整しながら進めていく。

都立大学の授業料については、予算編成の中で検討していく。なお、都としては、私立学校の授業料負担軽減補助金について、令和5年度より手続の電子化等により支給の早期化を実施することで、生徒保護者の負担軽減を図っている。

授業料の納付の仕組みについては、関係者との調整等整理すべき課題があると考えている。スピード感を持って子育て世帯をサポートし、将来にわたって安心して子育てできる社会を創り上げていく。

② 区市町村の小中学校における給食費無償化支援について

【質問】

区市町村の小中学校の給食費の無償化については、都立・私立高校授業料の実質無償化と同様に令和6年4月から実施するとともに、区市町村に対しては最低でも2分の1の助成を実施すべきである。知事の見解を伺う。

【知事】

学校給食費についてであるが、今日、子育て世帯は、将来への不安などから様々な悩みを抱えている。

なかでも、学校給食費は大きな負担となっており、その無償化については、国の責任と財源において実現していくべきものである。この考えから、今般、国に対し、強く働きかけたところである。

同時に、都として、国に先行し、学校給食費に関し、都立学校の負担軽減とともに、負担軽減に取り組む区市町村に対する支援について、実施に踏み出すこととした。

現在、要保護世帯の給食費の免除に対しては、国がその2分の1を負担している。こういった事も参考に、今後、予算編成の中で具体的に検討を行っていく。

③ 各局連携の若者施策プロジェクトチームについて

【質問】

若者施策については、若者の居場所づくりや住宅支援、就労支援、医療福祉支援など、全庁一丸となって取組を進める必要がある。各局連携のプロジェクトチームを立ち上げ、施策展開をすべきと考えるが、見解を伺う。

【政策企画局長】

若者に対する施策の展開についてであるが、時代が加速度的に変化し、社会情勢が混迷を極める中、将来を担う若者とともに、未来の東京を作り上げることが重要である。

そのため、施策の立案に当たっては、若者の意見を取り入れる取組なども行っているほか、とりわけ困難を抱える若者に対しては、学業や就職、犯罪被害など、検討課題が多岐にわたることから、局横断で検討し、相談体制の充実や居場所づくりなど様々な支援を講じている。

今後は、こうした若者に対する支援など、都が直面する政策課題に対し、更なるスピード感を持って対応するため、政策企画局が中心となり、庁内横串を刺して各局横断で施策の強化を図っていく。

④ 子ども・若者が安心できる夜の居場所について

【質問】

自宅に居場所がない、自宅にいても一人で孤独であるなど、居場所を必要としている若者が、夜の時間を安心して過ごせる場所が都内各所にあることが必要である。また、適切な支援につなげられるよう様々な支援を行っているNPOなど民間団体と連携することも検討すべきである。トー横をはじめ都内各所に、子ども・若者の居場所の設置を進めるべきと考えるが、見解を伺う。

【生活文化スポーツ局生活安全担当局長】

子ども・若者の居場所についてであるが、不安や困難を抱える子ども・若者が将来への希望を持ち、健やかに成長するためには、安心して過ごせる環境の整備等、適切な支援を講じていくことが重要である。

このため、都は、若者に対する相談や居場所事業等を推進する区市町村を支援している。

また、新たに立ち上げる予定の「トー横」の相談窓口において、居場所も提供しているNPO等とも連携し、青少年が安心して立ち寄れる場を提供していく。

こうした取組を通じ、困難を抱える若者を1人でも多く支援できるよう、更なる居場所の確保に向けて取り組んでいく。

⑤ 都営住宅の住宅変更基準の改善について

【質問】

子育て世帯などが入居後、世帯人数が増えた場合などに住宅変更の際の基準を1人当たり面積2.4畳未満としていることについて、都議会公明党はこれまで改善すべきと指摘してきた。住宅変更基準を型別供給基準やあっせん基準と見合うものとすべきである。見解を伺う。

【住宅政策本部長】

都営住宅の住宅変更基準についてであるが、都営住宅への入居は、公平性の観点から公募を原則としているが、入居後に子供の出生等により世帯人数が増加し、1人当たりの居室面積が2.4畳未満となった場合等に公募の例外として別の住戸への変更を認めている。

今後は、住宅ストックの状況を踏まえ、住宅変更基準を建替え時の型別供給基準や新規入居時の通常のあっせん基準と合わせる。これにより、建替えに伴う移転や公募により新規入居する世帯と同じ広さや間取りに住宅変更できるようにする。

こうした取組により、居住者がより安心して都営住宅に住み続けられるように支援していく。

⑥ 医療的ケアでのメニュー別の初期食注入について

【質問】

都立特別支援学校の医療的ケアとして、胃ろうからの初期食注入による給食の提供開始から3年目となり、新たなニーズもあると伺っている。初期食の胃ろうからの注入について、食育の観点から、メニュー別の注入も検討すべきである。見解を伺う。

【教育長】

都立特別支援学校の医療的ケアについてであるが、都教育委員会は、令和3年度から、児童生徒の健康の保持や食育の観点から、初期食の胃ろうからの注入による給食の提供を開始した。

令和5年度からは、初期食を1品ずつ注入することや初期食の経口摂取と胃ろうからの注入の併用等について、モデル事業として肢体不自由特別支援学校10校で実施している。

今後、1品注入や経口摂取の併用等について、医療的ケア運営協議会の専門家や実施校の意見を踏まえ、安全かつ適切に実施するための条件等を検証し、実施に向けた検討を進める。

⑦ 保育人材確保のための処遇改善について

【質問】

保育職の確保と育成は益々重要な課題である。しかし、技能や経験に応じて加算する国の処遇改善の仕組みでは、補助金算定の範囲が限られている。全ての従事者を対象に、都独自に補助し、賃金増を図るべきである。加えて、リモート研修の拡大や代替要員の確保に要する費用などを都が補助し、質の向上に取り組めるよう支援すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉局長】

保育人材対策についてであるが、国は、保育士等の確保及び資質向上を図るため、キャリアアップ研修の受講などを要件に、技能・経験を積んだ職員に対する処遇改善の加算を設けている。

都は、職員が研修を受講しやすいよう、オンライン研修を行う研修実施機関も指定するほか、実施機関に対して、受講料の免除を要件に、研修経費を支援している。

今後、更なる保育の質の向上に向け、職員が研修に参加できる機会を増やすとともに、国の処遇改善の加算対象人数には上限があり、十分な改善に繋がっていない状況を踏まえ、技能・経験に応じた処遇改善が実現できるよう、必要な支援策を検討していく。

医療・福祉施策

① 陽子線治療装置の導入について

【質問】

がんの治療法としては、抗がん剤治療と粒子線治療を併用するなど、がんの種類や進行度に応じて最適な治療法を選択できることが望ましい。小児がんにも有効で、整備費用も抑えられる陽子線治療装置を、集学的治療基盤が整った診療実績が豊富な駒込病院や小児総合医療センターと併設する多摩総合医療センターに導入すべきと考える。知事の見解を伺う。

【知事】

粒子線治療についてであるが、都は、がん対策推進計画において、医療提供体制の充実やライフステージに応じたきめ細かな支援などの施策を総合的に展開している。

粒子線治療は、体への負担が少なく、仕事や学業、日常生活との両立も可能な治療法である。有識者からは、粒子線治療の中でも、小児がんを含め幅広く様々ながんを治療できる陽子線治療装置が望ましい、診療実績が豊富で、アクセスが良く、他の医療機関と連携しやすい拠点病院へ導入すべき、などの意見を頂いている。

都は今後、こうした意見等も踏まえ、令和5年度改定予定のがん対策推進計画と併せて、粒子線治療施設整備計画を策定する。

こうした最先端治療を導入することで都民のがん治療の選択肢を広げ、がんの克服を目指す社会を実現していく。

② AYA世代がん患者の在宅療養支援について

【質問】

40歳未満のAYA世代のがん患者は介護保険が適用されず、在宅サービスを利用する際の経済的な負担や介護する家族の負担が大きい。現在、都内では3区1市で、独自に若年がん患者への在宅療養に係る費用の一部を助成している。都としても、各自治体で在宅療養支援が進むよう、区市町村の取組を支援すべきであるが、見解を伺う。

【保健医療局長】

AYA世代がん患者の在宅療養支援についてであるが、がん患者が住み慣れた地域で安心して療養生活を送るためには、在宅療養環境の充実が重要である。

このため都は、介護保険制度と同様の支援が受けられる仕組みを構築するよう、国に提案要求するとともに、AYA世代がん患者の現状やニーズを調査し、がん対策推進協議会やAYA世代がんワーキンググループで、患者や家族に必要な支援に関し、議論してきた。

こうしたことを踏まえ、区市町村において、AYA世代がん患者の在宅療養環境の充実に向けた取組が進むよう、都としての支援策について検討を進めていく。

③ 盲ろう者支援センターの充実と多摩地域への支援について

【質問】

先天性の盲ろう者・児の支援は検討課題であり、ますます施設の拡充・整備が必要である。また、現在のセンターは都心部にあるが、多摩地域にも支援が必要な盲ろう者・児が少なくない。移動の困難さを考慮し、将来的な多摩地域へのセンター展開も含め、見解を併せて伺う。

【福祉局長】

盲ろう者・盲ろう児への支援についてであるが、東京都盲ろう者支援センターでは、成人である盲ろう者を主な支援の対象として様々な相談や自立に向けた訓練、社会参加のための交流会などを実施している。

一方で、生まれながら重複した障がいを有する盲ろう児は、情報入手やコミュニケーション手段の獲得など盲ろう者とは異なる困難を抱えており、医療、福祉、教育などの関係機関が連携した専門的な対応が必要である。

都は今後、センターにおいて新たに盲ろう児とその家族のニーズにも対応し、乳幼児期から成人まで切れ目なく支援していけるよう、センターの機能の充実と環境整備について検討していく。

また、センターでは、多摩地域に相談員が出張して、盲ろう者やその家族、通訳・介助者、支援関係者などからの相談を受け付けているほか、社会参加を促すための交流会や、点字の読み書きの学習等のコミュニケーション訓練などを行っている。

今後、多摩地域で多くの盲ろう者・盲ろう児やその家族のニーズに対応できるよう、移動の困難さも考慮して出張相談等の実施場所や開催時期を工夫するなど、より効果的な支援に取り組んでいく。

④ 加齢性難聴に対する支援強化について

【質問】

都議会公明党は、現在、包括補助に組み込まれている区市町村が実施主体となる補聴器補助のさらなる支援の強化を求めてきた。高齢者の健康増進は大きな社会的課題であるので、都は単独補助化に踏み切るとともに、補助基準額の設定はある程度の機能の高さの補聴器の購入を想定した金額に設定すること、加齢性難聴の早期発見に必要な聴覚検診では補聴器相談医が在籍する医療機関が不十分な自治体に補助を実施すべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉局長】

加齢性難聴に対する支援についてであるが、加齢性難聴は早期発見・早期対応が重要であることから、都は、区市町村が高齢者への補聴器支給等の事業を地域の実情に応じて柔軟に実施できるよう、包括補助により支援している。令和4年度の補助実績は15自治体であり、事業内容は自治体によって様々である。

現在、区市町村や専門家など関係者の意見も聴きながら、補聴器の適切な利用につなげるために必要な支援など、効果的な施策の実施に向けた検討をしている。

今後、補聴器の利用を希望する方が、お住まいの地域にかかわらず、加齢性難聴の状態に応じた性能の補聴器への支援や、利用に際して必要な支援を受けられるよう、補助の仕組みを検討するなど施策の充実を図っていく。

高齢者施策

① 介護職員の処遇改善について

【質問】

介護人材の不足や早期の離職が深刻である。都はこれまでも、国に大都市加算の強化を求めてきたが、物価高などを踏まえ、介護職場で働く全ての職員を対象に緊急の補助金を都独自でも支給していくべきである。加えて、宿舎借り上げ補助金の使い勝手の改善を進め、4年間の適用制限などを撤廃し、緩和を図るべきである。併せて、見解を伺う。

【福祉局長】

介護職員の処遇改善についてであるが、人件費や物件費が高い傾向にある大都市特有の課題が介護報酬に反映されていないことから、都は令和5年10月、国に対し、事業者が介護人材の確保・育成・定着を図ることができる報酬とすることを緊急提言している。

これまで、介護職員の確保に向け、都独自に奨学金の支給や介護職員の宿舎借り上げに取り組む事業者を支援するなど、様々な取組を行ってきた。

昨今の物価高騰の影響下で人材の獲得競争が激化しており、介護職員の確保は喫緊の課題である。

今後、次期高齢者保健福祉計画の策定に向けた実態把握や議論も踏まえ、介護職員宿舎借り上げ支援事業の要件の緩和を含め、施策の充実を検討していく。

② 訪問介護事業者への支援について

【質問】

低賃金はもとより、肉体的負担に加え、カスハラなどにより、訪問介護を担うヘルパーの人手不足が危機的な状況である。今後、増え続ける高齢者の在宅生活を支えるため、訪問介護の事業者や職員への支援を強化すべきであるが、見解を伺う。

【福祉局長】

訪問介護事業者への支援についてであるが、訪問介護は、高齢者が地域で安心して暮らすために必要なサービスであり、その担い手の確保が重要である。

都は、多様な人材の参入促進を目的とし、職場体験や資格取得のほか、働きながら介護職員初任者研修等を受講することなどを支援してきた。令和4年度からは、未経験の求職者等を対象に、インターンシップから就業・定着までを一貫して支援する取組も実施している。

これらの取組は、訪問介護事業所への就業にもつながっており、今後、訪問介護人材の更なる確保・定着・育成に向け、未経験者を雇用する訪問介護事業所への支援など一層の取組を検討していく。

③ 外国人介護従事者の受入支援について

【質問】

人手不足が深刻化する中で、活用が期待されているのが外国人人材である。今後、都内でより多くの外国人に円滑に活躍してもらえるよう、特に、コミュニケーション面や居住面での支援を充実していくべきと考えるが、見解を伺う。

【福祉局長】

外国人介護従事者の受入支援についてであるが、都は、外国人介護従事者の円滑なコミュニケーションを支援するため、介護施設等に対し、日本語学習や異文化理解の学習に必要な経費や多言語翻訳機の導入のための経費を補助している。

また、介護施設等が留学生を雇用し、居住費を支給する場合に補助を行っているほか、介護職員宿舎借り上げ支援事業により、外国人介護従事者の受入れに取り組む事業者を支援している。

今後、介護施設等で外国人介護従事者の円滑な受入れが進むよう、支援の充実について検討していく。

④ シルバーパスの充実について

【質問】

都議会公明党は、高齢者の社会参加と福祉の向上において、シルバーパスの果たす役割の大きさを踏まえ、これまで事業の継続と充実を都に要望してきた。シルバーパスは、現在、住民税非課税者は費用負担が1,000円、課税者は20,510円となっているが、住民税課税者も非課税者と同等の安い費用負担とすべきである。未来の東京戦略ビジョンにおいてChoju(長寿)が世界共通語になっているとして、健康長寿社会・東京モデルを作り上げるとしていることも踏まえ、シルバーパスの充実を図るべきである。知事の見解を伺う。

【知事】

シルバーパスについてであるが、シルバーパス制度は、高齢者の社会参加を助長し、高齢者の福祉の向上に寄与しており、多くの方に活用されている。

現在の制度となってから23年が経過し、交通事情を巡る環境が変わるとともに、対象となる高齢者は約2倍に増加するなど、制度を巡る状況は変化している。

こうした社会状況の変化の中、制度の検討に当たっては、利用実態の把握や事業主体である東京バス協会との調整など、整理すべき課題があると認識している。

⑤ シルバー人材センターによる就業支援について

【質問】

働く意欲のある高齢者のニーズにも対応できるよう、民間企業での就業をより一層進めていくために、多くの就業機会の確保に向け、シルバー人材センターの取組を強化すべきと考えるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

シルバー人材センターによる就業支援についてだが、シルバー人材センターが、働くことに意欲を持つ高齢者に対し、その経験を生かし活躍できる仕事を適切に提供することは重要である。

都内各地のシルバー人材センターは、高齢者に対し、社会とのつながりや生きがいを持つことができるよう、地域で役立つ短期間の仕事等の提供を進めてきた。

今後、高齢者が現役時代に培った力を発揮し、多くの収入の確保にも役立つ仕事を増やすため、民間企業からの受注の拡大を後押しする。このため都は、シルバー人材センターを支援する東京しごと財団と協力し、適切なサポートを進める。

産業・労働施策

① カスタマーハラスメントへの対応について

【質問】

顧客などから理不尽な要求やクレームを突きつけられるカスタマーハラスメントの対策は、全国最多の従事者と顧客を抱える都が対策を急がなければならない。都は条例制定に早期に着手すべきであるが、知事の見解を伺う。

【知事】

カスタマーハラスメントへの対応についてであるが、製品を買い求める顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできない。

このことは学校や警察など、公共サービスを提供する現場でも例外でない。都では、こうしたハラスメントをテーマに公労使会議を開くとともに、現在、専門家等による検討の場を設け、具体的な対応の方法について議論を進めている。

こうした問題の解決に当たり、「顧客満足」と「働く人の心身の健康」が並び立つことが不可欠である。

今後の議論の内容を踏まえ、適切な対応のあり方について検討していく。

② 働き方改革に関する契約上の対応について

【質問】

働き方改革関連法による時間外労働の上限規制が、令和6年4月から、建設や物流事業者においても適用される。実作業時間の厳格化に応じた作業単価や工期の割増し等、これまで以上の積極的な対応が必要である。そこで、工期適正化、単価増、契約変更対応増等の想定を踏まえた余裕ある予算編成、契約変更の申出への対応と事後的に判断の妥当性を検証できる仕組みづくり、及び分離分割発注の徹底とそれを可能にする工事監督員の養成を急ぐべきである。建設業の働き方改革を進める観点から積極的に対応するべきだが、見解を伺う。

【財務局長】

働き方改革に関する契約上の対応についてであるが、都は、令和6年度予算の見積方針において、物価高騰分を予算に反映するため、物価上昇による所要額はシーリングの枠外とし、個別の工事予算の見積りに当たっては、スライド条項による契約変更や働き方改革に資する週休二日工事対応費を見込んだ額を見積もるよう指示した。

また、今後、契約に係る受注者とのやり取りは、書面で行うことを徹底するよう改めて庁内各部署に周知するとともに、分離分割発注の重要性を踏まえ、契約実務者を対象とした研修を通じ具体的事例を共有するなど、更なる意識の浸透を図り、取組を一層徹底していく。

建設業の働き方改革の実現に向け、業務効率化や民間との協働を通じた執行力の強化を図りながら、今後とも発注者としての責務を果たしていく。

③ 技術系職員の人材確保について

【質問】

建設局の出先機関の現場では、たとえ予算が付いたとしても、実際には予算が執行されないケースや契約不調となるケースも多く、その理由の1つに、技術系職員の不足が挙げられている。都政の諸課題解決に向けた都市インフラ整備を現場で推進する都庁の技術系職員の人材確保には早急に取り組むべきである。知事の見解を伺う。

【知事】

技術系職員の人材確保についてであるが、複雑・高度化する都政課題に対応するには、激化する人材獲得競争の中でも、多くの志ある技術人材を着実に確保していくことが不可欠である。

そのためには、魅力ある都庁の実現に向けた働き方改革の推進や人事給与制度の見直しはもとより効果的な採用手法を取り入れていくことが重要である。

今年度は、技術系職員の受験機会を拡充したほか、試験合格後に多様なキャリアの選択を可能とする採用制度を導入した。

また、更なる受験者拡大のため、民間希望の学生が受験しやすい適性検査の導入に向け準備を進めている。

早期化する学生の就職活動状況や活発化する民間転職市場の動向に対応した採用制度を構築するなど、常に柔軟な発想とスピード感を持ち、未来の都政を担う技術人材の確保に取り組んでいく。

④ 建設や物流等の事業者の働き方改革について

【質問】

建設や物流等の中小企業が賃金増への社会的要請や物価高への対応に加え、労働時間の削減などを図る場合には、それに要する設備改善や機器導入を、通常よりも補助の枠組みを強化して、力強く支援していくべきであるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

建設や物流等の事業者の働き方改革についてであるが中小の建設や物流等の分野で、令和6年度より時間外労働に上限規制が適用されるため、職場での働き方を見直す上で生産性を高める取組が必要となる。

これまで都は、こうした業種の中小企業に対し、職場の働き方の見直しや、法令改正の内容等の知識を提供するセミナーを実施している。また、中小企業に専門家を派遣し、働き方改革に役立つ助言も行っている。

時間外労働に係る規制導入に対応するため、今後、倉庫内の品物を自動でトラックに積む機械の導入など業務効率の向上と省力化に役立つ取組への支援に力を入れる。

これにより中小企業の支援を着実に進める。

⑤ 求職者や従業員のスキルを高める支援について

【質問】

様々な職種や業種で人手不足が一層深刻化する雇用のミスマッチが課題である。ミスマッチの解消には、スキル、経験の乏しい分野へのキャリアチェンジを後押しする都の支援が重要であり、トライアル雇用などに中小企業が取り組みやすくなるための支援を強化すべきである。また、資格の修得を通じたキャリアアップによる安定雇用の推進を図る意味でも能開センターの活用を進めるべきであるが、併せて見解を伺う。

【産業労働局長】

求職者や従業員のスキルを高める支援についてだが、求職活動をする方が希望する仕事のスキルを学び新しいキャリアを築けるよう支援することは必要である。

これまで都は、人手不足が続く会社等に求職者が派遣で働き正社員を目指す取組を支援してきた。今後は、これまでより幅広い分野での就職をきめ細かく支援する取組に力を入れる。

また、ものづくりの中小企業において社員の技術や技能の力を高める取組は重要である。このため、職業能力開発センターが地域の町工場等と連携し、ものづくりの作業に従事し間もない社員のスキルアップを後押しする。

これらにより中小企業の人材の確保と育成を支援する。

⑥ 女性が活躍できる職場づくりについて

【質問】

女性活躍の推進のためには、キャリアチェンジやキャリアアップが重要である。女性の就労に必要な施設整備への補助金について、普及を図るべきである。加えて、女性の管理職への登用は、女性の就労希望者の拡大につながる大事な取組であり、支援が必要である。併せて見解を伺う。

【産業労働局長】

女性が活躍できる職場づくりについてであるが、中小企業で女性の社員が増え、マネジメントの担い手として力を発揮できるよう、職場の環境を整えるとともにその活躍に向けた気運を高めることは重要である。

これまで都は、中小企業の事業所で女性のための更衣室やトイレなどの施設を整備し、その採用を進める取組を支援してきた。こうした支援について、今後、企業との繋がりを持つ職業能力開発センター等においても内容の周知に力を入れる。また、都では、女性の社員や管理職を増やすためのセミナーや相談を行っている。今後、これに加え女性活躍への経営者の理解を広げる取組のほか女性の昇任のプランをつくる会社への支援を推進する。

⑦ 農業を体験できる農園を増やす取組について

【質問】

新たな農業の担い手を確保し、生産緑地の保全につなげるため、生産緑地を貸借して、農業体験農園を開設する自治体や民間事業者に対し、農地の造成費や農業用機械の購入費などを支援すべきであるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

農業を体験できる農園を増やす取組についてであるが、東京の農業振興に向け、生産緑地を借り上げ、多くの方に作業を体験する場を提供し、新たな担い手の確保などに結び付ける取組を広げることは重要である。

これまで都は、生産緑地を借り上げ、農園を作り、都民に対して、農業を体験し作業の方法を学ぶ機会等を提供してきた。

今後は、地元の自治体や民間の事業者が生産緑地を借りて農園を開設し、地域の住民の利用につなげる取組に係る整備等へのサポートに力を入れる。

⑧ デジタル技術を活用した農業の推進について

【質問】

東京農業の振興には、限られた農地を有効活用し、収益の増進を図るDX等を用いた作業効率の向上が効果的である。スマート農業と総称される最新技術を活用した収益力の向上などの取組の普及が進むよう支援すべきであるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

デジタル技術を活用した農業の推進についてであるが東京の農業者が最新のデジタル技術を使い、生産性を高め経営力の向上を実現できるよう、後押しすることは重要である。

これまで都は、民間企業等と連携し、DXを活用し、ビニールハウス内の室温等の環境を調整するシステムのほか、数多くの品目の栽培を効率的に管理するアプリの開発等を行ってきた。

こうしたDXを用いたシステム等について、今後、農業者の現場の状況に応じた効果的な導入を支援する仕組みづくりを進める。

これにより、東京農業の振興を図る。

⑨ アニメ産業における人材の育成等について

【質問】

日本のアニメは世界に誇れるコンテンツ産業であるが、収入が低い現状である。低賃金のアニメーターのスキルアップを支援し、賃金アップにつなげていくべきである。また、10月31日にグランドオープンしたアニメ東京ステーションで次世代のアニメーターを確保するような取組を実施するべきであるが、併せて見解を伺う。

【産業労働局長】

アニメ産業における人材の育成等についてであるが、アニメを制作する会社で働く方のスキルを高め、賃金引上げ等の処遇改善に結び付ける取組は重要である。

このため都は、アニメの画像を最新のデジタルの技術を用い作り上げる様々なノウハウを学ぶためのプログラムを実施している。今後は、この課程を修了した方に定期的なフォローアップを行い、職場への定着を支援する。

また、将来の担い手を増やすため、アニメへの関心を幅広く紹介することは必要である。都は、新たなアニメの拠点でセル画を作る様子に触れるほか、ワークショップで画像を作る機会を提供し、仕事の魅力を伝える工夫を行っており、こうした取組に力を入れていく。

⑩ アニメ関連の事業者の取引の適正化について

【質問】

アニメーターの賃金アップには、フリーランスや中小零細のアニメ制作会社など下請業者の取引適正化が重要と考えるが、都の見解を伺う。

【産業労働局長】

アニメ関連の事業者の取引の適正化についてであるが中小の事業者が適正な取引を通じて業務を安定して継続するための下支えは重要である。

このため都は、中小企業振興公社に専門組織を設け、企業同士の受発注に係る相談への対応を行うほか、専門家が現場を巡回し取引の適切なルール等を伝えている。

また、フリーランスの方が適切な条件で仕事を受けることができるよう、相談窓口により、契約等に関する正確な知識を入手する後押しを行っている。

今後は、こうした支援内容について、アニメの制作を行う中小零細事業者に対し、関連団体を通じ確実に伝え利用を促す。

環境施策

① 水素の利活用の推進について

【質問】

エネルギーの脱炭素化を目指し、各業界で水素の活用が模索され始めた今こそ、都は民間の後押しに戦略的に取り組むべきである。持続可能な水素社会の実現に向けた取組について、知事の見解を伺う。

【知事】

水素の利活用の推進についてであるが、東京でのゼロエミッションの実現に向けて、脱炭素の新たなエネルギーである水素の活用を広げることは不可欠である。水素利用が見込まれ、優先した対応が必要な分野での戦略的な取組が必要だ。

東京では、水素で動く車両が身近となり、燃料を供給するステーションも増えつつある。こうした水素のモビリティの普及を加速していきたい高温が必要な設備でものづくりを行う工場で、熱を新たに水素で生み出す取組を支援する。

事業所内で再エネにより作り出す水素を蓄え、必要に応じ電気に変え利用する技術開発も後押しする。これらの活用を支えるグリーン水素の確保を海外都市との連携などにより実現するほか、新たにつくり上げる取引所を通じ、需要家に着実に渡す仕組みの確立を目指す。

これらにより、水素エネルギーを様々な分野で活用する社会をつくり上げていく。

② 燃料電池で動く車両の普及について

【質問】

モビリティ分野での水素の活用に当たっては、燃料電池車やEVなどの車両の特徴を踏まえた施策の展開が重要だと考えるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

燃料電池で動く車両の普及についてであるが、脱炭素社会の実現につながる水素エネルギーの普及に向け様々な種類の車両でその利用を図る事は重要である。

これまで都は、燃料電池を搭載した乗用車やバスのほか、小型のトラックの導入を支援している。

また、令和5年度から、水素エネルギーで動くフォークリフトやごみ収集車の導入のサポートも開始した。

今後、燃料電池を搭載した大型トラックの導入が見込まれる中、こうした動きも踏まえ、多様なモビリティでの水素の利用の後押しに力を入れる。

これらの取組により、水素の利活用の円滑な普及を推進する。

③ 海洋生態系により炭素を吸収するブルーカーボンの推進について

【質問】

新たな技術によるブルーカーボンを東京湾に実装し拡大すれば、東京湾の環境と生態系を回復し、ひいては温暖化防止にもつながると考える。CO2の新たな吸収源としてのブルーカーボンの意義を「ゼロエミッション東京」に位置づけ推進するべきであるが、見解を伺う。

【環境局長】

ゼロエミッション東京におけるブルーカーボンの位置づけについてであるが、CO2排出実質ゼロの実現に向け、省エネの深掘りと再エネの基幹エネルギー化により排出量を最小化した上で、なお残る排出量を森林吸収や革新的技術開発などにより、相殺していく必要がある。

東京は広い海域を有し、沿岸部の藻場等に生息する水生生物は水質浄化に加えてCO2の新たな吸収源として期待される。現在、国においては、海洋生態系の生物を通じて吸収固定された炭素をブルーカーボンと定義し、吸収量の算定方法の確立等が順次進んでおり、今後、国による吸収源対策での活用に向けた動向を注視していく。

④ 中小企業の脱炭素化の支援について

【質問】

都議会公明党は、これまで室外機などからの排熱抑制を通じたヒートアイランド対策の進展を求めてきた。中小企業が集積する東京の特性を踏まえ、排熱の有効活用やサプライチェーンの枠組みを活用した脱炭素化の取組を力強く支援していくべきと考えるが、見解を伺う。

【産業労働局長】

中小企業の脱炭素化の推進についてであるが、東京の脱炭素化を進める上で、都内に数多くの工場が集積する状況に適切に対応することは効果的である。

これまで都は、中小のテナントビルに脱炭素に役立つ高効率の空調設備等を導入する後押しを行ってきた。

今後は、工場の設備で排出する高温の熱を他の工程で再利用し、電気の使用を減らす取組の支援も進める。

また、都内で操業する工場の間では、受発注のためのサプライチェーンができている。こうした仕組みに加わる中小企業が協力し設備導入等を進め、一体的に脱炭素化を図る取組の後押しに力を入れる。

スポーツ施策

① 世界陸上・デフリンピック大会のガバナンス確保について

【質問】

東京2020大会の談合事件等に関わり、指名停止された企業が停止前のように大会に関われるのは都民の納得が得られないと考える。大会の準備運営を進めていくに当たって都民の信頼が得られるような方策を取るべきと考えるが、見解を伺う。

【生活文化スポーツ局長】

大会準備における都民の信頼を得る方策についてだが、両大会の運営組織は、都のガイドラインを踏まえ、外部委員を含む契約調達委員会による契約手続のチェックなど、ガバナンス確保に向けた取組を進めている。

都は令和5年11月、有識者会議に取組状況を報告し、両大会ともガバナンスが適切に確保されているとの意見を頂いた。

一方、都は、過去に指名停止を受けた事業者に対し、業務委託等における総合評価方式の契約において、当該事業者の評価を減じる仕組みを導入する。両運営組織でも、国際大会を取り巻く状況を踏まえ、仕組みをより厳正に構築するよう、ガイドラインに基づき求めていく。

両大会が新たな国際大会のモデルとなるよう、都は、引き続き、取組状況を確認し、サポートしていく。

② デフリンピックを通じた共生社会の実現について

【質問】

ホスト国にふさわしい競技参加と運営体制の確保、国際手話など異なる手話間の通訳の充実、大会への機運向上と相互理解の深化の3つの視点を踏まえ、デフリンピックを尊重し合う共生社会の実現につながる大会とすべきと考えるが、見解を伺う。

【生活文化スポーツ局長】

デフリンピックを通じた共生社会の実現についてだが、今般策定した基本計画では、デフアスリートなどの意見も踏まえ、デフスポーツの価値発信や、ろう者の文化への理解促進などを掲げた。

このため、より多くの競技で出場資格を満たし、日本選手の活躍を発信できるよう、選手・競技団体支援の充実を検討する。また、円滑な競技運営やコミュニケーションに必要な国際手話人材の配置も検討していく。さらに、子供を含めた幅広い世代が手話に親しめる動画を制作・活用するなど、ろう者の文化を広く発信していく。

こうした取組を障害当事者とともに進めることで、誰もが尊重しあう共生社会の実現に貢献していく。

交通安全対策

【質問】

「ペダル付原動機付自転車」は、ペダルを使い自転車として走る場合でも原付免許が必要で、ナンバープレートを取りつけ、ヘルメットを着用し、かつ車道を走行する必要がある。

昨今は、ナンバープレート不装着の上、歩道をも通行し、歩行者が非常に危険な状態にさらされている。歩行者の安全を最優先とし、利用者への法令遵守や販売事業者等への働きかけなどとともに、取締りを強化すべきと考える。「ペダル付原動機付自転車」に対する交通安全対策について、警視総監の見解を求める。

【警視総監】

ペダル付原動機付自転車に対する交通安全対策についてであるが、当該車両が自転車ではなく、運転免許を必要とし、ヘルメットの着用が義務付けられるなど、いわゆる「バイク」の交通ルールが適用されるべきものであることから警視庁では、ホームページや各種キャンペーン等を通じた情報発信のほか、販売業者への働きかけ等に取り組んでいる。

また、無免許運転や歩道通行などの悪質・危険な違反行為に対する指導取締りを徹底することとしている。

引き続き、利用者や販売業者に対する交通ルールの周知をはじめ、歩行者の安全確保に向けた取組を一層推進していく。

小笠原振興

① 小笠原における住宅政策について

【質問】

所得制限がなかった返還小笠原住宅の建て替え完了で所得制限が設けられるため土地を販売する予定だが、資材高騰で住宅建設ができないため、島の中での住み替えが進まず、新たに移住しようと考えている若い人も受け入れることができない。都は、小笠原で公的住宅の供給に努めているところであるが、小笠原村全体の今後の自立的発展を見据えて、総合的に対策を講じていく必要がある。見解を伺う。

【住宅政策本部長】

小笠原における住宅政策についてであるが、国境離島で豊かな自然環境などを有する小笠原村の自立的発展のため、定住促進を図ることは重要である。

都は、旧島民の帰島促進などを目的として建設した小笠原住宅について、国と協議を行い、定住促進を目的に加え、村と合意の上で建替えを進めることとしている。

また、小笠原では民間によるファミリー向け賃貸住宅の建設が進まないことから、都、村及び東京都住宅供給公社が連携の上、先導的事業として父島において賃貸住宅を建設し、整備や管理面などの検証を行っていく。

今後の小笠原村全体の住宅政策については、こうした公社住宅の取組の検証も踏まえながら、村と緊密に連携し、課題解決に向け取り組んでいく。

② 小笠原航空路について

【質問】

航空路開設は島民の長年の悲願である。小笠原航空路協議会による検討や、都による様々な調査が行われているが、引き続き航空機の開発状況を注視し、自然環境と調和のとれた小笠原空港の早期開港を目指すべきである。知事の見解を伺う。

【知事】

小笠原航空路についてであるが、小笠原航空路の開設は、村民の皆様の切なる願いであると承知しており、島民生活の安定と、国境離島である小笠原諸島の自立的発展、さらに住民の安心・安全を守るという観点からも極めて重要である。

都は、より実現性の高い洲崎地区に絞り、集中的に調査を実施している。飛行場の配置や構造などの検討を進めるため、運用可能な開発中の2種類の航空機に関する詳細な情報を収集するとともに、風速等の気象観測データなどを取りまとめている。

世界自然遺産である小笠原では、貴重な自然環境への配慮が必要であり、ユネスコ等の発行したガイダンスが求める外来種対策や環境影響評価に向けた準備を行うとともに世界自然遺産の周辺地域も含め、環境に関する調査を行っている。

今後とも、国や小笠原村とも緊密に連携し、貴重な自然環境と調和した航空路の早期開設に向けて検討を深めていく。

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